カテゴリー:雑記

ズバッと言われる
雑記

18.10.09

借りた本の中から。家に保管しており手元に無いので、書名が分かりかねますが、柳宗理さん関連の本から抜粋しました。どういう風に受け継がれて、今の民藝の捉え方に繋がっていくのかを知ろうと借りましたが、それとは外れた、予期せぬところで突き刺さりましたので、書き留めておこうと思います。

「良いものを発見したり、良いものを選ぶということは非常に難しいと思います。失敗をいくらしてもダメかもしれません。けれども一つ言えるのは、好奇心を持ち続けることですね。好奇心は一つの才能というのも僕は頷けます。なりゆきで出合うどうでもいいことを増やしていくと、自分たちのライフスタイルはダメになります。…」

少々意訳すぎるかもですが、何事にも必勝法は無いということを言いたいのかもしれないと、私は思いました。とか、本物は少ないぞ的な警句です。好奇心となりゆきという対比に着目すれば、意思を持ってトライすることの重要性が説かれている気もします。ただ、なりゆきで出合うどうでも良いことと表現したように、全てを豊かだと許容していない点に、驚きました。

つまり、ローテクスニーカーしかほぼ履かない人間が、たまたまエアマックス95を取り入れたからといって、一味違う振り幅のある人間であるかというと、そうとも限らないわけで、そんな一回きりのことであたかも振り幅を持ち得たと、調子こいたらいかんぞということでしょう。それは先週の自分です。

 

ノスタルジー
雑記

18.10.03

つい、インスタグラムみたいな写真を撮ってしまいました。

スニーカーが賑わっているのは、各種さまざまなところで聞きますから、何となくその世界が気になっていました。なぜ今、スニーカーなんだと。ということで、試しに買ってみました。昨日、初めてネット抽選というものを行い、初めて落選し、思った以上に悔しいと感じる自分がいました。写真で履いているこれは、たまたまその日の夜に入った店の棚にあったので、買って履いています。あまりこの色は人気無いんですかね?

いずれにしましても、今月の13日と14日に行われる大会、24時間100キロウォーク用(その日は店は休みます)の靴を買わないといけない状況でしたから、落選後は気持ちを切り替えてウォーキングシューズとして普通のフライニットのヴェイパーマックスを買おうと決心していました。そもそも、そんなファッションのスニーカーを買う余裕は無いと。私はウォーキングシューズを買わなくてはいけないと。しかし、お店に行ったら諦めていたものが予期せずあり、いきなりドンっと目の前に現れたものですから、冷静な判断を欠いてこれを買ってしまいました。資金難により、肝心なウォーキングシューズは買っていません。大会はどうするんでしょうね。

そもそも、ヴェイパーマックスという新機構を含めて、それらは本気のウォーキング用なのかどうかが分かりません。エアーという機構とは改めて何なんでしょうか?考えだすと面白いです。単なる装飾にしては本気過ぎますし、実際各種マラソン大会にしても、本気のレースで使用されているのをあんまり見ません。でも、ただただひたすらカッコいいですし、そして清潔感があって綺麗です。

小学校低学年のときに憧れていたあのスニーカーを、今履いているという何とも言えない喜びと、冷静になると今必要では無い物を本当に買ってしまった罪悪感と、コレで100キロ歩いたらやっぱりアホかなという謎の期待が入り混じっています。そして、いまは履いていても狩られないという安堵感もあります。この時代に、現実世界でのラッキーが残されているということにも驚きましたし、ワクワクしました。

ハイテクスニーカーを体験したいと思い立ち、ここ2ヶ月くらいスニーカー界隈をネットで徘徊しておりました。実際調べていたのは絞ってナイキだけでしたが、それだけでも物凄い勢いでリリースがあることに今更驚きです。そして、デザインが豊かでどれを見ても楽しいです。徘徊していますと、やはりこの楽しいと感じた心のままに自分も体感し、その体感から生まれた考えを持たなくてはダメだなと、買う為の言い訳が形成されていきます。ローテクの方が服に合う云々はこの際全部忘れて、デザインとテクノロジーに溺れるべきだなということを強く感じます。これだけ種類が豊富で勢いがあり、なおかつワクワクが絶えず面白ければ、そりゃハマるよなぁというのが私の実感でした。1社でこれほどワクワクするということは、アディダスもニューバランスもプーマもその他諸々、ブランドのダッドスニーカーも含め、本当はもっともっと面白いのでしょうね。

ヴィンテージのメガネ屋が、しかも最新のスニーカーが良かったみたいなことを書いていてどうしようもない訳ですが、久々に時間があったので書きました。買うまでのプロセスやラッキーも含めて楽しかったことを振り返り、自分の店でメガネを買うことが、ここまで面白いと感じてもらえているのかどうか、とても不安にもなりました。スニーカーよりも、大きな金額が動いている事実もありますからね。とにかくいまは、スニーカーはすごい界隈だなと、身銭をきることで真に理解し、それによって打ちひしがれた感じです。

また、エアマックス95という存在に関して、20年以上前にも一大ムーブメントを起こし、今のスニーカーブームでもトップクラスの人気があるということを鑑みますと、スニーカーデザインの何か「本物さ」みたいな要素が秘められていることは間違いなさそうです。ヴィンテージメガネですと、アーネルとかリチャードとかカールトンとかウェイファーラーとか、品名と形が結びついた面々が挙げられます。

そんなスニーカーを自分の好き嫌いという小さい領域で判断し、排除してはダメだなという考えも、今回の勢いに任せて手にした理由です。正直、履いて1日経ちましたが、未だに上から見たデザインはやや苦手です。横と後ろは綺麗だな、カッコいいなと思っています。バンズのチャッカの方が服に合わせ易いなとも思っています。でもそういうアレコレが、全部どうでもよくなっちゃうところが、あのデザインの凄みの証明なんでしょうね。メガネだと、個人的にはカザールとの近さを感じました。

増やしました
雑記

18.09.25

植物を増やしました。アルミの鉢の方で、同じ種類なのか何なのか、アルビノみたいな白っぽい多肉を持ち帰りました。

へら絞りの鉢がスペースエイジ感に溢れていまして、結局銅もアルミも両方欲しくなり、それを理由に増やしました。生命感のない冷たい鉢と、植物の水々しさとの対比が気に入っています。

違う種類を鉢に入れることも考えました。ただ、そもそも植物をここまで継続して元気に育てられたことがなく、このしょうもない成功体験で調子に乗ると、両方とも枯らすかもしれないという一抹の不安があり、まずは同種で同時に植物を管理することを成功させようという算段です。数と種類、すなわち管理数の増加と水やり等々のペースが違うものを並行して育てるという2項目を同時にステップアップすると、しくじって全部が崩壊するのではないかという予感です。なのでそういう時は、どっちかを固定して片方を変動させています。

普段例えばフレームを選ぶとなって、いきなりカザールなんて相当嬉しい出来事ですが、なかなかそれは起こりにくい状況です。じゃあ2本目の眼鏡でどうか?と言われても、やっぱり難しいです。提案する私も重々承知です。黒のプラスチック買った、そしたら次はプラスチックは同じで、つぎは茶色買ってみようかなとか、そんな感じですもんね。そういえば服とか何でも、そんな感じで買うよねと、ふと思い出して今回は同品種です。

映画
雑記

18.09.24

最近みた映画。お客さんより紹介して頂いたものです。

思った以上に鈍重でした。鈍重に受け取ってしまいました。泡沫候補の方々と、自分の業界での立ち位置を比較すると、大差ないですからね。

映画のキャッチフレーズ「負ケルトワカッテ、ナゼ戦ウ。」で揺らぎ、「あなたはまだ、負けてすらいない。」で、そうそうそんな感じのことを言いたかったんだよねと、初心を思い出します。積極的に負けにいくことが、価値があるかどうかは不明です。一概に豊かだとは言えないでしょう。常勝であれば、それに越したことは無いと思います。

映画の最後、息子さんの姿に感動しました。まさに、内村鑑三の『後世への最大遺物』に書かれていることの実践と、その影響が見てとれます。

いい映画でした。

ヴィンテージメガネあるある
雑記

18.09.19

写真のメガネについて。

良さげですよね。とくに丸メガネは、みんな欲しいでしょうけど出せません。ここがあるあるネタなんですけど、フロントとテンプルが変えてありがちです。腕が他のフレームから移植した別物です。それはそれでしっかり説明して、了承取れれば良いですが、ブルバキでは基本は販売不可にします。

大体そういうケースにおいては他にも不具合を抱えている場合が多いです。丸メガネの方は致命的で、フロントの智の隙間と、テンプルのコマの厚みがあっていないので、智がガタガタです。ただの歪みかなと思っていましたが、オス側メス側の厚みが違いました…。不可。

キャットアイのテレビジョンフレーム、今回の入荷で相当期待しておりましたが、これも腕が交換されています。これはまた初めて見たケースですが、シューティングの芯が長すぎて、エンドからはみ出ています。腕の不良です。…残念です。先っぽから銀の点が見えます。はじめ、紫のラメみたいな物がこびり付いていたのでバフをかけたところ、銀の点がこんにちはしました。絶望です。なぜ紫で隠したのか。そこがじわじわ面白くなってきます。

皆様も、個人でネットであれこれ買ってみる場合は、くれぐれもお気をつけください。写真じゃ気づけないことは沢山あります。いや、気づけないんだから気をつけようが無いので、最後は賭けの部分があるでしょうね。だからといって店頭で絶対買いなさいと言う気も無いです。例えば今回のように、業者間のやり取りでも起こるわけですから、やっぱり古物は難しいですね、というしみじみした雑感を綴ってみました。

キャットアイのメガネは、フロントがかなり美しい曲線を描いておりますので、飾っておきます。それは是非、見て頂きたいですね。

カメラ
雑記

18.09.14

前々から憧れていました、お客さんをフィルムカメラで撮るということを嗜んでみようと思います。何分、フィルムカメラはほぼ初めてなので、気が向いたら撮ります。カスタマーが拡充したので、それと一緒に大事に保管しようかな思っています。

多くのお店がやっているので、スマホで撮ってインスタないしブログに掲載すべきかどうか悩んだ時期もありました。ただ、特に業界を齧っている人から「どんなひとが来るの?」みたいな質問が来る度に、“商品から想像出来ない人物像こそ面白さだな”と感じ、載せずに今までやってきています。天邪鬼か反骨なのかどっちで揶揄されてもいいですが、一応脊髄反射では無くて、ある程度の理由はあります。今後、載せ始めるかもしれませんが、今のところはその理由が無さそうですし、しばらく見つけることは無さそうです。想像にお任せします。

場所柄、自身もお店もフィルムカメラで撮ってもらう機会が何度かありましたが、何だか心地良かったのが印象的でした。準備のプロセスを見ているからか、気軽に拡散しにくいものだからなのかは分かりかねます。ただ、その実体験もありましてフィルムを始めてみます。何枚も見比べたりしたことがありませんから、デジタルの方が綺麗なのか?云々は分からないというのが正直な感想です。今わかっているのは、撮られる側の心地よさの違いだけです。撮り続けたら、他にも分かるかもしれませんね。

面白い
雑記

18.09.06

紹介していただいた店へ行ってみました。ブルバキから徒歩10分ほど。チェルプさんです。

超合金もどきです。色とか素材とか、突っ込みどころが満載です。他にも、たくさん買っております。

ヴィンテージフレームを再現する云々となったときに、最後の最後でその雰囲気が出切らないのは、国が違うからという直観がありまして、今日で一層強く感じました。例えばこの超合金もどきの気の抜ける感じは、日本人が狙って出せないでしょうね。狙って出したときのあのズレは、どこがどう違うことで生じるのか分かりかねますが、なんか違うわけです。

考えていたことの答えが見つかったような錯覚がして、ついついあれこれ手に取ってしまいました。

考えるヒント
雑記

18.09.05

『考えるヒント3 小林秀雄 文春文庫 p.208〜209(表現について)』

昨日は自宅待機、本日も暇なので久々に読書です。サボっているといえば、反論のしようもなく、そんな感じです。6月後半くらいから記憶が無く今に至っておりまして、一応、その辺くらいから貯めに貯めた、お客さんとの会話からずっと引っかかって頭の中で転がしていたことの答えを探すために、営業中のときは仕事っぽい本を読んでいます。

この写真の項の初出が「昭和25年5月」でして、西暦だと1950年です。今だに通用する、むしろより当てはまるというところに絶望感が漂っています。

音楽を例に書かれています。この構造自体は、他にも当てはまり、メガネに対しても漏れなく当てはまると思います。以下、引用です。

“…作者の表現とする意志に近付いて行く喜びなのです。どういう風に近付いて行くか。これは耳を澄ますより外はない、耳の修錬であって、頭ではどうにもならぬ事であります。現代人は、散文の氾濫のなかにあって、頭脳的錯覚にかけては、皆達人になっております。一方強い刺戟を享楽して感覚の陶酔を求めているので、耳を澄ますという事も難しい事になっている。…”

これは、最近流行った『君たちはどう生きるか』の序盤、「本当の良さ」についての箇所に非常に近いものを感じます。本当とは?良さとは?そもそも本当の良さはあるのか無いのか?考えだすとキリがありません。それを錯覚で逸らすわけです。

忙しさを理由にして、この周辺のことの呈示が疎かになっていたなと、反省しております。錯覚しやすい、惑わしやすい現状を恨むのでは無くて、錯覚それ自体へのアプローチを、ここで出来るように、今後も店作りをしないとダメですね。もうすぐ新栄で一年経ちますが、その時の考えを取り戻した気がします。

開店しました
雑記

18.08.31

オープンします。お待たせいたしました。

骨董市では、ちゃんと仕事をしてしまいました。取り敢えず、コレクション用のメガネを購入です。

日本軍らしいです。折りたたみが出来てコンパクトですが、視界が致命的に悪いです。図鑑でも紹介されているパターンのゴーグルです。

包み紙が良い感じでした。

読書
雑記

18.08.30

貸していただいた本。

今年は銀無垢の生産が無さそうですが、いざ出来るとなった時にあれこれ作りたい欲求がありました。ありましたが、こういう本に出会いますと、むしろ「そんな動機で作っていいのか」みたいな考えがムクムクと湧き出てきて、作る前から悩んでいます。

どのように考察しても、いまの一山のフレームにたどり着いてしまいます。あれこれヴィンテージフレームを眺めて、これを銀無垢で再現したい、保存したいと思ってはいます。その思いの妥当性がさして見つからない事を、この本に見抜かれている感じです。

 

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