セリーヌのお持ち込み。セレクトショップにてご購入とのことでしたが、
「メッキの部分に当たりが沢山あるけど、これはそういう物??」
という相談を受けました。本来であれば、販売のときにクリアになっているべきですが、そこが鮮明でないまま購入になってしまったようです。それはちょっと残念。
トップの画像が一番分かりやすいですが、擦り傷のように特定の方向が見受けられない、当たり傷が沢山入っています。特定の方向が無い(直線的でない傷)というのはミソです。ちなみに、メッキの剥がれや、地の部分の露出はありません。
ロゴ付近のかすれがあります。この部分だけ見ますと、非常に判断しにくいでしょう。
当たり傷の上に、シルク印刷で品番の印字があります。シルク印刷が擦れていないことから、この部分である程度の判定が出来ます。
ということでこれは、ヴィンテージ加工です。味付けです。私の知っているケースでは、確か3年くらい前に三工光学のドゥアンというブランドで、このようなヴィンテージ加工(メッキへの傷加工)のモデルがありました。様々な要素から販売し難く、消えた技術だと思い込んでいました。実際に目にかかるとは!
元々、いまのセリーヌのメガネやサングラスは、フラットレンズが初期で積まれていたり、ヴィンテージの雰囲気を醸し出す工夫が随所に組み込まれています。そのようなことから、百貨店に行く機会があれば、必ずサングラスは気にして見ていたブランドでしたが、ここまではしっかり見れていませんでした。その部分を攻めるとは思っていませんでしたから、驚きました。
個人的には、通常のメッキよりも光沢が抑えられ、マット仕上げよりも軽やかですから、良いと思います。小さい鉄球か何かを落として、当たり傷を出していると思われ、それが擦っていない傷という、自然には起こりえない特有さに繋がっているのでしょう。
デニムの色落ち加工や、膝とか腿を破っちゃう加工に近いです。カバンに入れっぱなしで移動で擦れても、初めからメッキに擦れがありますから、ガッカリ感も少なく済みます。ただし、一般に受け入れられて広まるかどうかは分からないですね。新品の品物に対する、布と金属の評価の違いが、この辺りに露出しそうです。
なんだかんだ書きましたが、気になりすぎて日本の代理店に電話して確認もしております。メガネは、どのブランドも基本はライセンスになりますから、ブランドに聞くよりも代理店に電話が確実です。結果は、やはり加工でした。
買うときに聞かないと不安ですよね。正直私も、ドゥアンという前例があっての、ヴィンテージ加工という終着点が頭に有りきの分析ですから、知らなかったらその場で初期不良と即答してしまっていたかもしれません。消費者の方ですと、より一層、ヴィンテージ加工かどうかを見抜くのは難しいでしょうし、不安を覚えることは当然でしょうね。