カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

250
ヴィンテージのメガネ

22.11.21

海外からの入荷は、あとはカザールとカザールに準ずるものです。時間があるときにぼちぼち載せます。

カザールのmod.250です。カザールの200番代で、一番好きかもです。これがリストにあったので、今回の仕入れを受けたと言っても過言では無いです。4年ぶりに入りました。待っていれば、まだ何とかデッドストックで出てくるもんですね。メッキも、塗装も、印字も全部かすれていないなかなかの美品です。

値段はまあまあいきまして、ブルバキではこれで最後かもとか思っています。もう本当にドイツでも見つからんのかなと思っています。

赤黒のカラーは初めて。力強くてカッコいいです。

出典が見つからないんですけど、岡本太郎が「個性的な物の方が、普遍的である」みたいなことを何処かしらで述べているはずです。とりあえず載っていた本が見つかっていないんですけど、カザールはまさにそれを体現できたメガネだと思います。初めてみると、斬新さとか、作り込み方の尋常じゃない感じとか、とにかく感動します。一度見たフレームでも、時間を置けば新しくまた見え始めたりして、常に鮮度を保っています。常に鮮度があるという普遍性を持ち得た珍しいブランドです。

カザールといえばヒップホップという方もいらっしゃるかもしれません。おそらくそれはレジェンズとして復刻がされている600番代のゴツいやつかと思います。特にヴィンテージのカザールで200番代となると、意外に線が細くて装飾もコッテリしておらず、イケイケ感が少なかったりします。それも良いんですよね。

「何掛けているの?」と聞かれて、カザールと答えたときに

「マジか!?」とか言ってもらえると、

ちょっとだけ気持ち良くなれます。あまりにもカザールとヒップホップが結びついて、実際のフレームのラインナップとは離れてイメージが固定されてしまっているので、そこをちょっと裏切るだけで人に驚いてもらえます。

ほかの仕入れもそんな感じで、ナードなのにゴージャスみたいなやや捻れた属性のカザールをチョイスしております。

入荷その2
ヴィンテージのメガネ

22.11.18

ティファニーのセルです。これも90年代とクレジットが付いていましたが、CEのマークはやはり無いので93年以前かと思われます。

サイズは45□20です。フレンチヴィンテージやその周辺に近いサイズです。今っぽいサイズ感です。クラシックな雰囲気になる、セルでは小さめのサイズです。これが作られた時代、80年代後半から90年代頭となると、52□18とかもっとレンズが大きくてもおかしくないです。ティファニーの他に、アルマーニもこの時代はクラシックテイストで、当時としてはレンズが小さい、それが今となっては丁度いいサイズ感みたいなことが起こりがちです。

しかもストレートテンプルです。何だかんだストレートテンプルで太いと、それだけでカッコよく見えます。これも手元用だからレンズが小さくて、着脱しやすいようにストレートテンプルなんでしょうかね?用途と一体化しているかどうかまでは判然としませんが、ストレートテンプルだとカッコいいです。ストレートテンプルで企画してくれてありがとうです。

メタルの蝶番になっておりますが、これがフロントが狭いことに対しての対策として働きます。このメタルパーツの曲げを開いて側頭幅まで合わせれば良いので、フィッティングは簡単です。カザールの607とか、80年代のフレームにはよくあるセルフレームの蝶番への装飾方法なんですけどね。

金属はシャーリング加工がされていて、ピカピカではないです。生地の綺麗さを邪魔しない程度に光沢を放っている感じです。

生地の色も透明感もフレンチヴィンテージっぽくて、30年前もあの辺のクラシックは参照されていたんだなと感じ取れます。ティファニー名義なので、アメリカで言えばF.D.R.とかですよね。何度もおんなじこと言っちゃいますけど、時代はグルグル回っているんですね。

入荷その1
ヴィンテージのメガネ

22.11.18

久々に、海外の業者から仕入れてみました。手直ししながら、順次載せていきます。

ティファニーです。いまもありますけど、昔のティファニーのメガネの方が力んでいる気がします。ロゴのプリントとか、そういう感じではなくて、全体を隈なくデザインしています。この感じが好きです。

カルティエのメガネの勃興と同時期かと、推測です。さらに同じ時期のフレッドとかあの辺と同じように、ちょい高級なメッキフレームという位置付けだったのかなと思います。これも23Kの貴金属メッキです。テンプルのどこにもCEマークがないので、93年以前かと。ゴージャスで力んだ感じの同じようなティファニーでも、テンプルにCEマークが付いている場合があります。それらと比べると、割と初期のモデルなのかもしれません。

逆ナイロールのラウンドです。サイズは36□30ミリです。デザイン的には、リーディンググラス用によくある、鼻の下の方で掛けて通常の目線ではレンズが視界から外れるタイプかと思いきや、自然に掛けてレンズの上3〜4割あたりに目が入ります。近視系で普通に遠用で使うこと可能です。むしろ日本で販売するならそれの方が助かります。

このあとにもう一つティファニーを載せますが、それもこれもレンズが小さめでとてもクラシックなデザインです。80年代後半から90年代頭となれば、バブリーな時代でメガネもそれを反映して、レンズはめちゃデカイことが常です。同時期のカルティエもフレッドも、基本はレンズがデカイです。その為、作りや装飾やメッキ処理の力みと合わさると、ひとによってはtoo muchだったりします。

ということでこの感じであれば、今の日本のメガネの流れに沿いながら、でも実はちょっと外れているみたいなことが力まずに出来そうです。現代の感覚では、色はベージュとかオリーブとか暗めの中間色で、質感ならキラキラよりちょっとカサついていたりマットが喜ばれる時代なんでしょうけど。どこかしら1点だけ、そこを裏切るくらいが良いのかなと思いまして、キラキラなメガネを入れました。

本べっ甲
ヴィンテージのメガネ

22.11.02

本べっ甲です。兆番金具からすると、イギリスかフランスか。ヴィンテージです。

軽さ、柄の感じからおそらく本べっ甲だろうなと予想しつつも、磨いてみないとという感じでした。これくらいのかすれで光沢が甘く、かと言って使用していないので等高線のような斑紋が出てない状態は、まだ疑う余地ありだと思っています。

面を整えるために、ちょっとヤスリをかけました。たまたまですけど、等高線のような斑紋が浮き出てきました。亀の甲羅が大きくなるメカニズムによる、独特なモヤモヤ模様です。プラスチックやバッファローホーンでは出ません。

また、ネットでは確認できない判別として、臭いがあります。製品としては臭わないんですけど、ヤスって粉状になるとフワッと香ります。亀を育てたときの、水槽のあの臭いがします。水槽のあの臭いは、亀由来だったんですね。

短い経歴のなかで、今のところ本べっ甲ですよと言われているもので、おそらく本べっ甲ではなかったケースは今のところゼロでして、意外にやさしい世界です。とか言いつつやっぱり運がいいだけで、べっ甲となると古美術の世界に入りかかるわけで、魑魅魍魎の険しい世界なのかもしれません。

綺麗にするとこんな感じ。光沢の出具合、ヌメヌメ感がよく写っているのでこのアングルで載せてみました。

サイズが50□22で、べっ甲界ではレンズが小さめです。古の政治家っぽさが無いです。

日本のべっ甲フレームでは見かけない意匠があります。耳側の側面をスパッと切り落としてポリゴン感を与えつつ、フロント面と側面の間をなだらかに磨き落としています。

このアングルが見やすいかもです。その処理によって側面に、スタッズみたいな凸が出来ています。べっ甲で遊びがちょっと効いているのがいいですね。日本のべっ甲のヴィンテージでは見かけないです。

フロントがほぼフラットです。現代の度付きのレンズとなりますと、凸も凹もベースカーブ3くらいでしょうか。フラットレンズが似合うフレームかどうかイマイチ判断がつかないので、デモレンズとして3カーブを入れました。温めつつカーブをつけますけど、パキッたらおしまいです。

横もカッコいいです。

カザールではない
ヴィンテージのメガネ

22.10.25

ディオールです。オプチル素材のディオールで、オムでは無くてムッシュでした。

素材の軽さを活かした、肉厚の迫力満点のフレームでした。オブジェの観点で、もっと造形がすごくて見ていて気分がいいオプチルのディオールも沢山あるんですけど、気負いなく掛けられそうな感じのギリギリでここまでカッコいいフレームは無かったなと今でも思っています。オプチルカッコいい部門、歴代1位です。

オプチルは、古いとやってみないとわからない度が高まっています。特性上温めていない状態が一番切れやすいので、ゆるゆるのレンズだとしても温めてトロトロにしてレンズを外します。今回も無事にレンズが入っていますが、レンズが入るとよりカッコ良いですよね。

これもなんか良いです
ヴィンテージのメガネ

22.09.20

パッドがフロントと同じ生地から作られていますし、ほっそいテンプルでカシメ蝶番ですし、60年代かもです。レンズが大きめなので、CR39の誕生以降かなとか考えますと、70年代の読みもあり得ます。サイズはボクシング表記で55□19.5です。

見所は、やっぱりここかと。フロントのリベット付近にあるピヨっと突き出した意匠です。

レンズの形も、微妙に一番外側の輪郭と変えてあり、それがまた良かったりします。変え過ぎると面白メガネ寄りになってしまうんですけど、その手前な気がします。

大きめだと、掛けるとふにゃっとした印象になるメガネなんですけど、この意匠やレンズの形のおかげでキャットアイメガネ的な、軽快で妖艶な感じもあります。

ちょいデカ
ヴィンテージのメガネ

22.09.17

イメージは、アンナのアンナ・カリーナです。そもそもフレームの色が違うのは分かっていたんですけど、記憶の補正が入っていました。これはレンズサイズ52ミリです。流石にちょっと大きいかも。アンナのアンナは大きめの丸メガネといっても49ミリくらいですかね。

似たような年代のヴィンテージなんですけど、なんか良いんですよね。横から見ると、リムの切り出しが真っ直ぐでは無いことがわかります。特に眉毛側の上部は、外側から顔に向けてのラインが斜めで、下の画像で確認するとスロープみたいに右肩あがりになっています。リムで均等では無いことから察すると、偶然の産物なんでしょう。リムの下端は割と真っ直ぐテーブルに接地しています。意図していなさも、なんか良いんですよね。正面から見たときに、ボリュームが抑えられて柔らかい雰囲気が滲み出て、優しい感じに全体がまとまる気がします。

例えばヴィンテージのタートもそうで、フロントの切り出しで垂直がやや崩れているんですけど、スモークとかの貼り合わせのカラーなんて特に垂直の崩れが判然としている気がします。あれのおかげで真正面から捉えたときに、輪郭をなぞりにくくて、ただの平面に見え無い気がします。

ハッピーモード
ヴィンテージのメガネ

22.09.10

久々に在庫化進められています。とりあえず仕入れして、綺麗に出来ずに店で二度寝みたいなフレームがひしめいています。

年代不明です。蝶番が生地に埋め込んでいなくて、カシメのピンの面が合わせてなくて、テンプルに芯が入っていなくて云々である程度推測していくものなんでしょうけど。作りからすると60年代っぽいけど、レンズの大きさからすると70年代だよなぁって線もあり得ます。

蝶番がゴツければ60年代という判定はやや危なっかしいです。反例が割と簡単に出てきます。

黒のフレームは80年代のIDCです。このときすでに懐古的に昔っぽい作りをしつつメガネの意匠は80年代当時の最新、という合わせ技で昇華させている物が存在しています。そうしますと、冒頭のフレームの製造年の可能性としては60年代70年代80年代と30年の幅がありまして、一世代1サイクル回ってしまいます。ということで、80年代ならテンプルに印字が入るからやっぱり70年代までかなあとか、まだまだ推察出来ますけどとりあえず不明としておきます。

このケースからも感じますが、30年で一世代で本当に何事も回っていますね。さっきのIDCからさらに30年経つと、2010年以降ということで確かにヴィンテージブームに到来です。その流れはまだあって、今に接続出来ます。服の方が一足先に90年代ブームに突入して、そろそろメガネも動きがありそうですね。

目が見えなくなるくらいの濃い色のレンズを入れようかと思いました。でもそれだと、ガバッと顔を覆うサングラスになってしまいます。それだと現代的なサングラス、メイクしていないときの外出用サングラスと見分けがつかなくなってしまいます。せっかくのヴィンテージということで、薄めの緑をいれました。70年代以降のイブサンローランっぽい感じで目が見えるようにしました。いっそクリアが良いかもです。私は70年代だとこっそり思っていますが、そのハッピー感がありつつイブサンローランの天才感ありつつ、欲張りな良いメガネですね。

めっちゃ分かりにくいですけど、「52 22」の記載があります。今のボクシング表記に正すと52□20でした。現代のこういうガバッと顔を覆うデザインのサングラスだと、レンズサイズが58とか60くらいが一般的なので、そこと比べると大分レンズは小さめです。

ユニクロとヘルムート・ラングのジーパンが出ると記事を読んで。いまのメガネの状況からすると、ウェリントンとかボストンがやっぱりあてがわれると思うんですけど、ちょっと賢いが過ぎる気がしまして。少しハッピー感を足したいなと記事を読んで思い、載せてみました。

ピンクミラー
ヴィンテージのメガネ

22.09.02

レンズメーカーによっては、ピンクミラーがあります。だいたい「シルバー・ゴールド・レッド・ブルー」までは一緒で、たまにピンクミラーが存在しています。気になってとってみました。ベースはスモークの75%です。

いい感じです。ピンクのような紫のような。ヴィヴィッドで潔いピンクでした。ベースのカラー次第なのか光源なのか反射角度なのか、ピンクからゴールドに掛けてのミラーの変化が綺麗でした。想像以上にスポーティ且つ現代的で、ちょっとヴィンテージのメガネに入れようとするとハイテク感が強すぎるかも。とか何だかんだ言いつつも、その辺を緻密にやり過ぎると何も出来なくなってしまうので、えいっと手持ちの60年代のフレームに入れてみました。

一気に90年代のオーバルサングラス感が出ました。家族は一緒に歩いてくれないかもですけど、かなり気に入りました。

スペースエイジ
ヴィンテージのメガネ

22.08.31

ローデンストックといえば、お堅いイメージがあるんですけど、70年代のサングラスはめっちゃ宇宙です。遊びが効いています。これはお持ち込みでした。

横は控えめです。

リム周りの装飾がカッコ良いです。裏でねじ止めしてあります。

奥行きのあるリムにするために、生地を厚くしてくり抜くのではなく、メタルの立体的なパーツを乗せています。この装飾のアプローチは、現代のスニーカーみたいですね。セルにメタルを付ける、のせるみたいな感覚はいま特に面白いかもですね。

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