カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

惜しい
ヴィンテージのメガネ

18.09.05

入荷品の鼻盛りと枠入れ。

鼻パッドは共色で施されていましたが、あまりにも付き方が弱く、親指で押したらポロッと取れてしまいました。どうせ必要なので、先に、透明のパッドを取り付けております。

フロント裏面、左鼻パッドの土台となるところですが、生地に裂け目がありました。フロント裏面から、ブリッジ内側にかけて立体的にVの字に2ミリずつです。真っ直ぐな亀裂で、全く欠けがなく、生地から匂いも無いです。電動カッターでかすった様な痕跡です。とりあえず、埋めて修正しました。プラスチックの劣化で切れ目が入る場合は、地割れみたいにジグザグに筋が入りますし、元のレンズの圧迫による亀裂であれば、リムの内側に入ります。NOSで届いていますし、生地の劣化は無いと判断してです。劣化であれば、商品からは外します。

鼻盛り部分に切れ目が重なるようにしております。上から、補強を兼ねて押さえつけています。ここまですれば、はち切れることはありません。少々迷いましたが、商品から外すのが、余りにも勿体無いくらい良いデザインでしたので直して出します。パーフェクトでは無いのが惜しいですが、蝶番に緑青もなく、十分に良い状態だとは思います。

 

入荷処理
ヴィンテージのメガネ

18.09.03

9月は暇っぽいので、入荷処理も快調です。

磨いていて気になったフレームのご紹介です。このゴツいフレームが良いです。カザールの600番代に通ずる厳つさです。ただ、装飾が無く、フロントの際からテンプルにかけての流れるようなデザインが、ほどよく軽やかな雰囲気にしています。レンズサイズは54ミリで、ナード臭がプンプンなゴツいフレームというのも珍しいです。

謎のリベット付きです。個人的には、アイビーの中に差し込みたい気がしています。

タカアシガニ
ヴィンテージのメガネ

18.08.31

今回のヴィンテージ入荷分から。タカアシガニみたいなフレームです。

セルロイドの細いフレームで、ここまで芸術的なフレームは見たことがありません。おそらく、当時も売れなかったでしょうし、他の意図があって作られたのかもしれません。

外付け蝶番、共色の鼻パッドです。

もちろん、シューティングしてあります。極細テンプルです。技術力のアピールのために作られたのでしょうか?今となっては分かりません。

入荷
ヴィンテージのメガネ

18.08.31

前回、前々回分のレストアがほとんど終わっていませんが、また入ってきました。順番抜かして、今回入ってきた黒のテレビジョンフレームをレストア。

黒は初めて見ましたが、妖艶で良いです。レイバンカラーのG15で作って、ウェイファーラーと比較すると面白いです。同じセルで同じレンズカラーのサングラスだとしても、与える印象がまるで違います。こちらは、スーツ寄りの印象です。大分落ち着いた雰囲気のサングラスに仕上がります。

テレビジョンフレームの場合は、リムの厚みから、レンズに色を入れないと野暮ったさが丸出しになってしまいます。それも良さですけどね。レンズカラーの有る無しで、ここまで印象が変わるフレームも珍しいです。

売れてる商品
ヴィンテージのメガネ

18.08.15

「何が売れてる?」

この質問は、業界人が集まるところへ赴くと、十中八九で聞かれます。店頭に居るときに、お客さんからも聞かれることがありますから、何とも不思議な質問です。

そもそも母数が少ないですから、頭ひとつ、有意差が出るようなカテゴリーが無いです。どれも売れていないと、いつも申し上げるのは、あながち嘘では無いです。

ただ、個人的に意外なのは、60年代付近の四角いセルフレームが、いまは1番売りずらい感覚があるということでしょうか。写真のフレーム達です。普通な感じなので、それなりに動くかと思いきや、ほとんど動きません。もっとデコラティブな物が動くか、ボストンの優しい雰囲気のメガネを買いに他所に行ってしまうか、という感じです。

服がゆるゆるにどんどんなっていきますから、そろそろ顔にはシャキッとした物を乗せたくなってきますけど、どうなんでしょうね。女性では、強烈なフォックスアイフレームが大きいブランドから提案されることが増えているのは、そのような傾向があるのではないかと勘繰っています。

良いです
ヴィンテージのメガネ

18.08.14

鼻盛りを施しました。全体の磨きと、型直しもして、レンズを入れております。七十年代の雰囲気を醸し出せるように、ブラウンの50パーセント、グラデーションです。

華やか過ぎず、優美過ぎず、程よいと思われます。とてもカッコ良い女性のサングラスが出来たなと、久々に感動しました。

順番飛ばし
ヴィンテージのメガネ

18.07.29

前回のイギリス入荷分のレストアが全く手付かずですが、2日くらい前の新規到着分で強烈に突き刺さる物がありましたので、順番飛ばしてレストアと枠入れです。

金属枠でトリミングしてある、テレビジョンフレームです。そして、恐ろしくフロントがヘビーな作りでして、立体的かつ曲線が滑らかでカッコいいです。ブランドは「MARY QUANT」です。女性に寄せたと思われる薄いピンク色が何とも不気味でいい感じです。

レンズカラーは悩みました。目が見えなくなる位の濃度で、分厚い生地のフレーム特有の間抜けさを打ち消すのがお決まりの方法ですが、フレームの風合いを活かして75%濃度のグレーにしました。

テンプルエンドに可愛らしいロゴが入っていますが、全体のゴツさ、強烈さを掻き消すには至りません。むしろ、フレーム自体の厳つさと、ロゴのかわいらしさの齟齬が非常に愉快です。

白バックで撮るとこんな感じです。レンズカラーはネイビーでも良いかもしれません。あとは#3とかも良さそうです。

ツーブリッジ
ヴィンテージのメガネ

18.07.24

ツーブリッジ、ナイロールタイプです。レンズカラーは、マスタードみたいな色で15%濃度です。

元々のデザインの由来は、補強する為の「二本の」ブリッジであるのにも関わらず、フレーム自体の強度は出にくいナイロールであるという矛盾が良いです。フランスの70年代のフレームです。この辺りから、ツーブリッジという構造が、見た目の為に選択されるようになったということでしょう。

日本人に合うように、フレームを弄らなくてはなりません。

掛けた時に、鼻パッドの先が鉛直方向に向くように修正です。

修正前です。テンプルに対して斜めに伸びています。メガネが前に飛び出しやすくなりますから、出来ればこの状態は回避したいところですし、今回もそこは直しています。

鼻パッドのネジも交換しました。このタイプのフレームは、鼻パッドがナイロン糸の玉止めです。今後のことも考えて、ネジに変更しました。ドリルで穴を拡張して、パッドも交換しました。

元々はこれです。

もちろん、ナイロン糸も交換してあります。何だかんだで結構時間がかかりました。その分、仕上がりも良いです。

お持ち込み
ヴィンテージのメガネ

18.07.20

フラットガラスの度付きです。ギラつき過ぎないというお題がありましたので、単層コートにしました。程よい青白い反射光です。ほぼ白ですけどね。

リムが細く、薬研も細くて枠入れは少々手こずりました。経年でリム切れが起こりにくいように、ガタツク手前の小さいレンズサイズを狙っております。

持ち混んで頂いた段階で、左リムの下側にたるみが。このふにゃふにゃ感は、熱し過ぎによるものでしょう。元々のレンズが入っていて購入した店で予め外していたのか、型直しでデモレンズ入れて、その時に熱し過ぎたのかどちらかでしょう。

撮る角度間違えました。比較しにくいですが、リムのたるみはヤスリ入れて取りました。綺麗に仕上がったと思います。一安心です。

ワンブリッジ
ヴィンテージのメガネ

18.07.13

トップバーとか言うかもしれません。ワンブリッジですと、ほとんどのフレームが該当しますし。

ツーブリッジの2本目が無い感じのデザインです。2本目が無いだけあって、ツーブリッジ特有の野暮ったさが薄れて、割と掛けやすかったりします。

平たくプレスし、さらにアールを付けてブリッジが付いています。それのお陰で剛性がちゃんとあります。捻れて使いにくい等々の、光学的に支障が出ることはないでしょう。この部分のしっかりさとデザインの良さが、同じようなフレームを比較した時の差です。

色無しで、普通のメガネとして使用の予定です。ニコンのシーマックス搭載です。今回は、フレームもレンズもニコンです。単焦点の一番いいやつ積んでいます。その新旧の融合感も良いです。

_170831bk

pageTopLink