自分がカザールの607をかけ始めたので(クリアの方)、そういえばと思い出して引っ張りだしました。名無しの日本製フレームです。


前も載せたかもです。この、グレードダウン感がたまりませんね。質量的なダウンかつゴージャス感のダウンであって、フィッティングしやすさ等の光学機器としての性能はアップさせたみたいな意図がビシビシ伝わります。縦幅縮めて頬に当たらないようにして、レンズ幅も度付きを考慮して2ミリ縮めて。それがまた日本っぽくていい感じです。愛すべきなんちゃって607です。ニューバランスには、このなんちゃって607が抜群に合うと思っています。
色々なヴィンテージの世界で愛すべきなんちゃっての発掘が行われていると思いますが、多分それはそのヴィンテージ界が成熟した証であって、ヴィンテージメガネはまだその兆しは無さそうです。そこが一番面白い沼なのに残念。
こういうブリッジのこういうゴツさのフレームのオリジンがカザールかどうかは不明です。個人的には、カザールのスタートが1975年ということを鑑みますと、ドイツなら先発のローデンストックとかマルヴィッツとかメッツラーのどれかから端を発して伝播していったのかなと思っています。そしてカザールのフィルターを通って一番ゴージャスな、あの607が生まれましたというストーリーの方が自然な気もしますけど、分からないです。いずれにしましても、この時代にも、インターネットが無かったとはいえ、国まで超えたミーム的な伝播があったことが物を通じて感じ取れます。面白いですね。そして順番はどうあれ、こういう愛すべきなんちゃっての存在のおかげもあって、607が神格化されていくことも分かります。たしかにここまで書いて、ヴァージル・アブローが“オリジンかどうかはあまり関係がない”みたいなことを何かしらで仰ってましたけど、そうかもしれないですねと納得してしまいます。