カテゴリー:メガネのはなし

頭部形状の違い
メガネのはなし

16.11.18

昨日、和風総本家の録画を見ていまして。

ケニアかどこか、アフリカの方が日本に来ていました。何に興味を持って、どう国に持ち帰るのか?というような内容でした。向こうのテレビ関係者御一行です。

そのうち男性2人、坊主だったので、職業上しげしげと見てしまったのですが、頭部形状がとても綺麗でした。卵形で美しいとかもそうですが、左右の対象さにおいても美しいですね。耳の奥行きも高さも一緒、歪みのない球体状で、左右眼の高さや眼球の落ち込み具合も同じで、鼻筋もまっすぐでした。(医学的に証明はされていないとは思いますが、耳の高さが違うと、同じように目の高さも違います。教えて貰った経験則です。今のところ、私もそれでフィッティング時の予測が立てられています。)

たまたまテレビに出ていた2人がそうだっただけかもしれませんが、めちゃめちゃメガネの乗りやすい頭・顔でした。赤ちゃんの時に、ほぼお母さんに抱かれて育てらているから、骨が綺麗に形成されているんですかね?理由はよく分からないですが、とても感動したという話でした。

逆に申しますと日本人は大方、程度の差はあれ左右非対称です。フィッティング後のメガネが左右非対称なのは、あるあるです。頭部形状も後ろが短くて正面が広いので、どうしてもテンプルの開きを増やさないといけないですね。特にヴィンテージのメガネ、60年代以前のフロント幅が少ないフレームですと。

掛けられない、掛けられても不快だと、結局カッコ良くてもどうしようもないので、フィッティングはなんとかします。お持ち込みも歓迎です。お待ちしております。

眼鏡
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16.11.14

昭和49年の復刻版です。元々は大正2年の作品です。

島崎藤村 眼鏡(めかね)

ストーリー等々よりも、物語始まってすぐの眼鏡選びのシーンが面白いです。大正2年(西暦1913年)あたりの眼鏡の買い方のスタンダードかどうか判定するには資料が乏しいですが、この本ですと枠とレンズが予めセットされており、検眼無しでトライアンドエラーでひたすら掛け比べて良さそうな度数のものを買っています。今ですと、100円均一で老眼を買う感覚に近いかもしれません。

現在でも、 メーカーは“チョメチョメ眼鏡=がんきょう”と呼ぶことが多いです。時代が古いと“がんきょう”と呼ぶかと思いきや、この本は“めかね”(本文では“めがね”)ですので、何故メーカーは“がんきょう”呼びが今も浸透しているのかは謎です。

しまざきと入力して、島崎遥香さんが予測で出て、島崎藤村さんが出ないという時代なのだと、改めて感じました。


メガネのはなし

16.11.09

世界には、意外にメガネは転がっていないですね。実生活で出会うメガネを探していますが、毎日というのは中々難しいです。本日のインスタは、たまたまケータイに残っていた画像で済ませてしまいました…。

今年の10月、展示会で東京に行った際は、東京メトロの伊勢丹のある駅は(新宿なんとか)石原さとみさんのポスターで埋め尽くされていました。そのポスターでは、セル巻き風のメガネしていました。それからポスターを気にするようにしていますが、メガネの地位は向上しているようでまだまだですね。それ以来、あんまりメガネをつけた人が載っているポスターを見ません。出来れば無い方がいい物という認識は、まだまだ根深そうです。

お客さんのメガネ
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16.10.31

コレクションに近い物でしたので、お客さんの元へ行くというのは、とても嬉しい反面、ちょっと切ないです。

度付きのサングラスの予定です。女性のお客さんに買って頂きました。センスに脱帽です。シュッとした格好に、メガネだけスチームパンク、最高です。

ファッションに於いて、ハズすという行為が、昨今ではリラックスという解釈な気がしています。カットソー、スウェットパンツ、ジョガーパンツ等々が主流になっていますので。それも好きですが、ちょっとした違和感で遊ぶというハズし方が個人的にさらに好きです。

1960年の様子
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16.10.30

雑誌 男子専科 “近代人の背広読本” 38 特別増大号(昭和34年発行)

昭和34年ということは、西暦で1959年ということですね。大卒サラリーマンの平均初任給が(男)¥16,115の時代です。60年代は一括りに出来ない時代です。1965年で¥24,102,、1970年で¥40,961なので、恐ろしい上昇を遂げております。大卒は現代よりは少ないはずなので、初任給としてはちょっと高い数値なのでしょう。(参考:WEB金融新聞>お金の雑学>大卒初任給の推移)

写真に話を戻します。メガネのページが見開きでありました。すでに、ファッションとしての捉え方もあったということです。まだまだ視力矯正器具としての認知が高いとは思われますけどね。

一番上のフレームは、AOのブローです。アメリカンヴィンテージ好きにはたまらない、マルコムXモデルです。今は、BJクラシックで復刻しています。¥3,200。

そして、興味深いのは一番下、おそらくタートのF.D.R.が載っています。¥1,350。リバティですとか、様々なメーカーも似たような形を作っているとは思いますが、スモーキーグレーという表記と、3ドットに見えるので、恐らくという感じです。

エンパイアのオリジナル、日本製のセルフレームが¥1,350です。各ヴィンテージの当時の位置付け、特に日本から見た位置付けというのを初めて知ることが出来ました。

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実際には、単純に平均初任給の値を利用して当時の物の値段を、現代のその物が属するカテゴリーの平均価格帯に当てはめて考察することは出来ないです。例えば、エンパイアのオリジナルが¥1,350で、平均初任給が¥14,000くらいなら、今で言うところの¥20,000くらいかという考察は、物価指数等々の関係で正確ではありません。

ですが、正確な把握は必要としていないので、大体そんな感じという認識でも良いのかなと私は思っています。としますと、写真中央のドイツ製は相当高いですね。

カッコいいケース
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16.10.27

村井がライセンスでゴルチエをやっていた時の付属ケースです。スチームパンク感バチバチの時です。付属ケース史上、一番カッコいいと思っています。

金型作るのにいくらかかるのでしょうか…。こういうの作れたらいいなと思います。

社長繁盛記
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16.10.24

森繁久彌さんの映画。10年以上続いた人気シリーズです。通称社長シリーズ。

1968年の社長繁盛記は、明治村が出てきます。名古屋駅とバスターミナルの様子も出ますので、そういうところもご覧頂きたいところです。50年の重みを感じます。

加えて、森繁久彌さんのメガネがカッコいいんですね。昨今は、メガネのボリュームが落ち始め、洒落ているのはプラスチックとのコンビネーションか?メタルか?という風潮ですが、やはりプラスチックオンリーもメガネのパワーがあって洒落ています。

メガネの細かいところで言いますと、フロントにリベットが無いです(鋲のこと)。70年代から大量生産時代に入り、メガネの作りとしては、写真のような埋め込みに式になると言われていますが、この映画を見て覆りました。68年の段階で埋め込みの蝶番です。

その後、社長行状記(1966)も見ています。もちろん同じメガネでした。ちなみに、こちらはオフィスがめちゃめちゃ宇宙感の漂う感じでカッコいいです。

映画自体、コメディなので面白いですよ。

広告
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16.10.23

30年前のメガネの広告。

メガネの時代感は、結局デザインよりもレンズのサイズと縦横比で醸し出されるのでしょう。それをどのように今のファッションに組みこんでいくのかが面白いところです。

ポパイ
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16.10.22

ポパイは偉大でした。シャディ・キャラクターを紹介している記事がありました。

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1984年 9/25 183号 「この秋、めいっぱいに男前」

日本にもシャディ・キャラクターはちゃんと入っているんですね。ただ、価格的には、店頭に吊り下げでまとめて展示するようなサングラスの価格帯ですので、廃棄されている可能性が高いですね。店内の平置きでしたら残る可能性がまだ高いですが…。

 

良さはどこにあるのか
メガネのはなし

16.10.22

昨日の続き。ヴィンテージの物の良さはどこにあるのかというところで終わっていました。思考実験として、ヴィンテージと、そっくり同質の現行の物があったとして、それでも尚違う何かがあるのか無いのかというところまでがおさらいです。

私自身もそうですが、古いということで価値を感じる方は、価値があると投影しますので、現行の物との差異は必ずあります。ここに、ヴィンテージの良さが隠れていそうです。

古いから良いというときの「良い」とは何かと考えると、これは中々難しいです。質感と言われればそうかもしれませんが、ほぼ同質の現行品の場合はどうでしょうか?また、古いものは作りがしっかりしていると言いがちですが、現行の物もしっかり綺麗に作ってあります。金属の物の場合は、熱とか圧力で鍛えないといけませんので、今のものの方がしなやかで頑丈な事もあります。

今のところ、私なりのヴィンテージの良さとしては、イマジネーションが湧き出るからでしょうね。この年代に、このデザインは果たして受け入れられたのか?そもそも当時のファッションは?社会情勢は?ムードは?当時のメガネ周辺の状況は…そういった様々な疑問、イメージ、妄想が膨らむわけです。手仕事なんてキーワードが、そういえば飛び交う昨今です。物の背景をイメージさせるキーワードとして耳にしますね。やはり良さは、脳に拡がる豊かさでしょう。

あとは、同質の物があると仮定した上であれこれ考えましたが、ロットとか生地の問題で現行で出来ない雰囲気の物が多々です。仮定にやはり問題があるとしますと、見た目の違い、雰囲気の違いも、もちろん良さですね。

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