カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

テレビが快調です
ヴィンテージのメガネ

18.10.31

テレビメガネです。テレビ系のデザインとしては、60年代中頃から存在していた模様です。フロントの埋め込みの蝶番や、やや大きめなレンズから察するに、70年入っていると思われます。これでも、FPDは67ミリですから、言ってもそんなに巨大なフレームではありませんが。販売の時には、そのあたりの年代云々の話をしないことが多いので、ここでフォローを入れておきます。

とりあえず、デモレンズとしてノンコートのプラスチックを入れています。落ち込んだレンズ周囲によって、レンズの凸感が強調されています。滑らかなその凹凸を、目が勝手に追ってしまいます。右から左、左から右へと絶えず行われる視線の移動が、フレームにダイナミックさを与えているのでしょうね。

フロントの左右の角を落とした部分も、全体のボリュームや威圧感に対する配慮が感じられて、大変良かったです。珍しく、普通のメガネ(色無)でかけたとしても、抜け感がなく格好良いテレビメガネでした。

あれですね。そろそろブラウン管を知らないことが普通になるので、“テレビ”と形を形容したところで、「何すか??」ってなってしまいますね。

珍奇眼鏡1
ヴィンテージのメガネ

18.10.19

このタイプ、初めて手に入れることが出来ました。フランス製。一部、石等々の欠落がありますが、状態は良い方ではないでしょうか?50年代から60年代に登場します。おそらく50年代がメインです。各種図鑑でも、ページが割かれるゾーンです。

もっと凄い…。

着用の痕跡がありました。お金持ちが本気でパーティーで使用していたんでしょうね。一番ビックリさせた人が一番エライみたいな風潮があったのでしょう。

艶出しの磨きも大変でしたが、ストーンとその周辺にある鉄の粒々の欠落の補修が大変でした。はじめは躊躇っていましたが、やはりラインストーンの輝きが鈍いということで、思い切って超音波洗浄をしましたところ、予想以上に石等々が外れました。

取れた石と飾りの被せの一部。

これを、本日ようやく全て貼り終えました。銀の点々の飾りも、ペイントではなくて金属の被せです。

全体で2時間半くらい時間を費やしています。商品化させないといけない商品は他にも沢山あって、飾る為だけの商品に、こんなに時間を使ってはいけない状況かもしれないですが、やはりこの衝動は止められずでした。もちろん、欲しいと言われれば販売致しますけどね。自分が売れないと思っているだけで、意外にすぐ販売することもあります。

この眼鏡の材質はアセテートですから、型でぽこんと抜いて作れるものではないです。板から切り出して、ヤスリ入れて磨いてをひたすら行い、時間をかけて作られます。そしてさらに、仕上げに石等の装飾です。くり抜いた部分は、眼鏡としては面積が狭いのでそのまま廃棄だったかもしれません。かけられた時間もそうですし、材料の観点からも贅を尽くした感があります。

装飾に関しては、石の台座となる穴を掘る、金属の被せの為に溝を掘って、そこから飾りを乗せています。塗料でちょんちょんと筆でのせているわけでは無いです。割とここも手間がかけられており、光り輝くことが一番の主眼に置かれていることが窺えます。

今回ご紹介のものに限らず、珍奇眼鏡ということでボチボチ紹介も続けていきます。確かにそれらは、あまりの迫力に、まずは笑えます。でもその先がありまして、その笑える物、現代では意味を上手く与えられないような物が、確かに存在したということが大事だったりします。当時から大真面目に認識されていたかどうかは分かりませんが、いずれにしても作りは本気です。それが、半医半商の眼鏡という分野でも行われていたというのは、大変興味深いです。

ということで初めに紹介したのは、最近届いたというのもありますが、珍奇眼鏡界の女王のようなメガネにしました。向けられた努力が凄まじい、贅沢な一品でした。

めちゃ良い
ヴィンテージのメガネ

18.10.17

ブガッティです。そういえば、載せるのを忘れていました。パロマと並んで、なかなかの珍奇眼鏡です。

単品ではパロマの方が斜め上の存在感があります。ただ、ブガッティの方が、シリーズ全体で見たときのおぞましさがあります。

どういう事かと申しますと、割とこのレンズの形のバージョン違いが存在します。当時売れたのかは分かりません。当時、この垂れすぎたレンズ形状が“カッコいい”という認識で受け入れられたのかも分かりません。分かっているのは、ブガッティは、ひたすらにこのレンズ形状を推していたということです。

商品ですし販売しますけど、ようやく一本入荷したところです。もう2本くらい、違う品番のレンズ形状が同じパターンを並べて、ブガッティの強烈さ、それで成立できた時代の凄まじさを感じてもらえるようにするのもありかなと思っています。

ちなみに、図鑑では90年代のブガッティが載っています。サーモントっぽいデザインですが、これはこれで凄まじいデザインに、この玉型が合わさっています。

実際掛けると、ほぼティアドロップのイメージです。レイバンに近い印象を加えることが出来ます。

想定しておりましたが
ヴィンテージのメガネ

18.10.12

謎のメガネ。ゴルチエに通ずるスチームパンクっぽさが良いです。大きさは38.5□27.5です。テンプル長は個体差があって140ミリ〜145ミリです。私がいつも掛けている銀無垢に近いサイズ感です。PD65くらいの人間がかけると、あんな風になります。

鼻パッドの足が、謎のバネ性を帯びていました。カッコいいけど意味不明です。

フレームの作りからすると確かに60年代くらいの粗雑さと、金属のしなやかさの無さ(その代わりめちゃ硬い)を読み取れますが、鼻パッドは新品のシリコンパッドに変えてありました。パッド足の構造からすると、真円のシリコンパッドの方が良さそうなので、販売するときはこちらで変えておきます。

割と親切設計でして、鎧智で横幅が稼いであります。フロントが狭くなる以上、少しでも横幅を稼いでくれるフレームはありがたいです。フィッティングに有利です。結局、ちょっと粗雑でも良いなと感じるフレームは、メガネとしての機能を果たす予感のする物が多いです。道具としての良さが滲み出ています。

ちなみにインスタグラムで、ヘンテコメガネと同時に載せて、一番いいねが稼げたのがこれでした。それも想定していましたが。

ただインスタの世界に於いては、カッコ良さよりもアートっぽさ(そもそもアートっぽさとは??)の方が上位概念っぽく扱われていますから、ひょっとしてどうかなとも思っていましたが、やっぱりダメでしたね。

週明けは直しで忙しそう
ヴィンテージのメガネ

18.10.10

終わり間際に、荷物が届きました。

今回は、全部良いです。掛ける為のメガネも、コレクションの為に買ったものも。インスタに載せた、パロマピカソのフレームは、まさか自分が所持できるとは夢にも思っていませんでした。強烈です。コレクションとして最高です。テンプルの印刷も生きている、完全な状態でした。ぜひ、眺めにお越しください。

 

このままでは、おもしろメガネミュージアムになってしまいますので、掛けるメガネとして個人的に響いたものを。

まずはNHSの水色です。東京のときも合わせて、通算で3本くらいしか見たことがないです。所詮はNHSですから、珍しいって訳でも無さそうですが、かなり久々に遭遇したなという気分です。なぜか、良い状態で出てこないイメージです。ピンクよりも頻度は少ないです。

デザインや色味が良いのはもちろん、加えてサイズが良いです。と言いますか、自分が掛けられるサイズで見たのが初めてです。ちなみに44□24-145です。年末までに売れなかったら、自分で使います。すでに、トリッカーズとトレンチコートに合わせたい欲が止まりません。

あとは、謎の一山です。まさかの四角です。不気味ですが、何とも憎めません。フレームの作りは非常に堅くしっかりしていますが、精緻さには欠けます。そこも含めて特に惹かれます。レンズも緩い四角ですし。

むしろ、例えば銀無垢のフレームのようなストイックさを加えてしまうと、この雰囲気は例え球型を真似しても崩れてしまいます。これはヴィンテージならではの、フニャッと感を楽しむべきでしょう。全体の雰囲気を保ったままの再現が難しい、固有性を持った良いフレームだと思います。

これから気候が良くなるにつれて、野外イベントが増えてきます。おそらくオシャレなイベントであれば、今は出店側も買う側もラウンドやボストンのメガネが多いと思います。まだまだツーブリッジ等の変化球を拝見することは難しそうです。そういうときに、この四角の一山メガネで参戦すれば、掴みはバッチリだと思います。良くも悪くも。誰にも引っかからないことと比べると、抜群に良いでしょうけどね。

テレビ再び
ヴィンテージのメガネ

18.10.09

レンズ入れました。BR50%です。テレビ型の場合は、大体このまぬけさを妖しさに転換するために、目が見えないくらいの色を入れることが定石になりつつありました。ですが、今回は用途も用途ですし、フレームの緩急の付け具合が絶妙で、色なしレンズでも野暮ったくないので、薄めの有色レンズにしました。

多分、前も載せましたが、レンズの入っていない状態であったという事と、そもそも同じ物を二回以上ブログに載せても良いよね的なひらめきというか言い訳が降りてきましたので、もう一度載せてみました。

YSL
ヴィンテージのメガネ

18.10.03

ブログの一番上が、スニーカーの話では流石にダメだなと思いまして、フレームのご紹介です。

今日、接客で在庫から掘り起こしてきた物です。販売にはなりませんでしたが、そうそうあったよなと、しみじみ思い出したので載せます。日本のライセンスのときのイブサンローランです。

フロントが秀逸です。鼻が”Y”になっています。金持ちっぽくて、いい雰囲気です。

ツーブリッジを選ぶとなると、レイバンからくるアウトドアやミリタリーの要素を含んだ粗野な物が浮かびやすいです。そこを敢えての金持ち感を纏うというところが、本気でダサいのか、ダサさを取り入れて全体として絶妙にカッコいいのか、分かれるところです。

皆さんで上手いこと馴染ませて教えて頂ければ嬉しいです。それぞれのやり方があるはずですからね。

60年代
ヴィンテージのメガネ

18.09.26

ミッドセンチュリー感抜群のフレームです。鼻盛りは、同色の黒で行い、その時代風のつくりに合わせております。それ以上にフレームの型直しに苦戦しました。なんとかテンプルを開き、やっと顔の奥まで突き刺せるようになったと思われます。

デザイン、作りから60年代と推定できます。国は判別不能ですが、フランスでしょうか?刻印が無く、そこはあやふやです。スーツに、これをかけていたら良さそう。

例えばこれが、同じ年代の同じ国で作られたクラウンパントであれば、上質で最強なメガネ的な判断が下されるのでしょう。ですが、この形状であるが故に、上質と見なされずただの面白メガネとして一瞥されるにとどまります。

ここがポイントでして、上質云々と形状が結びついてしまっているという事態が、なんだか捻れていると思うわけです。形と質は、本来は直結しないはずです。ヴィンテージの質の部分に惚れているのであれば、これとクラウンパントの二つを、ある程度同等に見られても良いはずです。なぜこのような視野狭窄の事態に陥っているのかは不明です。

面白メガネと言っちゃってますが、ちなみにこちらは販売した商品です。とても気に入ってくださっていましたし、私もかなり良いと思ってブログにあげずに秘めていました。面白メガネというよりかは、このメガネが物として際立っている感じでしょうか。ただただ、物としてカッコイイと感じています。

旅立つことが決定してとても嬉しいです。たまたまアイビーな感じの姿で試着されていまして、それも良いと感じました。

完成
ヴィンテージのメガネ

18.09.19

完成しました。薄いグレーの球面レンズを入れております。

確かに、私もフラットレンズは好きですし、ノンコートにしがちですが何でもかんでもそうするわけでは無いですね。フレームみて、その雰囲気とその他いろいろが合わさって決めています。

色が分かりやすいように、白いタオルの上で撮影。刻印残しながら磨くのに苦労しました。

細かい仕様違いがあります
ヴィンテージのメガネ

18.09.19

イギリスのヴィンテージメガネです。通称NHSを順次レストアしております。

大体、茶色のスクエアが多いですが、唯一丸っこいのも入りました。四角いのも、絶妙にそれぞれ違います。

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