カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

ガラスの茶
ヴィンテージのメガネ

19.07.12

ガラスの1.52が終わって、1.60のマルチしか無いとなりますと、別の遊び方に切り替えるしか無いわけでして、今回はカラーコートのブラウン15%にしました。私個人としては懐かしく、金無垢をメインで使っていたときは、茶色のガラスを使っていました。銀は、何となく透明にし続けています。

プラと違って、染色ではなくコーティングで色を乗せます。基材と着色方法の違いから、透明感が高いです。

処方が2△B.I.なので、s-5.50といえども、鼻側が分厚く耳側がリムに収まるぐらいな厚みです。鼻側も大目に面取りを施せば、全周リムに収まって仕上がりがスッキリです。

屈折率あげると、ガラスは比重の問題も考慮に入れないとダメで、そこまで薄く出来なかった割に重くて金額も高いということになりかねないので、選定も難しいですよね。

鼻パッドの面積が大きければ、テンプル130ミリでも意外に下がらないですね。アッベ数の関係で、プリズムを入れた際、ガラス1.52と使用感に違いがあるかなと思っていましたが、それも感じず。プラよりスッキリ見える実感はちゃんとありました。

プッチ
ヴィンテージのメガネ

19.07.09

パパッとインスタに載せただけになってしまっていました。ようやく磨けました。どっからどう見てもプッチです。語らずも、プッチ感がびしゃびしゃに溢れ出ています。その真っ直ぐさが最高です。

表面に光沢が出ると、柄と合わさって顔面が滑らかなスカーフみたいになります。とても良いです。エミリオ・プッチは、プリントの王子という異名があるらしいですが(ウィキペディア調べ)、この時代のサングラスはそこに対して敬意が払われているのを強く感じます。敬意そのものが、サングラスとして形になっています。

図鑑によく載るタイプです。また一つ、所有欲が満たされました。よくよく見ますと、今回のものはフロントにリベットが無いです。それはそこまで大事ではなくて、手元にある物をじっくりねっとり調べてみます。ベースの黒生地に、薄い白を貼り合わせた後、実際のプリントを施した布を敷いて、最後透明の生地で挟んでいます。おそらく白い生地を中間に挟んでいるのは、生地の色を綺麗に出すための一手間です。

近づくと、繊維が見えます。

図鑑の方は、おそらく黒いセル生地にプリントなのか?生地の発色を良くする白い生地の層が確認出来ません。また、布特有の凹凸も確認出来ないので、ひょっとすると作りに差があるのかもしれません。また一つ好奇心が刺激されました。そして、正確な考察のために、リベットのプッチも集めないといけなくなってしまいました…。メガネが終わらない。

このサングラスで改めてわかったことに、プッチの柄の強さが挙げられます。いくら太めにリムやテンプルをデザインしても、限界がありますし、やはり用意できる平面は、服より圧倒的に小さいです。そして写真から分かるように、フロントにはレンズがありますから、どうしても柄が分断されます。

でも、冒頭の通りどう見てもプッチですし、プッチと迷うことなく認識出来ちゃってます。だから、凄いブランドなんでしょうね。

1サイズのみ
ヴィンテージのメガネ

19.07.08

リチャード、何故か50□16のみ集まってきます。昨日は真ん中との眉がブルーグレーの、ホワイトの金張が入ってきました。個人的には、一番精悍で好きなカラーです。馴染みが良いのはイエローで眉が茶色でしょうね。

この頃のローデンは腕が短いです。表記は130ですが、それは蝶番ネジからテンプル終端にかけて130ミリです。フロントからだと大体135ミリです。それでもやや短いです。たしかこの頃のローデンは54サイズくらいから、様々なモデルでも表記でテンプル長が135ミリだった気がします。

自分でも、名作を使っちゃおうかなという気分です。とりあえず、ガラスのカラーマルチ、15%のブラウンを頼んでみました。この時代のサーモントに関しては、それこそFPD=PDこそ正解の掛け方というのは疑わしいです。私のPDは65ミリですが、52ミリか54ミリでも、良いのだろうなと思っています。ぴったりなら、それはそれで、特に今回はガラスなので軽くなって良いですけどね。

久々の黒枠
ヴィンテージのメガネ

19.07.08

パッと見て、とても良い顔していました。磨き終わりでこんな感じです。特に、ブリッジの凹凸の付け方が歪でした。写真撮るの忘れました。

気になってしょうがないので、対称になるように修正しています。あんだけ今のプロダクトより優れてるとか言いつつ、例えばこういう箇所に対しては、ヴィンテージならではの味とか、古いからしょうがないとかで済ますのも、何だかなぁという気がします。ダメなもんはダメというのも、しっかり把握しつつ、現行品には無い面白さを見出していかないと、と考えています。サッカーで手を使っても、それは異端じゃなくて邪道ですもんね。それか、そもそものゾーンを変える、ハンドボールに移るとか。

この年代周辺は、いつも店頭で雰囲気の良さ以外に何も言いませんが、角を残した磨きが云々ということが語られると思います。そこが職人技的な。ちなみに、外蝶番でピンとネジの面は切ってあって、鼻パッドは透明です。ブルバキとしては、全然分からなくて構いません。ラーメンの常連さんのコールみたいなもんです。あぁ、あの人は慣れてるなーくらいの認識でオッケーです。それ以上でもそれ以下でもありません。

写真をご覧の通り、フレーム製作側の人間ではなく、ただの眼鏡屋ですら、バリバリ磨いても、まあまあ角は落ちなかったりします。私の腕があるとか婉曲的に言いたいのではなくて、本当に落ちないんです。角が。個人的に気をつけているのは、光を反射させた時のバフの布の線が残らない且つ、極力表面が波打たないようにさせるくらいです。角は、あんまり気にしないですね。

現行品のセルフレームの製作工程の中で、ガラ入れというのがあります。それを意図的なのか、そういった概念が無くて工程を飛ばしていたのか分かりませんが、物を触る限りですと当時はガラ入れしてないだけなのかなと予想していたりします。資料が無いので、あくまで物からの予想です。

なんかカッコいい!というのは私も同じ思いなんです。ただ角が残っていること、それが職人技かどうかよく分からないので、個人的にはあまりそこを褒めるのはやめています。聞かれたら、この風合いも良いよねーくらいな返事しかしないのは、それが理由です。ガラ入れして角が取れている方が一手間加わってるやんって、思ったりもします。手触り良くなるし、作り手の優しさが加わっています。

ここで話を戻しまして。このフレームに関しては、それら抜きにしても十分良いと思っています。フレーム全体の角張った感じと、その角が残った仕上げが合わさって、フレームから性格キツそうな感じが出ています。一応褒めています。

で、その印象をどうコントロールするかということが大事なんですけど、それは簡単で、これ掛けて柔和な表情していたら、それだけで十分です。簡単にギャップが生じて、全体としてプラスになるはずです。

楽しい
ヴィンテージのメガネ

19.07.05

久々にヴィンテージの入荷です。今日の夜届いたので、まだ何も出来ていません。パパッと載せてみました。

今までにないほど、楽しい!で溢れた入荷となりました。インスタにも載せた、ほぼ閲覧用みたいな激しいのも多々。個人的に掛けるならコレです。

ものすごく軽薄で素晴らしいです。一応褒めています。シンプルで上質も良いけど、派手で軽薄も最高ですよ。街歩くだけで、なんか楽しくなりますから。たまに、マックの外人の店員さんに不意打ちで褒めてもらえます。

リベットが星になっていて、どこまでもパーティー野郎です。ただ、大理石っぽい生地を選択し、安っぽい感じはありません。レンズシェイプは、やや不気味な正方形で、リムの太さ、丸っこさと合わさってなんとも言えないトータルでの格好良さが滲み出ています。雰囲気イケメンということでしょう。

レンズカラーも最高でした。ほぼグレーなカーキ色で、G15とも絶妙に異なります。これに関しては度付きの場合も、見本色で全く同じ色味で再現したいですね。とにかく、トータルが良いです。

軽薄なんですけど、だらし無い感じはないです。海辺っぽいのに爽やかでスポーティーな感じは無いです。むしろモードで、白なのにダークな雰囲気で怪しさを漂わせています。白いTシャツにこれを掛けるだけで、様々なイメージを他人に与えられますから、それこそ素晴らしいメガネだなと感じます。何にでも合わないし、何にでも合います。これに、カルティエのタンクとかしていたら、あとは何でも良さそうな気がします。遊び効いていて、尚且つ上品だったら無敵でしょうね。

非常に良かったです
ヴィンテージのメガネ

19.06.24

ぱっと見、お面なんですけど、かけてもやはりお面でした。意外に構造的な無理がなく、すぽっと顔面にハマります。ただし、度付きは厳しいです。

リム回りの処理ですけど、見たことないそり返りをしていました。ナイスですね。

全体をスポーティーな雰囲気にするフレームカーブと、このモードさを引き立たせる意匠を殺さないために、レンズもちゃんと8カーブの度なし(ディセンター付)にしてあります。本気仕様です。

ブリッジもナイスですね。この曲線を思い付いたひとは天才です。何がデザインソースなのか全く見当がつきません。

何万本とメガネを見てきましたが、まだ見たことが無いフレームが続々と出てきますから、メガネって本当にいいものですよね。ずっと楽しいです。

もっと諦める
ヴィンテージのメガネ

19.06.21

元々、綺麗に陳列することは諦めていました。それこそ、私がそれを行うことが苦手だったので。あとはカッコつけて言えば、物を見るということを、極力純化したいというのも理由です。

何だかんだスペースを空けて小綺麗さだけはキープしてきたつもりでしたが、もうダメです。飾りたいものが多すぎて、ギッチギチに詰め込みました。どうぞご覧ください。

準備
ヴィンテージのメガネ

19.06.04

顔の小さい女性の為にと思って仕入れしていましたが、そういえば女性のお客さん少なかったです。準備は整っています。

元々キッズ用なんですけど、腕の長さが130とか135で、それぞれ50□14と52□15です。小顔の女性に良いかなと。

もちろん、デザイン的にブルバキの願望が濃すぎるのは承知ですけど、こういうめちゃくちゃ鈍臭いメガネを掛けて、大きい書店で辞書みたいな分厚い本を2・3冊抱えながら過ごしていたら、かなりグッときます。という妄想です。ファンタジーです。とか、このメガネに、白Tにジーパンで、白のレペット的なぺたんこな革靴履いて、暑いから髪は縛っちゃって、31アイスクリームでアイス食ってたらカッコいいなとか。そういう妄想がね、止まらないので仕入れました。

20歳前半の男性で、顔の小さい人がふえている気がします。側頭幅140ミリくらいの方もちらほら。上のツーブリッジは、男の人でも良さそうですね。生地の透明感が強いおかげでツーブリッジのコッテリ感よりも爽やかな雰囲気が勝っている気がします。

ひさびさに映画
ヴィンテージのメガネ

19.05.31

面白かったです。主人公ではなくて、この黄色いレンズのウォルターが最高でした。

主人公では無いです。ウォルター

レイバンのアウトドアーズかと思っていましたが、別っぽいです。よって、レンズもアンバーマチックでは無いようです。ティアドロップに薄い茶やアンバーカラーというスタイルは70年代くらいです。ベトナム戦争を引きずっている役にはぴったりです。

ということで、真似して作りました。度無しで裏面マルチです。相変わらず HOYA の青色光カットカラーが、絶妙な黄色よりの茶色でカッコ良いです。さすがに、オフィスじゃ無理ですよねこの色味。

完成させました
ヴィンテージのメガネ

19.05.30

コラーニのメガネも、初期の物は凄まじいです。ライセンス物だからと、侮れないです。

濃い青を入れました。アリアーテに濃度75%以上の青が無いので、見本色として置いておけば良いかなぁという感じです。

これに関しては、「メガネっつーもんは、こうこうこうで、あれがアレじゃ無いと駄目なんだよね…」というのは一切必要なくて、むしろそれらが介在する余地が無いところが良さです。メガネという制約条件、フロントの板1枚とテンプルの棒2本で、どれだけ面白くやれるか?みたいなことが示されているだけで最高です。

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