カテゴリー:無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

ちゃんと2色展開
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.07.03

今回の銀無垢のサーモントに関して。色々なあれこれで減産となりまして、クリアグレーがブルバキ別注みたいな感じになりました。と言いますか、言い出しっぺですし、収めるのが筋でしょうということで無理して囲い込んでみました。

他のお店も販売をするということであれば、あんまり何も言わないでおこうかなと思っていましたが、僕だけなのでちょっとだけ書いておきます。

なぜクリアグレーか?流行っているというのが主たる理由なんですけど、結局喋り過ぎ人間なのでもう少し話してしまいます。クリアグレーのフレームにグリーンカラーのレンズを組み合わせた軍モノのヴィンテージメガネがあります。ベトナム戦争あたりの米軍のUSSのメガネなんですけど、それをコンチネンタル筆頭のサーモントに混ぜたらめちゃくちゃカッコいいのかなと、単純にそんな理由でクリアグレーにしてみました。価格のことを考えますと、近視の方が毎日オンでもオフでもということでクリアレンズが一番多いのかなと推測出来ますが、提案はしてみたいなと思いまして。ミリタリーで崩すみたいな、いまのファッションにおける定番のハズし方というとハズせていない感じもしちゃうんですけど、それがメガネ1本で表現出来たらめちゃくちゃカッコいいのかなと思って、ただそれだけです。黒いフレームに緑のレンズという組み合わせも当時のUSSにはあるのですけど、クリアグレーと合わせることでよりミリタリー物っぽい印象をつけてみました。

私もはじめは、眉毛はやっぱりアセテートじゃなくてセルロイドが良いかなあとか、どうせならヴィンテージのセルロイドの生地が日本のどこかに眠っていないかなあとか、至高はバッファローホーンかなあとか、あれこれ一通り考えました。考えていたんですけど、今年に入って急に違うなと思い始めました。せっかく眉毛という装飾パーツを最後に乗せるのだから、メタルだけどピカピカで全体が荘厳になってしまうのを柔らかくラフにしてくれるような、可塑剤として作用する素材と色が良いなと考えて、アセテートのクリアグレーが乗っています。色違いの黒眉もアセテートです。決定に際してナイキのスニーカーをめちゃくちゃ参考にしましたが、その辺は長くなるので店で聞かれたらそのとき話します。プラスチックの装飾が乗るということを積極的に考えています。例えばラグジュアリーな時計や革靴の世界ではプラスチックの装飾が乗るなんて多分あり得ない訳で、貴金属とプラスチックが同居して懇ろになれるのはメガネこその特権ではないでしょうか。それこそ素材のもつ要素の落差なのか幅なのかそれらの開きが大きいほど、ラグジュアリーなメガネの独特な面白さになるのでは無いかと考えました。そんな感じで眉毛は重厚感に加担しない物にするという決定をしております。装飾なのであくまで替えが利きやすく、いざの修理のときの負担にならない物ということも念頭においてというのも一理です。

クリアグレーに関して書いたつもりでしたけど最後にちょっとだけ黒にも触れました。セルロイドでは無いので、ギラッとした光沢がなく、パキッとあっさりした光沢を放つ程度です。いまの時代に黒眉は印象が重た過ぎるのかなと危惧しておりましたが、そんなことありませんでした。

ともにいい感じです。黒とスケルトングレーの2色展開です。

悲願
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.06.11

昨日、ほぼほぼ完製品を見てきました。5月ごろから着手とは聞いていたので思ったより早いなと思いつつ、開発に関わっていると言えば大袈裟かつ偉そうなんですけど、一応そんな感じなので一番に仕上がりを見たいなということで鯖江に行きました。来週の東京のI.F.F.に間に合わせるべく、先に2本だけということでした。製品はもう少しお待ちください。

素人なので、いまいち図面から想像が出来ていませんでしたが、この智の部分は超デカイです。世界で一番デカイ一個智なんじゃないかなくらいデカイです。それに対して、眉パーツの空間を作るために上から切削が入っています。メガネを使用していく中で、その起伏に黒ずみの濃淡が加わったら最高でしょうね。

ブリッジの厚みも相当です。重量は、眉を除いて30グラムくらいだそうです。納品されたらまた計量してみます。ずっと店で展開している一山の銀無垢シリーズの1.5倍くらいあります。ガラスレンズを避ければフィッティングは問題無いです。それを確かめるため赴いたというのもありまして、やはりバチ先のテンプルエンドの重みと摩擦が相当あるため問題無しでした。フィッティングでメガネが後ろに引っ張られるような感覚は実現可能です。業界の一部ではマグネット効果と呼んでいましたが、それは十分発揮出来るので安心しました。そこが蔑ろになってしまえば、メガネ店が開発から関わることの意味が薄れますからね。

何も書かないで発売まで待とうかなと考えていましたが、さすがに要所だけ書きました。でもこんな感じで細かく見なくても、パッと見ただけで銀の塊だなって思います。時計とかスマホとか車とか電車とか、金属の塊ってカッコいいじゃないですか。生命とあまりに異質な存在だからなのか何なのか分からないですけど。メガネを見るというよりかは、それらを見る感覚に近い気がします。

答え合わせ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.04.18

ヴィンテージのダンヒルのツーポフレームです。寄贈して頂きました。ありがとうございます。

サンプラチナで再現しましたが、まずフルリムから行いました。そのあとツーポに着手しております。ツーポ開発の段階では、フルリムしか所持していない状態でした。新しく資料として入ったツーポには、度付きの茶色が入っています。フルリムと比較しますと、天地が広く確保してあります。玉型変更をしてあるかもしれません。

ブリッジの細さ、角張った感じ、手前に迫り出す立体感、この三つを同時に成り立たせるのは相当難しいみたいです。その辺の話は以前もブログに書いたので省きます。

結局元ネタは、このブリッジを一つの型で作っていたのか、それともトップバーと左右で金型を3つに分けてパーツを抜き、ロー付けして作っていたのか、フルリムの分析だけでは分からずじまいでした。この度の寄贈のツーポで、それの決着がつきました。

このフレームの処理が甘いお陰で突き止めることができました。ロー付けのロウが残ったままメッキがのっています。バーの縁が盛り上がっているのが分かります。

下から覗いて。光沢が均一で無く、ロウが残っていて盛り上がっているのがこのアングルでも分かります。ということで型三つでした。それはそれで恐ろしくお金掛かっています。

当店のサンプラチナで再現したフレームと並べておきます。ブリッジは構造だけ再現して、模様は無しで作っています。模様のアイデンティティが強そうなのと、このフレームみたいに手彫りで装飾を加える算段がありましたので。ブリッジ以外の要素はアメリカのFUL-VUEの要素を混ぜております。全体としてはクラシック仕立てにしております。

ブリッジの再現は一つの型で行いました。サンプラチナの素材の特性等々を鑑み、強度を第一にロー付けを無くす方針をとりました。答えを知ってからですと、より一層メーカーさん凄いわーって感動します。

訂正
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.04.18

銀無垢のメガネに関して。ネジ関係はステンレスにして、柔らかい銀に直接ネジ穴を作らないことで、開閉にたいしての強度を出しているとのことで、今までの販売でもそれはお伝えしていました。

蝶番側は、ステンレスの筒状のナットが差し込まれています。それでリム側のネジを受ける方もステンレスだと勘違いしていました。申し訳ございません、こっちはAPC合金でした。白金族の貴金属のパラジウムが使われています。フレームから取り外せる物はステンレスで、フレームと切り離せない箇所は貴金属で、ということでした。

相変わらずパラジウムの高騰は続いていまして、4月18日現在で1グラム当たり10,000円くらいでした。また上がったなと思って調べると、主な供給がロシアなんですね。なるほどこんなところにも影響が。

自分の
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.04.18

ブルバキを始めて最初の年に、銀無垢の一山を作りました。そのうちの一本をその年からずっと使用しております。

2020年までは、ほぼ毎日掛けていました。店頭でヴィンテージを掛けて、家に帰ったら銀の丸を掛けていました。経年変化とか、蝶番の具合の変化を、実際に使って調べる為です。いまのところガタツキは無く快調です。

ある程度使って、小傷が入りきったあとは、そんなに大きく変化があるわけでは無いです。そこで2021年は使用を抑え、おそらく年に10回程度しか使わずに家の棚に置きっぱなしにして、やんわりふんわり燻していました。それが今回の写真です。上の画像もそうですけど、ムラが出来ました。リム周りは特にで、重みの演出が足された感じです。

私自身は、シルバーアクセサリーやインディアンジュエリー類は、燻し加工を最初に全部剥がすエイジングのガチ勢でして、石鹸やら歯磨き粉やら光沢液やらを使いながら磨いて、真っさらにしてから着用する派です。ですので銀と黒の強いコントラストよりも、これくらいのふんわりとしたコントラスト具合が好きですね。ちょっと前に燻し液を使ってみましたが、ムラのあるやわらかい演出は人工的には難しいのかなと感じました。

あれこれ操作性がある物はやはり面白いです。

山の特注
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.03.11

ちょっと前に載せた、サンプラチナの枠無しです。山の特注しました。

下が特注品です。足を2ミリ伸ばしました。

まつ毛が当たるとなると、山の高さが必要です。高さがあればあるほど良いかと言うと、そう言うことでもないです。レンズと眼の関係で言えば、大抵は距離が近ければ近いほど光学的に有利だったりします。ですが大前提として、まずはまつ毛が当たって無いことが大事です。装用感からスタートして、あとは出来るだけ近い方が良い感じです。近視で凹レンズであれば、眼とレンズの距離が開くほど眼が小さく見えますしね。

ツーポ鼻パッドつきも常備
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.02.08

さっきは一山の紹介でした。今度はパッド付きです。コンパクトな一体形成の山(マンレー山)がめっちゃ綺麗でカッコいいなと思ったので常備します。パーツに曲線が多い為か、同じメーカーの他の商品よりもトゥルントゥルンに輝いて見えます。

玉型は優しい雰囲気です。ボストンのようなウェリントンのような、類型化を逃れる良い玉型です。普通だけど普通じゃないみたいな感じで、ブルバキに無いところを補完してくれる感じです。

腕の作りは先ほどの一山と同じです。いつも寄っちゃうんで、何となく引きで撮ってみました。

サンプラチナのツーポが増えました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.02.08

常備します。サンプラチナのツーポです。イベントで借りたサンプルの中に、綺麗でカッコいいツーポがありました。その時も販売したのですが、いい感じなので仕入れしました。

レンズのキャッチ部分が厚くていじるのしんどそうなので、玉型変更はサイズのみに限ろうかなと思っています。ブルバキとしてはラウンドと八角形を採用しました。レンズサイズはそのままで、80年代から90年代頭のようなフワッとした雰囲気を出すのが良さそうですね。もちろん、レンズを小さくして1930年代的なクラシックさをプンプンに醸し出すことも可能です。

要所要所の造り込みはいつも通りです。光が真っ直ぐ伸びて、波打っていないです。造りと磨きが精緻で歪みが無いことが分かります。彫金が無くても、この均一な光沢だけでも仕上げの日本っぽさが漏れ出ています。めっちゃいいです。ブルバキ的には、つい彫金をみっちりびっしり埋めたくなりますが、いまの時代的にはトゥーマッチだというのも十分わかるので、特に今回のツーポは彫なしかブリッジだけとか、腕は真っさらでもいい気がしました。

特にラウンドはあれですね。ジョブズですね。書いていて思い出しましたが、iPod nanoの第1世代を持っていました。あの頃の背面のステンレス?の鏡面仕上げにうっとりした世代です。あの背面の美しさは日本でしか出来ないとか何とかで、話題になったのが懐かしいです。そんなことも思い出して、ブルバキとしては珍しくテンプルは彫金無しかもと思った次第です。

さじ加減
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.02.07

燻しの加工をやってみました。この前のイベントでたくさんメーカーさんの在庫をお借りしたときに、アンティーク加工の商品を見てそれも良いなと思ったので。気になっていた、銀黒という薬剤を使っています。

今回試してみたのは、3年くらい前に仕入れた銀無垢の商品です。ブルバキのオリジナルが欠品していたときに、銀無垢のラウンドの見本としてメーカーの在庫を仕入れしました。手彫りとプレス模様の比較用としても使っていて、何となく見覚えある方もいらっしゃるかも。

店頭にあるだけでは、流石に硫化が足りないです。全体に黄色味がでるのが限界です。それだとテンプルの模様が分かりにくく物足りなさがあります。

この状態も綺麗でカッコいいですけど、加工します。

アマゾンにお試し版があって、それで買ってみようやってみようって雰囲気になりました。

塗料皿がいきなり黒くなります。塗った箇所も、いきなりゴングロです。インスタに動画載せておきます。たぶん10秒も経ってないです。

さすがに局部だけゴングロ過ぎてバランスがおかしいので、シルバー磨きのクロス版で拭きまくります。手彫りだと折角の切削面の鋭さが丸くなってしまうので、ブルバキとしてはそもそもエッジが丸いプレス模様のときにヴィンテージ加工をオススメしたいところです。

とてもカッコ良くなったと思います。磨きで調整するときに、どうしても好みが出てきますね。個人的には銀はピカピカ好きなので、黒ずみを消し過ぎてしまいました。良い塩梅で止めるの難しいですね。

遠くからでも柄が分かるようになりました。重厚感が出ていい感じです。

枯れ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

21.12.05

銀無垢のカットリム、自分で使ってみて年明けでそろそろ一年くらいになりそう。

リム周りと鼻パッド周辺は何もせず、そのほかは手でスリスリ擦ったり、布のシルバー磨きで擦ったりしました。模様もしっかりと黒ずみまして、立体感が増しましたね。ともなって重厚感もさらに増しました。

以前に、手彫りとプレス模様と風合いの違いやら何やら書きましたが、使ってみてプレス模様ならではの良さも分かりました。まさにその、研磨剤入りの布で磨きながら、黒ずみをコントロールして自分好みに出来るところですね。

手彫りでももちろん布で磨くことは可能ですが、手彫りの切削の鋭さ、折角の角が丸くなってしまいます。なので手彫りの風合いを保存しつつ綺麗にしようと思うと、光沢液で一気に全部をピッカピカにするしか無いんですけど、プレス模様であれば始めから丸みがあるので、気にせず好きな箇所を狙って布で磨けます。これは楽しいですね。ハードに使ってゴシゴシ磨くという感じで、インディアンジュエリー等のシルバーアクセサリーに通ずる感覚で使い込めます。むしろ、使い込んで溝が浅くなった方がカッコいいみたいな価値観もありますよね。

黒ずんでフレーム全体に重厚感が出ますと、なんだかクリアなレンズのサッパリさが気になります。そこで、レンズを変えてみました。やっぱり色入れました。

アリアーテでは無い、他所のライトブラウン20%です。アリアーテの茶色だと親戚的な渋さが出ますし、フェアオークルのような色味だとシューティンググラスっぽくなり過ぎるなと。どっちも好きでやりましたが、今回はテーマを変えたいなと。ちょっと前のベージュのような色味で何か、調光が止まって色が抜け無くなったときの色のような曖昧でやや枯れた雰囲気が良いなと思って、これにしました。コップの底の麦茶みたいな色ですね。

個人的に相当ささったので、とりあえずオススメしちゃうと思います。

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