カテゴリー:目のことレンズのこと

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目のことレンズのこと

19.03.13

日本レンズさんのホームページがカッコよくなっていました。羨ましいです。

メガネレンズができるまでという項目がオススメです。ちょっろっと工作機械も見えます。

ちらっと見る限り、恐れていたことが実際に起こりそうで、ガラスノンコート、単層コート類が縮小っぽいです…。ガラス1.52のアッベ数59が使えなくなるのは悲しいです。

発見
目のことレンズのこと

19.03.12

検眼の講演会も聞いてきました。

よくブルバキでもお伝えしている、視覚が脳の情報処理能力のかなりの割合を占めてしまうということを簡単に確かめる方法が眼から鱗でした。

例えば、手順としては

①ボールペンの先を両眼でしっかり見る。

②ボールペンの先を、ペン先が1つに見える限界まで顔に近づける(2つに分かれて見える少し手前に引き戻す。)

③その状態で、昨晩何を食べたのか思い出す。

いかがでしょうか。私は、③が上手く履行出来ないです。まず状態②のときに、深く考えることが出来ないことに気づきます。

そこで無理矢理でも思い出すように努めると「2つに見え」始めます。それはつまり、鮮明な視覚情報を維持することを諦め、思い出すことに脳の処理の比重を傾けた証拠だと考えられます。結果、眼筋が緩んで複視が生じます。

無意識に、考える量、考えられる量、集中力その他諸々、眼から影響されています。眼によって脳の空き容量が侵食されている可能性があると考えると、わりと恐ろしいです。これは、以前にご紹介した立体視とも関連してきます。

他にも今日のエキスパートは、そもそも視覚というものを終始動的に捉えていて感動しました。今日から、まず何を頑張ろうかしら、、、という、若干途方に暮れる感じだったりもします。

とりあえず、眼と脳の関係について、簡単な実感する為の方法がありました。試してみると面白いですよ。

絵本
目のことレンズのこと

19.02.06

ようやく買いました。ステレオテストです。これだけでは意味が無くて、偏光グラスを掛けてこの絵本をみますと、あれこれ飛び出て見えます。結構なお値段なんですけど、日々、様々な欲望に負けそうになりつつある自分に喝を入れるため、まずは財布にダメージを与え鎮静化しました。そういえば昨日か一昨日のどっちかはブルバキ三周年だったはずなので、自分におめでとう的な意味も込めて買ってみました。

検眼しながら、いつも考えていたことがありました。視力(輪っかがどれくらい見えるか?=最小分離閾)ではなくて、視覚(眼で光を受け、脳みそで処理されるまでを考慮)を重視する検眼、および矯正といいつつも、いまいち検者と被検者の双方が改善(ないしその兆し)をパッと実感出来る方法が無いなと感じていました。本当の意味での矯正をする場合、整体とかのボキッと痛みを伴うことがやはり眼でもある場合があります。分かってて処方して、初めは辛いですよ的なことをお伝えしてお渡ししますが、お互いあれやこれや不安です。例えばお客さんにも、頑張るモチベーションになる指標があれば、慣れて良いのかな?というような不安もなく矯正に集中し、最終的には視覚の心地よさを手に出来るのでは無いかなと考えていたところに、この絵本が視界に飛び込んできました。

『基礎両眼視 -基礎から臨床応用- 改定増補版 関 真司著 興隆出版 2013年 p.117』

そこで、なんで立体視かと申しますと両眼で見ることの3段階の分類がありまして、両眼視の最上に立体視が位置付けられているからです。両眼を開けて見ている、両眼を開けて一つに見えている、そこまで達成できると、立体感が得られます。それでいて眼と脳の連携が取れていて負担が少ないのかどうなんだということが、立体感がどの程度得られているかで把握出来ないかなと思った訳です。

もちろん、器質とか成長の過程等々で、そもそも立体視が不得意という場合もあるのでしょうが、立体的に見えるステージが増えたということが観測できれば、新しい処方を掛け続ける意味が、その点に於いてはあるということになります。あとは従来通りRGバーテストの活用で、とくに左右のどちらの眼の信号が弱いかなというのは引き続き調べていきます。

とりあえず今は、お客さんに試しまくっていますので、お付き合いください。ご興味ある方もお待ちしております。結構面白いですよ。

また、これは店頭でお話しをしていますが、遠近感とは別です。

フラット25
目のことレンズのこと

18.11.06

ジュリウスタートのお持ち込み。レンズ枠入れ。

ガラスと迷っていましたが、色とコーティングの反射を重視するという話になりまして、プラスチックのフラットレンズ、ネイビー25%の全面染色にて承りました。ハードコートです。正面の反射は、ミラーにも負けないかもしれないですね。

元々、フレームカーブが0付近でフレームが作られております。レンズの薬研を調整するのみです。

鼻盛りしています。高い低いの他に、細いというパターンもあります。結構メガネが下がりどまらないので大変です。

白に当てるとこんな感じです。パステル調の青だと今っぽすぎるので、灰色っぽい青にしました。落ち着いた感じです。

アーネル系のフレームは、レンズの選択で割と見栄えが変わります。フレームのインパクトが抑えめな分、レンズの異質感が目立つのでしょうね。

クリアカラー
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18.10.12

今回の目玉かもしれません。私的にはパロマピカソです(しつこい)。

界隈でいうところの40年代のフランスというやつです。実際には、第二次世界大戦があったりなんだかんだで激動の只中でしたから、60年代頭とか、20年くらい年代の幅がありそうな気はしています。デザインのバリエーションを、まだまだメガネの存在がネガティブな時代に沢山作っていたのかというと、手元に資料が無いので分かりかねますが、それは考えにくいなとも思います。

放射性炭素同位体の検査ではなくて、40年代周辺と指すときの根拠にあげられるのが、この蝶番の作りです。外付けで、カシメ留めするときのピンのツラを擦り切っています。それが美しくて至高云々みたいな話です。

ようやく、この辺りの商品もちらほら入ってきたから言えますが、メガネの道具としての見方をしますと、やはり良くは無いです。自分の商品だからこそちゃんと言いますが、少なくとも至高では無いです。緩んでいない状態であれば、現行のものと遜色なく使えます。緩みやすさや、緩んだときに難があります。

外付けの金具について。そもそも、プラスチック部分に段差を設けていないので、金属の駒がテンプルと噛み合っていません。何らかのきっかけで緩みはじめると、駒が上滑りしますから、テンプル全体がすぐにガタつきます。

ピンのツラについて。カシメタイプにおいて、緩んでしまった場合は、ピンの打ち直しを行います。50年代のアメリカ物とかは、よくこの処置を行います。ピン先が残っているので、それを潰して再度しっかりと止めることができます。

ただ、ツラが切ってある場合は、打ち直すことが出来ません。あまりにもぐらつく場合は、ピンを抜いて打ち直すという対処になりますが、なかなか時間とお値段がかかります。また、これが1番の問題で、一回り太いピンを打って再固定となりますから、生地に亀裂が入るリスクがあります。

大事に扱えば問題なしです。ただし、やはり古い物ですから、それなりの心構えが要るよという話でした。現行品に比べてなんでも勝っているわけ無いです。構造として消えた理由として、手間が掛かるから70年代に入って大量生産云々…とするのは早計でして、良くなかったことが解消されたから、ただ消えたという理由も当然あります。

なるべく現在を肯定するために、この変更はこういう点でアップグレードなんだという理解を、物の観察と現行品との対比、体験から行うことも、ヴィンテージの醍醐味の一つだと思います。

あとは、何と言っても見た目と風合いですね。フロントが黄ばんでやや生成りになっていますが、黄ばみが少なめな方だとは思います。レンズをやや青にして、補色の関係を活用してインパクトがあるようにしました。

レンズ交換
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18.10.09

ブルーミラーからゴールドミラーに変更しました。フロッグスキンです。ベースの色はコパーの85%です。ゴールドミラーとコパーの茶色が混ざって綺麗です。ミラーながら、落ち着いた感じもあります。

サマー感を無くしたいというご要望と、落として傷が付いたので治したいというご要望をいただいて、いっそレンズカラー毎、丸替えです。

ちなみに、コーティングの部分修復は出来ません。レンズ毎交換になりますし、カラーの場合は色の差が出ないように両眼の交換となります。

初期(ブルーミラー)は、ポリカ系の非常に傷つきやすいレンズが入っていました。裏面はコーティング無しです。作り直したレンズは、マルチコートが掛かっているので、裏面の反射が抑えられ、使いやすくさらに傷つきにくいので快適に過ごせるのではないかなと考えています。レンズ自体も硬いです。

近視抑制
目のことレンズのこと

18.07.26

何だかんだ店で作業しています。その息抜きで、調べ物をしていました。昨年末に耳にした、「紫外線が近視の抑制に関わっている」という論文です。

眼に関して権威があるのは

「EBioMedicine」

という雑誌らしく、確かに「Tsubota」(坪田先生)で検索すると出てきます。雑誌掲載が2017年の2月、論文の発表が2016年の12月でした。第三世代(420nm)のブルーライトカットが広がり始めたのとほぼ同一時期ですね。

色々書くのは控えますが、調べてみると、ジンズさんがそれをまとめてサイトを作っていますね。「近視抑制 紫外線」で検索して出てくる『ME-MAMORU』というジンズさんのサイトに、要約が書いてあります。他にも近視の原因は眼軸長ですよとか、分かりやすく書いてあります。

とりあえず、大人はそんなに気にしなくて良い話ということですね。もう既に、成長と共に眼軸が16歳くらいまでで伸びきっちゃっていますから。

子どもはというと、どうでしょうね。まずは冷静に、計算して考えてみます。眼軸の1ミリは、度数の3.00Dに相当します。例えば、1年間で眼軸長の0.05ミリの伸びは、近視の度数で表せば-0.15Dに相当します。レンズの製作に於いて、度数の刻みは0.25Dですから、一段階に満たない量です。この1年間で0.05ミリという眼軸の伸びが、あの論文での抑制結果です。

一方では蓄積する紫外線ダメージを若いうちから極力減らして、歳を重ねる毎に増す白内障などのリスクを減らしましょうという考えもあります。近視が実際に抑制できる量なども合わせて考えてみますと、とりあえず現状は、紫外線をカットするカットしない、どちらにも過敏にならなければ良さそうです。近視の仕組みの一つが分かって面白いなあくらいが、丁度いい反応だと思われます。

 

捉え方とかその他諸々
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18.07.24

検眼の分析の仕方について。作法の一つに「パーシバルの基準」というものがあります。

『RCI線とRCS線の幅を三等分し、中央1/3の領域部分をドンダース線が通っていれば快適な両眼視は維持される』

これが正確な定義です。専門用語はさて置き、これだけではよくわかりません。検眼データから判定するとすれば、それなりに数式があって、代入することによりプリズムの要不要や、処方の目安が得られます。でも、これではパーシバルさんの意図が掴めません。

極めて個人的な意訳としては、

『目の引っ張る力と寄せる力、やっぱり同じくらいが丁度いいよね』

と、読み替えています。目の筋肉のバランスが良い状態とは?という問いに対して、力が半々ずつくらいという解答な訳です。定義は物凄く厳つい感じでしたが、意訳してあげれば極めて直感に近い、自然な基準だったということがわかります。たまにお客さんには申し上げている、数学も国語も変わらないというのは、結構本気で言っていたりしますし、この意訳の方が大事じゃ無いかなと思っています。

専門書の多くは、定義の羅列がメインの場合が多いです。確かに、自分で意訳を見つけることが理解する上で望ましいですけど、何よりも一番は、すぐに理論を現実に組み込みトライすることでしょうから、定義・数式等々、その心意気みたいなものが、もう少し載っていてもいいのになと感じます。

s-5.00くらい
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18.05.25

s-5.00くらいで、PD≒FPDであり、なおかつレンズサイズ44ミリのときの、丸生地と削った後の比較です。屈折率はガラスの1.52です。この条件であれば、まあまあ強い度数でも十分に薄いです。比重も他のガラスと比べると低く、アッベ数も高いので、低屈折率のレンズでよろしいかと思います。

仕上がりはこんな感じです。

イギリスのヴィンテージフレームに搭載しました。深い緑が綺麗です。

特注染色
目のことレンズのこと

18.04.29

業界では特注のレンズ染めを見本染色と言います。通常、レンズに色を入れる場合は、各社共通の色味(アリアーテトレス)か、それぞれ独自で開発した色から選択します。

しかし主に以下の場合は、特注で染色をしなくてはなりません。

①どのカラー見本にも無い、オリジナルの色で染色したい

②違うレンズメーカーの色で、発注したレンズ生地に染色したい

①も②も、工場に目的となる色の見本を送ることで、特別に染色していただけます。見本染色自体は、おおよそどのレンズメーカーも受けてくれているはずです。この文化は日本だけなのかは分かりかねますが、レンズの色を最大限楽しむには見本染色をするといいと思います。

前回ブログに載せたのは②に該当します。今回の見本染色は、①です。①で、しかも見本とする色をレンズではなくて、プラスチック片で指定しました。

鼻パッドの黄色が、スパーキー過ぎず野暮ったくもなく、絶妙というところで、まさかの黄ばんだ鼻パッドを見本にするという無茶振りをメーカーにしました。染色の後、ゴールドミラーを掛けております。

ミラーによる補色の関係で、見る方向や照らす光の色の影響を受けます。条件によってはグレーっぽい青のレンズに見えます。ミラーが無ければ、ほぼ色味は一致するはずです。ちなみに、アリアーテトレスでスパーキーイエローがあります。それは蛍光イエローっぽいです。

染色の技術はすごいです。ホヤのリンクを貼りますので、お時間あればどうぞ。

https://www.vc.hoya.co.jp/tetsugaku/20160205-1.html

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