カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

良い感じでした
ヴィンテージのメガネ

18.04.23

度付きのサングラスです。

カラーは、度なしレンズ専門メーカーから取り寄せた色を元に、レンズ工場で特注しました。業界では見本染色と言いますが、割と普通なことです。プラスチック片でも、それに準ずるものであれば、近似色を作り出せます。

通常の度付きレンズで実現可能な青の色味ですと、濃度50パーセントが限界です。薄っすら目が透けて見えます。今回のオーダーは、ポータークラシックさんが打ち出している感じで、小さいレンズの丸いメガネに、目が寄って見えるくらいの濃い色という事でした。透かすと薄く見えますが、これで大体濃度80パーセント以上です。

タート枠入れ
ヴィンテージのメガネ

18.04.18

無事に完了しました。クラウンガラス、ノンコート、クリアです。3プリズムずつベースインしております。内側が相当分厚いので、多めに面取りを施し、チップが入らないように、また美観を損なわないようにしております。鼻盛り済みです。

 

一応、デスク作業メイン用です。

近方の輻輳不全でした。AC/A比が1.5△/+1.00ですから、ピント調節に伴う目の寄せが全然起こりません。それだけではありませんが、あれこれ重なって目が寄らない、調節反応が弱いという症状です。遠方も遠視性倒乱視ですから、調節が頻発して疲れやすいタイプです。

測定と、理論と、仮枠での実感から、思い切ってレンズに組み込める最大のプリズムの値を処方です。こういう方は、遠近両用となるとフランクリンバイフォーカルの出番です。累進レンズが難しいタイプの方です。

お持ち込みのタートでした。半世紀以上前のタートに、最新の光学理論が詰め込まれているというのが堪りません。やりきった感があります。

開き調整
ヴィンテージのメガネ

18.04.14

タートのお持ち込み。店では取り扱い無いです。そう言う意味では専門外ですけど、メガネとしては専門なので承ります。

上の写真は、ヤスリを入れて開きを増やした後です。フロント幅140ミリ程度ですから、少なくとも日本人、男性の平均で160ミリはテンプルの開きを増やさないといけません。

左蝶番の開き前です。写真は小さくてわかりにくいですが、テンプルの先しかフロントに当たっていません。そもそも当時は綺麗に仕上げてはいませんし、そこが復刻と当時物の構造としての大きな違いです。掛けたときの粗野だけど収まりの良い柔らかな雰囲気が醸し出される秘訣だったりします。

蝶番の左右が変わってしまっていますが、右の開き後です。あとは、熱を加えて適宜テンプルにアールを付け、掛け心地をさらに良くします。

開くと同時に、開閉部分が面で当たるようには修正します。元々の状態が、テンプル先だけでフロントと接しており、開閉を繰り返すとテンプル側のプラスチックが欠ける可能性がある為です。ただし、前述の荒々しい良さみたいな要素は残さないといけませんから、そこも配慮しています。

YSL
ヴィンテージのメガネ

18.04.11

80年代のイヴ・サンローランです。製造は日本です。羨ましいくらいに、其処彼処にデザインが詰め込まれています。何でも形になってちゃんと売れた、80年代の良さに溢れています。デザインする人も作る人も掛ける人も、皆楽しかったんだろうなと想像出来ます。

リムのデザインも強烈です。s-1.00くらいの弱い近視であれば、ギリギリ度付きも出来そうです。レンズを外したら、爪の部分が折れそうで怖いです。

この時代によくある、ウネウネのテンプルです。ウネウネさえしていれば、とりあえずカッコいいという感覚があったのでしょうか。個人的にはかなり好きなデザインでして、例えば現代でマイキータやアイシーベルリンのような、シートメタルのフレームでウネウネしていたらちょっと欲しいと思っています。

あとは、前も書きましたが、ロゴのデザインがカッコいいです。

メタルのツーブリッジは確かに流行っている実感がありまして、男は年末から、ほとんど販売はツーブリッジです。ただ、セルとなると難しいでしょうね。

今日気づきましたが、おそらくベンジャミン・ボーナスがこれを掛けているようです。これで、絶対売れないなと観念しております。ちょうど、完成度の高さから販売するかどうか迷っていましたので、迷いが消えました。

普通の
ヴィンテージのメガネ

18.04.11

奇天烈メガネだけではなくて、ちゃんと普通のヴィンテージメガネもあります。イギリスから届いていましたが、3月中は手がつけられなくて、今ようやくレストア中です。

黒枠の方は、元々サングラスっぽいです。レンズ無しで入ってきましたが、レンズ溝が、薬研ではなくてただの線でした。レンズは、度付きもはめられます。

 

廃棄
ヴィンテージのメガネ

18.04.08

残念ながら廃棄です。フロント全周、ダメっぽいです。

ぱっと見は綺麗で、亀裂も無いですがやっぱりダメでした。ポイントは臭いです。酸っぱいか銀杏臭か、それらは疑わしいです。

臭っても、中身が生きている場合もあります。今回はダメっぽいです。水に10秒ほど浸けて、爪でこするとめくれます。痕が残ります。

紙ヤスリで水研ぎするときに、削る感覚よりも溶けてねちゃねちゃする感覚があるのも同じく残念な状態です。今回は思い切って棒ヤスリで0.5ミリくらい削ってみましたが、それでもダメでした。

デザインが良かっただけに名残惜しいです。

握り
ヴィンテージのメガネ

18.04.08

オーバルのブラックが入りました。これで、3型3色揃いです。80年代の傑作です。

デザインも笑えますが、ちゃんと握り拳になるようにしています。デザインと、メガネのパーツとしての機能が合致しています。それによるコストの増加が無視されている点で、このメガネは傑作です。

拳の裏にネジがあって、それで固定しています。リムが割れており、レンズの枠入れ等々に困ることはありません。

ファミコン世代には伝わるかも。畳むとツインビー感が出ます。

かわいい
ヴィンテージのメガネ

18.04.07

レストアが久々に進んでいます。イギリスから届きました。物はフランスです。

特にカタカナで表現されるカワイイは、時代に適していることを指すような感じがします。今回のフレームは、そう言う意味でのカワイイ感じは無いですが、小さくて個人的にはかわいい部類です。

サングラスにした方が、今は売れる可能性がありそうですけど。やっぱりメガネで掛けた方が美しいだろうなと思ってそうしております。

50年代か60年代か分かりかねますが、錯視アートから直結するデザインであることからすると、60年代くらいかもしれませ。アートとメガネが直結するというのも、ちょっと古の良さですね。

ジウジアーロ
ヴィンテージのメガネ

18.04.03

メガネもジウジアーロの手にかかれば、車みたいになります。とにかく、物としてカッコいいです。この際、掛けてカッコいいかどうかは関係ないです。ジウジアーロをメガネで取り入れたいかどうかでしょうね。時計では物足りないとか。

写真はレストア後。残念ながら、肝心の先セルから臭いにおいが出ていましたので、交換しました。経年変化でダメになっていました。銀杏みたいな、樹脂製品特有のあれがプンプンでした。

デモレンズがない場合も、加工はもちろん出来ます。今回も、型板を用いて、フリーハンドで何となく形を決めた後にレンズを削り、それを砥石で整えて嵌め込みました。

カザールもそうですが、80年代のデザインでよくある、やたらブリッジ部分を空洞にする、このアクセントが好きです。他だとディオールとかサンローランのライセンス物でも見かけます。

オプチル
ヴィンテージのメガネ

18.04.02

70年代の日本のメガネ。オプチル素材による立体的な曲線と、透き通る色の綺麗さが特徴です。フレームのオレンジ色に合わせて、レンズカラーはネイビーにしました。黄色と青の補色の関係を用いています。クリスマスの緑と赤みたいな感じです。

オプチルは鼻盛りが出来ません。出来ないと言いますか、プラスチック片を融着出来ないために、プライマーの塗布をして瞬間接着剤でくっつけることで鼻盛りをします。

今回は日本の設計のフレームでして、鼻幅14ミリでした。鼻盛りをせず、フレームの透明感を活かしたまま掛けることが出来ます。デザインとメガネとしての設計のどちらも欠いていない、良いフレームだったと思います。

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