カテゴリー:メガネのはなし

せっかくなので比較しておきました
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20.12.22

柄まで確認出来ないかもです。ちょうど、お持込でAOがあったので載せておきます。菱松模様は、アレに似てるよね〜のアレです。インスタの方が分かりやすいかも。上の写真のレンズカラーはフェアオークルの15%です。黄金糖っぽくて綺麗です。とろみが出ました。

3・5・8
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20.07.27

新しいCRの手が増えました。カラーバリエーションも32色あってそれだけで十分良いのですが、加えて安価で、さらに3・5・8カーブからレンズカーブが選択出来ます。ちゃんと、8カーブはプリズム入ってますし。痒いところに手が届きすぎて、もう痒いを通り越して気持ちよくなってしまうくらいです。素晴らしいですね。

試しに、5カーブで32色全部を一つずつ頼んでみました。

緑系が特に良かったなと。濃度30%〜40%の程よい濃さで尚且つ、アリアーテのパステル感が弱めなのがポイントです。ミリタリー物の緑という感じで、荒々しい屈強な緑が選択肢に加わりました。要は、うっすい#3とかG15とか、そんな感じです。

案内の印刷物だと、けろけろけろっぴの緑のような雰囲気でした。それこそこの前ゴルチエに積んだバイカラーの緑の部分に近い色味だったらどうしようかなと届くまで悩んでいました。キャラクターはかわいくなるけど、眼鏡はかわいすぎると使いづらいなと。そんな不安は吹き飛びまして、これならむしろアリアーテよりも落ち着いた感じなので、見本染色で度付きも積極採用かなと思っています。

あと、赤系も豊富で良かったです。

ちょっと前のモデルらしいです
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20.06.13

お持ち込み。サンシーのメガネです。ちょっと前のやつらしいです。ホームページ見てみましたけど、多分2018年だと。これに、クリップオンも付属します。

とても良かったので載せました。意図が漏れ漏れで良いです。間違った意図の汲み取り方かもしれませんが、汲み取れたつもりで書きます。

サイズが49□23くらいです。大きめのボストン型なんですけど、ちゃんと見るとティアドロップぽくもあり、かわいいのに怪しいです。また、80年代のヴィンテージにあるような54□18のサイズのフレームを掛けた時の、あの独特のギュッと詰まった感じの鈍臭さは無いのに、ゆるっとふわっとしています。ブリッジは広めで、50年代のアメリカ物やフランス物を掛けたときのような大らかさもあります。さまざまな年代の要素を兼ね備えているのに、掛けた感じはどの年代にも当てはまらない感じです。

もしこれが本当に2018年だとすれば、先見ですね。2018年はブルバキが名古屋に移って初めの年でよく覚えています。レンズが小さければ小さいほど良くて、生地が厚ければ厚いほど良いみたいなムードがあったはずです。それぞれ服の感じも、醸し出したい雰囲気も違うのに、なぜ日本のファッションはカッコいい眼鏡の規格がほぼ同一なんだと訝しく思っていましたが、やっぱりファッションの真っ只中で同じようなことを感じている方もいらっしゃるのだなと安心しました。

47の22
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20.05.26

上が52□22で、ウェイファーラーの標準サイズ。これ自体は80年代の日本製のウェイファーラーもどきです。サイズの比較対象として、BICのボールペンと共に置いておきます。

そして、表題の47□22のサイズの本物のウェイファーラーが真ん中に鎮座しております。鼻盛りの依頼でお預かり中です。現行のウェイファーラーを調べますと、レンズサイズ52と54が出てきます。いつの間にかこの47ミリは終わっていたようです。それか調べ方が悪くて本当は継続品だったらごめんなさい。

数字だけ目で追えば、色無しで眼鏡で掛けたり薄いレンズカラーで掛けるなら、男性でもこれくらいのサイズで良いなあと思います。現代ならそのように思っちゃいます。そうなんですけど、何故かウェイファーラーの52サイズが普通という認識が投影されてしまうのか、コレに関しては妙に小さいようにも見えます。例えば、タートの類は44□22が至高とされていますが、数字上はコレよりも小さいです。あれらは小さく見えないのに。

結局は、フレームの色、リム等の細さ、フロントの全幅、テンプルのデザイン…あれこれあって、全体として小さく見える・見えないがあるんでしょうね。それはそうですし、これも何度もここでも書いていますが、顔幅や身長に対してどうなんだとか、そもそも得たい雰囲気に対してどうなんだというのも、実際は眼鏡のサイズが関係してきますから、最終的にその眼鏡のサイズが私にとって大きいのか小さいのかは、掛けてみないと分からないってことですね。

以下は、かなりの余談です。

多分10年以上前なんですけど、テレビでルーズソックスの解明をしていました。何故女子はルーズソックスを履くのかと。その時すでに過去形で、あのとき履いたのか?だったかもしれないです。

そこでは、足が細く見えるから履いているという女の子のヒアリング基に調査をしていました。調査は、同じ女性の写真が2枚で行われ、一方はやや腿が出るくらいのミニスカートにぴったりとした靴下。もう一方は同じミニスカートにルーズソックスでした。そして、男女何人かに聞き込みをし、どちらが足が細く見えるかを調べていました。その記憶が強烈に残っていまして、そのお陰で現在コレが書けています。

男性は、足首にかけてキュッとなっている、ピッタリソックスの方が足が細く見えるという意見が多く、女性は足首から腿にかけて真っ直ぐに見える方が、足が細く見えるという意見が多かったです。

コレがまんま今の眼鏡のサイズの観点に、そしてその男女差に通ずるなと、急に思い出した次第です。男性は一点突破で、眼とフレームの関係に重点を置いて、そこでジャッジする場合が多々です。よりジャストの方が、FPD=PDに近い方が小顔に見えるから、とかは気にしていなそうですけどね。女性はフレームの全幅と顔幅を比較して顔が小さく見えるかとか、姿見で確認して、逆に眼鏡がデカすぎないかとかをアレコレしてジャッジしている気配がします。

そういえば販売実績を振り返っても、FPD=PDとなるケースが男性は多く、女性はFPD≧PDとなるケースが多いですね。男性の結果は点で、女性の結果は線(領域)です。

ここまで考えますと、じゃあ今の女子高校生はどうなんだ?という疑問が湧いてきまして、おじさんである私が、街で変なサングラスを掛けて積極的に観察をしてしまいますと、いろんな意味が変わってきてしまいますから、視界に入ってきた方をフワッと目視をするわけですけど、、あんまり書くと余計に怪しいですね。まあ普通に地下鉄の駅で見ますと、スカートは膝上なのは同じで、靴下が違います。踝くらいか、素足っぽいやつでローファーな訳で、今までの議論を汲めば、アレ?って感じです。細く見せたい云々ではないのかも知れませんが、なぜ今度は靴下の存在を減らす方にシフトしたんでしょうね。眼鏡もそうですが、 その認識とか感覚というのは、時代に影響されているなとつくづく思います。

ブラッシュアップ終了
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20.05.08

ブルバキオリジナルのセルフレームです。今年も懲りずにテレビフレームにて。新色でクリアのブルーグレーです。

自分で使って、都度改良して、その結果もフィードバックしております。それで、もうこれはレンズカーブを6カーブ指定するべきですし、それ以外不可だなということで、今回はフロントにもカーブを初めからつけております。この前のブログで、テンプルを弄って前傾角を増やしたと書きましたが、これで更に完成がイメージしやすいかと思います。

テンプルの処理は、ほぼ前回同様です。前回との違いは、フロントの接合部分から滑りを演出してみました。

比較するとこんな感じです。

生産は前回同様イギリスで、変な言い方ですけど総ハンドメイドです。

これも毎回言いますが、個人的には手造りだけではあまりピンとこないタイプです。それは分析の結果であるべきですからね。加えるなら、様々な界隈で“おじいちゃん”というのがキラーワードになりがちですが、それもあまりピンとこずです。良いなと感じたもの、それが若人のマシーンメイドということもあり得ます。それは、従事する若人にとっての救いにもならないかなと思うんです。もちろん、機械では作れない手仕事の美しさ、熟練の技による美しさに惹かれないことは無いですよ。銀無垢等々の、無垢ものの手彫りはまさにそれですから。

ということで大事なのは、それでしか作れない良さなのか?でして、それは自分のオリジナルフレームにも厳しく適用すべき判断基準となります。今回もイギリスから届いた物を見て、値段も考慮に入れて、結果、かなり自ら手を加えております。修正には合計3日かかりました。

とにかく、真っ直ぐな光の反射をどの角度からも無くせるように、あり得ないことですが流体がそのまま纏まって空間に存在しているような感じを目指しました。ただその為にひたすら頑張りました。それが何だと言われると困りますが、見て気分良くて掛けて気分良さそうなのでくらいしか考えてないです。

音で伝えるならば、トロトロのヌルヌルです。トップの画像から伝われば嬉しいですね。実物は、もう少し表面に水を帯びた感じになって綺麗です。

最後、簡潔にまとめますとこのフレームはブルバキオリジナルのセルフレームです。そしてもう少し詳しく述べれば、30代前半をどのように捉えるかに依りますが日本のおじさんによる手仕上げの製品です。…やっぱり、おじいちゃんの手造りの方が響き良いですね。

加工
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20.03.30

オリジナルのセル、テレビ追加しました。この色は成功でしたね。

製品として送られて来ていますが、今回も例によって、速攻でヤスリを入れています。

前回分も、指定よりもフロントが起こし気味だなとか感じていましたが、フィッティングの際に耳の位置が高い低い云々であれこれ最後に弄るから…というのでそのままにしておりました。今回分は、もはやフロントとテンプルが成す角が垂直に近いので、そこから修正です。上の写真、手前が修正後、奥が修正前です。

そうしますと、ある程度あれこれ見え始めます。テンプルからフロントにかけてのラインが綺麗ではないことが、どうしても気になります。上の写真は修正後です。伸びやかに、スッと。でも展開はせず、フィニッシュはフロントまでおあずけ。そんな感じでラインを決めました。意味不明ですね。

上は、テンプルを削る前です。テンプル中腹で一旦かすかに膨らんでいます。そこは我慢です。膨張してはダメなんです。フロントまで展開は我慢です。なんてたってフロントがメインですから。

テレビの抉りも修正です。とりあえず、テンプルのテクスチャーを決める手前まで加工しました。前回と同じように処理するか悩んでいます。時間あるので、またぼちぼち進めます。現場からは以上です。

史料集め
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20.03.18

久々に新ネタです。鯖江のメガネの歴史を知るにはうってつけでした。今までのは、広く眼鏡の歴史的な本ばかりでしたから、日本の眼鏡がどう発展してきたのかが不鮮明なままでした。ようやく、それが掴める物が手に入りました。

向かって右は、ほとんど増永眼鏡さんの社史です。鯖江に眼鏡を根付かせた功労者ですから、まあそうなりますよね。この本で新たに感動したのは、眼鏡への打ち込み方です。黎明期の、副業だしこれくらいの出来でいいや感が全く無いことです。それも、よく思いを馳せればそりゃそうなんですけど、よく聞かされる豪雪地帯の副業で、、、というのはあまり当てはまってないですね。私財投入してますし、子どもを職工にしてますし、全部注いでました。それに、第二次世界大戦と1948年の地震を経験していますから、増永さん含めた鯖江の眼鏡の不屈さには心打たれます。

向かって左は、卸組合の本です。なので商売の話ですから数字多めです。裏をとるという意味では、史料的な価値は高めでした。

ホントだと納得したのは、昭和42年の生産種目とその出荷額ですね。その種目ごとの額面よりも、セルとメタルの出荷額の比に驚きでした。なんとなくおっちゃん達からは、当時メタルフレームなんてそうは玉入れしてなくて、ほとんどセルばっかりだったなぁみたいなことを聞いてはいましたが、数字だと想像以上の開きでした。ホントにセルばっかりです。

昭和42年と昭和50年、火まつりが行われています。火まつりとは在庫焼却処分です。昭和42年の第1回目は、およそ3.5万“ダース”の焼却だそうです。

これも面白い項でした。昭和44年に、アメリカ人を呼んで、日本の眼鏡を評価してもらっているみたいです。その論評が笑えます。それこそいま、ヴィンテージ眼鏡のカテゴリーが出来上がったことで、メインで取り扱っていなくとも、お持ち込みでアメリカの50年60年代を触る機会は多々あります。正直、よー言うわという感じです。いい勝負だと思いますよ。

最後は、眼鏡ジャーナルの各号の見出しです。心に刺さったのは、

「アウトサイダーも自覚ある組織を」

ということで、以後気をつけます。

一応、一般公開しない予定です。

金曜日には元に戻ります
メガネのはなし

19.11.25

今日も18時に閉めました。明日もその可能性があります。明後日の水曜日は、レンズセミナーで新商品の説明を聞いてきます、店は休みにします。

金曜日からは元に戻ります。

オリジナルのテレビフレームのブラッシュアップを久々に行っております。テレビのえぐりを滑らかに深く、削って磨いての再加工です。ヴィンテージの入荷がたくさんあって、途中になっていたので在庫分を修正です。

やっぱり全然違いますね。表面の光沢も然り、奥の透明感が増したことがポイントです。ゴツいのに軽やか、相反して共存しにくい要素を一つの形にしたいというのがありましたので、ようやく、これで、やっと、出来上がりました。

ヴィンテージの生地のうち、墨を流したような独特な生地がありまして、それも一層分かりやすくなりました。透けが増して、クリアブラウンの中で黒いもやが踊っていい感じです。

問い合わせよくあるので
メガネのはなし

19.11.19

もちろん、AOのカタログから指定して頂いても構いませんよ。今回はfv-204の指定で、尚且つ上を平にするということだったので、そのようにしました。

上のcs-4と比べて、若干左右非対称で、尚且つ先細りのシャープさがある感じを上手く残さないとダメそうです。

カタログをよく見ますと、そのままだと上が軽くアーチを描いています。今まであんまり見てなかったですね。個人的にはアーチがあった方が柔らかくて好きだなぁ、へぇーと思いつつ、スパッといきました。とりあえず、ちゃんと水平は出せました。

掛けて帰りますと言われると嬉しいです
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19.11.03

バネ修理と、レンズ交換でした。バネは交換が出来ず、レーザー溶接でガチガチに固めてもらって、普通の蝶番に改良してしまいました。まあしょうがないですね。

レンズ交換ということで、

・遠視

・老眼になってからメガネを掛け始めた

・65歳くらい

これだけでも、数値がどうあれ考えられることと、お客さんの主訴とメガネへ期待することから、何を選択して何を犠牲にするかが頭を巡ります。もちろん、ブルバキでも累進レンズを処方することはちゃんとあります。ですが物理的に解決できない、ある要求を満足させることが出来ないということもありまして、必ず何が犠牲になるかはお伝えします。

「最新の累進レンズは大丈夫です」、よく言われると思います。確かにある点においてはそうなんでしょうけど、全部が大丈夫になった訳では無いです。この辺は提供する側がいかんですね。

旧処方が、大体左右同じでs+1.50 add+2.50です。ヒアリングでは60歳くらいかそれよりも前の時点での処方です。それと、オートレフでs+2.75位で値が出てくること、自然に手元を見てもらったときに、あんまり下方視出来ていないこと、念の為、実際にミラー法で視線のチェックをした時に、やっぱり下方視が足りないこと。このくらい情報があると、およその道筋が見えてきます。今回特に気になったのは、加入をしっかり体感するには無意識に下げた目線以上に、下をしっかりと見なくてはいけないことに改めて驚いていらっしゃったことですね。教則では、姿勢の指導なんでしょうけど、やめました。球面値のあたりをつけて、遠近の眼位を測り、ESOが残っていないことを確認して、他にもあれこれ逡巡して単焦点にしました。

毎回こうなるわけでは無いんですけど、色々上手く合致して、全部の距離がぼちぼち見えるわーというので掛けて帰って下さったので、嬉しかったですね。

デモレンズも旧レンズも無くて、型板から作っています。

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