ローデンのカールトンやら、ゴルチエやら有名どころも入ってきました。ですが、なんといってもマルヴィッツのこれが良かったです。むしろその辺は、界隈では名前が通り過ぎていますから、それを知っているだけではヴィンテージ眼鏡を好きかどうかは測れないようになってきている気がします。ですから、折角このブログで紹介するのであれば、やっぱコレでしょうね。
リムの違いがよくわかるように、写真は下から捲り上げています。カットリムと呼ばれるリムの特殊な造りです。特にこれは、レンズ周りの質量の演出が行き過ぎていて目を惹きます。例えれば、普通盛り頼んで大盛りが出てきた感じです。そんなに頼んで無いのに感があります。それが良いです。堅牢さに対してのドイツの良さが滲み出ています。おそらく、現代であればチタンのシートメタルを用いて幅広のリムを作ると思います。金属なのに、セルフレームのような顔つきをした眼鏡は確かに増えています。ただし、カットリムのような三次元の奥行き、立体感は出ないので、横や下も全て立体的かつ滑らかで連続的で綺麗となりますと、カットリムに分があります。ただし、物理的にやや重です。
現代のファッション感では、基本的には排除される堅さ・威圧感・重厚感ですから、逆にそこが気持ちいいと思えるかどうかに掛かっていると思います。
個人的には、服とか靴とか眼鏡とかあらゆる要素をリラックスやコンフォートな感じと言うんですかね?ふんわりで統一するよりも、その中に一点堅さや威圧感のあるものに置き換え、差し引きで0、全体としてニュートラルを目指したい気分ではあります。多分それは、私自身の社交性の度合いにも関連しているとは思いますが、会話や提案してもらう時の糸口、要はツッコミどころを自分から用意しつつ、色々な方向から何かを教えてもらえるというように仕向けているというのもあります。人付き合いが、狩りでは無く釣りの感じだからだと思います。
