カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

60年代の
ヴィンテージのメガネ

19.03.05

この辺りの年代のイギリスのフレームは、大体ブリッジが太くて上についています。ミスターインクレディブルのような、覆面感がでます。ほかにパッと思いつくのがドイツのローデンストックのロッコです。あれも確かこんな感じのラインですから、シュッとした感じがヨーロッパで流行ったのでしょうね。そして、つい先日知りましたが、シュッとしているというのは方言なんですね。シュッとしているはシュッとしていることをさすと育ちましたので、他の表現が見当たりません。衝撃でした。

カトラーの、キングスマンのメガネが継続して人気です。持ち込みもありました。完全なる一致を目指さなければ、この辺りの年代のフレームであれば事足りると思いますし、レンズが小さく天地も浅いので掛けやすいかなとも思います。あっちは、レンズサイズと醸す雰囲気がティアドロップ系統気味です。

この辺りのフレームでも十分に、そして同等にシュッとした上品さを付加するはずです。

ゴツい、四角い
ヴィンテージのメガネ

19.03.03

おそらく、オシャレが好きな方との接客で、導入のクラッチ合わせの部分で伺うのが「丸くて細いの」が欲しいという要望です。もちろんそれらもあるんですけど、それこそ他所にも、名古屋中、愛知県内、いまは沢山あったりします。そこからハミ出て肩身が狭そうなゾーンをご紹介です。

70年代のセル枠です。オプチル素材を用いたフレームのような質量の演出ですが、これはアセテートです。オプチルで作った時と比べるとやや重くなるわけですが、鼻盛り可能でフィッティングがしやすいので、しっかり掛けられるようにこちら側が手を施せる点が良しです。

何と言ってもブリッジが醍醐味です。

それこそ先ほどの話に繋がりますが、おしゃれ・おしゃれではないの、どちらでも無いと感じます。そもそもブルバキのヴィンテージメガネは、そんな感じのものがメインです。そうなりますと、メガネを掛けるに際して服や小物、アレコレの組み合わせも緻密ではなくていいやって気分になってきます。そこにもう一度、オシャレに目覚め始めたときのような楽しさが芽生える気がしております。実際には、それをもう一度ファッションとして形式化したのがグッチのように見受けられます。シャツ、ジャケット類のカチッとした格好にゴツいこのようなメガネを合わせるということも、ただの70年代のコスプレや違和感では無しにファッションに迎え入れられた感じがします。ただ、おそらく名古屋ではその雰囲気はありませんから、この類のメガネをかけることによる開放感、自由度は失われていないように思われます。

余談ですが、最近面白いなと感じたのは、ヴェトモンの、オークリーのサングラスですね。トゲのついた。ものすごく実物を拝みたいと思っています。

メガネをプロダクトとして捉えたときに、一番開発が盛んでハイテクでメカっぽくて、つまりは物として純粋にカッコいいのは(個人的に感じているのは)スポーツグラスだったりします。そのカッコ良さをファッションに組み込んだときに、全体がファッションとしてギリギリカッコ良いのかどうかみたいなことを提示していて、感動しました。余裕があるのならば、買って店で飾りたい気分です。

70年代の
ヴィンテージのメガネ

19.02.25

ローデンストックのセル枠が面白いです。暇とか言いつつも、それはビッグウェーブが無いだけであって(それもなかなかの問題)、ほぼ毎日対話をする機会がありますから、嬉しい悲鳴でレストアのペースが落ち気味だったりします。ようやく、個人的な目玉フレームが仕上がりました。

土曜日と本日、じっくり時間をかけて修正しました。ローデンストックのセル枠は、足掻いたけれども、どうしても消えずに残ってしまった堅い雰囲気が良いです。ブランドの歴史がデザインにくっ付いている様です。同じ年代の似たようなフレームと比較した際に、遊びきっていない感じが判ります。大きいセル枠であるのにも関わらず、カチッと男の色気がプンプンして良いんです。

欲を言えば、ネジを交換し、ナットで共締めしたかったです。ネジの径が、今の日本の規格と合わずに断念。とりあえず、ネジ頭は舐めていないのでそのままです。ちゃんと締りきってはいますから、問題は無しです。

もずくみたいな、良い色です。

予期せぬ成功
ヴィンテージのメガネ

19.02.11

ヴィンテージのメガネ。70年代のフランス。

レイバンかAOか忘れましたし、もちろんモデル名も忘れてしまったのですが、こんな様なブリッジが3本のフレームがこの世には存在しています。

なんとなく、トリプルブリッジの類でフランス物だと珍しいなくらいな感覚で仕入れしました。届いた時も、擦れで光沢が無く、あんまり良く見えていなかったです。4ヶ月くらい入荷未処理だったと思います。

バフでササっと磨いてびっくりです。ブリッジから智にかけての生地のグラデーションの綺麗さとフレームデザインが合わさって、なんとも言えない上品さがにじみ出ています。大体こういう類のフレームですと粗野で男っぽいのがウリです。それも要素として含んでいますが、それだけでは終わっていないところが、このフレームの良さです。

リムの凹凸も素晴らしいです。テレビジョンフレームに近い迫力があります。

レンズは赤茶の25パーセント、ブルバキでは珍しくグラデーションの選択です。とにかくダンディズムが際立つ様にしてみました。

在庫3本あります
ヴィンテージのメガネ

19.02.08

ヴィンテージの店ですが、一期一会みたいな推し文句を言わない店です。気づけば今回のこれも、昨年は3回に分けて計5本仕入れしていました。

写真のヴィンテージメガネは、上のG15を入れたのが自分用で、下は在庫です。クリアだとイメージ湧かないので、レンズを入れたものをご用意いたしました。

ようやく、自分用も作れました。写真の他に、レンズを入れていないものが2本あります。よいものは程々に多数存在していても良いと思っています。世界に1本だけというのも確かに惹かれますが、所有欲を満たした後は寂しいですからね。所持している人間同士の共感も欲しいところです。

これでお盆とかに帰省したら、他人のフリされますかね。まあガシガシ掛けていきますけど。

これも以前に載せたかも
ヴィンテージのメガネ

19.02.06

売れました。鼻盛りをして、しっかりと見る機会があり、やっぱり何だかんだこのパターンはカッコいいなと思ったので載せます。レンズカラーが分かりやすいように、白のタオルの上に乗せています。薄い青です。

やはり、接地面のクラックは湿度が関係しているのか…。本日は異常無しです。綺麗につきました。

ネジを交換しました。新品のステンレスです。ブルバキは、鼻とネジのオリジナル性はそこまで重視していないです。プラスチックのメガネは消耗品ですし、顔に掛けたときの不快感ほど嫌なものは無いので変えます。また、この辺りはヤバそうな雰囲気が出ている時点でも変えます。本当にヤバくなりますと、手術して痕が残る場合がありますから、そうであれば早めに摘むのがベストという考えです。

強く締めすぎると亀裂が入ったりネジ穴の破損もあります。なので、いい頃合いで共締めにしました。古い物は、金属が柔らか過ぎますね。

ちょっと繊細さが失われることになりますが、出来るだけ長く使うためにそのようにしました。

前も載せたかもです
ヴィンテージのメガネ

19.02.06

無名の日本のフレームです。品番のみ。サンプラチナの刻印ありです。

見所だらけのフレームですが、やはりまずは智です。

塊のタイプ、一個智です。さらに、

写真だとわからんですが、この溝がプレスではなさそう。やや不揃いで、個人的にポイントが高いです。精悍さに欠けますが、柔らかさがあります。

ブリッジも、実は二本です。だから何だと言われると困りますが、一本より二本の方が強度があります。上から見たときにゴツくてかっこいいのは確かです。

表情
ヴィンテージのメガネ

19.01.29

日本の名無しのフレームです。このカテゴリーは、全くブランド化する気配がありません。つまりは各人に、発見と未知との遭遇の面白さが残されているゾーンだと思っています。

素材はサンプラチナです。

サンプラチナであれば、全部良いってわけでは無いです。例えば服でいえば、ウールの表情なんて表現をします。つまり、ウールで作っていれば、全部良いってもんじゃ無いということが表されています。さらに表情が大事なんですから。

それを借りれば、金属にも表情があります。あると思います。表情が硬いからといって表情が無い訳ではありませんし、柔らかい方に比べて豊かではない訳でもありません。脱線すると、感情が豊かではない訳でもありません。むしろ表情が硬い方が、内に溜め込んでいるだけで、感情や感受性が豊かなのかもしれません。

戻しますが、そんな感じで今回のこのフレームは豊かで良いと思っています。正面やブリッジもそうですが、とくに見応えがあるのは智の部分です。

お店では話しましたが、これです。ここがどう良くてみたいな話は長いですしご購入者特典なので省きますが、まずはこれが刻印無しの無名ということだけでも感銘を受けます。

乾燥
ヴィンテージのメガネ

19.01.29

俗に言う、40’s franceないしフレンチヴィンテージです。お持ち込みでした。枠入れと鼻盛りです。

写真では分かりにくいですが、右のフロントと鼻盛りパッドの接地面に、ヒビが入っています。鼻パッドの下、フロントの中に皺が入っていますので、接着剤を塗布した後にヒビが入ったと思われます。

今まで無かったケースですが、そういえばこの2週間ほど前にも、この界隈のフレームで鼻盛りをした際に、内部にヒビが出来ました。使用上は、そのヒビに対して接着剤が染み込みますし、上から乗せた鼻パッドがジョイントの役割を果しますし、リム切れ等々は起こさないとは思います。ただし、不安ではあります。今年の乾燥が関係でもしているのでしょうか?

他の年代のヴィンテージでは、今のところその症状は無いです。現行品の鼻盛りも相変わらず多いですが、同じような症状は見受けられません。

実際にフレームを触り、メガネとちゃんと関わってきますと、特にヴィンテージ品ですが、状態として完璧ということが稀だなとつくづく感じます。稀といいますか、存在しないのかもしれません。ヴィンテージは上質で最高峰ではなくて、ただ単に何となくカッコいいくらいの方が、捉え方としては正しいような気もしてきます。


Amor
ヴィンテージのメガネ

19.01.18

レストア完了です。在庫移動を繰り返す内に出来たであろう、ブリッジ部分のスレが著しく、ベースの金属が露出しております。在庫化を諦めるには勿体ないデザイン、さらにはレンズサイズとブリッジ幅でしたので、あれこれ理解して頂けそうな方だけに披露していました。この度売れました。

フロントの角度、つまりは傾斜がカッコいい為、高さが出やすい鼻盛りパッドを使用し、頬に当たりにくいようにしております。ちょっと上がった目尻の感じと、横から見たときのシャープさが綺麗です。

蝶番の作りが非常にミニマルです。掛けたときの上品さは、このパーツがゴツく無いからでしょうね。

先セルは、掛けやすさを大事にするためにも交換しました。エッセルのナイロールフレームもそうですが、フランスのフレームの初期装備の先セルは、細い場合が多々です。それは美的感覚からなのか、フィッティングの理論が曖昧で何となくそうなったのか判然としませんが、大概細いです。

(これが初期装備です)

今回はテンプル長145ミリでしたが、135ミリに変更の為、交換のついでにテンプルのカットも致しました。長過ぎますと、乳様突起に触れて痛みが走ります。それはそれでダメだったりします。

フレーム全体のシュッと感が減りますが、掛ければ耳の部分は髪で隠れますし、しょうがないと思います。先セル交換は苦手ですが、まあまあ頑張ってウネウネせずに差し込んでいます。

鼻盛りはこんな感じです。セルのネジ穴も拡張して、ネジと生地が干渉しないようにしております。

パーフェクトコンディションで出てきた物より、相当手を施しているわけですが、もちろん価格としては落とさざるを得ないわけですし、心情としても落とすべきと思っています。それでもこの古物あるあるは複雑な気分ですね。好きじゃないと出来ないと言われればそうかもしれません。

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