カテゴリー:無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

時間があるのでコク出し
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.07.31

流石に、こんなムードなので店が静かになってきました。ということで、前々からやってみたかったレンズ形状の変更をしました。

初めはこんな感じで納品されています。オーバルです。

メーカーさんの提案のオーバルもバランスが良くて、一旦満足していたのですが、月日が経つにつれて、まだあるだろうと。もっといいパターンが存在するだろうと燻りはじめまして、ずっと考えていました。

気になっていた点は2つでして、

⑴ブリッジ全体の位置

⑵ブリッジの縦のラインのソリと、レンズの鼻側のラインの一致具合

この2つです。

まず⑴に関しては

以前の持ち込みのヴィンテージをとりあえず参考に。ブリッジの一番上のラインが、リムのトップラインよりも下であってもおかしくは無いです。歴史的にも、見たバランス的にも。

ただし、元ネタの80年代のダンヒルではどうなっていたかを、もう一回振り返りますと

リムとほぼ同じか、ちょっとブリッジの方が上かなぁくらいです。この、凛々しくバキッと反り上がった感じ、ブリッジが引き起こす目線の移動を考慮に入れますと、確かにブリッジを上の方に配置した方がダイナミック且つ、自然な気もしてきます。

というわけで、ブリッジを上に配置しても不自然で無いレンズシェイプにするという制約条件が、⑴で加わります。

⑵は、元々のブリッジのデザインと他パーツとのバランスに、もっと尊敬を置こうというところから思い至っています。

もう一度、先ほどと同じ写真を載せました。ブリッジのラインが先に決まってレンズの形が決まったのか、レンズの形があってそれに沿うようにブリッジのラインを決めたのかは判別がつきません。一つ分かるのは、写真のこの部分に限れば、やはり元々のラインが一番しっくりときて美しいです。

ただ、アレコレ操作してみると分かるのですが、この鼻側のラインを尊重すると、割とレンズシェイプの変更が効かないです。とにかくいい形が浮かばない、仕上がらない、全然ダメという感じです。なので、ラインの完全一致とはいかないまでも、オーバルよりも、一層ピッタリとブリッジとリムのラインが沿った感じにするという制約を⑵で加えるということにして、最終的に、新しいレンズの形をどうしようかと悩みました。

そこで、今回はこれらを使いました。

前データで頂いた、AOのカタログです。これのS-104が先ほどの条件⑴⑵を満たすかなと思って、手で型板を削ろうと思っていたところに、この鉄の塊を頂き、尚且つラッキーでS-104と近い物がありまして、それからレンズをとりました。

カタログ中のS-104より、全体がウェリントンっぽいです。

ここが、コクの部分です。そういえばヴィンテージの眼鏡屋だったので、それを基にしました。おそらくこのブリッジも、30年代のデザインが基で、それに80年代の雰囲気と技術の飛躍によって加えることができた立体感や鋭さが合わさっていますから、雰囲気は合いそうです。

ツーポのキャッチを弄ってもよいのですが、一旦そのままでレンズの水平が保てる位置で穴あけをして取り付けしました。制約がクリア出来ているかチェックします。

ブリッジのトップはややリムよりも下ですが、ほぼ一直線です。⑴は満たしていそうです。

⑵はどうでしょう。ややブリッジの下端とリムの幅が広がっていますから、ラインの完全一致とはいっていませんが、気になる程度では無いと思われます。どうですかね?ヴィンテージのレンズパターンを弄らずにある程度⑴⑵を満たしているのであれば、今回は個人的には万々歳です。

あとは、これは前も書きましたが手彫りのパターンは、ボシュロムの古いプレスパターンを基に、手で完全再現してもらっています。

鼻パッドのみチタンで、あとはサンプラチナの無垢です。ほぼ、劣化は無いでしょう。手彫りで工芸品のような要素も付加していますから、より保存されやすい形式に変換出来たかなと思っています。そこまでして初めて、何十年後かに次のヴィンテージとして加るのではないかと、そんな風に思うのでそこまでしています。

使用例
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.07.19

使用例。サンプラチナで3年経過です。セル巻きの交換だけ今回は行いました。

総力戦
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.06.12

スターリングシルバーとK14ホワイトの無垢ですが、完成はこんな感じになりました。

旧アリアーテの、クリアブルーの10%です。割と、縁はしっかりと色が出ていますけど、濃度10%です。

旧アリアーテは、どれも現在のトレスと比較すると青みがかっている気がします。確かに、クリアです。日本酒みたいな表現をすれば、磨かれた感があります。クリアブルーがとても良いので、見本染色しました。

傑作でした。作る側も売る側も買う側も皆んな頑張ってもらいました。

バチっときました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.05.26

バタフライ系のレンズシェイプにすると、完全に雰囲気が変わりますね。フレームの装飾とか貴金属の雰囲気からすると、女性らしいレンズの方が、やはりといいますか相性は良いですね。かなりバチっと且つしっくりきました。

レンズシェイプの変更の依頼でした。度付き加工の前、プレでCR39で組んでみました。それを忘れて、ちょいっと調子を取ったところ、左レンズが欠けました。つくづくCRは脆いなと、そして1.60や1.67というのは粘っているんだなと感じます。本番はちゃんとするので見逃して下さい。

様々なことがあって、2020年は金の値段があれよあれよと上がっています。もう6,000円オーバーが固定しそうな雰囲気ですもんね。ちなみに今日は6,627円/gです。ちなみにちなみに2000年の田中貴金属さんの小売価格の平均が1,014円/gでした。この頃の私は、多分アーマード・コア2のことか、カードのMTGのことしか考えていなかったですね。色々な角度から、20年の厚みを感じました。

銀無垢とK14ホワイトゴールドによる、この手の構造の物が20万円代というのも最後でしょうね。

手彫り追加
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.05.23

この前のドロップオクタゴンの入荷分から、一本手彫り仕様にしました。最近、眼鏡の本体ばっかり買っていましたね。こういう時期ですし、バランスよく仕事をお願いしたいなと思い立ち、在庫分として彫金してもらいました。

サンプラチナの彫金の鋭さは、いつ見ても美しく突き刺さります。いい感じです。

特注在庫
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.05.08

今日は店に居ました。

発注したことを忘れてました、サンプラチナの玉型特注で、しかもブリッジ22ミリと24ミリで注文出してました。キャッシュアウト確定です。とほほ。悲しいときに“とほほ”は、多分昭和です。

ブルバキの定番として店頭在庫をするべきだったので、このタイミングでも良いんですけどね。銀無垢のドロップオクタゴンも在庫がありますので、値段や素材の違い、それら引括めた風合いの違いで比較検討が出来るようになりました。店は休みなので、6月以降に。

レンズ幅はともに44ミリです。

彫金例
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.04.19

左が彫金の柄を指定した品です。右側の色が変わっている方が、柄の細かい指定無しで、唐草の総彫とだけオーダーしたときの通常品です。変色は、大気中の硫黄で自然に変色したもので、拭きあげれば簡単に左のような白色に戻ります。

切削箇所が少なめです。その為、均一な平面が多く残されており、ギラギラ感が少ないです。やや清潔な印象です。

同じような唐草だなと思っておりましたが、結構雰囲気変わりました。どちらも相当美しいですね。

(営業再開まで、あと(未定)日)

棚に入りきらないくらい仕入れました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.04.14

無茶しました。メーカーにカッコつける為に、銀無垢とSPM合わせて10本ちょい仕入れました。このタイミングで仕上がった連絡を頂いたので。

銀無垢のリピートは寝耳に水でした。ラウンドの38ミリと40ミリの補充が出来ております。また、個人的に気に入っているオーバルの45ミリを、クリングスと一山で入れました。玉型、レンズサイズ、クリングスの有無等々。ようやく、ついに、やっと、選び放題を実現することが出来ました。お待たせしました。休業中ですけど。

サンプラチナも、何だかんだ1年以上ぶりに工場のラインが動いているはずです。久しぶりにラウンドの38ミリや40ミリ他、一山のフルラインナップを再完備しました。加えて、SPMもオーバルの足つきを入れました。普通も大事よねということで。

SPMは新作が良いです。ちょっと流行りに寄せた感じで。

玉型のバランスが良かったです。鼻側の処理がどうやら違うっぽいです。正八角形では無くて、鼻側に大きくスペースを確保してあります。クラウンパントも同様です。

このご時世なんですけど、先に準備しておきました。私もそうで、死ぬかもとか、ぼんやり怖い状況が続いているときに、怖いからこそ近づいてしまうタイプです。それは、自死とかではなくて、死ぬ前にあれがしたいなぁ、これが見たいなぁ、それが欲しいなぁ、そんなあれこれを、出来るだけ達成するために尽くすことです。側から見たら破滅タイプですね。

ですから、そういえば棚を無垢で埋めていなかったなと。確率は低いのかもしれませんが、死ぬかもしれないならやっとかないとなと。4年前の居候時代から、お客さんにはそれが理想系という話はずっとしていましたから。なので、お約束通りご用意した次第です。

もの凄く美しいです。一度買っていただいた方も、落ち着いたらご覧ください。ぱあっとなります。お客さんにもらった新入荷シールで汚してみたんですけど、ビクともせず美しいです。

銀無垢、箱足取り付け
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.03.06

ガラスのレンズを入れました。レンズサイズ46ミリ、重さが気になるので一旦大きめのパッドに変更です。且つシリコンで柔らか目にしてあります。とにかく圧を分散させてあげないと。

素材と仕上げと構造と、特注のレンズシェイプとブリッジとのバランスと、作ってきた銀無垢の中でも特に均整が取れて美しいと感じました。ミラクル起きました。系譜としては、カルティエのリボリとか、あの辺です。

ガラスレンズの透明感とカーブが合わさって、とても優美でした。

足の取り付け
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

20.02.21

色々あって、銀無垢の在庫化から。銀無垢という表現がおじさんなのか。ふと思う瞬間があったので言い直します。スターリングシルバーのメガネです。鼻パッドの足つきです。昨年、特注製作の銀無垢のパッドも装着した、デラックス版にしてみました。デラックスという表現、しなくなりましたね。いまはプレミアムの時代でしたね。

鼻パッド有りにすると、良いこともあります。装用感の向上ももちろんですが、美観もあげられます。上の写真の通り、山のトップが突き出せます。

鼻パッド無しのときには、フロントの成す平面よりも山のトップが奥まってしまいます。日本人の鼻のトップが凹んでいるからです。そのように処理をしないと、かけた時に睫毛がリムに当たる、リムの下端が頬に当たる等々の、フィッティング技術では解決出来ない問題が多々生じます。最後、掛けた姿が美しくありません。

立体感が得られて、掛け姿もこれなら美しいでしょうね。

これは、私の勘違いと、それをメーカーさんがカバーして下さったので載せておきます。SPMと同じ要領で、山の足を切って上にのせ、空いたスペースにパッド足を付ける、それはそうなんですけど、今まで銀無垢ではやったことなかったみたいでした。取り付け治具から製作していただいて、尚且つ最後は手でアール修正でした。恐縮です。

ボストンとティアドロップの間くらいの玉型です。せっかくなので46ミリです。銀無垢のラインナップの中では、大きめにしてあります。

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