素材と形状
雑記

19.12.02

本鼈甲です。上が上トロ甲で、下が白甲です。鼈甲は、柄が曖昧になればなるほど良いとされるので、それってフランスのヴィンテージみたいですね、このケースでは特に下の白甲が強いです。これがオール白だとどうでしょうか。まず3桁は越えますかね。これはそこまでいかないんでしょうけど、ワナワナ震えるような、どえらい物です。

唯一、強いて言うならの抜け感演出ポイントは、蝶番がSPMということでしょう。個人的には、金無垢よりも堅牢ですし、金無垢みたいに透き通っていますから、遜色なく、ピリッとしていると、抜け感無しと感じます。けど、おそらくこのパターンの基本は、金無垢の蝶番な気がしますので抜け感として、書き留めておきます。

鼈甲と言えども様々で、透かしてよーーーく見てみると、柄が途切れていたり、連続かつ滑らかではない部分があったりするもんです。パーツを少しずつ切り出して、最後に圧着させて1本を作りますし。

柄が続いているので、大きい部分から贅沢に切りだしていそうです。バラフとトロ甲の作り方が違うのかもしれません。それは、これを観察することで初めて認識しました。

調光のブラウンのレンズを入れました。迷った挙句、プラの調光です。まだどっかのメーカーで、ガラス調光の度付き出来るはずなんですけど、やっぱり枠入れが怖くてやめました。

鼻パッド無いんです。白甲で盛ると、いくらなんでしょうね。怖いです。

ただし、素材の持ち味を加味して考えることが大事です。鼈甲は、クスんでくるのを磨きながら使っていき、光沢を維持するとか、柄が良く見えるようにとか、あれこれあって大体太いフレームが世に出回ります。しかも、プラスチックの1/3くらいの重さなので、テンプルを太くしても平気とか、接地面を広くすることで摩擦がより生まれるとか、美観もフィッティングもフレームの維持も考えて、恐らく太いです。太さにものすごく意味が詰まっています。

そして、使い込むと分かりますが、亀の成長とともに大きくなった甲羅の層が表面に浮き出てきますが、それがプラスチックには無い、強烈な摩擦を生みます。ですから、通常のプラやメタルのときのフィッティングで重視される、テンプルの鮮明な曲げ点が無くても、止まります。鼻パッド無しでかけてみましたが、鼻の部分にドシッと乗っていない、浮きかかって鼻をかすめる感じがします。1日使用しても、赤く鬱血することはありませんでした。

そういう時代だったということもあるんでしょうけど、ウェリントンが多いのも、何となくフィッティングをすると分かります。例えば現在であれば、ボストン型なら良いのになぁと、まず言われると、予想がつきます。蝶番の位置、つまりフロントの全幅を稼ごうと思うと、ウェリントンの方がデザインしやすいでしょうね。これも、ボクシングで48□22.5でフロント全幅が140ミリちょっとです。わりと全幅が稼げていますから、蝶番の開きも少なく済み、フレームが顔を包み込むようにフィッティングさせることが可能です。

銀にしてもSPMにしても、素材によって実現不可能なデザインや構造があって、それが興味をそそったり、逆にもどかしかったりします。そして、まさに「していい」と「許される」の違いなんですけど、特に許されるとして、何かでカバー出来るのか?というのは凄く考えるようになりました。

ちなみに、「していい」のときは、私はしないです。それをしなかった先人の選択を尊重します。きっと私よりも先に試したはずなので。そして、遺っていないことを重んじます。

鼈甲は、より素材がもたらすデザインの制約が多そうですね。制約が多いほど、デザインは難しく研ぎ澄まされるはずなので、面白いなと体感しながら、しばらく使ってみようと思っています。

時価
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.11.29

金無垢フレームはお持ち込み、鼻パッドをこちらで取り寄せて交換しました。やはり今は、金がめっちゃくっちゃ高いので、フレームの需要が少ないのでしょうか?オプションパーツ的な無垢パッドも似たように出荷は少なめで、久しく作っていないとのことでした。取り寄せるのにあれこれ苦労しました。泣きの一回と、一生のお願いを組み合わせて、そこを何とかと頼みこみました。この前のK14のホワイトのときは、偶然ストックがあったということみたいです。

保護テープとる前、調子とる前です。

ボンバイエ
雑記

19.11.28

この前の、プレイボーイの相談まとめ本を読んでいるんですけど、アントニオ猪木さんにもプロレスにも心から唸ってしまいました。あぁなるほど、そういうことかと。

していいと、許される。その違い。いや、もうなんか、まさにそれですね。感動したなぁ。

これこれ
ヴィンテージのメガネ

19.11.28

ずーっと待って、かれこれ1年経つかもです。やっと入りました。このブリッジに8割が詰まっています。あとの2割は全体のバランスですかね。

違う品番で使ったブリッジパーツが、そのままひっくり返ってつけられた感じです。それだけで、このインパクト。金も銀もあります。

テンプルのウネウネのプレスが、映画tron感が満載で良いです。銀の方は、緑で着色してあって、それがまた絶妙です。この前ニュースでテスラが新しい車を発表したのを見たときに、私は初めて「ローポリ」という言葉を聞いたんですけど、ああいう感覚です。私の年齢くらいだと懐かしく、それがまたカッコいいという感慨です。

この前もらったステッカーが、めちゃくちゃカッコ良かったです。勿体無さすぎて貼れません。ちなみに、これは今の商品らしくて、こういう感覚にも近いと思っています。

レンズ
目のことレンズのこと

19.11.27

例えば、いわゆるオシャレ系の人々の眼鏡がクラシックで丸っこいフレーム一択に集約されているように、レンズ自体もレンズの販売もメーカーの差が殆ど無くなって凸凹が無くなってきていますね。そのときに、各メーカーの設計思想みたいなものが見えてこれば良いんですけど、眼鏡屋に言っても分からないと思われているのか、そこが省かれていることが多々で残念だなと思っています。

地下鉄乗っているときに、人間の顔面を観察しまくるんですけど、スマホを真っ直ぐ顔面の真ん中に置いて、ぽちぽち操作している人が減っているなと。恐らく利き目側にスマホが寄っている、それか首が回旋して利き目側に画面を近づけているっぽいんですけど、そういうのをやっぱり何とかしたいなと。自覚症状が無く、我々認定眼鏡士は主訴ありきと言えども。

妄想の範疇ですが、時代が進んで、本当に近方で抑制がかかるようになってしまった、そういう人がどんどん増えてきちゃったらどうしようと考えています。レンズの進歩の先に、その解決があれば良いなと思うんですけど、どうなんでしょうね。とりあえず、物に頼る前に自分の腕を磨けという話なので、検眼を頑張ります。

金曜日には元に戻ります
メガネのはなし

19.11.25

今日も18時に閉めました。明日もその可能性があります。明後日の水曜日は、レンズセミナーで新商品の説明を聞いてきます、店は休みにします。

金曜日からは元に戻ります。

オリジナルのテレビフレームのブラッシュアップを久々に行っております。テレビのえぐりを滑らかに深く、削って磨いての再加工です。ヴィンテージの入荷がたくさんあって、途中になっていたので在庫分を修正です。

やっぱり全然違いますね。表面の光沢も然り、奥の透明感が増したことがポイントです。ゴツいのに軽やか、相反して共存しにくい要素を一つの形にしたいというのがありましたので、ようやく、これで、やっと、出来上がりました。

ヴィンテージの生地のうち、墨を流したような独特な生地がありまして、それも一層分かりやすくなりました。透けが増して、クリアブラウンの中で黒いもやが踊っていい感じです。

土日は13時ごろ開けます
営業案内

19.11.22

本日金曜日は17時に閉めます。明日明後日、土日は13時ごろ開けます。しばらく変則的です。よろしくお願いします。

問い合わせよくあるので
メガネのはなし

19.11.19

もちろん、AOのカタログから指定して頂いても構いませんよ。今回はfv-204の指定で、尚且つ上を平にするということだったので、そのようにしました。

上のcs-4と比べて、若干左右非対称で、尚且つ先細りのシャープさがある感じを上手く残さないとダメそうです。

カタログをよく見ますと、そのままだと上が軽くアーチを描いています。今まであんまり見てなかったですね。個人的にはアーチがあった方が柔らかくて好きだなぁ、へぇーと思いつつ、スパッといきました。とりあえず、ちゃんと水平は出せました。

土曜日の活動報告
雑記

19.11.18

この前の土曜日は、ちゃんと東別院にも古書市にも行きました。東別院では、コップに合わせて皿だけを買いました。4月のときにコップを買いましたが色々あって、向こうが覚えているとか関係なしに、個人的にはそういうことは完遂するようにしていますから、しっかりと皿も買いました。自分はこんな感じで店をやっていますけど、自分の買い物は基本無言です。サッと買ってサッと去ります。

古書市では、特にメガネの資料も見当たら無かったので、面白そうなものを1冊だけ。帯が良かったので、多分面白いはず。

あと名古屋は、12月頭の吹上の骨董市ですね。一年早いです。

もう一発
ヴィンテージのメガネ

19.11.18

めちゃくちゃどうでも良い話なんですけど、ハードディスク録画のレコーダーをようやく買いました。ようやく、朝ドラが見れます。スカーレットが最高です。特に先週の土曜日、林遣都が戸田恵梨香と大島優子とおしくらまんじゅうをしているシーンと言ったらもう。ヴィンテージメガネの店をやる人生も良いけど、戸田恵梨香と大島優子と、おしりとおしりでお知り合いになる人生も良かったなと、しみじみしてしまいました。お知り合いのネタ元は、クレヨンしんちゃんです。

ということで、意匠バチバチのフレームをもう一発載せます。全く、ということで、では無くなりましたが、スカーレットとどこが関連しているのかは話すと長いので店で気が向いたら話します。

メガネ業界の人間が、一生懸命どこもかしこも考え抜いてデザインを込めまくった無名の物を見せたい欲の赴くままに載せます。

それが冒頭の、キャットアイ気味のオーバルのメガネです。このアウトラインがそもそも優美ですが、醍醐味はフロント表面の処理です。

テレビジョンカットみたいに、表面にえぐりをいれています。さらにそのえぐり自体に傾斜がかけられておりまして、鼻側が深く狭く、耳側が浅く広く削られております。光の反射が単一ではなくなり、トロトロと艶やかに光沢を放っております。化粧でいう、アイシャドウ的な効果があるんでしょうね。この辺りの処理が綺麗だと、まずは物として単純に綺麗ですし、それが顔にのったときを想像すると、そりゃ一層綺麗で良いですなあと思います。

エレガントさを出すことに全力を注いだ感じが伝わる、良いメガネでした。

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