ただただ感心してしまいました
雑記

19.09.29

お客さんに教えてもらって、栄のユニクロへ。冊子まで作るとは。フルカラーで、120ページです。しかも、面白いです。恐るべし巨大資本と、様々な天才の衆知といった感じです。こういうのを見ると、皆んなで仕事をしたくなります。天才では無かったということと、他人と連めないというダブルパンチで、結果ひとりです。しくしく。

やっぱりなあと思ったのは、特集の柳宗理のアトリエの取材ページですね。

大きいところがそこをやってくれるから、個人は何を突き詰めようか?みたいな余裕が出てきます。この問いは分割して考えるべきで「何を」と「突き詰め方」のそれぞれと、その組み合わせも考えなくてはなりません。

1年以上ぶりに、パパッと買ってみたんですけど、あのセルフレジはすごいですね。一体全体いつからですか?本当に驚いてしまって、小さくおおーって呟いてしまいました。

やっぱり気になる
雑記

19.09.27

エッセイを読んでいますと、30歳くらいのときに急に書き始めた小説というものが、どんな作品なのか気になって、昨日はそれ読んでいました。

「風の歌を聴け 村上春樹著」

私は、めっちゃ本を読む方では無いため、この感覚はあてにならないとは思いますが、無いところを自分なりに作ったんだなと感じました。ビビりました。日々働く中でいきなり、こういう小説を書こうと思いつかないもんなぁ。

フランス映画の見方をお客さんが教えて下さって、フランス映画全般だったか、ある監督の作品に対してだったか、起承転結の起承で終わる感じが良いと仰っていました。寸止めの悶々とする感じらしいです。

なるほどそうか、私は結を欲しがり過ぎているんだなと、そのスタンスで見るんだなと改心したのが先週末でした。それもあって、割とすんなり読めました。特に感想は無いんですけど、肯定的な感想の無さです。一般的に、結に対しての感想や、結に至るまでの分析が為されることが多いんだなと、そんなことも感じました。結があれば、読む側はスッキリ何かしらに分類して、ラベル付けして心を片付けることが出来るのでしょうけど、そうさせない小説って、そうか初めてなんだな。

なので、無理やりメガネに関連させることもなく、ただ読んだという報告のみです。

特注製作
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.09.27

レンズ横幅44ミリに変更、ブリッジ幅20ミリのタイプに付け替え。あとは総手彫りです。

来年以降、在庫で持てるように頑張ります。レンズの形がフワッとした雰囲気を醸し出しつつ、ブリッジが20ミリに縮まったことでフレーム全体がキュッと締まって見えます。より一層バランス良く見える気もします。

玉型それぞれの形状とそのサイズ毎に、レンズ幅やブリッジ幅、カチッとハマるサイズの組み合わせがあるような気がします。つけてどうとかの前に、もう既に、置いてある時点で良いわーみたいな。いつも、タートのアーネルを例にして話しますが、42□24と44□22は、PD66の人に対して「光学的に」ジャストサイズな訳ですが、フレームのバランスが違うので、もはや別物に見えませんか?と。

特注製作でした。

まだ少数派
ヴィンテージのメガネ

19.09.25

今日のグッチのインスタで、香取慎吾さんが出ていたんですけど、カッコ良くて、朝からテンション上がりましたので、思い出したかのように在庫から探し、似たようなメガネを載せてみました。それだけです。

グッチのメガネの動向は気になっていまして、特にいまの秋冬が、ほとんど80年代のディオールだったりします。あの二股に分かれている大きめな女性用のサングラスとかは、なるほどあれねーという感じです。製造元なのか何なのか、どこかが一緒で問題なく出来るんでしょうね多分。

あの辺を、どうカッコ良くするんかなぁと思っていたんですけど、香取慎吾さんをパッと見て、コレが正解か!となりました。もちろん、パーティ仕様なんでしょうけど、ギリギリ街もいけるんじゃね?感があって、想像が膨らむんです。

ホームランばかり
ヴィンテージのメガネ

19.09.25

ぼちぼちと日本の入荷を直しています。エッセルのナイロールの修理が飽きてきたので、趣向を変えてドイツ製フレームでも直しております。

60年代から70年代にかけて、ローデンストックのデザインはホームランばかりです。何ででしょうね。全部が当たりです。同時期のローデンの各種フレームをみても、どれもキリッとしています。

強固な作りとデザインとのシンクロ率が高めです。見た目がとにかく堅そう。着用の雰囲気も、そんな感じが醸し出されます。

時代と、フレームの作りも良かったのでしょう。とにかく、重厚感が凄まじいですね。その時代を過ごし、そこでファッション感やメガネ感が培われていれば、それしか愛せなくなりそうですし、それで良いと思えてしまいます。実際、今回のtorroではなく、carltonなんかは中毒性が高くてそんな感じでしょうね。日本のヴィンテージの筆頭といっても良いかもしれません。オークション等々見ても、アメリカンヴィンテージやフランス物以外で、個人間の売買でまともな値段がついています。

ノミネジ生きています。今となっては、加工機の精度が高いので要らない機構でしょう。個人的には残っていると嬉しい的な位置付けです。

ブリッジと玉型のバランスが素晴らしいです。ツーブリッジといえども、80年代のような野暮ったさは一切介在していないです。

他を載せようと思いましたけど、やっぱりまずは王道を載せておきます。

順次投下
ヴィンテージのメガネ

19.09.24

好きな順に直しています。今回はエッセルのナイロールです。

サーモントタイプのナイロールフレームは、以前にも書いたと思うんですけど、「堅いお方?柔和な方?どっち?」みたいな二面性があって良いです。服装のテーマを選ばない気がしております。ドシッとしているのに、サラッと流れる感じもあります。ダブルのスーツに近い雰囲気もありつつ、ワンピースの様なふんわりとした軽やかさもある感じです。

今回、初めてキャットアイ型の入荷です。めちゃくちゃ綺麗です。上のは、間違いなく両津勘吉と言われるんでしょうけど、それは単なる知覚ですから、そうですねと大人の対応をして、自分なりの感覚を加えてみたいところです。

貼り合わせた生地を削ることで、フロントからテンプルへの流れを、より強く演出しています。アイラインがキュッとなっていて、涙ボクロがポツンとあって、このメガネ越しに目が合ったら、キュンですね。これは、私の知覚を超えた妄想です。

この手のフレームは、レストアするのが非常に面倒です。サーモントのネジ穴の拡張にプラスでナイロールの糸替えもあります。

このフレームの時代ですと、デモレンズがガラスです。その状態でグリグリレンズを動かしていますと、金属部分にナイロンのレールが挟まっているんですけど、それも千切れかかっている場合があって、交換になります。

ボシュロム
ヴィンテージのメガネ

19.09.24

直してみました。先セルはニコイチして、フレームの緑青が暴れちゃっている方は、再メッキして先セルも鼻パッドも新品に変えて、自分で使う予定です。

ガラスのG15を入れてみました。途端に迫力が出るのは、テレビフレームと同じかもしれません。

で、ショックだったのが、右レンズに注目で、表も裏もチップが入っています。どこの作業で引っ掛けたのか。おそらく、機械から上がってきて、フレームに当てがってサイズを確認した際に、その取り外しで引っ掛けたのかと。

久々の凡ミスが余りのショックだったので、逆に晒しておきます。チップが両面に入った状態で、枠入れの際に面取りとコバ磨きをしております。これ以上、欠けが生じない処理は施しておりますので、試着は安全です。そのうち加工し直します。

他所のお店でガラスを入れてもらいました的なことで、メガネを見せて頂く機会が多いのですが、私が古参の方々に教えていただいた様な、チップが入らない処理を施したレンズに、出会ったことが無いです。そのときに、「何らかの衝撃等々で、小さな破片が飛ぶと危ないですよ」というのは、こういうことです。砂利みたいな感じでは無く、雲母のような薄膜の欠片なんです。目に入るところを想像すると、割と怖いです。

左は挽回していい感じです。

修理
修理とメンテ

19.09.21

この数日は、これに掛り切りでした。破損なく終わり、良かったです。

ローデンのアーノルドです。リチャードがやたら有名になりましたが、アーノルドも捨て難いです。やや柔らかい印象です。

当時使っていて、また使いたいというご要望でした。直す側としましては、一番やりがいのある状況です。

この変色は、時間をかければいいだけなので、序の口です。ロゴの「ARNOLD」もなんとか残りましたが、それよりも「csc」のマークが残ったことがミソです。正規代理店の中央産業の証なので。由緒正しいってことです。

難しかったのは、眉でした。右眉のみ縮みが著しく、片方のネジ穴同士を合わせると、片方のネジ穴は全く重ならない程縮んでいます。ネジ径が1.4ミリなので、それくらいの縮みです。

かつて無いほど削りました。穴二つの拡張と、それだけでは足りないので、リム留めネジが収まる部分をギリギリまで薄く広げて、何とかネジと眉パーツが干渉しないところまで持っていくことが出来ました。

写真だとちっさくて分かりにくいですが、鼻側二箇所のネジ穴には、段附ワッシャーを挟むことで引っ張りに対処しています。耳側は、引っ張る方向に力を加えた場合、金具が残っているため強度を保ったままです。では、上から眉パーツを押し込んだときにはどうかと申しますと、そもそもリムと眉パーツがピッタリと沿っているため、押し込む方向に力を加えてもパーツは動きません。ややネジ穴付近の隙間が気になるところですが、とりあえずは安心です。

修理完成後、レンズ入れる前の左右の写真です。眉パーツからのリム留めネジのはみ出し方の差が、眉パーツの縮みの差ということです。

メタル部分、金の剥がれがありませんでしたから、結果として物凄く綺麗になりました。

ギャップ萌え
ヴィンテージのメガネ

19.09.20

チョロ出しの2本目はこれです。皆さま、もうお気付きの通り、このデザインでフレーム名が「strong」という、出落ち感が全てです。大体、この手のデザインだと「elegance」とか日本人は好きなんでしょうけど、まさかの「strong」、強さでした。名前で最高だなと思ったのは初めてです。

とは言うものの、デザインもなかなか良いです。タートのlady・ann的な、モードな感じが滲み出ています。確かに、強いと言いますか、凛とした女性像が、このメガネから湧いてくる気がします。凛というのが英語で分からないので、まいっかstrongで、的な名前の決定だと嬉しいなと妄想しております。

良すぎるってことは無いんですけど
ヴィンテージのメガネ

19.09.20

インスタに、先行して物をチョロ出ししたんですけど、日本の仕入れがありました。先行分は、ボシュロム名義のフレームです。映画、タクシードライバーで、ダイナーにいる葉巻を加えた黒人が掛けているあれです。確か5秒くらいしか映らないんですけど、衝撃的にカッコいいのでそれだけでも見て下さい。オススメです。

せっかくブログで紹介するなら、無名のフレームが良いなぁと思うので、取り急ぎ60本のうち2本だけチョロ出しします。

まずはメタルフレーム。

ぱっと見、普通の男性用メガネです。業界では紳士フレームとか言ってます。でも、3秒くらいしますと、異変に気付くはずです。そう、ブリッジの気の抜け方です。

円柱のパイプが、レンズとレンズを繋いでいます。おそらく当時も製造メーカーには、ブリッジの汎用の型があったはずです。もっと普通にできたはずです。そう考えますと、このなんとも脱力感のある円柱のブリッジは、意図してここに鎮座しているということになります。

私はこれを見たときに、恐れ多くもtoo goodみたいだなと思ったんですよね。あぁ、ごめんなさい。よくわからない誰かに謝っておきます。

私がネットで見たのはコートで、焼き物で作ったボタンがごつんと付いていました。コート自体はウールの、大枠は綺麗な一般的にコートといったらまず頭に浮かぶような形で、唐突に、ボタンだけが陶器でデカイわけです。形と厚みは、まさにすいとんみたいな感じです。何をもってプリミティブとするかは、以前に書いたのでやめておきますが、都会的なものにそのプリミティブなものがごつんとあって、違和感が消去出来ない仕組みを内在していたことを覚えております。それと、革ひもで繋いだ、陶器の犬みたいなネックレスは、お客さんが着用しており、現物を見たことがあります。そもそもそれがtoo goodを知るきっかけだったと思います。その犬も、横幅10センチくらいありまして、土器を身にまとっているかのような、違和感の圧を感じたことを覚えています。

洗練され過ぎていない、そのような方向性を強く感じないという点において、このメガネは良すぎるということは無いと思います。頑丈に作ってありますが、精密さからくる上品さに掛ける部分がありますので、やはりtoo goodには及ばないのかもしれません。しかしあの円柱、図形としては小学生で習うくらいのものですし、立体物としてはまさにプリミティブな図形が(むしろ、正しくはプライマリーと称するべきかもしれませんね。)、何気無くメガネに添えられることで、いつまでも新鮮な違和感を醸し出していることは間違いです。それは、全てが普遍化する流れの中で、普遍化を拒む特異点のような存在であるということでして、それについては両者、同じような気もします。

ということで品番しか書いていない、日本の名無しのメガネでした。でも、わたしには素晴らしいフレームに感じられましたので、まずここに真っ先に載せました。先セルはバリバリに割れてしまうので、新品に交換予定です。長くなったので、2本目は次のブログに載せます。

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