カテゴリー:修理とメンテ

分散
修理とメンテ

22.10.07

トップ画像は、あれこれ調子をとって、眉パーツが完全にレンズと干渉しないようにした後です。セルはどうしても経年変化で縮みます。今回は、穴を埋めてからあけなおしました。それでも穴が半個分ズレています。

調子をとった後に半個分のズレということで、穴あけの前に一箇所、プラスチックの厚みがある部分で削りを入れています。

ブローチネジが収まっている箇所を、削っています。はじめの画像で、元々穴の開いている箇所は、上下には余白があっても、左右にはあまり余白が無いです。なので、新たに穴を作り直すにしても、上下の移動だけにしたいということで、横の縮みに対しては別の箇所で調子を取っています。

横を合わせて、大体の穴の位置を決めてから、リムの裏側にくる眉パーツのはみ出しを削っています。黄色のラインに沿って削り、メタル枠に沿わせています。近視の強度ということで、きっちり処理しました。

リム側に、はみ出た部分を削る前です。案の定、メタル枠にきっちり入るレンズが眉毛パーツがあると全然きっちり入りません。耳側のセルが割れている中古品をよく見かけますが、多分干渉したまま枠入れを終えて、いつか脆くなって割れてしまうんだろうなと予想しています。ということで、あれやこれやの修正が入りました。

向かって左側が未処理で、向かって右側が修正済みです。どっか一点で調子を取りすぎると、眉毛の印象が変わるので、あれこれ分散させているというのも理由です。削る手前、どうしても華奢になってしまいますが如何でしょうか?一回り、なんだかスリムかな?くらいの違いに留められたのではないかと思っています。

このタイプのサーモントの枠入れは毎度不測の事態で悩んでいる気がします。右眉を穴埋め中で、もう少し作業は続きます。

ケーブルの巻き直し
修理とメンテ

22.09.14

ケーブルのへたりでした。以前、別のフレームでへたった部分をロウで固めて修理したこともありますが、修理あとがどうしても目立つのと、巻き直しより強度が劣ります。ロウで固めるので、弾力性が無くなってしまうんですよね。なので今回は、巻き直しを依頼しました。

中が折れてプラプラしています。

ケーブルの巻き直しは、中々お値段の掛かる行為です。物と修理のイメージと相談になりまして、勘案してとりあえずロー付けで済ますというのも、もちろんあり得ます。今回のメガネは20〜30年前に村田眼鏡舗(日本橋)で購入された物ということで、気合い入れた修理方法をとりました。ケーブルは金属が細いのでへたりもしょうがないですけど、さすがの無垢物でほかの各パーツは全くもってダメになっておらず、まだまだガシガシ使えそうです。

今回、巻き直しを依頼する際に、ちなみにもともとの製造って…みたいなことを聞きました。なるへそこれがそれねとなりました。こんな店ですけど、是非繋げる一助はしたいと思っています。

昨今の鼻盛り事情
修理とメンテ

22.09.14

なんかアレですね、鼻盛りムーブメントがメガネ業界にありそうですね。フィッティング不良=鼻盛りで解決と、決めつけすぎな気がします。何だかんだオリジナル性は保存すべきですし、その上で必要であれば最低限の変更を加えるということで、フロントへのアプローチとして鼻盛りはあるんでしょうけど…。他所で鼻盛りしているけど当店で再フィッティングというときに、この鼻盛り要らなかったですね実は、、、みたいなケースが8月は4件くらい重なりました。鼻盛りのせいで、メガネが上ずってしまい、掛けたときに瞳が真ん中より下にある場合もありました。メガネが上にかかりすぎているということです。でも結局、根本が解決できていないのでメガネは徐々に下がるみたいな。確かにブルバキでの鼻盛りだけのオーダーは減ったので、色んな店で実施するようになったことは良いんでしょうけど。今の状況ですと、提案されても一回保留も良いかもですね。基本は新品やヴィンテージに関わらず、改造は避けたいですよね。

と、前置きした上で鼻盛りのせます。必要だったケースとしてです。クロムハーツのメガネでした。クロムハーツのメガネは、取扱店は画像掲載がダメみたいです。ブルバキは取扱店ではありませんが、ブランドや取扱店の意向を尊重し、重要な箇所だけ載せます。各所から怒られた訳では無いんですけどね。

このフレームですけど、テンプル内側に寄せがあるんです。この寄せの顔に近い部分が、条件次第で目尻やこめかみ付近に当たります。当たると顔を押すので、メガネは前にぴゅっと出ます。

鼻の前に、まず側頭幅です。腕の開きを最適にし(今回は開く)メガネを押し出す力が無い状態で安定して顔に乗るか?をみます。安定していなければ鼻盛りです。

上の写真はレンズの入れ替えをしてあります。始めのレンズよりもフラットな物を採用して、フロントからある程度開きを増やしています。レンズ加工の段階でフィッティングに向けて狙えると最高です。かなり綺麗にいけます。たまたま入れ替えレンズが近視系の度付きだったので助かりました。スタートが150ミリくらいで、165ミリまで腕と腕の距離が開きました。それでも微妙に寄せの部分(テンプルの茶色の部分)が目尻にかすりそうです。

(レイバンの#3みたいな色が初期で入っていました。5カーブくらい。)

もしここまでで、前方にメガネを押し出すような要素が無ければ美観的にも光学的にも、そして物理量のモーメントが減るということでフィッティング的にも鼻盛りが無しでいけるということになります。むしろ鼻盛りが無い方が上記3つの観点から望ましいとさえ言えます。今回は側頭幅を広めに調節しても尚、押し出す力がもしかするとゼロに出来なさそうであることを加味し、フロントと顔の距離が少し多めに開いた状態でメガネが掛かるようにするため、鼻盛りをしております。ですので、鼻幅があってない訳では無い為、取り付け位置を変えて鼻幅を縮めずに高さだけ出るように配置しております。それがトップ画像です。いつもそうしていますけど、クリアフレームなので特に綺麗に処理することに気をつけました。

蝶番がトルクスネジで、相当な締め上げだったので慎重にネジを緩ませたところ、ネジが抜けませんでした。ネジ頭が浮くだけでした。樹脂コーティングのしてある、緩みどめのトルクスネジなのかもしれません。フロントとテンプルを離すにはこのネジを蝶番から引っこ抜く必要がありますが、無理やり引っこ抜くと蝶番の中に樹脂が残ってしまい、折角の緩みどめ機能を失ってしまいます。まだトルクスネジもトルクスネジの樹脂ネジも、一般供給がありません。ということで今回は、テンプルを外さずに鼻盛りしております。傷つけてはいけない装飾だらけなので、緊張しました。

サングラス用だからとか、ファッションのメガネだからとかは関係なく、掛け心地は結構なんとか出来るもんです。さすがに、この辺りの金額の物が使えないと悲しいのもう一つ上の感情が発露しそうです。自分の所のメガネがどうのこうのは置いておいて、まずは業界としてメガネの優先順位を高めに考えて頂きありがとうを年々強く思うようになりまして、この度も総力戦で挑みました。

珍しく綺麗に取れた
修理とメンテ

22.09.11

古いAOの鼻パッドを交換しました。これもカシメタイプとか、はめ殺しタイプとか呼んじゃっていますけど、留め方はちょっと異なっています。径の小さいリングをはめ込んで留めています。初めて、リングだけ上手く外れました。外れても、交換パーツが無いので何とも使い道が無いのが残念です。

いまのメガネ業界の汎用品は、芯金ごと潰して留めるタイプしかありません。

気合その2
修理とメンテ

22.06.22

こっちになると、気合レベル8くらいです。ひたすら時間を掛けて磨くのみです。

捨てずにとっておくと、良いことあるかもですね。さすがにこの感じですと、バフだけでは光沢が見込めないのであの手この手です。

気合その1
修理とメンテ

22.06.22

フランスのヴィンテージのお持ち込み。もともと、フランス物は生地が固い印象でして、使用済みになりますと、も一つ固いですね。バッファローホーンの枠入れに近い感じでした。度無しから度付きに交換の依頼でした。

枠入れ前に磨きも行なっています。これくらいだと気合レベル2くらいです。

レッドドット関連
修理とメンテ

21.12.15

USSのお持ち込み。AOロゴでした。

そういえばですけど、AOはレッドドットという特殊な蝶番とネジを推していました。レッドドットは、1958年以降です。つまりベトナム戦争前です。緩みにくい、フロントとテンプルが離れて何処かにいかない新機構は、割とメンテが行き届きにくい戦地に向いてそうですけどね。メガネはとにかくコストを抑えてって感じだったんでしょうね。レッドドットでは無い、素朴なメガネです。

最後、前回ブログのモダンタイムズよりレッドドットネジを載せておきます。こうやって比較しますと、同一メーカーのほぼ同じ時期のセルですけど、処理の具合の差がよく分かりますね。

骨が見えている
修理とメンテ

21.12.15

修理でした。エクストリームな壊れ方をしていまして、ごっそり抜け落ちています。まずは工場で肉を盛ってもらい、磨き等の調子とりはこっちで行うことに。

骨が見えなくなりました。綺麗でいい感じに直っています。

磨きは店で。ブリッジとリムの下側をガリッとやっちまっていたので、まずは棒ヤスリで面を整えました。

あとは、サンドとバフで仕上げます。リベットもガリガリだったので、どれくらい傷を落とすのか迷いましたが、元の凹凸が判別できる程度にしました。3割くらいは傷が残っています。

AOのモダンタイムズでした。

強度数
修理とメンテ

21.10.03

クラウンガラスの事例として。

アーネルのお持ち込みです。クラウンガラスを入れるということだったんですけど、球面(s)と乱視(c)の合算で-8.00くらいで、cは-2.00以上です。そもそもレンズ作れるのか問題がありまして、そこから確認です。

フラットガラスの製作範囲外なら製作可能ということで、クリアのノンコートで作りました。製作範囲外なら製作可能という意味不明な日本語を書きましたが、業界あるあるでして、レンズの製作表に載っている範囲を超えて作れる場合がありまして、それを範囲外製作と呼びます。限界を超えるみたいな感じですね。どのレンズでも行える訳ではないので、要相談です。

今回のレイアウトはかなり理想的でして、pd≒fpd且つレンズ幅40ミリです。眼とフレームの条件としては、マックスに近いレベルで薄く仕上がる良いものです。そこで屈折率1.52・アッベ数59のレンズを入れてみて、組み上がった重さがどうなるでしょうか、というところが問題です。

右レンズ

ガラスでこの度数でもこんな感じかぁ、予想よりは軽いというのが取り敢えずの所感です。cの軸はともに180度でして、上下に合算の-8.00が来ます。それでこれなら大丈夫そうです。

右レンズの下側。縁厚で3.5ミリ程です。

やっぱりカッコいいですね。

仕上げみがき
修理とメンテ

21.09.27

この写真の状態にするまでに、2日くらいかかっています。傷の凹凸が激しいので、紙ヤスリ当てる前に、棒ヤスリで表面を整えつつ形と面を決めて、そこから紙ヤスリとバフ磨きです。

棒ヤスリとサンドでこんな感じになります。面が多いので難しかったですね。難しいんですけど時間はさほどかからずでして、次工程の紙ヤスリが毎度のこと時間がかかります。粗さで3段階に分けてひたすら紙ヤスリで擦ります。

#600
#1500

間の番手を撮り忘れました、1段階目と3段階目を載せました。粗でどれだけ綺麗にするかが、つるつる光沢面になるかならないかの分かれ道です。粗がしっかりしていれば、間の番手も仕上げも、満遍なくなぞることを意識すれば良いだけです。

トップの画像が、これです。バフも粉と布の硬さを変えて磨き分けます。バフのときに、ヤスリの丁寧さが出てきまして、バフだけで何とかしようとすると、生地表面が熱を帯びて緩くなり、バフの布目が残りがちです。生地を磨いて何十年みたいな方でしたら、バフ作業ををもっと細かく分けて接地圧や接地時間も粉の粗さや布の硬さごとに分けて、より短時間で綺麗にしていくと思いますが、眼鏡屋レベルの設備と腕では、無難に時間と努力で失敗しにくい方法で詰めていく方が良いと思いまして、今もこんな感じで綺麗にしています。

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