カテゴリー:メガネのはなし

くるくる目玉くんスタンド
メガネのはなし

17.09.11

全然役に立たない視力表のついた、旧タイプの看板を手に入れたのですが、目が死んでいます。回りません…。青の縁取りが口になっていてかわいいですが、目が死んでいます。

モーターなら、簡単に直るのかなと思っていましたが、モーターの形があんまり見たことがない形状で、なおかつ低速にするギヤボックスが開いちゃってギヤが無い様子。

とりあえず、目玉の位置を正位にして、可愛く左上方視にしておきました。

 

パーツからの推測
メガネのはなし

17.06.15

さっきも載せたメガネです。フランスメーカーのヴィンテージメガネです。

70年代のライセンスフレームで、スポルディングがあります。日本のメーカーが、アメリカブランドのライセンスを、フランスの製造に出して作らせていたという、ちょっと面白い感じです。理由は様々考えられますが、ここではやめます。

スパルタ智の感じを比較すると、おそらく同じ製造では無いかなと考えています。

70年代は、良いメガネ=舶来物(フランス、ドイツ)という印象だったのでしょうね。

非丸メガネ
メガネのはなし

17.06.15

そういえばですが。

メタルの丸メガネ流行ってますね。昨年くらいから、ぼちぼち見かけるようになりました。

ヴィンテージですと、私の在庫にはセルの丸メガネが、あと数本あるくらいでしょうか。むしろ、丸では無い物が多いです。あって、楕円風ですかね。

70年代、フランス。14金の金張りです。

まん丸ですと、抜け感が出過ぎますからね。それを良しと見做しているだけであって、どの時代も、抜け感があるという感覚は共通にあるのかもしれませんね。どうも、倉庫を漁っていても、まん丸とかに遭遇することは少ないです。

曖昧な、どの名称にも属さないレンズシェイプのメガネも良いもんですよ。顔の各パーツに馴染むようにデザインされていたりします。その方が、丸とかよりも、掛けたら顔に馴染んで自然だったりします。

おもしろメガネ
メガネのはなし

17.06.01

いまの、オーソドックスなメガネが一番カッコいいという価値観をひっくり返そうと思っておりません。ひっくり返せると、一度も考えたことはありません。では、なぜおもしろメガネに流れたのか?という話をつらつらと書きます。

ブルバキのメガネは、70年代くらいのメガネが多く、今の価値観からすると、おもしろメガネが多いとは思います。おもしろメガネだけでは無いですが。クセはあると思います。

もちろん、私もカッコいいメガネからハマった人間です。ゴツいセル枠が流行っていた時代でしたね。そして、おもしろメガネに流れた人間です。

例えば、美術館に行くとします。ある作品を見て「綺麗だな。美しいな。」と、感じるとします。美術館にいるときは、綺麗さ美しさを大事にしているのに、一歩外へ出てしまうと、カッコ良さを大事にしがちです。今はカワイイの時代ですから、カワイイの方が何となく伝わるかもしれません。ここに、深い分断を感じている訳です。

何を価値のトップにするか、割と局所的に、その場その場で変わる気がします。それが悪いと思っていません。ただ、出来るだけ多くの事に対して、同じ価値観で判断したいなと思います。それを積み重ねますと、共通項が見つかりやすくなる気がするんです。私は気づいたらメガネの道を進んでいました。メガネ人ならば、まずはメガネで、その価値観の分断を接続してみようと、おもしろメガネに走りました。

そもそも一般には、綺麗さ・美しさ・カッコ良さは連結して感じられるのでは?とも考えます。つまり、そこが分断している時点で、やっぱり私はひねくれていそうです。それに、おもしろメガネと表現しましたが、当時はバッキバキのカッコいいメガネとして扱われていたかもしれません。おもしろメガネとみなすその時点で、今のカッコいいメガネを価値の基準としている気もしています。

価値とか考え始めますとキリがないので、戻します。単純に、綺麗とか面白いとか、物を見て気持ちが「わぁっ!」となったそのままに、メガネを掛けてみたいと思わせたのが、ヴィンテージのメガネだったいう感じです。

ザイロナイト再び
メガネのはなし

17.05.26

写真のレンズは、昭和17年頃のレンズです。左半分の字が解読出来ませんが、西暦で1942年です。日本のメガネ屋から出てきています。古いメガネ屋さんに行くと、この年代のAOの金張りフレームとかも出てきます。おそらく、フレームとなると販売してくれませんが…。レンズもフレームも、舶来物をすでに使っていたことが窺われます。

一般にはプラ枠の丸がメインで、その場合はレンズをそのまま嵌め込んでいたようです。たまに50玉(ゴレイダマ)という呼称を耳にします。PDを無視して度数だけ合わせていたのでしょうか?2枚1組で袋に入っている場合もあるので、50ミリの枠に50ミリのレンズを嵌め込んで終わりだったのかもしれません。その辺りの記載のある資料を探し中です。

 

パッケージデザインがカッコいいので集めていましたが、初めて重要なキーワードに出くわしました。

「ZYLONITE」

そうです、ザイロナイトです。

昔の記事①(アメリカンヴィンテージの素材)

昔の記事②(ザイル第2章)

そもそも、プラスチックのレンズが普及し始めるのは70年代です。70年代の暮らしの手帖のメガネの製品テスト記事を見ましても、一般のレンズとして、ガラスレンズを指して記載があります。おそらく80年代初頭の教本を見ても、今後はプラスチックレンズが台頭するでしょう的な文言が記載されているくらいです。

あのパッケージの、上の帯にある ZYLONITE と、下の LENSE の記載は関係ないということでしょうか?だとしたら、なぜに記載があるのでしょうか?

ただ、プラスチックレンズの登場自体は、1942年のアメリカまで遡ることが出来ます。アメリカの Pittsburgh Plate Glass Co. が、今でも屈折率1.50の素材として知られるCR-39を開発しております。たまたま1942年という一致をしてしまいました。

ただ、CR-39とザイロナイトは、そもそも素材が違います。結局このパッケージと出会ってしまったが為に、また違った角度から、ザイロナイトについての謎が深まってしまいました。

宣伝です
メガネのはなし

17.05.12

福井県眼鏡協会の冊子が、店内にあります。閲覧用です。

ほぼ同じ内容が、YouTubeで上がっています。同じく

「福井県眼鏡協会」

で、検索してみてください。メガネ製作の一部を、動画で見られます。面白いですよ。

動画を見ると分かるのですが、日本のメガネは、強いて言えばほぼ全て職人物でしょうね。

ヴィンテージのメガネ、新品のメガネ
メガネのはなし

17.05.12

ヴィンテージのメガネ屋ですが、新品の否定として営んでいるわけでは無いです。狭いゾーンではありますが、銀無垢やSPMの無垢をやっています。それらは、現行の製品です。

例えば、今までメガネを掛けてこなかったひとが、古いメガネのデザインを気に入り、初めてメガネを掛けようと思うかもしれません。それをきっかけに、今のメガネの良さを分かってもらえるかもしれません。入口は何でも良いかなと思うんです。それを手伝ってあげないといかんなと、思っています。

メガネも、とうとうデザインが一周したのか、ここのところずっと回帰的です。そうなった時に、服と同じように、古着から今のデザイナーの服に至る、逆方向でデザイナーの服から、再現出来ない風合いに良さを見出して古着に至るようなことが、 メガネにも起こって欲しいと考えております。周りの様子から、何となく起こりつつあると感じております。ただ、いまは他所で購入したヴィンテージのメガネの受け皿が少ない且つ、売り手も売り逃げ感が強いので、変なイメージがつきそうで危惧しています。

 

あくまでメガネですから、顔に乗って綺麗かどうかが大事派です。例えば、50年代以前のアメリカやフランスのプラフレームの場合、

(レンズ横幅44ミリ)×2+(ブリッジ幅22ミリ)+(可動部の出っ張り部分10ミリ)×2=130ミリ

でしょうね。通販をあれこれ見ても、やはりフロント横幅130〜140ミリ位が多いです。

ちなみに、日本人男性の側頭幅の平均は160ミリ位なので、あれらは、基本キツすぎる訳です。そりゃ掛からんです。掛けた瞬間に、こめかみに当たりメガネが下がります。ブルバキでは、それを解消するところから始めます。

ツーブリッジについて
メガネのはなし

17.05.08

ツーブリッジのメガネについて。2016年の終わりくらいから、反応があります。特に20代の男女です。2017年になってからは、実際にかけている人も見かけるようになりました。豊橋でも見かけます。少数ですけどね。

メガネに関わらず、ファッションでもなんでもそうですが、ちょっとダサいくらいが丁度良いと言われる機会が増えました。別の表現では「カッコよすぎる」「オシャレすぎる」でしょう。

その、ちょっとダサいくらいが今の時代は「カッコいい」ということなんでしょう。そこでなんとなく気になるのは、良いと判断する行為が、責任を請け負わずに出来てしまうことでしょうか。

言い換えます。ダサカッコいいを選択しておけば、他人にオシャレと言われればそれなりに嬉しいと感じられます。ダサいと言われれば、ダサいのを選んでいるからしょうがないと自分に言い訳出来ます。全てを引き受けず、物の所為に出来てしまいます。

折角お金を使う訳ですから、ダサいと言われるとショックが大きいですが、これがカッコいいと思ったという宣言の元に、手にされるといいかなと思います。良いと他者から認められた時の嬉しさが違います。

ゴールデンウィーク、みなさまにはお越し頂きありがとうございました。今日は落ち着いておりますので、ツーブリッジのメガネを見ながら、そんなことを考えておりました。70年代くらいのツーブリッジが良いですね。ツーブリッジも、ただブリッジが2本あれば良いって訳にはいきません、カッコいいのをご用意してお待ちしております。

素材について
メガネのはなし

17.04.27

アセテートかセルロイドかみたいな話があります。ちょっとメガネに興味を持ってくださった方なら、なんとなく聞いたことがあると思います。プラチック方面は懐古的だなと思っていましたら、メタルもそんな感じになってきました。

このブログでも書いているサンプラチナ(SPM)素材のメガネが、現行でも見かけるようになりました。チタンかサンプラチナか?という話が出始めそうです。

古い素材だから良いとか、なんだかなぁと思います。ヴィンテージのメガネ屋ですが、古いから自動的に良いとは判断しません。業界の努力・進歩は、元々の素材の欠点を補う・超えるために向けられています。チタンのフレームが、81年に日本で初めて生まれるまでをまとめた博士論文が手元にありますが、今でこそチタンが普及したというだけであって、簡単に作ることができるという訳ではないです。

あれこれ申し上げましたが、なんだかんだサンプラチナは良い素材ですよ。当店で扱っているメガネだけでは無く、色々なメガネを見比べて見ると面白いと思います。ただし、金属を鍛え上げ、メッキをせず、鳥肌が立つくらい透き通るような仕上げを施し、この素材ならではの良さを最大限に引き出しているメガネは少ないとは思います。

フィッティングについて
メガネのはなし

17.04.24

メガネのフィッティングについて。基本的には、レンズがガラス素材で重いとか、重量過多や重量バランスの崩れ、フィッティングする為の可動余地がない、耳の掛ける部分が細い、頭部の大きさとメガネの大きさが合っていない等々の条件が無い限りは、大抵メガネはそこそこ下がりにくい(汗かくと別)という話です。

 

いまは、ファッションの領域でメガネを販売しております。お客さんとしては、ファッションに詳しい方が多いです。そうしますと、大体メガネを買う場所(と買う商品)が一致してきます。

その方々のフィッティング不良が目立ちます。業界の不備は、業界全体でカバーし合えば良いと考えておりますので、他所のメガネでも、関係なくこちらで再フィッティングをします。そもそも、掛けた瞬間からずり落ちるようなメガネであるのにもかかわらず、なぜ不満として上がってこないのか?これが不思議でした。

ところが最近、謎が解けました。オシャレなゾーンのメガネは、下がってもしょうがないという認識があるようです。お客さんにそう思わせてしまっている時点で、心が痛いです。

おそらく、ここからは私の推測ですが、機能性を重視した9が沢山のメガネや、柔らかさを売りにした量販のメガネの登場に、その原因が間接的にあるのでは無いでしょうか?メガネを下がりにくくさせるのは、私どもの技量ではなく、商品のスペック・カテゴリー・種類などの、物に従属した原因であると予期せず思わせてしまっているのでしょうね。逆にファッション性を追求したメガネは、掛け心地が悪くてもしょうがないという認識がありそうです。そして、お店側もそう思ってフィティングを怠っている感じがします。

 

実際は、メガネはまあまあ下がりにくく出来ますよ。どんなメガネでも、

①顔幅に開きを合わせ

②鼻パッドを適切に当て

③耳後ろに正しく添わせる

ことで、割と下がらなくなります。①〜③の順番でフィッティングを行うことはとても重要です。①がダメなら、②③で頑張っても0点です。

今まで店頭で診てきた感じですと、①がダメな例が大半で、だからこそ洗浄でお預かりした瞬間に

「このメガネめちゃくちゃ下がりますよね?」

と、瞬時に言えるわけです。柔らかくて掛け心地の良さを謳ったメガネ、例えば超弾性樹脂やβチタンのメガネでも、①〜③が上手くいっていないと下がります。

フィッティングが上手く出来ているのか簡易的にチェックする方法としましては、

・まずメガネをかけて

・レンズ横の可動部(腕を畳む部分)を両手で持ち

・真っ直ぐ軽めに引っ張る

この動作で何となく分かります。目からメガネを離す感じです。そのときに耳の後ろに粘りがあれば良好です。メガネが引っ張り方向とは逆に、引き戻される感覚です。つまり、メガネは左右からの締め付け・圧迫で止めるのではなく、耳での摩擦で止められているのが理想的ということです。こちら側の人間でもそれを知らずに、オシャレメガネは下がってもしょうがないという先入観から、①が狭すぎて下がるケースが多いです。

こんにゃくゼリーを想起して下さい。ケースを押すとゼリーが出ますよね。ゼリーが頭で、ケースがメガネにあたります。それが生じています。

今の状況では、メガネがファッションの中でイケてない物になってしまうと、掛ける人がガクッと減りそうなので書きました。危惧しております。煩わしくても、オシャレだからちょっと無理して掛けているというのは、やはり悲しいです。それにメガネの方が、コンタクトに比べて光学的に優位なことが沢山あります。ですから、どんな入り方でも私は構わないと思っています。ファッションからメガネを好きになることは、例え伊達でも等しく良いことだと思っています。掛けることに馴れて下されば、歳を重ねて、いざ度入りメガネ、いざ老眼となったときに、すんなり馴染むと思います。嫌いになるのだけは止めたいですね。

長くなりました。フィティングで何か気になりましたら、是非お越しください。

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