カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

蝶番直し
ヴィンテージのメガネ

18.06.11

フロントと、蝶番の合わせが合ってない謎のフレームのレストアです。コマがあっていますし、生地の模様やグラデーション具合も同一ですから、仕掛かり品だったのかもしれません。

初期段階です。

フロントの蝶番部分の幅が広すぎます。上1.5ミリ、下2.5ミリくらいはみ出ています。流石にここまで削って、合口を整えるのは初めてですから緊張しました。台無しになる可能性もあります。

まずは、電動カッターで荒削りです。チェーンソーアートみたいに、刃先をかすらせています。

電動の砂消しで整えます。この時点で綺麗になってきました。

番手を三つ変えて、紙ヤスリでひたすら水研ぎです。何とか上手くいきました。

バフも、番手を二つに分けて施しました。とりあえず、販売出来る状態にはなりました。

60年代ごろの作りをしていますが、この手のレンズシェイプでは珍しく、サイズが46ミリです。FPDは68ミリです。トップの画像のように、濃いめのカラーを入れても、掛けたときに窮屈に見えないです。良いフレームだなと感じましたので、時間をかけて修繕してみました。

在庫分の直し
ヴィンテージのメガネ

18.06.11

ゴールデンウィーク以来、ようやく暇です。伝票も片付いたので、在庫分のレストアをぼちぼちしていきます。

レストアしていないからか、どなたも反応して下さらなかったですが、レストア前の群で、個人的な一番は、この六角形のセルフレームです。デザインは、AOの70年代のサングラスっぽいです。見た目はインパクトありますが、掛けるとどうってことはないです。

メガネ人生初の、イスラエル製です。メーカー名だと思いますが、PYRAMID の刻印があります。

(外務省HPより)

枠入れ完了
ヴィンテージのメガネ

18.06.10

ローデンのリチャードです。ようやく枠入れ完了しました。レンズは、ニコンのシーマックスです。古のフレームに、最新のレンズを詰め込みました。しびれます。

加工に相当時間がかかりました。サーモントであれば大体そうなんですが、どうやらリチャードは、一層眉部分とレンズが干渉しやすいです。そしてこの年代の特徴でありますが、フレームカーブはキツめです。よって現行の非球面レンズには合わないので、フレームカーブを落としつつ、レンズは薬研調整で折衷案を狙います。眉パーツの生地は縮んでいますから、ネジを外すとネジ穴同士がズレます。ドリルで穴を広げて無理なくフレームに止めます。

ぼちぼち大変なんですけど、今日は手が空いていましたので、その場で加工してお渡し出来ました。ニコンのプレカール加工がレンズに施されていなければ、もっと苦戦を強いられていたかもしれません。当時は、年配者だけが掛けていたというわけではなさそうなので、同様に縁が厚いマイナスレンズも入れていたはずです。もっと苦労していたのか、それとも加工の精度がそこまで出ていなかったので、細かくチェックしなくても良かったのか…。ちょっと謎でした。

とりあえず、上手く収まりました。やっぱりカッコいいです。

カザール
ヴィンテージのメガネ

18.06.01

カザール感が抑え目なメガネです。でもカザールです。

女性で、化粧品等々付きやすいですから、コーティングは超撥水系の機能重視で。緑の反射光です。

カザールは、90年代に入りますと、SPXに似たよく分からない樹脂が使われていたりします。加工となると、レンズサイズはアセテートと同じで加工すれば良いです。

問題は鼻盛りの時でして、オプチルに似た反応をします。チップがくっつかない時があります。今回は、アセテートのようでして、無事に乗せることが出来ました。良かったよかった。

ダブルグラデーション
ヴィンテージのメガネ

18.05.25

レンズカラーを、見本染色で特注しました。アリアーテトレスのダブルグラデーション(50/20)でも良さそうですが、万全を期して見本染色にしました。通常のグラデーションレンズと異なり、下半分に色味が残っています。通常のグラデーションは、下半分が透明です。

左の見本とほぼ同じです。毎度驚きます。

 

ダンヒルのオプチルです。ディオール、プレイボーイ等々とライセンス元が同じことから、70年から80年代にかけて、ブランドは違えど似たようなフレームがたくさんあります。メガネにするのであれば、金手のオプチルの方が、こちらとしては助かります。素材に形状記憶性があり、温めるとふにゃふにゃになって、そのまま置くと元の形に戻っています。腕までオールオプチルですと、頭部形状に合わせる時に、微妙な調節がしにくいです。

レンズサイズ+0.55㎜位でした。つっぱらず、ガタつかず、なかなか良いサイズを狙えたと思います。

テレビ
ヴィンテージのメガネ

18.05.17

久々に苦労しました。60年後半のテレビジョンカットのフレームです。

ガラスのノンコート、平面のG-15を積んでいます。あす、もう少し手直しして完成です。

フレームの溝が妙に深く、レンズを小さくすればガタつきますし、0.1でも大きければ入らない状況でしたので、苦労しました。度付きで、もう少しレンズに厚みがあれば、、、という感じです。加工する立場からも、嫌がられる要素があるので、昨今は見なくなった形なのかもしれません。製作も大変であることは間違いないです。だからこそ、テレビ型は魅力的です。

 

鼻盛りは、いつもとは逆で取り外しをしました。

かけた時のゴツゴツ感は消えたはずです。

掛け位置が下がって正しい位置に、またレンズを入れて眼が見えなくなり、ちゃんとカッコいい感じが醸し出されました。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

18.05.10

70年代のドイツ。AOのサングラス風に仕上げました。フォレストの50パーセントのカラーにしております。

入荷したて、全くレストア出来ていない状態から決めていただいたので恐縮です。この個体自体、全体のくすみはもちろん、リムが熱でよれていたり、薬研がガタガタだったりと、直す箇所が多々でした。加えて鼻盛りが必要です。修正で何時間かけたから分からないほど時間かけました。

初来店の方です。ある程度ヴィンテージの状況をフルビューなりタートなり調べてご来店して下さりました。その上で、目の前の商品をしっかりと見ていただけたのは大変嬉しかったです。枠入れ前、下準備の時間のかけ甲斐もありました。

特に、右のリムがうねっていて大変でした。歪みを削ぎ落として、その後にヤスリとバフがけです。

型直しもありますので、本番のレンズを入れる前にCR-39のクリアをちょっときつめに入れています。レンズをはめたまま暖めて、薬研を整える為でもあります。

熱でプラスチックレンズが割れるのは、生地とコーティングの熱膨張率の違いから起こるコーティングのヒビ割れです。CR-39のコーティング無しであれば、レンズを入れたままヒーターにかざしても割れません。レンズ自体も柔らかくなりません。

やはり裏面マルチのコーティングです。ガラスレンズにコーティングがかけられたのが、日本は1967年からですから、70年代もノンコートのレンズは一般的だったのでは無いかと考察しております。なので、それっぽい雰囲気が出るようにコーティングも選定しております。

ブラックウッド追加
ヴィンテージのメガネ

18.05.02

下段の、薄い茶色と黒のストライプの木目のフレームが入りました。日本のストックから。レンズサイズ、鼻盛りの形式から60年中頃かと思われます。

サイズが46□20-145ですから、腕の長さもゆとりがあって良いです。平均的な日本人の男ならば、ジャストサイズだと思います。

以前紹介した、上段のフレームと比べますと、木目が美しく際立っているのがわかります。

大きい四角の眼鏡
ヴィンテージのメガネ

18.04.30

イギリスから、30本くらいフレームが届いております。ようやくレストアに着手です。

まずは、自分が気になる一本から。レンズサイズからすると、70年代に入っているかもしれませんが、作りからすると60年中頃の線もあります。フランス製です。薄い青を入れました。

テンプルは芯なしです。この年代でシューティングが入っていないのは、久しぶりか初めて見たかもしれません。綺麗ですが、フィッティングは苦労します。

精緻さはありませんが、粗雑さが良い方に働く場合もあります。蝶番のカクカクした感じは、野暮ったさを消していて良いです。

時代が進み、どんどんデコラティブになると、その極みがカザールという感じでしょうね。607のレジェンドと比較すると、蝶番のカクカク具合や、形状に近さを感じます。

大きいスクエアフレームは、全く流行る兆しがありませんが、結構好きで集めています。それこそ、カザールまでいくとやり過ぎと感じてしまう場合は、このフレームならしっくりくると思います。ツーブリッジのメガネに類似した、ナードな感じが演出できます。

在庫品
ヴィンテージのメガネ

18.04.25

初期レンズが紫色で、妖艶過ぎましたので変えました。グレーの濃度50%、ハードコートです。ミラーでは無いです。

やや濃度を落とす代わりに、レンズ形状をフラットにして不気味さが残るようにしております。ただ、昨今の細長いサングラス(レンズは目が見えないくらい濃い)の潮流からしますと、レイバンG-15の濃い緑を用いまして、それなりに怪しくしても良かったなと思いました。後悔はしておりませんが、それくらいのすり寄せはしてみても良かったかもしれません。

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