木曜日に講義を聴いて、検眼に活かせそうなことが多々でしたのでよかったです。今以上にもっと検眼が長くなりそうです。
結局、30年くらい前の症例とその処方が、今でもトップクラスの処方例として勉強になるということは、30年間でそれがスタンダードになっていないということなので悲しくなります。ですが、業界としてはメガネの敷居を下げることには成功しております。今度は反動で検眼を大事にしよう的な風潮が戻ってくるかもしれないですね。
今から全てのお客さんのカルテを復習です。
17.02.17
木曜日に講義を聴いて、検眼に活かせそうなことが多々でしたのでよかったです。今以上にもっと検眼が長くなりそうです。
結局、30年くらい前の症例とその処方が、今でもトップクラスの処方例として勉強になるということは、30年間でそれがスタンダードになっていないということなので悲しくなります。ですが、業界としてはメガネの敷居を下げることには成功しております。今度は反動で検眼を大事にしよう的な風潮が戻ってくるかもしれないですね。
今から全てのお客さんのカルテを復習です。
17.02.09
ダースでいい感じのクラウンパントが出てきましたので、レンズ入れ替え。
基本的には、ヴィンテージは、目が見えなくなるくらいの濃い色は避けた方がかっこいいんじゃないのかと思っております。レンズサイズが小さくて、濃い色を入れると締まって見えてしまい、寄り目に見えるというのもあります。
私個人の使うメガネも、フラットガラスのノンコートを入れる場合を除き、基本は15%以上のカラーを入れています。かれこれ4年くらいですね、色メガネ歴。目が楽なのもあります。
まだまだ日本はサングラス人口が少ないですけど、それなりに色のレンズをしている人を見かけるようになりました。ただ、うっすいカラーが流行りとして捉えらえすぎると、ちょっと嫌だなと思っています。流行りが勝手に来て勝手に去った後に、掛け続けていると「ダサい」と思われるので。気にしなければいいだけの話ですけどね。
ただ、メガネは何度も申し上げる通り、フレームとレンズのセット、ラーメンでいう麺とスープみたいな関係でして、どちらも大事です。レンズカラーやその濃さは、それぞれ顔なのか服なのか気分なのかフレームの色なのか分かりませんが、それぞれに合わせたら宜しいのではないかと思います。
レンズに色入れたら、かなりメガネは楽しくなりますよ。お試しください。
17.01.23
17.01.22
たまにはちゃんとメガネの話をしようと思います。
写真に、3枚の紙があります。長いのが2枚、ちっこいのが1枚です。
長いの2枚は、道路と気球の絵を覗く機械で出てくる数字です。くっきり見えたと思ったら、すぐボヤけてまたくっきり見えるやつです。あのボヤかしているのが大事で、それについては、またそのうち。
左の長いのは裸眼での数値、右の長いのはコンタクト着用時の数値です。
一番下のちっこいのは、着用中のメガネの度数です。
この数字から、過矯正の内斜位ではないかという見当と、検眼での方針が付きます。数字から、眼のニュートラルでの位置が、内側に向いているのではないかというイメージが想起されます。そうではない場合もありますが、何れにせよ検査でハッキリさせます。調べるというよりも、霞をハッキリさせるのが検眼のイメージです。
この眼の位置、眼位というのがポイントでして、掛け心地なりの重要な要素となります。そんなことをイメージしながら、人の眼を診ております。
17.01.15
昨日のNHKの番組で、「達人達・スウィッチインタビュー」を見ました。各界の有名人、凄い人同士がタイマンでインタビューをします。毎週、組み合わせが面白いです。
今回は、脳科学者と、競技飛行の方同士の対談でした。そこでメガネ的に興味深い話がありました。飛行機の方からの発言で、
“大会のとき、一番集中しているとき、一番調子が良いときは景色が鮮やかに見える。”
のような発言がありました。色が濃く見えると言ってたのかな。それに近い表現をされていました。これに対し、脳科学者は
“興奮状態ですと、ドーパミンが出ますが、それによって瞳孔が開きます。瞳孔が開けば、光の入る量が増えますから、脳へ伝わる情報量も増えて鮮やかに見えるのかもしれませんね”
のような返答でした。
集中と視力と認知。この観点は、わたしは今までに無くて、非常に面白いなと感じました。
瞳孔が開く(散瞳)ということは、実は視力としては下がります。それで調節が抜けて、生理的に連動している眼の内寄せが緩まり、眼位が整ったことで認知力が増したのでは無いかと予想しております。
あくまで推測なので、実際のメカニズムはどうだか掴みきれていませんが、集中しきっているときの風景というものを、今後は注意して眺めてみようと思いました。
16.12.29
前回のブログの裏面UVカットのレンズについて。反射光が白に近いと書きましたが、違いました。
結局、加工中にレンズが軸ズレしないように特殊コーティングがさらにかけてあって、それが反射光を白く見せていました。加工後にそのコーティングを拭き取ると、結局緑の反射光でした。
なので、UVカット特化するときのみ使っていこうかなと思います。
16.12.26
お客さんから聞かれまして。裏面UVカットについてです。レンズ前面によるUVの吸収のみではなくて、裏面に入射した光に含まれるUVも、裏面で吸収するレンズ(コーティング)です。
レンズとしては、2年くらい前に発売されたと記憶しております。お客さんから訊ねられるということは、ようやく認知されてきたということでしょう。
積極的にやらなかった理由は、前回のライフゲームのブログに近い理由です。吸収し過ぎるのは、あまりにも人工的な環境ではなかろうかと。
価格的にも落ち着いてきましたので、改めて考察してみるいい機会ですね。とりあえず取寄せてみました。
⑴写真向かって左は、ホヤ独自のキズ防止+反射光が白っぽい特殊コーティング
⑵真ん中は通常のマルチコーティング
⑶右は今回のお題の裏面UVコーティング
可視光付近の波長も若干吸収しているからでしょうか?ブルーイングしていても⑶のレンズは若干⑵に比べて黄色いですね。ですが、比較してようやく気づくレベルかもしれません。
(重ねるとわかります。向かって左の⑴が一番黄色いですね。真ん中に比べて、右の⑶が若干黄色いのが確認出来ます。)
それよりも⑴と⑶の“反射光がほぼ同じ色”、白色であることに興味が湧きます。
メガネ全体のクラシックな雰囲気が増すように、⑴の選択肢を用意していましたが、⑶もありだなという感じです。ただ、クリアでは無くてカラーを乗せた際に、⑶がどのような反射光になるのかは読めないですね。
結局、裏面UVの是非というよりも、マルチより白色に近い反射光なので個人的に良いと感じました。目ん玉に紫外線が入ると、メラニンを分泌する指令が脳から出るという実験結果もありますので、女性を中心に提案してみようかなという感じです。⑴と⑶については耐キズ効果もありますので、見た目+効果で選んで下さると嬉しいですね。半年くらい使用している⑴のレンズを見ると、割と雑な扱いでも小キズが無いのでオススメです。
16.12.20
例えばの話ですし、私の検眼のイメージです。
チョコが好きな人が目の前にいます。その人はトマトが嫌いです。そして、私はチョコが嫌いで、トマトが好きだとします。
この2人がチョコとトマトについて話合えば、好き嫌いの一致はしませんが、会話はちゃんと成立します。
ここで、このように思考実験をします。ひょっとして、人間が嫌いと判断する味覚は共通しており、私にとってのチョコの味が、相手にはトマトの味と認識しているのでは無いかと。
検眼はこの例に似ていると、私は思います。輪っかがどの方向に開いているかを聞くことは、あくまで手段であって、その手段を用いて相手の表象が、脳の中の映像がどうなっているのか想いを馳せる行為だと捉えております。
先ほどの例ですと、味がお互いでテレコになっていること(検眼で言えば相手の映像を垣間見る)は、認識出来ないです。だからこそ、検者と被験者の歩み寄りが生まれ、検眼にはやり甲斐と面白さが生じると思っております。
16.11.20
乱視の補正をちゃんとしてあげますと、おおよそ次のような返答が、お客さんから貰えます。
・くっきり輪郭線が見える
・色が濃く見える
どちらもその通りだと思います。各人それぞれの感じ方、表現をされます。特に乱視の性質上、色の濃淡や鮮やかさは顕著ではないかなと思います。メガネ屋さんで比較されると面白いです。
ここからが大事で、つまりレンズの度数一つで、ボヤけるボヤけないの他に、色の濃さとか見るものの見え方が変わります。今日のお客さんは、地図の立体感がもの凄いと仰っていました。等高線につけられた濃淡が、そのまま起伏に見えたようです。
ヒッピーの時代は、クスリで脳の処理に変化を加えることにより、世界の見え方や捉え方を変えていました。サイケデリックアートは、まさにそのように世界が見える結果なんでしょうね。
それと同じように脳の処理を変えなくても、脳への情報、つまり目に入る光をどうするかによって、世界の見え方云々が変わるわけです。
ですから、こちらとしては責任重大ですし面白いところでもあります。レンズを変えたら、例えば木々の葉っぱが風に揺られてうねるように見え始めるかもしれません。今日レンズを試された方は、写真を撮るひとでした。ひょっとしたら、今までは無視してきた物に惹かれるようになるかもしれません。今までと被写体が変わるかもしれません。言い換えますと、世界の切り取り方が変わるということでしょうね。カッコつけて言いますと。すみません。
ちょっと大げさでしたが、レンズも面白い物です。フレームだけがメガネでは無いですし、むしろやっぱりレンズに深い部分を感じてしまいます。
16.11.18
メガネ屋さんを覗きますと、次のような謳い文句に遭遇するようになりました。
「420nmの短波長を99%カットする、新しいレンズ」
みたいなやつです。メガネ屋に年始くらいから頻繁に案内が来ています。各社、新レンズ(コーティング技術ではなく、生地への練りこみ)としての打ち出しです。
いまのところ、ブルバキでは推していません。様子見です。それには、以下の考えがあります。
・紫外線(400nmまで)を超えた領域をカットしているということは、可視光線(目に見える光)もカットしているので、確実に色のついたレンズとなる。実際、見た目は各社うっすい茶色のレンズである。濃度で5〜10%くらい。
・プラスチックのレンズは、屈折率1.60以降を採用しており、現代は1.60以降ですとUV400機能は、ほぼ標準装備である。
・つまり、目に見えない範囲の短波長(青色光)をさらにカットしたい場合は、通常のレンズにカラーを入れれば良いと考えている。
新レンズ420nmカットは、波長400〜420nmの光を80%くらいカットしており、通常のブラウンカラーのレンズより、格段にカットしています。短波長は角膜や網膜にダメージを与え、白内障や黄斑変性の原因となると言われています。だからこそ原因の除去の為、新技術が登場したのでしょう。メガネ業界の位置付けとしては、ブルーライトカットレンズの第三世代という感じですね。今風に表現しますと。
ここで思い出されるのは「ライフゲーム」です。
生命の誕生・維持・死滅の数学モデルです。以下、記事より抜粋です。
…ライフゲームでは初期状態のみでその後の状態が決定される。碁盤のような格子があり、一つの格子はセル(細胞)と呼ばれる。各セルには8つの近傍のセルがある (ムーア近傍) 。各セルには「生」と「死」の2つの状態があり、あるセルの次のステップ(世代)の状態は周囲の8つのセルの今の世代における状態により決定される…
ライフゲームが面白いのは、次のステップでセルが死ぬ条件でして、自分の周りの細胞が多すぎても少なすぎても死にます。過疎でも過密でもダメなわけで、ほどほどを要求します。周りに人が少なければ孤独で亡くなりますし、多過ぎれば食糧が足りなくて飢餓で亡くなるとか、そういった事象と対応しています。
長々書いてすみません。レンズの話、420nmのレンズをまだ信用しきれていない理由ですね。つまりです、カットしすぎてもいかんのではないか?と思うわけです。ライフゲームからも。
言い換えれば、程々に紫外線で目の細胞にダメージを与えた方が良いのかなと思っているということです。良いという表現がしっくりきませんが、自然なのかなと感じます。
無菌に近い状態で子供を育てると、将来、免疫力が弱い大人になってしまうというのも、一時期よく聞いた気がします。抗菌・除菌のしすぎはどうか?という提起です。それも頭にあります。天然が必ず良くて、人工が必ず悪いとは考えていませんが、そのバランスというのは気にしております。