古いAOの鼻パッドを交換しました。これもカシメタイプとか、はめ殺しタイプとか呼んじゃっていますけど、留め方はちょっと異なっています。径の小さいリングをはめ込んで留めています。初めて、リングだけ上手く外れました。外れても、交換パーツが無いので何とも使い道が無いのが残念です。
いまのメガネ業界の汎用品は、芯金ごと潰して留めるタイプしかありません。
22.09.11
古いAOの鼻パッドを交換しました。これもカシメタイプとか、はめ殺しタイプとか呼んじゃっていますけど、留め方はちょっと異なっています。径の小さいリングをはめ込んで留めています。初めて、リングだけ上手く外れました。外れても、交換パーツが無いので何とも使い道が無いのが残念です。
いまのメガネ業界の汎用品は、芯金ごと潰して留めるタイプしかありません。
22.06.22
こっちになると、気合レベル8くらいです。ひたすら時間を掛けて磨くのみです。
捨てずにとっておくと、良いことあるかもですね。さすがにこの感じですと、バフだけでは光沢が見込めないのであの手この手です。
22.06.22
フランスのヴィンテージのお持ち込み。もともと、フランス物は生地が固い印象でして、使用済みになりますと、も一つ固いですね。バッファローホーンの枠入れに近い感じでした。度無しから度付きに交換の依頼でした。
枠入れ前に磨きも行なっています。これくらいだと気合レベル2くらいです。
21.12.15
USSのお持ち込み。AOロゴでした。
そういえばですけど、AOはレッドドットという特殊な蝶番とネジを推していました。レッドドットは、1958年以降です。つまりベトナム戦争前です。緩みにくい、フロントとテンプルが離れて何処かにいかない新機構は、割とメンテが行き届きにくい戦地に向いてそうですけどね。メガネはとにかくコストを抑えてって感じだったんでしょうね。レッドドットでは無い、素朴なメガネです。
最後、前回ブログのモダンタイムズよりレッドドットネジを載せておきます。こうやって比較しますと、同一メーカーのほぼ同じ時期のセルですけど、処理の具合の差がよく分かりますね。
21.12.15
修理でした。エクストリームな壊れ方をしていまして、ごっそり抜け落ちています。まずは工場で肉を盛ってもらい、磨き等の調子とりはこっちで行うことに。
骨が見えなくなりました。綺麗でいい感じに直っています。
磨きは店で。ブリッジとリムの下側をガリッとやっちまっていたので、まずは棒ヤスリで面を整えました。
あとは、サンドとバフで仕上げます。リベットもガリガリだったので、どれくらい傷を落とすのか迷いましたが、元の凹凸が判別できる程度にしました。3割くらいは傷が残っています。
AOのモダンタイムズでした。
21.10.03
クラウンガラスの事例として。
アーネルのお持ち込みです。クラウンガラスを入れるということだったんですけど、球面(s)と乱視(c)の合算で-8.00くらいで、cは-2.00以上です。そもそもレンズ作れるのか問題がありまして、そこから確認です。
フラットガラスの製作範囲外なら製作可能ということで、クリアのノンコートで作りました。製作範囲外なら製作可能という意味不明な日本語を書きましたが、業界あるあるでして、レンズの製作表に載っている範囲を超えて作れる場合がありまして、それを範囲外製作と呼びます。限界を超えるみたいな感じですね。どのレンズでも行える訳ではないので、要相談です。
今回のレイアウトはかなり理想的でして、pd≒fpd且つレンズ幅40ミリです。眼とフレームの条件としては、マックスに近いレベルで薄く仕上がる良いものです。そこで屈折率1.52・アッベ数59のレンズを入れてみて、組み上がった重さがどうなるでしょうか、というところが問題です。
ガラスでこの度数でもこんな感じかぁ、予想よりは軽いというのが取り敢えずの所感です。cの軸はともに180度でして、上下に合算の-8.00が来ます。それでこれなら大丈夫そうです。
右レンズの下側。縁厚で3.5ミリ程です。
やっぱりカッコいいですね。
21.09.27
この写真の状態にするまでに、2日くらいかかっています。傷の凹凸が激しいので、紙ヤスリ当てる前に、棒ヤスリで表面を整えつつ形と面を決めて、そこから紙ヤスリとバフ磨きです。
棒ヤスリとサンドでこんな感じになります。面が多いので難しかったですね。難しいんですけど時間はさほどかからずでして、次工程の紙ヤスリが毎度のこと時間がかかります。粗さで3段階に分けてひたすら紙ヤスリで擦ります。
間の番手を撮り忘れました、1段階目と3段階目を載せました。粗でどれだけ綺麗にするかが、つるつる光沢面になるかならないかの分かれ道です。粗がしっかりしていれば、間の番手も仕上げも、満遍なくなぞることを意識すれば良いだけです。
トップの画像が、これです。バフも粉と布の硬さを変えて磨き分けます。バフのときに、ヤスリの丁寧さが出てきまして、バフだけで何とかしようとすると、生地表面が熱を帯びて緩くなり、バフの布目が残りがちです。生地を磨いて何十年みたいな方でしたら、バフ作業ををもっと細かく分けて接地圧や接地時間も粉の粗さや布の硬さごとに分けて、より短時間で綺麗にしていくと思いますが、眼鏡屋レベルの設備と腕では、無難に時間と努力で失敗しにくい方法で詰めていく方が良いと思いまして、今もこんな感じで綺麗にしています。
21.09.26
工場は、使える状態にまで戻してくれます。すごいです。
左右のテンプルの肉付けをしております。透明の樹脂しかないので、えぐれが多い左テンプルは、やや修理箇所が目立ちます。
あとは、フロント側のコマは結局ダメだったらしく、交換で再埋め込みしてもらっています。
ここから先が私の仕事になります。形にはなったので、あとはひたすら綺麗にするだけです。
21.09.26
年一回くらいあります。眼鏡が車に轢かれた案件です。
金具がグニャっといっちゃってて、まずそれを戻して畳みが正常になるようにするまでが一苦労でした。結構な破損に見えますが、レンズ周りが切れていなければ何とかなります。金具は使えなければ、再度埋め込みをしてもらえるので、これは直ります。
一旦、工場送りです。
21.09.13
特に何も書かなかったら、パッと見でフランスのヴィンテージかなーとか、そんな印象を持たれるでしょう。カッコいいですよね。
お持ち込みだったんですけどコレ、現行品です。バッファローホーンのオーダーメイドです。
こういう状況なので、オーダーメイドといいつつオンラインであれこれ条件を指定して作ったみたいでして、仮縫いみたいなのが無くていきなり完成品という感じらしいです。ということで私の出番です。
鼻パッドがロケット型で、目頭に刺さるみたいなのでそれを直しました。
ちなみにこれ、タイ製です。こういう状況ですしなかなか海越えられないので、いきなり完成品ってなってしまったみたいです。今まで見てきたヴィンテージの再現品の中で、一番再現性が高くて尚且つカッコ良かったです。ビビりました。