勝手にしやがれ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.11.06

サンプラチナのツーポ、お渡し完了しました。こっちは玉型変更です。海外の俳優さんの名前を忘れましたが、とにかく、掛けた時に顔の各パーツにスポッと収まるように、レンズの形を変えるというお題でした。

良さそうなフランスの古いフレームからレンズの形を取り、サイズを変更して、尚且つそのままだと目尻が上がりすぎなので、少し垂れ目にさせてこんな仕上がりです。ちなみに男性が掛けます。

しかも、ちょっとリッチに調光レンズ入っていますので、例えば外で掛けた雰囲気としては標題のように「勝手にしやがれ」みたいな、amorをサングラスでかける感じになります。

ティアドロップフレームのような、荒々しい感じもあり、キャットアイフレームのような妖艶さもあって、まさにこのブリッジが様々なイメージを内包していることとぴったり合わさりました。オーバルも良かった、これもとても良かった。来年、在庫持てたら用意しておきます。

宿敵、レッドドットちゃん
修理とメンテ

19.11.04

お客さんに、レッドドットちゃんの抜き方を教えてもらいました。ホントだ!感激。ついにバラせましたね。当時の広告から、抜けることは掴めていましたが、それに適した道具が見つかりました。

こうなれば無抵抗ですから、隅の隅までスベスベのトロトロにしてやろうという気概が生まれます。

ちなみに、レッドドットちゃんと個人的に呼んでいるのは、当時のAOのレッドドットの広告に、レッドドットネジに顔がついたキャラが描かれているからです。手足が短くてめちゃカワイイです。50年代後半から60年代をまたがって、新機構として広告で紹介されています。

掛けて帰りますと言われると嬉しいです
メガネのはなし

19.11.03

バネ修理と、レンズ交換でした。バネは交換が出来ず、レーザー溶接でガチガチに固めてもらって、普通の蝶番に改良してしまいました。まあしょうがないですね。

レンズ交換ということで、

・遠視

・老眼になってからメガネを掛け始めた

・65歳くらい

これだけでも、数値がどうあれ考えられることと、お客さんの主訴とメガネへ期待することから、何を選択して何を犠牲にするかが頭を巡ります。もちろん、ブルバキでも累進レンズを処方することはちゃんとあります。ですが物理的に解決できない、ある要求を満足させることが出来ないということもありまして、必ず何が犠牲になるかはお伝えします。

「最新の累進レンズは大丈夫です」、よく言われると思います。確かにある点においてはそうなんでしょうけど、全部が大丈夫になった訳では無いです。この辺は提供する側がいかんですね。

旧処方が、大体左右同じでs+1.50 add+2.50です。ヒアリングでは60歳くらいかそれよりも前の時点での処方です。それと、オートレフでs+2.75位で値が出てくること、自然に手元を見てもらったときに、あんまり下方視出来ていないこと、念の為、実際にミラー法で視線のチェックをした時に、やっぱり下方視が足りないこと。このくらい情報があると、およその道筋が見えてきます。今回特に気になったのは、加入をしっかり体感するには無意識に下げた目線以上に、下をしっかりと見なくてはいけないことに改めて驚いていらっしゃったことですね。教則では、姿勢の指導なんでしょうけど、やめました。球面値のあたりをつけて、遠近の眼位を測り、ESOが残っていないことを確認して、他にもあれこれ逡巡して単焦点にしました。

毎回こうなるわけでは無いんですけど、色々上手く合致して、全部の距離がぼちぼち見えるわーというので掛けて帰って下さったので、嬉しかったですね。

デモレンズも旧レンズも無くて、型板から作っています。

お金で買えないもの
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.11.02

ついに、お金で買えないものが判明しました。そしてそれは、残念なことでもあります。今まで待っていてくれた方、期待させてしまった方、ごめんなさい。

お金で買えないもの、それはSPMの鼻パッドでした。とてもとても悲しいです。

今年、ついにSPMの鼻パッドの製作の話となりまして、製作会議をかけて頂けましたが、無理みたいです。硬くてプレスで抜けないって話でした。

いまの工作機械では抜けないという話なので、新しい機械の配備を待つか、私が宝くじ当てて、自前でプレスのトン数が高い機械を買うか、その2択です。組で販売価格1万円越すかなあとか、甘かったですね。突き詰めて、ついに出会えましたプライスレス。

想像の範疇外のお金がかかるか、例えそれを掛けても、出来るかどうかはまた別ということになります。現時点では、作れない、お金で買えないということの方が正しい表現ということになります。本当に悲しい。

まあ、こうなったら素材を変えるしか無いです。無垢のパッドの、あの独特な薄造りで上品な、豊かな平面を鼻にのせたいその欲求の着地を用意しないといけません。

つまりあのトップの写真は、銀無垢の鼻パッドです。特注で作りました。

見違えます。やっぱり良いですね。無垢パッドお決まりの、鼻パッドの非接地面側に「Ag925」の刻印が入ります。

めちゃくちゃ鋭い方、あれこれ見ておられる方は気付くかもしれませんが、その刻印がレーザー刻印では無く、プレスで浮き上がった文字になっています。これには理由があります。

電話で、そのSPMの鼻パッドが出来ないという報告を頂いた時に、おそらく物凄く悲しみが漏れていました。溜息とか、そんな分かりやすい落胆ではなくて、悲哀が、間で表現されていたのでしょう。

そうしましたら銀無垢はダメ?みたいな話を先方より頂くわけです。それなら在庫で有るよと。相変わらず、おかわりを欲しがるブルバキです。ただしそれは、私も前から把握をしていました。そのパッドは、パッドの接地面にメーカーのファクトリーブランドとしてロゴが、プレスで施してあります。

それがなあ…手彫りの彫金と風合いが異なるからなあ…というのを伝えたところ、それなら削り取りましょうと、先方に言わせてしまいました。メーカーの、意気地が詰まった大事なロゴを自分たちで削り落とすなんて、そんな非道をブルバキ如きがさせてしまっていいのか、罪悪感をズキズキと覚えております。なので、接地面のロゴだけ削り取って、反対側のAg925のプレスの刻印はそのまま残っています。

裏はこんな感じです。やっぱり、違いますね。やって良かったなと。と言いますか、やってくれて良かったな、というのが正しいですね。

ちなみに、腕まで総手彫りです。今回も、パターンはボシュロムの20年代のダイヤ柄にしてみました。

特注で鼻パッドは作ります。小豆二粒くらいで2万円は余裕で超えるので、高いですよね。やりたくなったらしょうがないですね。ご相談ください。

明日は15時オープンです
営業案内

19.10.31

金曜日は15時オープンです。検眼しています。よろしくお願いします。

ちゃんと食べ切りました
雑記

19.10.30

ブルバキから距離は近いです。およそ1キロなので、歩いて行ける距離です。というのを先日知りましたので行ってみました。ダッカさんです。超有名です。

今年で40周年ということで、キーホルダー作っていました。それがめちゃくちゃかわいい。山盛り具合がちゃんと表現出来ています。そうそう、実物もハンバーグに傾斜がついていました。

ちゃんと噛み砕くと、40年って凄いですよね。自分のお店を40年続けるって、経過した、時の厚みが凄まじいですね。

神回でした
雑記

19.10.30

今月の100分de名著が、いまの言葉で表現するところの神回でした。テキストが殊更に良くて、10年ぶり位に『善の研究』にトライしてみようという気概が生まれました。今なら、もうちょい分かるところがあるんじゃないか、という予感がします。

この前の『はじめての言語ゲーム』も、5年〜10年ぶりに読んでみると分かるところが増えていて、それがどうってことも無いんですけど、それなりに自分も人生でちゃんと苦労しているな、よしよし、なんて思ったりします。その記述に似たような具体的な場面、記憶がフワッと蘇ってくる感じです。あの『はじめての言語ゲーム』に関しては、8章以降はてんでダメだったものが、10年経てば何となく「あぁ、アレか」みたいには分かったつもりです。第10章に、本居宣長の言語ゲームを持ってきた、そのこと自体にも深く感動するとは思わなかったですね。そうか!と。まえは、なぜ唐突に?くらいな所感でした。

この2〜3年の間に沢山読んできた小林秀雄は、なぜ本居やベルグソン推しなのか、それと柳宗悦との相似とか、色々考えました。それを、眼鏡で表現するには?それはあんまりこういう形式等々で言明しなくても良いことで、ブルバキである私の経営課題なんですけど、上手くいっているかどうかはイマイチ判明しないまま、そういえば移転して2年経ちました。おかげさまです。

私には上司がいないから、こうでもしないと軌道修正が出来ない、創業理念的な、出立のときの想いから外れていないかチェック出来ないので、こういう本を読んでみたりします。今日は久々に来客が緩やかなので、あ、間違えました、14時半現在で0人でした。忙しい期間のあとは、たまに店でも本を読んで、一人会議をしていたりします。実際の場や機会があれば、読んでいないかもしれませんね。

珍しくブログが1週間空きましたね
雑記

19.10.27

この一週間の記憶がございません。珍しく混みました。加工等々、ようやく終わりが見え始めました。

そういえば、nbook出てるみたいですね。夏に、キックオフミーティングという名の何かしらは呼ばれたんですけどね、受付だけして2分くらいで帰ったのがバレていたようです。そう言えば取材無いなあと思っていたら、もう出てますね、言われて気づきました。そうじゃなくても、5分くらいで帰ったんでしょうけどね。

確かあのパーティーの日は、テレビドラマのラジエーションハウスの最終回で、ダッシュで帰ればギリギリ本田翼さんの顔面がバーンとテレビで拝めると思い、天秤にかけて速攻で帰った思い出が仄かに残っています。

どちらにしても、いわゆるカルチャー無いんで載らなかったんでしょうけど、なんで呼ばれたんでしょうね。これからもこっそり頑張ります。

気分良いです
ヴィンテージのメガネ

19.10.21

自分もメガネ変えました。完全に、影響を受けています。

色々試してみたいこともありまして、作りました。こういうフレームが一番普通に見えてしまうのかなファッションとして認識されるかな大丈夫かなとか、あとはコーティングのV.G.パールを使ってみたいなとか。反射の色が確認できますでしょうか?バッチリ白くて、清潔感ありますね。

掛ける前は、カットリムくらいしか見所無いかなと思っていたんですけど、そうじゃ無いですね。まだまだパッと見るだけでは全てを把握しきれないですね。

ブリッジのゴツさ。そして高めの取り付け位置と、ボリュームを抑えた鎧が、掛けていて心に刺さりました。それらが合わさって、例えば現代のレンズとセットで販売されているような普通のメガネとは違う、ファッションで遊んでますよ感が出ていると思われます。

レンズサイズ57です。なんだかそれも、気分が良くなるポイントかもです。

残像
ヴィンテージのメガネ

19.10.21

スペインのプラド美術館のクロークの女の子や、向こうから帰るときの、出国手続きで私よりも前にいた女の子の、あれらの黒いツーブリッジが、結局スペインの思い出で一番強く残っているかもです。

こういう話を日本でしますと、外人だからツーブリッジは似合うとか云々出るんですけど、そもそも彼女らは似合う似合わないをそこまで緻密に考えているのだろうかと、それらを聞き流しながらそっちに思いを馳せたりします。そりゃ誰でも似合うと思って買うんでしょうけど、それよりも様々な意味を含んだ重い軽いのバランスを考慮している気がしてならないです。雰囲気の差し引きとか。

ということで、これの紹介をします。ツーブリッジで、キャットアイで、サーモントっぽく眉にセルが貼り付けてあります。こんなに意匠を盛り込んで、重苦しくないのが良いなあと思って仕入れました。

先日、ついに販売になったんですけど、やっぱり80年代のライセンス物は侮れないですね。真剣さがビシビシ出ています。

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