いつか書いた、カットリムのフレームが入りました。ローデンです。
レンズを囲うリム線が、扁平ではなくて三角形で凸です。リムにボリュームがあって、多少度数が強くてもレンズがはみ出しにくいです。
サーモントのメガネは野暮ったくなりがちですが、これは別格でした。
17.11.05
いつか書いた、カットリムのフレームが入りました。ローデンです。
レンズを囲うリム線が、扁平ではなくて三角形で凸です。リムにボリュームがあって、多少度数が強くてもレンズがはみ出しにくいです。
サーモントのメガネは野暮ったくなりがちですが、これは別格でした。
17.10.31
思いついたので何となく書きとめておきます。内容は、高校の三角比の導入のところくらいの話です。
レンズサイズに関連しての話です。
ところで50年代周辺のメガネは、どれくらいテンプルを開けばいいのか、はたまたどれくらい開くことが、フレームを見た段階で予想されるのか。感覚で、いつもヤスリでバチっと開いていましたが、簡単なことですし数値として出してみました。
参考サイズは、44◽︎22です。値段が付きやすいサイズでしょうね。メガネ専門では無い場合は、このボクシング表記ではなく、フロント横幅125ミリ〜130ミリ程度という表記になっているのではないでしょうか?レンズ端同士を結ぶ距離が110ミリ、智の部分がそれぞれおおよそ10ミリはみ出して合計130ミリという感じでしょう。
テンプルがフロントに対して垂直に伸びている場合、耳にかける部分同士の距離は当然130ミリです。では130ミリで幅は足りるのかと申しますと、まず足らないです。よっぽど顔の小さい女性でも、側頭幅140ミリくらいでしょうね。
日本人の男の場合は160ミリくらいが、側頭幅の平均です。つまり、開き幅が30ミリ足りません。では、その幅を稼ぐにはどれくらい(角度)開くのかを調べてみます。
鼻梁に対して、顔幅が左右対称と仮定します。あとはコサインの定義だけでわかります。結果は、片手およそ8°でした。ただし、テンプルの智から耳の頂点までの長さ(曲げる手前のポイントまで)は、一般的な110ミリとして用いました。同じ条件で、側頭幅を170ミリと仮定しますと、おおよそ10°という結果でした。だいたい、10°くらい開いといたら良いってことですね。
ただし、これは頭部形状を無視した理想状態の話です。実際は、こめかみが張っていて、側頭幅よりも広げてあげないとテンプルが顔に干渉します。より角度をつけて広げないと、綺麗に顔に掛からないです。分度器の10°を見ながらこれを綴っていますが、私の実感としては、毎度12°〜15°くらい開いている気もします。
その開いているメガネが、自分なりに納得出来るかどうかという話です。目に対してジャストが好みなのか、ある程度まっすぐなテンプルで綺麗に掛かっている方が好きなのか、どっちが正しいということも無いと思います。フロントと顔幅のバランスももちろんあります。美観だけではなく、光学的な要素も加味すると、もっとなんとも言えない状況になります。
メガネがどのように掛かっているのか仕組みが分かるにつれて、レンズが大きくなり、フロントで側頭幅分を稼ごうとした時代の流れがあり、それはレンズの素材の進歩とシンクロしていたと思われます。今は逆に、クラシック調の時代です。レンズを小さくし、削ったフロントの全長を補うべく、βチタンのような、しなやかな素材で掛け心地をカバーしています。心地というのがミソで、メガネを頭部に留めるには、いくらしなやかな素材のフレームでもフィッティングが必要です。
ちょっと話が逸れましたが、それぞれのサイズ感にそれぞれの良さがあります。どういう風に自分のイメージをもっていくか、それによって変わると思います。
17.09.11
全然役に立たない視力表のついた、旧タイプの看板を手に入れたのですが、目が死んでいます。回りません…。青の縁取りが口になっていてかわいいですが、目が死んでいます。
モーターなら、簡単に直るのかなと思っていましたが、モーターの形があんまり見たことがない形状で、なおかつ低速にするギヤボックスが開いちゃってギヤが無い様子。
とりあえず、目玉の位置を正位にして、可愛く左上方視にしておきました。
17.06.15
さっきも載せたメガネです。フランスメーカーのヴィンテージメガネです。
70年代のライセンスフレームで、スポルディングがあります。日本のメーカーが、アメリカブランドのライセンスを、フランスの製造に出して作らせていたという、ちょっと面白い感じです。理由は様々考えられますが、ここではやめます。
スパルタ智の感じを比較すると、おそらく同じ製造では無いかなと考えています。
70年代は、良いメガネ=舶来物(フランス、ドイツ)という印象だったのでしょうね。
17.06.15
そういえばですが。
メタルの丸メガネ流行ってますね。昨年くらいから、ぼちぼち見かけるようになりました。
ヴィンテージですと、私の在庫にはセルの丸メガネが、あと数本あるくらいでしょうか。むしろ、丸では無い物が多いです。あって、楕円風ですかね。
70年代、フランス。14金の金張りです。
まん丸ですと、抜け感が出過ぎますからね。それを良しと見做しているだけであって、どの時代も、抜け感があるという感覚は共通にあるのかもしれませんね。どうも、倉庫を漁っていても、まん丸とかに遭遇することは少ないです。
曖昧な、どの名称にも属さないレンズシェイプのメガネも良いもんですよ。顔の各パーツに馴染むようにデザインされていたりします。その方が、丸とかよりも、掛けたら顔に馴染んで自然だったりします。
17.06.01
いまの、オーソドックスなメガネが一番カッコいいという価値観をひっくり返そうと思っておりません。ひっくり返せると、一度も考えたことはありません。では、なぜおもしろメガネに流れたのか?という話をつらつらと書きます。
ブルバキのメガネは、70年代くらいのメガネが多く、今の価値観からすると、おもしろメガネが多いとは思います。おもしろメガネだけでは無いですが。クセはあると思います。
もちろん、私もカッコいいメガネからハマった人間です。ゴツいセル枠が流行っていた時代でしたね。そして、おもしろメガネに流れた人間です。
例えば、美術館に行くとします。ある作品を見て「綺麗だな。美しいな。」と、感じるとします。美術館にいるときは、綺麗さ美しさを大事にしているのに、一歩外へ出てしまうと、カッコ良さを大事にしがちです。今はカワイイの時代ですから、カワイイの方が何となく伝わるかもしれません。ここに、深い分断を感じている訳です。
何を価値のトップにするか、割と局所的に、その場その場で変わる気がします。それが悪いと思っていません。ただ、出来るだけ多くの事に対して、同じ価値観で判断したいなと思います。それを積み重ねますと、共通項が見つかりやすくなる気がするんです。私は気づいたらメガネの道を進んでいました。メガネ人ならば、まずはメガネで、その価値観の分断を接続してみようと、おもしろメガネに走りました。
そもそも一般には、綺麗さ・美しさ・カッコ良さは連結して感じられるのでは?とも考えます。つまり、そこが分断している時点で、やっぱり私はひねくれていそうです。それに、おもしろメガネと表現しましたが、当時はバッキバキのカッコいいメガネとして扱われていたかもしれません。おもしろメガネとみなすその時点で、今のカッコいいメガネを価値の基準としている気もしています。
価値とか考え始めますとキリがないので、戻します。単純に、綺麗とか面白いとか、物を見て気持ちが「わぁっ!」となったそのままに、メガネを掛けてみたいと思わせたのが、ヴィンテージのメガネだったいう感じです。
17.05.26
写真のレンズは、昭和17年頃のレンズです。左半分の字が解読出来ませんが、西暦で1942年です。日本のメガネ屋から出てきています。古いメガネ屋さんに行くと、この年代のAOの金張りフレームとかも出てきます。おそらく、フレームとなると販売してくれませんが…。レンズもフレームも、舶来物をすでに使っていたことが窺われます。
一般にはプラ枠の丸がメインで、その場合はレンズをそのまま嵌め込んでいたようです。たまに50玉(ゴレイダマ)という呼称を耳にします。PDを無視して度数だけ合わせていたのでしょうか?2枚1組で袋に入っている場合もあるので、50ミリの枠に50ミリのレンズを嵌め込んで終わりだったのかもしれません。その辺りの記載のある資料を探し中です。
パッケージデザインがカッコいいので集めていましたが、初めて重要なキーワードに出くわしました。
「ZYLONITE」
そうです、ザイロナイトです。
そもそも、プラスチックのレンズが普及し始めるのは70年代です。70年代の暮らしの手帖のメガネの製品テスト記事を見ましても、一般のレンズとして、ガラスレンズを指して記載があります。おそらく80年代初頭の教本を見ても、今後はプラスチックレンズが台頭するでしょう的な文言が記載されているくらいです。
あのパッケージの、上の帯にある ZYLONITE と、下の LENSE の記載は関係ないということでしょうか?だとしたら、なぜに記載があるのでしょうか?
ただ、プラスチックレンズの登場自体は、1942年のアメリカまで遡ることが出来ます。アメリカの Pittsburgh Plate Glass Co. が、今でも屈折率1.50の素材として知られるCR-39を開発しております。たまたま1942年という一致をしてしまいました。
ただ、CR-39とザイロナイトは、そもそも素材が違います。結局このパッケージと出会ってしまったが為に、また違った角度から、ザイロナイトについての謎が深まってしまいました。
17.05.12
福井県眼鏡協会の冊子が、店内にあります。閲覧用です。
ほぼ同じ内容が、YouTubeで上がっています。同じく
「福井県眼鏡協会」
で、検索してみてください。メガネ製作の一部を、動画で見られます。面白いですよ。
動画を見ると分かるのですが、日本のメガネは、強いて言えばほぼ全て職人物でしょうね。
17.05.12
ヴィンテージのメガネ屋ですが、新品の否定として営んでいるわけでは無いです。狭いゾーンではありますが、銀無垢やSPMの無垢をやっています。それらは、現行の製品です。
例えば、今までメガネを掛けてこなかったひとが、古いメガネのデザインを気に入り、初めてメガネを掛けようと思うかもしれません。それをきっかけに、今のメガネの良さを分かってもらえるかもしれません。入口は何でも良いかなと思うんです。それを手伝ってあげないといかんなと、思っています。
メガネも、とうとうデザインが一周したのか、ここのところずっと回帰的です。そうなった時に、服と同じように、古着から今のデザイナーの服に至る、逆方向でデザイナーの服から、再現出来ない風合いに良さを見出して古着に至るようなことが、 メガネにも起こって欲しいと考えております。周りの様子から、何となく起こりつつあると感じております。ただ、いまは他所で購入したヴィンテージのメガネの受け皿が少ない且つ、売り手も売り逃げ感が強いので、変なイメージがつきそうで危惧しています。
あくまでメガネですから、顔に乗って綺麗かどうかが大事派です。例えば、50年代以前のアメリカやフランスのプラフレームの場合、
(レンズ横幅44ミリ)×2+(ブリッジ幅22ミリ)+(可動部の出っ張り部分10ミリ)×2=130ミリ
でしょうね。通販をあれこれ見ても、やはりフロント横幅130〜140ミリ位が多いです。
ちなみに、日本人男性の側頭幅の平均は160ミリ位なので、あれらは、基本キツすぎる訳です。そりゃ掛からんです。掛けた瞬間に、こめかみに当たりメガネが下がります。ブルバキでは、それを解消するところから始めます。
17.05.08
ツーブリッジのメガネについて。2016年の終わりくらいから、反応があります。特に20代の男女です。2017年になってからは、実際にかけている人も見かけるようになりました。豊橋でも見かけます。少数ですけどね。
メガネに関わらず、ファッションでもなんでもそうですが、ちょっとダサいくらいが丁度良いと言われる機会が増えました。別の表現では「カッコよすぎる」「オシャレすぎる」でしょう。
その、ちょっとダサいくらいが今の時代は「カッコいい」ということなんでしょう。そこでなんとなく気になるのは、良いと判断する行為が、責任を請け負わずに出来てしまうことでしょうか。
言い換えます。ダサカッコいいを選択しておけば、他人にオシャレと言われればそれなりに嬉しいと感じられます。ダサいと言われれば、ダサいのを選んでいるからしょうがないと自分に言い訳出来ます。全てを引き受けず、物の所為に出来てしまいます。
折角お金を使う訳ですから、ダサいと言われるとショックが大きいですが、これがカッコいいと思ったという宣言の元に、手にされるといいかなと思います。良いと他者から認められた時の嬉しさが違います。
ゴールデンウィーク、みなさまにはお越し頂きありがとうございました。今日は落ち着いておりますので、ツーブリッジのメガネを見ながら、そんなことを考えておりました。70年代くらいのツーブリッジが良いですね。ツーブリッジも、ただブリッジが2本あれば良いって訳にはいきません、カッコいいのをご用意してお待ちしております。