カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

これも以前に載せたかも
ヴィンテージのメガネ

19.02.06

売れました。鼻盛りをして、しっかりと見る機会があり、やっぱり何だかんだこのパターンはカッコいいなと思ったので載せます。レンズカラーが分かりやすいように、白のタオルの上に乗せています。薄い青です。

やはり、接地面のクラックは湿度が関係しているのか…。本日は異常無しです。綺麗につきました。

ネジを交換しました。新品のステンレスです。ブルバキは、鼻とネジのオリジナル性はそこまで重視していないです。プラスチックのメガネは消耗品ですし、顔に掛けたときの不快感ほど嫌なものは無いので変えます。また、この辺りはヤバそうな雰囲気が出ている時点でも変えます。本当にヤバくなりますと、手術して痕が残る場合がありますから、そうであれば早めに摘むのがベストという考えです。

強く締めすぎると亀裂が入ったりネジ穴の破損もあります。なので、いい頃合いで共締めにしました。古い物は、金属が柔らか過ぎますね。

ちょっと繊細さが失われることになりますが、出来るだけ長く使うためにそのようにしました。

前も載せたかもです
ヴィンテージのメガネ

19.02.06

無名の日本のフレームです。品番のみ。サンプラチナの刻印ありです。

見所だらけのフレームですが、やはりまずは智です。

塊のタイプ、一個智です。さらに、

写真だとわからんですが、この溝がプレスではなさそう。やや不揃いで、個人的にポイントが高いです。精悍さに欠けますが、柔らかさがあります。

ブリッジも、実は二本です。だから何だと言われると困りますが、一本より二本の方が強度があります。上から見たときにゴツくてかっこいいのは確かです。

表情
ヴィンテージのメガネ

19.01.29

日本の名無しのフレームです。このカテゴリーは、全くブランド化する気配がありません。つまりは各人に、発見と未知との遭遇の面白さが残されているゾーンだと思っています。

素材はサンプラチナです。

サンプラチナであれば、全部良いってわけでは無いです。例えば服でいえば、ウールの表情なんて表現をします。つまり、ウールで作っていれば、全部良いってもんじゃ無いということが表されています。さらに表情が大事なんですから。

それを借りれば、金属にも表情があります。あると思います。表情が硬いからといって表情が無い訳ではありませんし、柔らかい方に比べて豊かではない訳でもありません。脱線すると、感情が豊かではない訳でもありません。むしろ表情が硬い方が、内に溜め込んでいるだけで、感情や感受性が豊かなのかもしれません。

戻しますが、そんな感じで今回のこのフレームは豊かで良いと思っています。正面やブリッジもそうですが、とくに見応えがあるのは智の部分です。

お店では話しましたが、これです。ここがどう良くてみたいな話は長いですしご購入者特典なので省きますが、まずはこれが刻印無しの無名ということだけでも感銘を受けます。

乾燥
ヴィンテージのメガネ

19.01.29

俗に言う、40’s franceないしフレンチヴィンテージです。お持ち込みでした。枠入れと鼻盛りです。

写真では分かりにくいですが、右のフロントと鼻盛りパッドの接地面に、ヒビが入っています。鼻パッドの下、フロントの中に皺が入っていますので、接着剤を塗布した後にヒビが入ったと思われます。

今まで無かったケースですが、そういえばこの2週間ほど前にも、この界隈のフレームで鼻盛りをした際に、内部にヒビが出来ました。使用上は、そのヒビに対して接着剤が染み込みますし、上から乗せた鼻パッドがジョイントの役割を果しますし、リム切れ等々は起こさないとは思います。ただし、不安ではあります。今年の乾燥が関係でもしているのでしょうか?

他の年代のヴィンテージでは、今のところその症状は無いです。現行品の鼻盛りも相変わらず多いですが、同じような症状は見受けられません。

実際にフレームを触り、メガネとちゃんと関わってきますと、特にヴィンテージ品ですが、状態として完璧ということが稀だなとつくづく感じます。稀といいますか、存在しないのかもしれません。ヴィンテージは上質で最高峰ではなくて、ただ単に何となくカッコいいくらいの方が、捉え方としては正しいような気もしてきます。


Amor
ヴィンテージのメガネ

19.01.18

レストア完了です。在庫移動を繰り返す内に出来たであろう、ブリッジ部分のスレが著しく、ベースの金属が露出しております。在庫化を諦めるには勿体ないデザイン、さらにはレンズサイズとブリッジ幅でしたので、あれこれ理解して頂けそうな方だけに披露していました。この度売れました。

フロントの角度、つまりは傾斜がカッコいい為、高さが出やすい鼻盛りパッドを使用し、頬に当たりにくいようにしております。ちょっと上がった目尻の感じと、横から見たときのシャープさが綺麗です。

蝶番の作りが非常にミニマルです。掛けたときの上品さは、このパーツがゴツく無いからでしょうね。

先セルは、掛けやすさを大事にするためにも交換しました。エッセルのナイロールフレームもそうですが、フランスのフレームの初期装備の先セルは、細い場合が多々です。それは美的感覚からなのか、フィッティングの理論が曖昧で何となくそうなったのか判然としませんが、大概細いです。

(これが初期装備です)

今回はテンプル長145ミリでしたが、135ミリに変更の為、交換のついでにテンプルのカットも致しました。長過ぎますと、乳様突起に触れて痛みが走ります。それはそれでダメだったりします。

フレーム全体のシュッと感が減りますが、掛ければ耳の部分は髪で隠れますし、しょうがないと思います。先セル交換は苦手ですが、まあまあ頑張ってウネウネせずに差し込んでいます。

鼻盛りはこんな感じです。セルのネジ穴も拡張して、ネジと生地が干渉しないようにしております。

パーフェクトコンディションで出てきた物より、相当手を施しているわけですが、もちろん価格としては落とさざるを得ないわけですし、心情としても落とすべきと思っています。それでもこの古物あるあるは複雑な気分ですね。好きじゃないと出来ないと言われればそうかもしれません。

ネジ頭切り
ヴィンテージのメガネ

19.01.11

ネジに関しては、オリジナルだからといって、特に良いことは無いです。加工する度に、つくづくそう感じています。なので、ちょっとでも弱っているネジがあれば、長く使えるようにするためにも現代の日本のネジを挿しています。頭がプラスになってしまうので、美観の点でマイナスなのは仕方がないことだと考えております。

超音波洗浄して、いつも通りゆっくり回しましたが、一発でネジを舐めました。デッドストックでもこんな感じです。さらに念には念をで、ネジ周辺を温めておくべきだったかなと反省。

今回は、サーモントの中身のリムネジでした。ドリルもニードルも入らないので、ちっさいカッターみたいな物でマイナスの頭を作り直します。割とこれで作る頭も舐めやすいと感じていますので、うまく抜けて本当に安心しました。

これより最悪のケースですと、ネジの頭がポロッと取れる場合ですね。メタルフレームも油断は出来ませんし、届いてからもあれこれやる事は多いです。

バランスがおかしい
ヴィンテージのメガネ

19.01.08

入荷品から。名無しのイギリスフレームです。おそらく作りから60年代。

様々な面白いメガネがありますが、このパターンもなかなかです。ぱっと見、普通ですが至るところでバランスが崩れており、それ故の可愛らしさが爆発しております。メガネもバランスの崩れから生じる可愛らしさが存在します。正月に、親戚の2歳くらいの子供を観察していまして、あの可愛らしさの中枢は手脚の短さかなと考えていたのですが、同時に均整が保たれているだけが良さの全てでは無いなと改めて感じた次第です。

まず、レンズの形がよく見ると凸凹です。単純なボストンとか丸ではなく、やや角ばっています。また、ブリッジが異様に太いです。結果、マスクの様な存在感があり、見れば見るほど出しゃばり感が凄まじいです。一見普通そうに見えて、実は異様というのがメガネでも何でも難しかったりするわけですから、この高度な天邪鬼感が実に堪らないです。

テンプルはしっかりと長さがあり、フロントサイズは小さいながらも、ちゃんと大人用だと推定できます。この写真で掴める特徴としましては、テンプルがフロントと同じ厚みの生地で作られています。それは全体的にゴツい印象を与えます。やはりここでも、こっそりと存在感の演出ということが施されております。

彫刻
ヴィンテージのメガネ

18.12.27

今日の仕入れからもう一本。セルの竹内光学です。

これもまた、特に素晴らしい1本でした。写真では分かりにくいですが、まずはブリッジの造形です。何年も眼鏡屋をやっていますが、見たことのない切削が施されています。真ん中で水平に突き出しており、ダイヤ型になっています。また、フロント全体も、あらゆる箇所に細かく切削が施されておりました。その為、バフがけが全然進まず、こんなにも磨きが進まないフレームは初めてだなと苦労をしました。

色も黒でボリュームがあり、通常は重たく見えそうですが、そうみえない工夫が随所に見受けられます。このフレームも相当良かったです。

とりあえず、しばらくは見てもらう為に、販売せずに置いておきます。それか、販売しても1ヶ月くらいは店頭保管かもしれません。

蝶番があれですが、あれであるが故に全体が滑らかに、一つの纏まりとして美しく見えます。そもそも、蝶番の枚数とフレームの品質は、そこまで相関していない気がします。構造とか美観を加味して使う駒が選定されることも有りますから、枚数が全てでは無いでしょう。例えば、USSは7枚蝶番ですしね。枚数よりも、それ自体の開閉の滑らかさが勝負です。ネジをしっかり締めて油を注した後で、開閉に引っかかりが有るのか無いのかが、個人的には気にしているポイントだったりします。

人間で例えた方が分かりやすいかもしれません。あれやこれやが大きければ大きいほど、男性でも女性でも必ずしも優れているわけでは無いですよね。比較の為に、ある一点を取り出して数値化することも大事なんでしょうけど、やっぱり総合力みたいなフワッとした全体像が、より一層大切でしょうね。

仕入れ
ヴィンテージのメガネ

18.12.27

久々に、店頭で買取を致しました。今日訪問したお店は、おじいちゃんの代から94年続いたお店でした。今月の30日に廃業するとのこと。

ということで、いつも通りカッコつけてしまい、店頭で沢山買いました。私なりの、業界の功労者の方々への敬意です。基本は古いものばかり販売しておりますから、これくらいしか現在の業界や、それを作ってきた方々に還元する方法が無いというのが理由です。

イベント出店が終わり、しばらくご無沙汰の良い上着でも買ってしまおうかくらいのフワフワ感が滲み出ていましたが、一気に覚めました。餅代はあるけど蟹代は無いくらいの懐事情で、自分にはこれくらいが丁度良いのだと、言い聞かせております。

とりあえず1本、インスタとは違う物を載せておきます。特に素晴らしい1本でした。これを含めた何本かは絶対欲しいなと感じ、廃業を待たずに、本日買取を決断したというのも理由です。

オプチル素材のサーモントフレームです。ブリッジ部分も含めた、全ての造形が秀逸です。

日本の在庫が、やっぱり一番面白いです。再認識しました。常に発見と驚きがあります。

今回の買取で嬉しかったことといえば、終わりがけ、話をまとめる為に値段を算出するときに、電卓を渡して頂き「正直に全部足してもらって、その額で良いから」と仰っていただいたことでしょうか。基本は怪しまれた経験しかありませんから、ちょっとウルっときました。

シチズン
ヴィンテージのメガネ

18.12.14

枠入れ完了しました。シチズンのフレームです。大きめの四角で、ゆるゆる感が抜群です。まさにあの世界観ですけど、カーディガン、デニム、ローファーにこれとか良さそうです。

黒のベースに、ブリッジと智の部分だけ金色でペイントしてあります。そして見どころは、左の智の「CITIZEN」ロゴのプレスでしょうね。

ロゴさえ入れなければ、製造元が持っている型で作れたのに…。このために型から作ったと考えますと、さすが80年代と思います。プリントではなくて、模様に忍ばせて”CITIZEN”を主張しておりまして、色々と、いい時代だったんだろうなと想像を掻き立てます。

また今回、お客さんの度数がやや強めですから、それが尚良しです。目が小さくなって、ナードさ爆発です。それがカッコいいんです。

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