セルの複式です。レンズ入れました。

外側:フラット ネイビー50% ハードコート
顔側:球面 クリア マルチコート
レンズの形状が違う組み合わせでの製作は初めてでした。以前、フラットレンズ2枚、しかもガラスで製作したことがありましたが、
・重すぎる
・レンズの反射が重なって使い辛い
という点が気になっていました。今回はプラスチックレンズを使うことで1個目を解決し、フラットレンズと球面レンズを組み合わせることで2個目を解決して(特に顔側は反射防止コーティング付き)、ある程度の使いやすさを確保しようという算段です。
とりあえず、製作で苦労しました。元々製造時は、フロントの2枚とも同じフレームカーブで製作していますから、どちらかを0カーブ付近まで落としますと、お互いを繋ぐ駒の箇所が合わなくなります。写真は撮り忘れましたが、駒のギザ一つ分、フラットレンズを積んだ方は横に伸びていました。

お互いのそり角を微調節して、合わせる作業が要ります。駒のオスメスの角度も異なってきますので、なかなかの手間です。
また、日常で気兼ねなく使おうとしますと、跳ね上げの肝となる2箇所のヒンジの修繕が必要でした。
径1.4ミリのネジ穴に、1.2ミリのネジが差し込んであり、度重なる開閉で(連続20回くらい)、ネジが浮いてきました。これではいけませんね。今回は、都合のいいマイナスネジが供給品で見当たらないので、ツーポイント用のプラスネジから、欲しいネジを作りました。

ネジ先のカットと、面取りをしています。切らないと、ぼちぼちはみ出します。

さらに、ネジ先を底付きナットで共締めです。開閉が堅くなりますから、そこは現代科学を駆使して、砥粒入りのオイルを注油しております。これだけやっておけば、脱落の心配ありません。
フロントのデザインは普通ですが、同じものが2枚重なるだけで、ここまで面白くなるというのも、このメガネの良いところです。これが、他人から見たときに、カッコいいのか変態的なのか分かりませんが、とりあえず掛け続けて「メガネが2枚の人」になりきったら勝ちですね。昨今のSNSなんかを見ていますと、カッコイイ人もかわいい人も数多居ますが、メガネが2枚で可笑しい人は居ないですからね。特に日本人の場合は、メガネで特異性が出やすい気がします。