カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

ヴィンテージメガネの枠入れ
ヴィンテージのメガネ

17.03.24

お持ち込みフレーム。上は80年代、IVY LEAGERです。作りはイギリスのUKオプティカルです。アルガ(ALGHA)とかヒルトンクラシックと同じ製造メーカーの出所です。

下は、メーカー不明です。推定で20年代のアメリカです。

レンズを入れるだけでしたら、何処でも出来ると思います。ヴィンテージという響きだけで断られる可能性もありますが、削るだけでしたら、機械がトレースして機械が削るので、みんな出来ると思います。

ただ、時代や国ごとにフレームの癖があるので、綺麗に仕上げようと思うと、それなりの工夫が要ります。昨今は「出来る」という言葉のハードルが下がっていますので、削りさえ出来れば、「加工出来る」と言えるのですが、本来は綺麗に仕上がっているというのを「出来る」と、定めないといかんでしょうね。お金が発生していますからね。

下の20年代のフレームなんかは、右と左のレンズの大きさが違います。今の日本のフレームの場合は、誤差0.05ミリ以下でしょう。古いメガネはリムの精度が出ていないので大抵違います。0.1ミリ〜0.2ミリくらいですけどね。私のところ以外で枠入れしたメガネを見ますと、左右同じ大きさで削ってしまい、サイズが合わない方に溝セルを埋めて、サイズ調節しているのを見かけます。その処置も業界的にはミスでは無いですけどね。

あとは、円形のレンズの場合は、レンズが型崩れしていますので、直してから枠入れします。それか、綺麗な方をトレースして、左右反転させて枠入れします。

金無垢のメガネを作る人の話では、円が一番難しいと仰っておりました。誤魔化しがきかない為です。それを鑑みますと、20年代当時で、機械の精度もそんなに無いでしょうから、型崩れというよりも左右非対称で当たり前っぽいですが、一応、ぱっと見て分からないくらいには非対称性を直してレンズを入れます。

あとは、レンズの素材の違いで手で行う最終処理が変わってきます。そんなことをしながらレンズを入れております。

新旧の比較
ヴィンテージのメガネ

17.03.23

左:1920年代 合金の金張り

右:現行 サンプラチナのメガネ

左はお客さんのお預かり品。デッドではないので、やはり爪智は爪がやられています。爪が残っていれば、ハンマーで叩いて伸ばすという修理もできますが、全く無い場合は、さすがに何とも出来ないので残念です。

まきつるタイプなので、開き切っても顔に乗りますし、気にせず使って頂く予定です。

現行品もピンキリですが、扱っているサンプラチナに関しては、爪ももちろん硬いので早々ダメにはなりません。

入荷しております
ヴィンテージのメガネ

17.03.04

ドイツのヴィンテージメガネが入荷しました。写真は、マルヴィッツのサーモントフレームです。

サーモントやブローのレストアは、中々大変です。眉部分を外しての磨きとなります。また、眉の生地が縮むので、一旦ネジを外して分解した際に、フロントのネジ穴の位置と眉の部分にある穴の位置が合わなくなります。ですから、多くの場合は、眉の方の穴をドリルで広げて、ネジが通るようにします。1本あたり、1時間くらいはなんだかんだメンテで時間かかります。

写真は、眉を外した画像です。透けて見えることを考慮して、智の部分にプレスで彫金入っています。凝ってますね。また70年代ドイツフレームあるあるの、ノミネジです。レンズを止めるネジが外れないように、横からノミネジと呼ばれる小さいネジを通しております。凄いです。

知れば知るほど、ガッカリするポイントがないと言いますか、むしろメガネの深みにハマりそうになる、良いメガネですね。

クラウンパント
ヴィンテージのメガネ

17.02.20

クラウンパントのメガネ。サングラス用にレンズが搭載されております。フランスの40年代ではなくて、80年代の日本のメガネです。メガネのデザインも、何周も回ってブラッシュアップされていくのでしょうね。日本の80年代には珍しく、レンズのサイズが46ミリです。フランスの元ネタからしたら十分大きなレンズサイズですが、サングラスにするならむしろ歓迎な大きさですね。

これが面白いのは、ギンガムチェックがプラスチック生地へのプリントではなくて、“布”生地がアセテートでサンドされることにより、チェックを表現しております。気泡が一切無いところに、技を感じます。技が奇抜に変換されているという面白さが良いです。

ヴィンテージ=60年代までという考えもあります。大量生産以前という考え方でしょう。ですが、80年代の物が売れたからこそ商品化出来た・されたメガネも面白いですし、アクが強いからこそ掛けこなしたらかっこいいと感じます。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

17.02.12

60年代後半、オーストリア。

眉部分の赤茶の色と、光沢がものすごく綺麗なメガネでした。ここ最近のヴィンテージの中では、個人的にかなり綺麗だなと惹かれたメガネでした。金張りです。

レンズはガラスでは無いですが、反射光を白にしているおかげで、レトロさは損なわれていないのでは無いかと思われます。

ヴィンテージのメガネ
ヴィンテージのメガネ

16.12.05

久々に載せます。あれこれ書きすぎました。もはやヴィンテージのメガネ屋かどうか分からんくらいでしたね。

60年代前半。フランス製。

メーカー自体はアメリカのメーカーです。50年〜60年代となりますと、アメリカではフレーム(特にセル)のメーカーが群雄割拠する中で、デザインによって頭一つ出ようとしたのでしょうか?フランス特有の、ラインの綺麗さがあります。

何故か、テンプルがペルソール風です。ペルソールはイタリアのサングラスで有名なメーカーです。イタリア版レイバンみたいな感じです。

リベットがダブルダイヤなので、色んな要素が詰め込まれていて面白いです。久々の個人的に相当グッときたメガネのご紹介でした。

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メフレクト的な、ヘリンボーンみたいな箇所にバネ性があって、柔らかい掛け心地です。

雰囲気が変わります
ヴィンテージのメガネ

16.11.24

海外からの入荷があります。今は届きまして、洗浄、磨き、型直し、パーツ交換の最中です。土日には完全に並びます。ぜひ、お越しください。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

16.11.23

80年代の日本のヴィンテージメガネ。それに、緑の50%の濃度のレンズを入れました。度付きのサングラスです。便利ですよ。

バイクに乗る方なので、大きめのレンズは実用的でもあります。冷たい風が目に入りにくいので、涙が滲みにくくなります。薄めの緑が、クラシックな雰囲気を高めています。コーティングも白色の反射のレンズにして、出来る限り質感を高めることに努めました。子供っぽくオモチャっぽくなりすぎずに、いい風合いです。冬は、服が重たくなるので、逆にメガネはこれくらい軽い感じでも面白いかもしれません。

ケースは、レイバンを意識しております。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

16.11.20

90年代の日本のメガネ。ゴーグル型メガネが立て続けに。嬉しい反面、若干コレクションに近いので手元から離れるのは寂しいもんです。

お客さんのメガネ×2
ヴィンテージのメガネ

16.11.07

上:90年代の日本(レンズサイズ-7㎜、チタンパッドに交換済み)

下:70年代のフランス(鼻パッド、先セル新品に交換済み)

それぞれ、カスタマイズや部品交換を施しました。

レンズのコーティングが、上と下で違います。上はクラシックな雰囲気がさらに増すように、特殊なコーティングをしております。反射光が白色です。下は、一般的なレンズの反射防止コーティングです。反射光が緑色です。

上下フレームとも、、そこそこ度数があるので非球面レンズを見栄えの点からも選択をして、ほぼ平らな表面に仕上げております。そうしますと光の反射がパキッとしますので、知的な感じがさらにするでしょうね。いい感じです。

レンズの選択で、見栄えは変わります。色、コーティング、全面カーブ、材質…。実際は、下のフランスのフレームの方が古いものですが、上のフレームの方が古く見えなくも無いです。

やはり、メガネはフレームとレンズが一体となってはじめてメガネになります。不可分という持論です。

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