カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

ぼちぼち入荷
ヴィンテージのメガネ

21.05.17

晴れた日は自転車で店まで来ておりますが、昨日は雨でしたから地下鉄で行きも帰りも。帰りが19時前でしたが、さすがに地下鉄の東山線は空いていましたね。それぞれの席の端っこ同士が埋まる程度でした。

緊急事態宣言ということで、店をどうしようかなと考えていましたが、この調子なら開けても閉めてもそれなりに一緒だなということで、とりあえず開けます。レストアしたい商品が結局山積みですし、店に居ます。

ティアドロップほど垂れ目感が強くなくて、非常に良いです。例えば服でいうところの肩パット的な、80年代のセルフレームの垂れ目感は相当にコッテリと時代錯誤感を演出してしまうんですけど、これはさほどです。フロントからテンプルに掛けての流れが綺麗で、クリアレッドの色味も合わせてライトな感じが良いです。

それとこれも。アーマーみたいです。バブリーを超えて、何と表現したら良いか分からないですが、とにかく金掛かってるなーってのがビシビシと。各パーツの精度も出ていて綺麗なので、単純に物としてカッコいいですね。

さっきのセルも、このゴツいのもシルエットです。なんでも声に出してみるもので、そういえば最近シルエットにハマったと宣言していたなと。それでこれらがここに集まりました。ありがたい。

これから綺麗にしていきます。

グーパンチ
ヴィンテージのメガネ

21.04.26

グーパンチお持ち込み。ボストンのような、微妙にティアドロップのような、なんとも言えないレンズシェイプも魅力です。

グーパンチは何度も同じことを言いますが、傑作中の傑作です。最高です。作りと見た目のシンクロが醍醐味です。

この握りは、本当にレンズ留めとしてリムを握っている構造になっています。その握らせ方も凝っていまして、見える部分は丸く切削し、自転車のように棒を握っている演出になっています。

レンズ側の見えない部分は四角に切削しています。そのおかげで、握りこぶしをリムに差し込んだあと、テンプル全体が回転しないような仕組みになっております。物としても相当優れた作りです。

前出のゴルチエもそうですが、80年代後半から90年代にかけての、このクスッとさせる眼鏡の類はどれも最高ですね。何となくですが、マルジェラの眼鏡よりマルジェラっぽくありませんかね。

フォーク大
ヴィンテージのメガネ

21.04.26

ゴルチエのフォークの大バージョンです。前は、全部メタルのフォーク小を載せたと思います。フォーク大は、もう眼鏡として溶け込むことを諦めて、潔くただただフォークです。

食いしん坊って感じです。

フロントがセルのタイプも存在するはずです。これも含めた、よく見たらふざけているタイプのフレームって良いですね。なんだか平和です。

なんちゃってその2
ヴィンテージのメガネ

21.04.09

こっちもやっぱりあるのか!という感じです。ごっつい眉毛眼鏡なんですけど、おそらく元ネタはローデンストックのREMOです。REMOは、もうだいぶ前に販売してしまったので、元ネタと比較出来ないのが残念です。

金張りでした。

多分、本家のREMOは耳側のセルの迫り出しが少なめです。リムに沿うようにシュッと収まっています。これが本家と異なるのは、まずその部分です。おそらく変更した意図としては、日本人の平均側頭幅を考慮し、さらに幅を稼ごうということでしょうね。耳側にセルがさらにグンっと出ていますから、迫力が一層あります。頑固感強めですね。

ふっといブリッジのふっといプレスの筋もいい感じです。

さっきのリチャードもどきも並べてみました。眼鏡屋的に、なんちゃっての方が優っている箇所をあげるとするならば、このリムと眉毛パーツがピシッと揃っていることです。このおかげで、強度近視でも眉毛パーツとレンズのコバが干渉せずに、加工で苦労することなく枠入れが出来ます。逆に本家は、眉毛パーツがリムにかかっている場合があり、たまに枠入れが難しい時があります。

それに関しては、想定の違いかもしれません。眼鏡をかける理由として遠視と老眼が多いとするか、近視で眼鏡をかけることが多いと想定するかで真逆になります。

遠視や老眼の凸レンズは真ん中が一番分厚くて端が薄く、逆に凹レンズは真ん中が一番薄くて端が一番分厚いです。その違いが、眉毛とリムのきっちり具合の要求度の違いを生むことも考えられます。なので一概にこの箇所のみを指して、こっちが至高とかは言えなさそうです。

なんちゃってその1
ヴィンテージのメガネ

21.04.09

前も載せたかもです。ちゃんと各所見て直して、商品化したついでに載せます。

日本製のリチャードもどきです。

ツーリング製でした。これに関しては、眉の色が違う、本体の色が違う(K14の金張りの為)くらいしか違いが見当たらないほど、正確にそっくりさんです。

このあたりまでは前も書いた気がします。眉パーツを取って、ネジの具合等も確認してみました。

リムネジもマイナスです。

パーツを取ってみると、ローデンストックのリチャードにあって、これには無いパーツがあります。ちょっと前の、耐磁のピンセットの写真と比べると分かります。ノミネジという、リムネジの横からスクリューにタッチして緩みを抑える、あのネジがありません。無い代わりに、単なる気持ち添えなのか微妙に効果があるのか分かりませんが、ちょんと軽くプレスした窪みがあります。それとも眼鏡屋に対して、新しくノミネジのタップ切っても良いよという合図だったのでしょうか。なんちゃってならではの謎の面白さが隠れていました。

現代で当てはめればタートのアーネルでしょうね。ローデンストックのリチャードがアーネルだった時代があったという証拠としても、大変面白いフレームなのでまた載せてみました。

もう一本手入れ
ヴィンテージのメガネ

21.03.24

ストレートテンプルで、雰囲気ややスポーティーです。レンズの形は先程と同じような紡錘形です。そこは、やや不気味な感じです。それが良かったりします。

作りとしては、ガーゴイルとか呼ばれている辺りに近く、フロントは厚みの無い、そしてブリッジ以外に起伏を設けていないデザインです。

濃い色のレンズを入れてサングラスとして提案するのは決定だなと、見た瞬間に考えていました。あとは、フロントのぺったんこな感じをどう活かすかということが気になります。

フロントがぺったんこに対して、レンズもぺったんこというのも、組み合わさった物のイメージとしては、フェイスガードみたいな一枚のフィルムが顔面にあるという感じになりそうで、それはそれで良さそうです。ポルシェデザインの、ポリカのサングラスみたいな。画像検索で、「オノ・ヨーコ ポルシェデザイン」で調べると、あぁーってなります。

とは言いつつ今回は、むしろめちゃくちゃ湾曲したレンズを入れてみました。横から見るとレンズの突出が目立ちます。有機的な、人間ではない何か別の生命体のような、ちょっとだけギョッとする雰囲気を足してみました。

手入れ
ヴィンテージのメガネ

21.03.24

かなり久々に、在庫化に向けて磨き等々の修正をしていました。半年ぶりかそれ以上です。お持ち込みの修正が続いていまして、それはそれで中々お目にかかれない物にも遭遇できるので面白いです。ですがやっぱり、自分で仕入れした物を触るのが一番面白いですね。

ということで久々のレストアですし、次にここまで時間が取れるのもいつか分からないので、直したかった順に着手しました。まずはこれです。あれほどちょっと前にヘルシーだなんだ言っていましたが、すみませんいきなりの真逆な感じでした。触っているうちにちょっと調子出てきて楽しくなってしまって、めっちゃ濃い紫のレンズにしてみました。完成度は高まったと思いますが、ヘルシーから一層遠のきました。

リムの余白の作り方と、削る面の設け方が独特です。

レンズの形は、紡錘形です。クチビルみたいな感じです。裏から撮るとよく分かります。

新たなる闘争の火種
ヴィンテージのメガネ

21.03.13

ヴィンテージ眼鏡の新しい仲間です。

アメリカ物の値段の高騰と、スニーカーに負けないくらい盛んになってきた個人売買の加熱で、値段が高いヴィンテージ=強くてカッコいい!を、ひっくり返すような物のお持ち込みがありました。

外国の囚人用らしいです。軍モノの次はそれかー。そうきたかー。

NYLONとバチっと入っています。ナイロン素材ということで素材の質感、加工の感覚としては現代の超弾性フレーム的な感覚です。それがカシメで作ってあるのが良いですね。フロントの形も、タートのカウントダウンみたいで何だか洒落ています。

お持ち込みして下さったかた曰く、中に芯が入っていると危ない環境の為、芯なしナイロンの眼鏡が支給されているらしいとのことでした。確かにそれはそうかもですね。喧嘩が起きれば武器になりますし、とりあえず針金の類はプリズンブレイクにも使えそうですしね。

合口開くのはちょっと難しいです。ナイロンはアセテートやセルロイドみたいに、ヤスリでゴリゴリ削れていかないですね。電動のカッターで溶かしながら削る感じで合わさる部分を削り、テンプルを開いてみました。そもそもフィッティングという概念が組み込まれていなそうなフレームであり、現代に、現代の日本人に合わせようと思うと一手間いります。

古着のカレッジプリントのスウェットを着ていると、

「あなた、どこの出身?」

みたいに訊ねられることがあると聞いたことがありますが、これもそうかもしれませんね。

「おまえ、どこの出だ?」

と。

シルエット追加
ヴィンテージのメガネ

21.03.05

シルエットのメタルが面白いです。店の在庫をローラーかけたら、2本出てきたのでインスタに載せておきました。

正直、仕入れのタイミングでは「あぁ、シルエットだな。とりあえずピックしとくか」程度のテンションだったと思います。すっかり忘れていましたね。それがこうも変わるとは。きっかけは、お客さんが教えてくれたギーク(geek)という語のおかげでしょう。

めっちゃ眼鏡に詳しい、めっちゃファッションに詳しい、だけど今のファッションの観点からみてカッコいいかどうか微妙に判断つきかねる…くらいのこの感じが、めっちゃ個人的には今カッコいいなと、掛けていて気分良くて楽しいなと感じています。

ヘルシー
ヴィンテージのメガネ

21.02.22

セクシーよりヘルシーの時代というのをお客さんから聞きまして、上手いこと言うなぁと思っていましたが、いまのファッション業界のスローガン的な表現なんですね。ユニクロマガジンの新作が並んでいますが、そこに語句でヘルシーが使われており、ヘルシーがキーワードであることを改めて認知しました。

ヘルシーかどうかは分かりかねますが、80年代のスポーティー(死語?)でエネルギッシュ(死語?)な雰囲気を足したい気分は依然ありまして、そんな感じのフレームが片付けしていましたら出てきましたので載せておきます。横の白とピンクのラインが、インテリア界隈の「昭和レトロポップ」に通ずるところでして、アクティブなヘルシーさがある気がします。それか、歯磨き粉のアクアフレッシュ感、クリア感が全開な気がします。

ほんとうに大事なのは、ヘルシーよりたのしーですよね。はい、スベりました。以上です。

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