カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

意図してなのか不明
ヴィンテージのメガネ

19.05.28

鼻から耳側にかけて、拡がりと迫力が絶妙なので、なんでかなと考えていました。先日、4本仕入れた最後が売れたので、目の前から消える前に観察し尽くしました。

リムのブリッジ側からテンプルにかけて、生地の厚みが違いました。鼻側で3.8ミリ、テンプル側で4.3ミリでした。ラインの拡がりと連動して、質量も増大させていました。狙ってやっているとすれば、相当手が掛かっています。

掛けると、顔に張り付くように、あたかもマスクのように顔の一部になります。黒色のフレームでは珍しいです。大体ゴリっと迫力で眼鏡顔にしてしまうのが黒枠の特徴なので。

質量のグラデーションは、自分では思いつかないですね。プロのデザインならではの良さがふんだんに盛り込まれた一本でした。

シューター
ヴィンテージのメガネ

19.05.24

シュータータイプです。フランスの70年代です。頬の部分の垂れ下がり具合が少ないためか、もしくはレンズがややつり目でシャープだからか、ラスベガスをやっつけろ的なクレイジーさが抑えめな良い一本です。

汗止めバーに亀裂があります。セルから臭いは出てないのでまだまだ現役だとは思いますが、やや瑕疵ありです。個人的には良い方だと思います。緑青浮いてないですし。金属フレームのダメージはありません。

(向かって左から1センチくらいの箇所に2ミリくらいの亀裂があります。)

シューターは、やっぱ黄色のレンズ入れたいですね。

珍奇眼鏡
ヴィンテージのメガネ

19.05.12

インスタにも載せましたが、とても良かったです。バイザー付き眼鏡。

元々のフレームのデザインが良いだけに、バイザーがあるという珍奇さが際立ちます。黒と白の生地を張り合わせて軽快さを出しているので、やはりスポーツでの利用を意識しているのでしょうか。ですが断然、帽子にコンタクトの組み合わせに負けていますね。

ジュンヤワタナベのリュックとマウンテンパーカーが一体となった服を見ているときと近い感覚です。ただ、こちらはカッコイイよりも違和感が先に感覚に入ってきちゃうから、まずは笑えてきます。何でも二つを一つにくっつけたら良いってわけじゃないぞと、過去より警鐘を鳴らし続けてくれているのかもしれません。そして、蒐集家としては愛すべき1本であることは間違いないです。

バイザー部分、脱着不可。

昨日よその店でお客さんにたまたま会って、インスタのあれカッコ良かったと褒めてもらったメガネ
ヴィンテージのメガネ

19.05.03

そういえば、これ仕入れしてたということで、5月の骨董市はお預けにしました。明日まで吹上でやっています。

向かって右が今回のです。数多のインスタ投稿の乱れ打ちの中から、これをピンポイントで褒めて頂けるとは。お客さんが面白いです。左は、5年くらい前に手に入れた同じ系統の物ですが、その当時から酸っぱい臭いと、時間が経つと表面に結露のような水気がでる症状があり、5年間で自己崩壊する直前までになりました。

結局、何が進行させるのか未だに判明していないです。スニーカーしかり、ナイロンのカバンのネチャネチャ現象しかり、ここにヴィンテージの限界を感じます。

ほかのコレクションと一緒にショーケースに入れていましたが、他の物の劣化が進行することは無かったです。フューチュラだけ何故か?と考えますと、一つはレンズがオリジナルのままでした。外したら黄色が外れそうですし、枠入れも同様に難しそうです。

一方、クワガタみたいなオリバーゴールドスミス等々は、レンズが入っておらず、こちらで緩々なレンズをコバ磨きして嵌め込んでいます。ひょっとして、内側からの圧迫が関係するのか?どうなんでしょうね。確証は取れません。度付きで常用となれば、レンズが枠内で動かない、簡単に外れないようにしないといけませんから、いずれにしても使用し始めたらいつかは終わることは避けられないでしょう。

今回分に関しては、酸っぱい臭いがプンプン且つ変色と陥没も確認できます。

目頭部分が欠ける危険性が大でしたが、思い切ってレンズを外してみました。やはりアクリル系のレンズが、目一杯キツく入れてありました。それか、生地が小さくなってしまったのか、はたまたその両方でしょう。手元にあった、CR39のグレーを入れています。やはりレンズがあると無いとでは、迫力が違いますね。

次はいつまで形を保ってくれるのか不安ですが、綺麗なうちに、とりあえず多くの方に見てもらいたいですね。

迫力
ヴィンテージのメガネ

19.05.01

オプアートが流行った時代を象徴するフレームです。60年代のフランス製。

図鑑等々では見たことありましたが、現物は初めて。メガネにすると、どうなんでしょうね。服とかはカワイイけど、メガネはアレですね、カワイイとかの前に迫力が凄すぎて、ぽかんとしてしまいます。とりあえず、時代を象徴するフレームなので、手に入って嬉しいです。

入荷処理中
ヴィンテージのメガネ

19.05.01

理想的な鈍臭さのメガネが入りました。ピエール・カルダンです。同じくらいの年代だと、エマニュエル・カーンもこんな感じのシェイプでした。カルダンに関しては、リベットが小さく飾り装飾も無いので、取り入れやすいと思います。ややテンプルのラインをいじってるくらいですね。

長袖のポロシャツにビットローファー、きわっきわのフニャフニャスタイルの仕上げに良さそうです。今で言うグッチ感強めです。

ツインカラー
ヴィンテージのメガネ

19.04.28

レンズカラーが分かりやすいように、白の土台にて。今日は頑張って、写真を撮るためだけに作業場から移動しました。

サングラスレンズ専門のメーカーさんの、度なしレンズのカラーバリエーションを眺めていますと、どこで誰が掛けているのだろうか?みたいなカラーがゴロゴロあります。ということで、ブルバキの出番な訳ですが、組み上がりは割と面白メガネ感が無い、カッコよいメガネになってしまいました。それで良いんですけどね。それが正しい。

スモークとブルーのツインカラーに、標準でシルバーミラーがかかっています。後ろの金のミルクに負けない煌めきを放っていますね。割と手間のかかる贅沢なことをしているのに、度なしサングラスレンズは安価なのが魅力です。

レンズ単体でみると、予想以上に邪悪な雰囲気のカラーでした。そもそもツインカラー自体が、業界外では馴染みが無さそうです。スポーツサングラス以外でのミラー加工も同じくでしょう。その馴染み無さの掛け算なので、さすがに初見は邪悪さも相まって驚かれるかもしれません。まさに、金のミルクくらい濃い仕上がりな訳です。確かに私も、元はミルクの国しか知らなかったので、金のミルクが出たときはその濃さに驚いたものです。

今回のようなスペースエイジのサングラス等々には相性良さそうです。ポップさが中和されて、怖くて不気味な雰囲気とか、謎にテンション高そうで不気味とかでは無くて、ノリの良さそうな人くらいな感じに自分の雰囲気をもっていけそうです。度付きの場合は、ちょっと頑張れば可能です。これを見本に特注で染色をした後、シルバーミラーを掛ければ良いです。ミラーがあると色の完璧な再現は難しくなりますが、近い感じにはなるでしょう。テレビジョンフレームに積み込んだら相当カッコ良さそうなので、試してみたい欲が凄まじいです。

ちなみにフロントが緑、テンプルが黄色、でもディオールなんですよね。素晴らしいフレームでした。

サイドガード
ヴィンテージのメガネ

19.04.22

オプチルの、サイドガード風の装飾は見たことが無かったです。厚みの差や奥行きが出ますから、型の精度が一層求められて製作は難しそう。ディオールというのがまた良い訳です。

デザインソースとしては、この辺のゴーグルなのでは?と、睨んでおります。

デザインの妙だなと見れば見るほど感じます。女性が何気なく掛けていたら、ゴーグル感なさそうですからね。結果、お蝶夫人感はあります。つまりゴージャス感は出ますけど、ゴーグルのような粗野で男っぽい雰囲気は微塵も感じさせないのに、細部を詳しく眺めると、やはりゴーグルに見えてきます。

素材の特性も上手く取り入れておりまして、オプチルの透明感あってこそ、このバランスで成り立っているのだと感じます。

フレーム上部の茶色は塗装です。やや塗装部にスレや1ミリ以下の小さな剥がれが見受けられますが、十分綺麗な状態だと思います。

本物、贋物、贋物
ヴィンテージのメガネ

19.04.15

上からローデンのカールトンと、それ以外です。早速お問い合わせを頂いたので、無くなるかどうかまだ分からないのですが、焦って写真撮りました。

真ん中の贋物も、凄く良いですよね。金張(14K 1/25)です。おそらくカールトンが恐ろしく流行っていた時代に産まれた、それじゃ無い奴です。眼鏡業界に居て、金張のそれじゃ無い奴はこれが初めての出会いでした。いざ並べて比較すると、かなり正確に寄せることが出来ていますね。個人的にもかなり好きなタイプでして、以前も紹介したと思います。テンプルが長く、ややテンプル自体が本物よりゴツくてカッコいいです。

そして一番下は、EYEVANのカールトンタイプです。なぜかモデル名はマンハッタンでして、ドイツ感ゼロな名が付けられています。特徴としましては、ブリッジ幅が一層狭く日本人向けになっていることと、天地幅があり、リムやフロント全体に丸みがあって、カールトン本来の精悍な感じが和らいでいるところです。いかにも日本人的な要素の加え方でして、それがまた良しです。もともとラッカーの黒でしたが、再メッキしてあります。

傾斜も全然違います。奥二つはビュンって今にも飛び出してしまいそうな角度です。良さではありますが、頬にぶち当たることを予想して、EYEVANでは5度くらいに初めから起こしてあります。

ピッカピカのカットリム
ヴィンテージのメガネ

19.04.14

ローデンのカールトンやら、ゴルチエやら有名どころも入ってきました。ですが、なんといってもマルヴィッツのこれが良かったです。むしろその辺は、界隈では名前が通り過ぎていますから、それを知っているだけではヴィンテージ眼鏡を好きかどうかは測れないようになってきている気がします。ですから、折角このブログで紹介するのであれば、やっぱコレでしょうね。

リムの違いがよくわかるように、写真は下から捲り上げています。カットリムと呼ばれるリムの特殊な造りです。特にこれは、レンズ周りの質量の演出が行き過ぎていて目を惹きます。例えれば、普通盛り頼んで大盛りが出てきた感じです。そんなに頼んで無いのに感があります。それが良いです。堅牢さに対してのドイツの良さが滲み出ています。おそらく、現代であればチタンのシートメタルを用いて幅広のリムを作ると思います。金属なのに、セルフレームのような顔つきをした眼鏡は確かに増えています。ただし、カットリムのような三次元の奥行き、立体感は出ないので、横や下も全て立体的かつ滑らかで連続的で綺麗となりますと、カットリムに分があります。ただし、物理的にやや重です。

現代のファッション感では、基本的には排除される堅さ・威圧感・重厚感ですから、逆にそこが気持ちいいと思えるかどうかに掛かっていると思います。

個人的には、服とか靴とか眼鏡とかあらゆる要素をリラックスやコンフォートな感じと言うんですかね?ふんわりで統一するよりも、その中に一点堅さや威圧感のあるものに置き換え、差し引きで0、全体としてニュートラルを目指したい気分ではあります。多分それは、私自身の社交性の度合いにも関連しているとは思いますが、会話や提案してもらう時の糸口、要はツッコミどころを自分から用意しつつ、色々な方向から何かを教えてもらえるというように仕向けているというのもあります。人付き合いが、狩りでは無く釣りの感じだからだと思います。

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