修理のご依頼。クロムハーツです。フレーム自体は日本で作らせています。基本構造は、他のメガネと変わりません。
あまり使用した形跡がありませんが、テンプルを開いたときにリム切れを起こしたとのこと。確かに、プラの破片が出ておらず、金具の歪みもないことから、リム切れで間違いないでしょう。本当に、この場合は自然にポロリとレンズが落ちた感じでしょうね。
レンズサイズがデカいです。仮で当ててみて、薬研の縁がそもそも枠に収まっていません…。0.50ミリはデカイので、よく入れたなあという感じです。オプチルに嵌め込むサイズ感です。それ故に、今回はリムのサイドに空隙があるフレームでしたが、その切り込み部分から裂けたのでしょう。むしろ、それ以外の理由はないでしょうね…。完全なフルリムであれば、内側から押す力がぼちぼち均等に分散されるので、このような事態には、すぐにならなかったと思いますが、フレームの形状からそれが露呈した模様です。
ただしこの場合は、実はフレームに初期不良があったのかも知れない等々、後出しで様々に言えてしまいます。そして、それらはもはや確認不可能です。つまり、レンズサイズの不良が、100%リム切れの要因であったと立証することは難しく、泣くしか無いのが現状です。
でもやっぱり、実際に持って来て頂いた物を拝見しますと、某量販店での枠入れっぽいですが、価格故にしょうがないとかそれでは割り切れない何かがあります。
ということで、修理です。初めは、生地の質感からインジェクションのフレームかなとも思いましたが、アセテートでした。鼻パッドの取り付けがヒントになりました。とりあえず融着しました。
ヤスリのあと、磨きです。光を透かすと、若干筋が残ります。新しいフレームなので、くっつき具合は良い感じです。
再度枠入れです。生地を温めずに入れました。振ってもカタカタしませんが、拭き上げるときにガタつくくらいの、ちょいゆるのサイズ感です。とにかく、内側からの押し出す力を加えさせないようにしております。
これでハッピーエンドと思いきや、レンズを外して分かりましたが、右もリムの亀裂が入っていました…。完全には切れていません。
今日一日乾燥させて、また金曜日以降の作業です。まだまだ道のりは遠いです。