カテゴリー:修理とメンテ

のりました
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20.03.30

現行のウェイファーラーですが、鼻盛り出来たり出来なかったり。定番のカラーは、インジェクションで作っているっぽくて、素材から異なり、鼻盛り出来ないこともありました。今回は、フロントからチラ見えしているそれが、新規の鼻盛りです。ちゃんとのりました。これで、上手く掛かるはずです。

もし、茶色の生地の部分がアセテートとかではなく、溶剤が反応しなかったら…という一抹の不安がありましたので、元の鼻パッドの透明部分を0.2ミリくらい残して、そこにのせました。

本日の成果
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20.03.23

鼻の削りが鋭く入っており、鼻盛りのパッドを乗せる平面がない場合の取付例です。斜面に取り付けています。寄せて上げたいので、パッドを改造して融着です。

要は、赤線のように削り落として、パッドの角度の調節と、斜面に接地するようにします。

有色フレームであれば、足の取付でもいいかなーと思っちゃいます。クリアフレームであれば、極力こんな感じに仕上げたいものです。

実践編
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20.03.16

今も昔も、ウェイファーラーの角度どうする?問題というのがありまして、この度、失敗覚悟で傾斜を目一杯取ることにチェレンジしてみました。そのご報告です。一応成功はしております。

アジアンフィットやら極東モデルやら、角度や鼻幅を気にかけたタイプも販売しておりますが、何だかんだ通常の15度くらい傾斜のついたタイプもちゃんと見かけます。通常タイプのこの角度が良いんだよね的なことも分かりますけど、おそらくその方は頬に乗っかることが気にならないひとだと思われます。それが気になる、掛け心地も美観も含めてとなりますと、やはり傾斜は取り除かなくてはなりません。

一般的なアプローチとしましては、温めて蝶番を起こすことで、傾斜を減らします。ただ、これが思った以上に起き上がってきません。温め過ぎると、蝶番がガタつきますから、温め不足になりがちです。その結果レンズカーブに従って、元に戻りやすいです。

ということで通常の欧州ウェイファーラーに、不可逆な極東の魂を注入していきます。それが、今回の新ネタです。

手前:術前 奥:術後

先に結果の写真を。レンズ周辺、蝶番周辺を温めずに、大体10度くらいはテンプルを起こせたと思います。奥のテンプルの印字が露わです。それくらい起こせました。

物理的な、単純なイメージから出発するだけです。金具から矢印のように捻りの操作を施して、コマを水平近くに起こします。

順調と思いきや、フロントとテンプルを合わせたときに不具合が生じます。コマが同軸では無くなり、ネジが奥まで締まっていかないという問題です。写真の赤丸のなか、特に最後のコマが外れやすいです。

なので、ここからが新ネタです。ネジ穴切り直してみました。そうすれば、コマパーツは揃っていなくても、ネジ穴はしっかりと締め上げられます。コマがはち切れることもなく、無事に貫通しております。樹脂ネジで、ガタつきも防げました。

角度の除去は成功しましたが、蝶番の合わせがやや不安です。上の半分のみで接するようになりますから、割れやすいかもです。こればっかりは仕方がありません。コマを整え全面で当たるようにすれば、側頭幅が開き過ぎてしまいます。

畳みで比較すると、判然とします。

金属部分を曲げています。これなら時間経過で傾斜が戻ることも無く、ある程度の装用感の向上が期待できそうです。

後はレンズを取るんですけど、毎度毎度あまりにもパツパツで外れず。指が火傷気味なので明日にします。

大当たり
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20.03.10

素性が分からないということで持ち込みがありましたが、見事にべっ甲でした。

見分ける手掛かりは沢山ありますけど、磨き切った時の光沢も、やっぱり他と違いますね。いつもアレみたいだなと思います。輪切りのオレンジとかが載ったケーキに被さるコーティングのあれです。変な表現ですし、いまに限った事ではないんですけど、光沢が乾いていない感じがします。セルロイドとの違いは、それが表面だけなのか内奥まで続くのかという感じです。でも私も、格付けチェック的に無記名の状態で並べて当てたことは無いので、やや信憑性に欠けます。

あとは、磨くと確実に分かります。独特な匂いがあります。正しくないかもしれませんが、いつも亀臭いなと思って磨いています。是非みなさんも、本物に出会った時は嗅いでみてください。削りカスが亀臭いです。

中古でお持ち込み。鼻部分に使用感が強くあって、シワが入っていました。その部分だけでもべっ甲の気配が漂っているなと、アテを付けられます。

磨いても使い始めたらすぐにシワが入り始めると思いますが、シワの除去も依頼に含まれておりましたし、気持ちは分からなくもなくて一回はピンピンに戻したいとは思うでしょうから、本気出して鼻部分のくすみを取り除きました。と言うと、いつも本気出してないみたいになっちゃうので、本気の中の本気を注いでみました。

微妙な規格の差
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20.02.19

向かって左は新品のパッドです。右は、サヴィルロウに付いていたパッドです。ヒルトンやアルガの名義のときは、抱きタイプではなくて、はめ殺しのタイプがついています。

持ち込んで頂いた時の状態です。溝が浅くて、パッドが脱落しています。

パッド足が閉じきっています。硬くて、なかなか開きません。力を込めると、プラチックのパッド部分に亀裂が入りそうです。

汎用品では、冒頭の通り幅が広すぎて足を閉じても留まりません。手が無いなあどうしようかなあと一晩寝たらピラメキました。それが上です。簡単なことで、カッターで切り込んだだけです。

あとは足同士を強く閉じれば終了です。パッドが黄ばんで交換となると、パーツを探すなりなんなり考えないといけませんが、一旦これで解決しました。

磨き不可でも
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20.02.18

セルでもアセテートでも無い、でもインジェクション系でもなさそうな、第三のアレでしたね。

磨くと溶けやすいので磨き不可扱いなんでしょうけど、やろうと思えばやれます。磨いて削るというより、やはり表面が溶けているっぽいんですけど、ブラシとか粉とか回転とか接地圧とかあれこれ試行錯誤すると、丁度良いところが見つかります。

パーツどり
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20.02.12

これからパーツをとってくださいと持ち込まれたフレームのネジが死んでいるので、まずネジ抜きから開始でした。

ミゾが超浅いんですよね。たまにアメリカ物でこういう事象があるんですけど、周辺のバフ磨きの際に、ネジ頭も擦っているのでしょうか?ドライバーの先が全く噛まないのに、よくここまで締め込んだなと謎に思います。

分かりにくいんですけど、マイナスの切り込みを作りました。これで抜けると楽です。その後、超音波洗浄と注油をし、温めてドライバーを回しましたが、、、ダメでした。ちゅるんとネジ頭舐めました。

結局、いつものドリルで貫通させて、リーマーで除去しました。

裏メニュー化
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20.02.10

これらは加工後。元々の鼻パッドの左右の角度が違ったので、熱加えて曲げてみたんですけど、根元からパリッと折れたので、新しく鼻盛り。今回は、特殊オーダーで当時っぽくしてみました。新しいパッドをのせた後に、削って磨くだけですから、そりゃまあ出来るだろうなとは思って簡単に承けたんですけど、予想より大変でした。今後は裏メニューにします。発動条件はひみつです。

サンニシで気軽に手に入る黒いパッドがこれくらいなので、幅寄せや高さを出すための盛りの部分や、左右対称にかまぼこ状にアーチを描いている箇所を、鼻腔側に向けて削ったり、結構あれこれ時間掛けてみました。

ロー離れ
修理とメンテ

20.01.20

SPMのロー離れ、修理から戻ってきました。破損した状態が分からない状態まで戻してくれています。

銀無垢、2月っぽいです。先週の土曜日にケータイに電話がありまして、珍しいなあと思って出たら、細かい仕様の確認でした。土曜日も製造動かして、挽回している最中です。あともうしばらくお待ちください。

枠替え
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19.12.27

黒から茶色へ、レンズを移植です。界隈では枠替えというやつです。

この黒の方も、もとはこちらで入れたガラスのフラットです。サイズ感とコバの処理は怠っていないので、割と外すのは簡単です。ガラスだから割らないと外れないとかは無いです。むしろ、今回はそもそもノンコートでしたが、コーティングごとヒーターに掛けられます。それのおかげでリムの温まり方が均一で、するんと外しやすい気もします。

枠替えは、物理的にレンズが大きい方から小さい方への入れ替えが可能です。可能なんですけど、レンズの大きさ、鼻幅、天地幅、それぞれの条件が異なりますから、光学中心がドンピシャにその人に合うかどうかは、移し替え先に依ります。

今回は、44□22から、42□24に入れ替えです。つまり、fpd66で同一かつ、レンズ幅が2ミリ小さいのに対してブリッジが2ミリ長いというのがミソで、光学中心もそのままの配置でいけました。

光学中心がズレちゃう場合も、どの方向にどれだけズレるか、元の度数はいくつか?とか色々考えるんですけど、若い人は、それなりにいけるでしょうね。

入れ替え前のはじめ。茶色の方は、テンプルが二段階の曲げになっています。曲げ点が不鮮明で時間経過とともに下がりやすいです。その場合の耳の痛さは、上部付け根がヒリヒリ痛い感じです。ですから、トップの画像では、一旦真っ直ぐ気味に戻して、これからのフィッティングに備えています。

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