J.M.M.
修理とメンテ

23.04.03

ついにここにも運び込まれましたね。ジャックマリーマージュです。

色々コンテクストがありますけど、そこに怖気付かずに物を見て触って、直接感じるべきことは、要は日本製のアセテートフレームということです。ここはひとつメガネ屋としてドシッと構えまして、フィッティング上、鼻盛りが必要であればいつも通り取り付けを行います。

 

 

 

取り付け前。モデルによっては、鼻盛りパッドが散斑で本体と共色だったりします。そうしますと、流石に鼻盛りは勿体ないなあと思うところです。今回は、透明のバージョンでしたので、そこは未練なく着手出来ました。

鼻盛りが終わりました。総重量がなかなかありますから、鼻の乗り具合は重要かもしれないですね。例え幅が合っており、オリジナルで下げ止まっていたとしても、もとのパッド面が小さいため圧を感じるのであれば、交換するのも手でしょうね。

カッコ良さの感覚としましては、車のレクサスとか新型のクラウンに近いものを感じました。元々のフレンチヴィンテージのクラウンパントは、角が立ってパキパキで、あれはあれで物の質量が際立ってカッコいいんですけどね。いま作るとなったときに値段なりのゴージャス感が欲しいなとなりますと、エレガントな感じも欲しいよねということになりまして、そうしますと曲線の優美さの出番なんでしょう。そういう、直線的な質量の表現と曲線的な流動体のような表現と、対極の融合が一つのフレームの中で起こっているように感じました。

ここからは余談で。触ったときの勘だけの話ですけど、クロムハーツのメガネと工場が一緒なのかなと思いました。いまはブルバキとして川下の産業に従事しておりますから、本当に触った時に感じた何となくの感想なんですけど。

作りがどうとかいうよりも、例えばメガネに対しての目の付け所が一緒な気がします。この前の話みたいに、ラグジュアリーなメガネを作るとなったときに、着手としては細部の作りからコツコツと積み上げるということになるんでしょうけど、その細部の組み合わせと言いますか、メガネに向ける視線が同じな気がします。同じ目線の違う表現みたいな。もちろん企画の会社が違うんですけど。製造が一部重なるとか、人間で言うところの癖が似ている感じがしたんですよね。まあ気のせいですね。

どちらのブランドのフレームも、是非他所の店頭で見てみると面白いですよ。

本日は通常営業
営業案内

23.03.26

今日は開きます!

3月25日(土)は急遽休み
営業案内

23.03.25

すみません、本日急遽休みます。ちょっと、子どもをみないといけないことになりました。

もしかすると、明日もかもです。お渡し予定の方、ご来店予定だった方、すみません。

鼻盛りの追い込み
修理とメンテ

23.03.24

お持ち込み。既に鼻盛りの改造済みでした。それのブラッシュアップです。

かなり綺麗で、水平面もキッチリですし接着面に気泡も無いです。工業製品の観点からキッチリ綺麗ということですけど、確かに正面視の鼻パッドの迫り出しや、顔につける側の接着剤による面の揺らぎが、気になるといえば気になります。

となりますと、僕みたいな存在の出番と申しますか、時間かけ放題の店ならではの処理を施していきます。

こんな感じです。鼻パッドの余りを削り落として、あとはひたすら磨いています。

本当はもうちょい何か書こうとしていたんですけど、一晩寝たら忘れました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.03.22

気がつけば、金の価格が1グラム9,000円を超えていまして、ついに1グラム10,000円を突破しちゃうんでしょうか。凄い時代です。

ファッションの良いところでもあり、権威なき権威ということで、権威に靡かないでちょっとスカしているんじゃないの?というところでもあるんですけど、ゴールドを使えば使うほど物がカッコよくなる訳では無いので、より一層金を使ったメガネの製作から遠ざかるだろうなあという心持ちです。やや残念。何を作りたいか、それが念頭にあって、金の素材の持つイメージとか特性とか見た目がそれに合致する場合は、この値段でも避けずに挑まないといけない素材ではありますけど。確か2年前?に一度金無垢でブリッジパーツを金無垢で作成しました。あの時ですら、めっちゃ高いなあと思い、製作後に金価格が暴落したらどうしようとビクビクしていましたけど、今となってはあの時でも作り時でしたね。

銀無垢のサーモントです。使用8ヶ月ほど。

ブルバキを始めたときから、ヴィンテージのメガネと銀無垢のメガネという二本立てでした。意味の割り振りがありまして、銀無垢には普遍性(普遍だから不変なのか、不変だから普遍なのか。鶏と卵的な問題がここにもあります)という担当を与えていました。それだけだと先程紹介の金も含めた他の貴金属も、不変な輝きを帯びているという性質から、その目的に適う素材ということになるんですけどね。いろいろあって、創業時から銀無垢を推す店になっています。

銀の経年変化となりますと、深みとか重厚感とか渋みとか、色々な表現があると思います。まずそれは煌びやかな雰囲気だけでは無いよというメッセージが、そこから読み取れると考えています。それは他の貴金属には無い良さですよね。

それで、その燻しの変化が銀無垢のメガネに起こったときに、全体としてどんな印象をもたらすのか?しかもそれが、かつて存在していたメガネからデザインを興したフレームだった場合にどうか?そこが肝です。例としては上の写真です。使用した痕跡が堆積する事で、ヴィンテージメガネよりも年数は浅いのにも関わらず、それに匹敵する重み(雰囲気の)がプンプンしていると思っています。

ブルバキは初めから、完全再現を諦めています。初めから諦めていることは、怠慢ではなくヴィンテージへの敬意からです。例えばヴィンテージの物自体がもつ雰囲気は、細部の検証と追及から逃れます。部分最適の総合は必ずしも全体の最適を形成しません。そうは言ってもいつでも部分から着手せざるを得ない人間の小ささに挟まれて、毎度毎度のことですけど苦しかったりします。

そこで、無垢とか手彫りとかの素材に良さを付加したり、眼鏡士としてフィッティング上の問題を取り除くことで、メガネそもそもの良さを足してみたり、覚えたての言葉を使えば新品とヴィンテージの脱構築をそこで図っています。でもまずは、細部の追求が全体の雰囲気の再現に対して思ったよりも近くない行為であるということから、そしてヴィンテージへの敬意から、銀無垢で何か作るときは始めから完全再現は避けています。

 

こっちが割れた
雑記

23.03.17

90年代頭くらいのマウンテンバイクに乗っていまして、毎日往復で1時間半ほど自転車を漕いでいます。古いサドルのままだったというのもありますが、最後はプラスチックの芯が疲労で割れました。お尻の方が割れるとか、シートポストが突き刺さるとかではなくて良かったですね。

国産のサドルメーカーさんがあることに感動をして、カシマックスの新品に交換しました。ウレタン厚くてフカフカでいい感じです。

2周目
雑記

23.03.17

2周目の楽しさから判断しますと、1周目はほとんど理解出来ていなかったのでは無いかと、そういえば1周目の読了時点でも面白かったと言っていた自分を疑うほどに、2周目は面白かったです。

『中動態の世界』を1周目で読み終えた頃は、まだ三島由紀夫の『金閣寺』に触れていなかった(金閣寺クライシスと個人的経験に名前をつけています)と思っていますけど、そのあたりの時系列はぐちゃぐちゃです。この2〜3年、ちょうどコロナ禍くらいの期間に色々ありました。ブルバキの掴んでいる隙間は一緒なんですけど、それの捉え方や考え方はブルバキの黎明期と比べて、真逆までいかなくとも、割と変わりました。

音楽のグループで、新アルバムの発表でガラッと曲の雰囲気を変えることがあると思うんですけど、あれが身をもって分かった気分です。掴んでいるものは一緒なんですけど、掴み直すと言えば良いんでしょうか?同じ掴み方ではなんだかなぁということで変えるんでしょうね。摘む程度ではなくて、ガシッといきたいよねって感じですね。

それか登山でよく例えられますが、登山していないので恐縮ですけど、頂上が一緒でルートが違うという表現ですね。それでもって、その頂上を“物自体”として捉えてみると、頂上だと思ったものが実は頂上ではなかったのか、はたまたいつも登頂に失敗しているのか、そういう挑戦と失敗の連続を生きているということになるわけですね。ここまで書くと、これは本が違いますし(『現代思想入門 千葉雅也著』に詳しく)、失敗がベースということで岡本太郎にも繋がりそうな考え方だと睨んでいますが、この辺で止めておきます。

完全なオリジナルと自由意志が近い関係なんですね。完全なオリジナルも自由意志も、連続の切断という点において非常に近い関係です。自由意志があるのか無いのか、完全なオリジナルつまりは独立した個性があるのか無いのかはとりあえず置いておくにしても、現実問題としてオマージュとパロディと模倣の問題は立ちこめてきますよね。

なるほどヴァージル・アブローは中動態でした。

柳に雪折れなし
ヴィンテージのメガネ

23.03.11

エッセルホヤのツーブリッジです。

私はいつもレールと呼んでいましたけど、HOYAの資料によると、異形線と呼んでいました。

1978年7月号。

 

結構多くのモデルが、この異形線メガネの構成のメインに持ってきています。異形線にレンズをぶら下げるような形式のフレームが多く、ぶら下げる際に糸でつる(ナイロール)方式を採用しているのが特徴です。

単に立体感を出すために、異形(五角形)にしているわけでは無く、正面や上から加わる力に対して、曲がりにくい特性があります。

ある特徴に自分なりに真理の一端を見出して、そこから気がすむまでひたすら繰り返している感じがエッセルホヤからは感じ取れます。トム・フォードのメガネの、フロントからテンプルに伸びるTマークも天才ですし、あれも続けば続くほどカッコいいですよね。例えば違う業種だと画家の方もそんな感じを勝手に抱いているんですけど。みんな飽きたかもしれないけど、俺はまだ気が済んでいないぞ!と。そういう姿勢に憧れて、自分も銀無垢ではひたすらテンプルエンドはバチ先で統一しているというのはありますね。

模擬接客がおしゃれ。柳に雪折れなし。使います。

15年ぶり
雑記

23.03.10

おそらく、それくらいぶりに自転車でコケました。歩道にあるポールに気づかずに、ハンドルをぶつけて倒れただけなんですけど。栄のど真ん中なので、かなり恥ずかしかったですね。

ちなみに、リアルダメージ加工をしてしまった元のジーパンは、去年のリーバイスの商品です。新品で買った、90’S 501というシリーズの、品名『MAD LOVE』です。レディースなんですけど、品名込みでめちゃくちゃ気に入ってました。

リーバイスのネットを見ていましたら、ダメージ加工で片方の膝だけ破けている商品って多いですね。初めから破けているジーパンを買ったことが無いので不安でしたけど、片方だけで良いんですね。コケて凹んでいましたけど、なんだか元気が出てきました。

 

みました
雑記

23.03.10

この前の木曜日に岡本太郎展に行きました。もうすぐ終わっちゃいますからね。

愛知県の美術館で、平日にしては珍しい混み具合でした。平日でこんな感じなら土日はもっともっと凄いことになるんでしょうね。最後の土日も並びそうですね。

物販で、本をジャケ買いしました。そろそろジャケ買いという言葉も死語になりそうな予感です。

本はいつでも買えそうですけど、いつでも買えそうな物も、そのときに買わないと実は買う機会を逃したり名前を忘れたりで、実はいつでも買えなかったりするので、本だけ買いました。

愛知県美術館は、木村定三コレクションで熊谷守一がたくさんあります。今回の常設は一部屋の全作品、熊谷守一だけという部屋がありまして、それが望外の喜びでしたね。

 

 

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