カテゴリー:目のことレンズのこと

レンズ
目のことレンズのこと

19.11.27

例えば、いわゆるオシャレ系の人々の眼鏡がクラシックで丸っこいフレーム一択に集約されているように、レンズ自体もレンズの販売もメーカーの差が殆ど無くなって凸凹が無くなってきていますね。そのときに、各メーカーの設計思想みたいなものが見えてこれば良いんですけど、眼鏡屋に言っても分からないと思われているのか、そこが省かれていることが多々で残念だなと思っています。

地下鉄乗っているときに、人間の顔面を観察しまくるんですけど、スマホを真っ直ぐ顔面の真ん中に置いて、ぽちぽち操作している人が減っているなと。恐らく利き目側にスマホが寄っている、それか首が回旋して利き目側に画面を近づけているっぽいんですけど、そういうのをやっぱり何とかしたいなと。自覚症状が無く、我々認定眼鏡士は主訴ありきと言えども。

妄想の範疇ですが、時代が進んで、本当に近方で抑制がかかるようになってしまった、そういう人がどんどん増えてきちゃったらどうしようと考えています。レンズの進歩の先に、その解決があれば良いなと思うんですけど、どうなんでしょうね。とりあえず、物に頼る前に自分の腕を磨けという話なので、検眼を頑張ります。

手作り
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19.11.10

ビジョントレーニングの器具を作りました。手の温もりってやつです。

前から、ブロックストリングスは持っていたんですけど、あれは斜視眼とか、融像力が弱い場合に使うべしということで、新たに作りました。

前回のあれでしっかりお伝えしなくてはいかんかったなというのは、VTは輻輳不全に絞っているということです。決してメガネが要らなくなるとか、そういう類ではありません。屈折異常は、成長期の眼軸の伸びが関係します。ですからある程度不可逆なことであり、戻せない近視の部分もあるということです。その戻せない部分は、メガネやコンタクトを使わないと、しょうがないです。

今回の変更点は、ビーズの小ささです。パステルカラーで女子からのカワイイを狙った訳ではありません。正直、ハッキリとした色味のビーズを探したんですけど見つからなかったので、なくなくこれにしました。ハンズの手作り工房みたいなところで買ったんですけど、店員さんもパニックでしょうね。こんなに少ないパーツで何作るんだろうと。

VTを輻輳不全に絞っていますから、ある程度融像力があることが前提です。であれば、寄り目をより鍛えるために、周辺融像で手を抜かせるのではなく、中心窩融像でシャープに鍛えることが、ビーズを小さくする事で期待できます。なるほどなと思ったので、早速真似した次第です。貸出用も潤沢にあります。

リリヤーンが商品名なのかそういう紐を呼ぶのか知りませんが、なかなかパッと見つからずに苦労しました。

緑黄赤のものが、元ネタです。大体、直径で半分くらいです。

標準装備にするかも
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19.10.04

そういえば、sft-iceのコーティングが終わりました。次世代改良版として、ヴィーナスガードコートの白色反射のが出ていました。ヴィーナスガードのパールです。ネーミングは前の方がカッコ良かったです。

標準にするかも。かなり良いです。耐傷の性能もsftから更に上がるんですけど、それよりも帯電防止機能がプラスで付くのが良いんですよ。花粉の時期は、結構違います。例えばその時季、ガラスレンズだと目がショボ付くときも、帯電防止機能が付いているときは、割とスカッといけてしまうくらい違います。

左から、粗砂で600回振動、スチールウールで擦る(回数不明)、微粒子まみれの布で拭きまくり粒子の付着をみる(20回)、それぞれテストした結果です。今までのsoft-iceは真ん中の段で、今度は上から二番目の段で、反射光が白にも出来ちゃうという話です。反射が白色?なんじゃそりゃ、気にしたこともないわ、という感じかもしれません。ただそれだけで、フレームと合わせたときの全体の雰囲気がグッと良くなります。

来ない
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19.08.30

テレビのフレーム待ち。納期遅れ分に、クリアブラウンがあります。それは現行のアセテートです。複数本ありまして、自分用も作ったのですが、かれこれ1ヶ月ほど待ってますね。

先にレンズが届いてしまいました。幼稚園のときに、友達で、スーパーファミコンの本体よりも先に、何故かソフトを買ってもらった子が居て、その子を思い出してしまいました。他人の家でソフト挿してたなあ。

向かって左が見本のネイビー50パーセント、マルチコート。右が自分のレンズ、同じ色味の同じ濃度でシルバーミラーです。ミラーの関係で、やや赤みがのり、非常に妖艶です。奥行きのあるゴツいセルフレームにミラー入れたら、やばい奴かなとも思いましたけど、もうそれも良いかなと。

もはや、これはおそらく真理で、ミラーにしたら何でもカッコ良くなるはず。すでに、レンズがカッコ良くないですか?気のせいですね。枠入れまで分かんないですね。

サーモント3
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19.07.21

最後もフランスのサーモントです。エッセル製です。エッセルは、ナイロールフレームの祖ですから、厳つさが売りのサーモントだろうが、問答無用でナイロールで軽やかにしてしまう感じが最高です。おそらく店頭出しの時にレンズサイズを変更しており、表記53ミリで55ミリのレンズが入っていました。しかもガラス。危ないのでプラスチックにて入れ替え済みです。レンズ縁が智と干渉するので、サイズは53ミリに戻しました。

レンズはもちろん鏡面仕上げです。実はこれ、2年ほど前にドイツから仕入れたことがありました。セルは色違いです。個人的には日本でも仕入れしていたのかと、当時の日本の感覚の豊かさに驚いた次第です。ローデンストックが強かった時代に、対抗馬でこれをあてるかと。サーモントという土俵は同じなんですけど、それぞれの個性が真逆でいい時代だなぁと感じます。

昨今、よく訊ねられるクリアーのセルフレームに通ずる軽快なポップさが微かにあります。

あー残念
目のことレンズのこと

19.06.16

やっぱりガラスのノンコート、単層コート終わってたー。度なしで沢山ストックするのも忘れてたー。

ガラスはマルチだけになってしまったかあ。しみじみ。令和ですね。

コク出し
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19.06.02

久々に真面目なことを書いて、店にコクを出そうと思います。

皆さんも、何本かメガネを所持し始めると感じたことがあると思います。同じ度数、同じ芯取り(光学中心を適切にフレームにセットする)でも、使用感と見え具合に若干の差があると。

よくあるのがセルフレームとメタルフレームの掛け替えの時で、セルの方が総じて眼にピッタリしますから、度数効果で強く出る場合です。セルのフィッティング不良で、メガネが下がった状態が恒常的であれば、度数は弱く出ます。これはコンタクトの話にも繋がります。

今回の考察したいケースは、それとは異なります。2本ともメタルフレーム、おそらく頂間距離も傾斜も殆ど同じ、瞳孔と光学中心の関係も同じ、レンズ設計も球面設計で屈折率も同じで、長く使った時に、集中力や眼の疲れ方に差があるケースです。

この2本とも私が加工したので、残すはアレしかありません。アレとはレンズの中心厚です。プラス処方の方でした。中心厚の違いで生じる、像の拡大・縮小効果の差でしょう。業界用語では Spectacle Magnification と言います。略してS.M.と表記します。

1本目は、フレームからご購入頂きレンズはコーティングまでしっかり拘って、どうせ特注ならと、ついでに外径指定をしてプラスレンズの中心厚を削りました。2本目は、既に持っていたフレームのレンズ交換でして、費用の面もあり、在庫レンズから交換しております。

ちなみに、球面度数は+1.00です。レンズが小さい場合は、プラス度数のみ外径指定で薄く出来ます。費用も安いです。

外径指定前。屈折率1.60選択で中心厚2.7ミリ。ごめんなさい、こっちが2本目
屈折率1.60選択、外径55ミリ指定。0.7ミリ削れます。こっちが1本目

今回の状況ですと、1本目は中心厚が2.0ミリで、2本目は中心厚が2.7ミリです。ここで注意しておきたいのは、“屈折率、レンズ設計、度数”は、同じという点です。

では、度数も屈折率もレンズ設計も同じレンズ、異なる条件が中心厚のみという条件で、像の拡大効果にどれほど差があるかを調べていきます。ここまで読んでくださった皆さん、お気付きの通り、森道とサカスプと日曜日という条件が重なって、ブルバキは暇です。

まずは、S.M.の式を調べます。認定眼鏡士であれば一度は計算をしたはずです。流石に私も公式は覚えていません。資格は、必要なときに必要な箇所が引き出せることが肝心だと、個人的には考えています。

眼鏡光学Ⅲ (キクチ眼鏡専門学校) p.31

こういう式が出てくると、それだけで確かにコクが出そうですが、実際は難しくはありませんしコクはまだまだこれからです。複雑さに惑わされずによく見ると足し算・引き算・掛け算・割り算しか含まれていない、簡単な構成です。それに、大人になれば、こういうのは得意な人に任せればO.K.でしょう。

計算は得意な人に任せるとしても、この式の大事な心は掴みたいところです。それはS.M.がM1とM2の掛け算でわかることです。そしてM1を形状要素倍率と呼び、M2を度数要素倍率と呼びますが、つまりレンズを通って出来る像は、レンズの形(厚みや前面のカーブ)でも、レンズの度数でも、どっちでも変わりますよと、伝えてくれています。何となく自然な認識通りで良くて、レンズのアレコレが変わるとやっぱり連動して像も大きくなったり小さくなったりしますというわけです。

おそらくM2の方は、何となく皆さんご存知なはず。強い近視の人は、レンズ越しの眼が小さく見え、逆に遠視や老眼が強いとレンズ越しの眼が大きく見えます。それです。

そして、馴染みのないM1、今回はこれを比較することで1本目と2本目の像の大きさを比較出来ます。念のため、両者M2は同じですから。

ちなみに、D1という項は、とりあえず共に+3.00にしています。外径指定によって前面のカーブに変更があり、若干差が出ているかもしれません。むしろそう。ただ無視できる差として仮定し、レンズの中心厚の差が、像の大きさにどれくらい影響を及ぼすかのみに絞って計算してみました。

M1(t=2.0)=1.0389 裸眼より3.9パーセント像の拡大

M1(t=2.7)=1.0533 裸眼より5.3パーセント像の拡大

およそ、1.4パーセントの差でした。うん、思ったより小さい。ただ、これくらいの差でも、使用感の違いを感じる場合もあるようです。統計を取った訳ではなさそうですが、本の例題に近いものが載っていました。そして、1%の差も侮れないですよの警句も載っており、実際にそういう症例がぼちぼちありそうなことが読み取れます。あるから例題なんでしょうね。

レンズの値段について、やっぱり皆さん気になりますしブルバキでも沢山尋ねられます。物の違い、経営状況の違い等々の沢山の違いがあって簡単には返答できません。他所の値段を聞いても、そうでしょうねぇくらいしか反応出来なかったりもします。まあでも、差について、自分の中から言えることの一つは、こういうコクの違いです。あんまり自分から言うことではないんですけど。ほとんど自慢ですし。

そしてブルバキも、まだまだ足りていないです。もっとコクを出したいなと、いつも考えています。ちょうどお客さんに使用感の違いを教えて頂いて、その疑問にお答えしたかったので書いてみました。

今日のニュースから
目のことレンズのこと

19.05.26

インスタあれだな、メガネ載せるとフォロワー減るけど、吊革と本栖湖のペナント載せたら4人増えたから、なんかもうあれだなー。前々から感じていたけどやっぱりアレだわー。

本題です。気になるニュースがありましたので。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6b324568

片眼性の内斜視の症例がぼちぼちあるみたいです。非利眼の開散に関係があるようで、なるほどそういうことも起こりうるのか!という印象です。眼はどちらかと言えば開くのは苦手ですからね。この辺の眼の動きの話は、仮性近視云々にも関係してくる内容ですね。

確かに、近視の“内斜位”という今までにない組み合わせが増えているとは聞いていましたが、まさかこういう症例も出てきているんですね。確かに1件だけ、高校生のときにゲーム中に突然複視になったという方に会ったことはあります。少ない症例と言えども無視出来ないですね。

令和は、如何に良好な視覚を保持出来るかにかかっていますね。体調、気分、思考にもある程度、眼が関わってきますので。くどいですが、高い視力の値では無いです。

そういうこと
目のことレンズのこと

19.05.24

この横の、塊による圧迫感がたまらないです。

綺麗な生地の、その綺麗さを活かそうと思ったら確かにこういうフレームになるのかもしれません。

ただ、正面はそれほど重い印象を受けないんですよね。生地の透明感もあるんでしょうけど、やはりこれもボリュームの緩急の妙でしょう。

シューティングの芯も金色で、気が利いています。しゃれてます。

もう少し詳しく
目のことレンズのこと

19.05.08

度数が強ければ、何となく眼が悪そうみたいな認識はあると思います。眼の悪さを視力の数値以外に求める、つまり視覚の良さ(把握の手段としての立体感等々)に求めますと、度数が低い場合でも眼が悪い場合があります。

今回のケースでは、オートレフで片目+0.75くらいの若干の遠視、片目は-0.25くらいの近視です。乱視はそれぞれ垂直方向に近い向きで若干です。数値的な不同視の定義には、どちらでも当てはまりません。まさに今回がそうでしたが、下手すればお医者さんにも眼鏡屋さんにも眼鏡要らないねと言われて、変に売り込まれないあの眼鏡屋さんはいい人だなあと、思っちゃうパターンです。

ちなみに今回は、あれこれその判断に至る経緯をすっ飛ばして書きますと、利き目にだけプリズムの処方です。眼鏡のセオリーでは左右に半分ずつ同量でしょうし、未だに脊髄反射的にプリズムは良くないという方々もいらっしゃるので何とも書きにくいですけど、それで仮枠時にバタフライの点滅が確認出来ました。もちろん、それの根拠もありますけど、書くと長いですし何となく見当つくと思うんで。そして、昨日は立体視が復活しそうな気配まで到達しております。

初めは視野中枢の存在する後頭部が痛くなるでしょうし、眼の周りの筋肉が張る感じや、人によっては眼の奥が引っ張られる感覚があるようです。使えていなかった部分、停止していた機能が戻る時に、まさに整体のように痛みがある場合もあるようです。矯正ですからね。そんなことをぼちぼちしております。

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