4日火曜日は、月一回の外回りのため、休みます。
カテゴリー:目のことレンズのこと
明日は休み
目のことレンズのこと
20.02.03
毎度ながら
目のことレンズのこと
20.02.02
迷う事例。
・40歳半ば、緑内障(片眼のみ)、s-4.00くらいの近視。瞳孔間距離63ミリ。
・主訴、夕方くらいに近方が見にくい
緑内障は、10年くらい前から罹患しており、現在は進行を抑えられている状況なので、眼鏡屋としては触れることも出来ない、触れなくても良いことなんですけど、検眼の手立てがかなり減るので、検眼のプランを組むのに一工夫が要ります。あとは、朝昼夜で視力が著しく変動する場合も考えられるので、とりあえずはそこを念頭にあれこれ測ります。
緑内障側の眼の、中心窩周辺の視野が失われており、抑制とかあるのかなと思って、赤レンズテストをしたところ、おぉーなるほど、というご返答。外側が赤で、中らへんが透明ということなので、抑制は起こっていないようでした。だからこそ、緑内障に気づくのは難しいんでしょうね。
精度は落ちるんでしょうけど、おもむろにクロスグリッド(#14B)をしてみたところ、(-0.75)という結果に。これが結構焦る結果でして、必要以上に力を出してピント調節するクセがついてしまっている現れでして、プラス球面処方が真っ先に思いつきます。
オートレフで-4.25や-4.50あたりで、赤緑やりながら何となく-4.00で決着をつけている感じが歴代の処方度数から伺えるわけですが、そこからさらに+0.75は確定で処方したいところです。それに、過去のメガネの光学中心の距離を測りますと、短くて60ミリくらいで制作されていました。瞳孔間距離との差異から、1.2△B.Oが発生しております。それも力を抜くことを妨げる要因です。これも取り除く必要があります。
で、ここからが迷うわけです。何にか。他の使い分ける予定のメガネ達との関係です。良くも悪くも、度数の変更がそれなりに劇的であれば、違和感や慣れるまでに頭痛を経験したりします。とくに今回は、休日用のメガネという立ち位置ですから、他のメガネ達の方が掛けている時間が長く、さらに頻度も高いです。脳は、新しい処方を毎回異物として認識しそうな気配がプンプンです。ということで、いつも着地に迷います。
理想は、まずは仕事用を変えて、慣れたタイミングで休日用にも新処方を組み込むとかですね。
次世代
目のことレンズのこと
20.01.27
思った以上に、上のナイロンレールが抜けなくて苦戦を強いられました。レンズ下側の糸はいくらNOSとは言え、マストで交換なんですけど、たまに上もダメな時があり、その場合は両方交換します。上の部分は、金属の出っ張りが用意してあるわけではなく、だいたいはダルマ型のナイロンレールを噛ませています。
このレンズは遠近なんですけど、去年の秋ぐらいに出た、下方視(近用)するにつれて、プリズムが徐々に入る(寄り目のアシストなのでB.I.)やつです。
遠近のレンズ開発は、収差をどれくらい減らせるか?それが主題でした。ゆれ、歪みが何%改善というのがいつも前面に出ますから。そういう改善が、やや頭打ち感が漂い始めた頃に、新機軸が出てきましたね。
おそらく、個人的な想像ですが、レンズメーカーだけでこの新機軸が編み出されたのではなく、小売店からのヒヤリングから開発スタートしていないかなと。そう勘繰っています。メーカーだけで生み出していたらごめんなさい。よく耳にする、マーケットをセグメントしてニーズを吸い出し、それを社内でブレインストーミングしてブラッシュアップし、カスタマーのデマンドをサティスファイする、昨今の開発の基本型式みたいなところから産まれていないかなと。どうなんでしょうね。
まじめに、もしそうだとすれば、プリズムはダメだという脊髄反射が薄れてきたということでしょうし、社会と眼の関係が変わってきたことに対して、ポジティブな動きと変化を感じます。
眼鏡業界の馬車馬ことブルバキがお送りします
目のことレンズのこと
20.01.24
実際にはこのブログの通り、余所見しまくりですけどね。
映画見ました。お客さんに教えて頂いたので。
『ニーチェの馬 タル・ベーラ 2011年』
私は、純粋な寂寥を知らなかったんだなと。そんなことを考えました。確かに基本は、ジャガイモを食って寝るだけの映画です。カメラの撮り方のお陰か、自分がその場に居るような、そこの住人の3人目となって過ごしている気分になれます。
振り返ってみれば、資本主義が振りまいた、何となく自分にもフィットしそうな幸福な像と、現状の平凡さを比べ、その落差を寂しいと感じている、感じるように仕向けられてそのまま自分の感情として受け取っていただけでした。自分のは寂寥までいってない、ただの平凡でした。
映画を観るうちに、展開を望むようになってしまうんですけど、展開を望む、期待するということも、そうかなるほど現代的ですね。慎ましく忍従しているひとが救われないと、こっちの気が済まないように心がなってます。でも現実は、救われないことも沢山ありますよね。
天地追加
目のことレンズのこと
20.01.15
現行のチタンフレームのお持ち込みでした。逆ナイロール良いですね。
老眼で、上を素通しで見るならベストなんでしょうけど、若い方が近視の遠用で掛けるには、ちょっと天地が狭いというご要望で、下拵えしました。
こういう時に、何使うんですか?と聞かれたんですけど、すみません手と勘です。大層なもんは使いません。
天地は3ミリほど追加して、全体で30ミリくらいに。レンズ幅も増えました。ブリッジ側、フレームの伸び行く先を急激に上に向けるのも野暮ったいので、そのまま中心に向かいながら上昇することで、1ミリほど増えて47ミリです。
とりあえず、上手く収まりました。あとは本番のレンズを入れるのみです。
レンズ
目のことレンズのこと
19.11.27
例えば、いわゆるオシャレ系の人々の眼鏡がクラシックで丸っこいフレーム一択に集約されているように、レンズ自体もレンズの販売もメーカーの差が殆ど無くなって凸凹が無くなってきていますね。そのときに、各メーカーの設計思想みたいなものが見えてこれば良いんですけど、眼鏡屋に言っても分からないと思われているのか、そこが省かれていることが多々で残念だなと思っています。
地下鉄乗っているときに、人間の顔面を観察しまくるんですけど、スマホを真っ直ぐ顔面の真ん中に置いて、ぽちぽち操作している人が減っているなと。恐らく利き目側にスマホが寄っている、それか首が回旋して利き目側に画面を近づけているっぽいんですけど、そういうのをやっぱり何とかしたいなと。自覚症状が無く、我々認定眼鏡士は主訴ありきと言えども。
妄想の範疇ですが、時代が進んで、本当に近方で抑制がかかるようになってしまった、そういう人がどんどん増えてきちゃったらどうしようと考えています。レンズの進歩の先に、その解決があれば良いなと思うんですけど、どうなんでしょうね。とりあえず、物に頼る前に自分の腕を磨けという話なので、検眼を頑張ります。
手作り
目のことレンズのこと
19.11.10
ビジョントレーニングの器具を作りました。手の温もりってやつです。
前から、ブロックストリングスは持っていたんですけど、あれは斜視眼とか、融像力が弱い場合に使うべしということで、新たに作りました。
前回のあれでしっかりお伝えしなくてはいかんかったなというのは、VTは輻輳不全に絞っているということです。決してメガネが要らなくなるとか、そういう類ではありません。屈折異常は、成長期の眼軸の伸びが関係します。ですからある程度不可逆なことであり、戻せない近視の部分もあるということです。その戻せない部分は、メガネやコンタクトを使わないと、しょうがないです。
今回の変更点は、ビーズの小ささです。パステルカラーで女子からのカワイイを狙った訳ではありません。正直、ハッキリとした色味のビーズを探したんですけど見つからなかったので、なくなくこれにしました。ハンズの手作り工房みたいなところで買ったんですけど、店員さんもパニックでしょうね。こんなに少ないパーツで何作るんだろうと。
VTを輻輳不全に絞っていますから、ある程度融像力があることが前提です。であれば、寄り目をより鍛えるために、周辺融像で手を抜かせるのではなく、中心窩融像でシャープに鍛えることが、ビーズを小さくする事で期待できます。なるほどなと思ったので、早速真似した次第です。貸出用も潤沢にあります。
リリヤーンが商品名なのかそういう紐を呼ぶのか知りませんが、なかなかパッと見つからずに苦労しました。
緑黄赤のものが、元ネタです。大体、直径で半分くらいです。
標準装備にするかも
目のことレンズのこと
19.10.04
そういえば、sft-iceのコーティングが終わりました。次世代改良版として、ヴィーナスガードコートの白色反射のが出ていました。ヴィーナスガードのパールです。ネーミングは前の方がカッコ良かったです。
標準にするかも。かなり良いです。耐傷の性能もsftから更に上がるんですけど、それよりも帯電防止機能がプラスで付くのが良いんですよ。花粉の時期は、結構違います。例えばその時季、ガラスレンズだと目がショボ付くときも、帯電防止機能が付いているときは、割とスカッといけてしまうくらい違います。
左から、粗砂で600回振動、スチールウールで擦る(回数不明)、微粒子まみれの布で拭きまくり粒子の付着をみる(20回)、それぞれテストした結果です。今までのsoft-iceは真ん中の段で、今度は上から二番目の段で、反射光が白にも出来ちゃうという話です。反射が白色?なんじゃそりゃ、気にしたこともないわ、という感じかもしれません。ただそれだけで、フレームと合わせたときの全体の雰囲気がグッと良くなります。
来ない
目のことレンズのこと
19.08.30
テレビのフレーム待ち。納期遅れ分に、クリアブラウンがあります。それは現行のアセテートです。複数本ありまして、自分用も作ったのですが、かれこれ1ヶ月ほど待ってますね。
先にレンズが届いてしまいました。幼稚園のときに、友達で、スーパーファミコンの本体よりも先に、何故かソフトを買ってもらった子が居て、その子を思い出してしまいました。他人の家でソフト挿してたなあ。
向かって左が見本のネイビー50パーセント、マルチコート。右が自分のレンズ、同じ色味の同じ濃度でシルバーミラーです。ミラーの関係で、やや赤みがのり、非常に妖艶です。奥行きのあるゴツいセルフレームにミラー入れたら、やばい奴かなとも思いましたけど、もうそれも良いかなと。
もはや、これはおそらく真理で、ミラーにしたら何でもカッコ良くなるはず。すでに、レンズがカッコ良くないですか?気のせいですね。枠入れまで分かんないですね。
サーモント3
目のことレンズのこと
19.07.21
最後もフランスのサーモントです。エッセル製です。エッセルは、ナイロールフレームの祖ですから、厳つさが売りのサーモントだろうが、問答無用でナイロールで軽やかにしてしまう感じが最高です。おそらく店頭出しの時にレンズサイズを変更しており、表記53ミリで55ミリのレンズが入っていました。しかもガラス。危ないのでプラスチックにて入れ替え済みです。レンズ縁が智と干渉するので、サイズは53ミリに戻しました。
レンズはもちろん鏡面仕上げです。実はこれ、2年ほど前にドイツから仕入れたことがありました。セルは色違いです。個人的には日本でも仕入れしていたのかと、当時の日本の感覚の豊かさに驚いた次第です。ローデンストックが強かった時代に、対抗馬でこれをあてるかと。サーモントという土俵は同じなんですけど、それぞれの個性が真逆でいい時代だなぁと感じます。
昨今、よく訊ねられるクリアーのセルフレームに通ずる軽快なポップさが微かにあります。