メーカーのストックも無いので、一旦、銀無垢もSPMも丸メガネが完売となりました。ありがとうございました。写真は、在庫からまきつるに改造をする予定です。販売が決まりまして、今回はテンプルの全長を指定して特注です。
今年こそ、両素材とも復活の予定です。私の頑張り次第です。
19.02.25
メーカーのストックも無いので、一旦、銀無垢もSPMも丸メガネが完売となりました。ありがとうございました。写真は、在庫からまきつるに改造をする予定です。販売が決まりまして、今回はテンプルの全長を指定して特注です。
今年こそ、両素材とも復活の予定です。私の頑張り次第です。
19.02.25
ローデンストックのセル枠が面白いです。暇とか言いつつも、それはビッグウェーブが無いだけであって(それもなかなかの問題)、ほぼ毎日対話をする機会がありますから、嬉しい悲鳴でレストアのペースが落ち気味だったりします。ようやく、個人的な目玉フレームが仕上がりました。
土曜日と本日、じっくり時間をかけて修正しました。ローデンストックのセル枠は、足掻いたけれども、どうしても消えずに残ってしまった堅い雰囲気が良いです。ブランドの歴史がデザインにくっ付いている様です。同じ年代の似たようなフレームと比較した際に、遊びきっていない感じが判ります。大きいセル枠であるのにも関わらず、カチッと男の色気がプンプンして良いんです。
欲を言えば、ネジを交換し、ナットで共締めしたかったです。ネジの径が、今の日本の規格と合わずに断念。とりあえず、ネジ頭は舐めていないのでそのままです。ちゃんと締りきってはいますから、問題は無しです。
もずくみたいな、良い色です。
19.02.25
昨日は、予告通り京都に行きました。ありがとうございます?で表現は適切なんでしょうか、お世話になっている方々のおかげで行けました。
にょろにょろで、どこに行ったのか分かる方もいらっしゃるかと思います。とりあえず、古いエアコンの設置跡が残っていましたから、その穴を利用してまずは基本に忠実?に、にょろにょろにょろさせております。
自分に出来ることを粛々と、みたいなありきたりな結論になってしまいますが、外に出てより強く感じました。やはり自分は、物は買って置く、並べるしか出来ないですね。部分最適しか出来ていないです。そうなりますと昨日見たものというのは、目標にしてはいけない憧れでして、あれにはなれない自覚から、そこから積み上げるしか無いなと痛感しました。そういえば小学生のときは「うちはうち、他所はよそ」みたいな、諦めを促すなだめられ方をよく親からされていたのをフワッと思い出しました。本当にその通りですね。
19.02.22
先週お越しいただいたお客さんには、直接お伝えしておりましたが、次の日曜日は本当に休みます。日帰りで京都に行きます。ついに暇なので、行ってみたかった店に行こうと決心がつきました。自分も外に出てみようかなと。ちなみに眼鏡屋では無いです。後述に関連しますが、【良いメガネ】という大きすぎる概念を元に、大体争いが起こりますので。
暇なので、途中になっていた本も3冊ほどまとめて片付けました。その中から一冊。半年くらい読む手が止まっていましたが、なんとか読み終えることができました。
『考えるヒント3 小林秀雄著 文春文庫 2013年 p.275』
このページが掲載されている章は〈私の人生観〉でして、他の文庫で掲載もあります。その、写真とは別の文庫にて既に読んだことがありましたから、何となく気が乗らず、かと言って章ごと飛ばす気にもなれず。そうとは雖も、以前に「私の人生観」に遭遇したときには、まとめ以外は上手く納得出来ず、ただただ冗長に感じたという記憶だけ残っていて。億劫ながら、でも今度こそちゃんと真意を汲み取るぞ!みたいな気概はあって…。最終的には半年以上、今の今まで放置でした。
ときに億劫ではありますが、同じ本を読むことは割とオススメだったりします。記憶が定かではありませんがおそらく10年くらい前です。NHKの番組『視点・論点』で安藤忠雄さんが出ていた時に、番組中ひたすら「本は3回読みなさい」と仰っていて、建物の話をしないという衝撃的な回がありました。それ以来、ぼちぼち本を読み返す様になりました。
やっとのことで今回、〈私の人生観〉の章を再度読みましたが、おそらく納得出来た箇所が増えていた気がします。時間に任せる、何かしらの経験が理解に際して何とかしてくれることはあるみたいです。同じ本を時間を置いて読み返しますと、それをもろに実感出来ます。
写真は、このような文章になっています。以下、抜粋します。
“思想は抽象的な図式と変じ、大地に立つ足を失った。図式は、理解力という人間の一能力にしか応じる力を持たぬから、賛成と反対以外に何事も起こらぬ。これは一見まことに気楽な光景であるが、実は恐ろしい事が起っている。例えば、平和だとか、人道だとか、自由だとかという観念は、万人の望む普遍的な観念である。併し、それが単なる観念である限り、人々を沈黙させ共感させる力はない。だから、人々はそこから喋り始める。誰も彼もが合理的に喋っている積もりなのだが、もともと厳密に出来上がってはおらぬ定義から出発したのだから、曖昧な系が幾つも幾つも生ずる。つまり平和という観念は、遂に論戦を生まざるを得ない。そんな道を辿るという事が、一体、人間が思索をするという事なのか。例えば、ベエトオヴェンのシンフォニイは、彼の思索が実った思想とも言えましょうか。彼の思索とは、音という「物」の新しい秩序をどうして創り出そうかと苦心する具体的な技術である。彼のシンフォニイは、彼の技術と一体となった、音という実在の世界に関する彼の vision、彼の観を現す。聞くものはこれに共感し、共感はその人に平和を齎す。論争の出発点となる様な平和の観念など現してはいません。人々は彼のシンフォニイから、空論に向って出発する事は出来ない。それは、もうその先きのない、行き着く処に行き着いているのである。”
物に全部込めて、本当にそれで全てということと、読み取りました。ちょうど年末くらいからそんな事を考えておりまして、そして、そんな事を考えておりますと、あれこれブログに書くポテンシャルが無くなり、結果としてメガネだけひたすらアップしておりました。それこそが正しいのだろうなと、その実践をしておりました。今までの物を読み返すと、きっと恥ずかしいのだろうなと思いますので、それは読み返さず、ただブルバキの為に残しておいています。都合よく無かったことには出来ないですからね。
19.02.18
本日18日は14時ごろ開けます。昨日のうちにご連絡出来ずすみません。
大須の骨董市を覗いてから開けます。そういえば年明けてから一回も行けていなかったので。
19.02.15
明日土曜日は14時ごろ開けます。昼の一発目は検眼しております。よろしくお願い致します。
19.02.15
このブリッジを無垢で作るのに、4年も掛かってしまいました。ブルバキとしては3年ですが、その前にサラリーマンを辞めて、東京に居た灰色時代を含めると4年です。このように無垢で再現したいからこそ東京に行ったはずでしたが、結局は全部一人で背負うことになりました。誰も背負たがらないのであれば私からとカッコつけて勇んでみたものの、そこからの3年は非常に大変でした。辛すぎないし、毎日楽しくないわけではありませんでしたが、大変でした。気づけば30歳過ぎた今も大変です。じっと手を見る。
ざっくり今までの人生で、現行品とヴィンテージ品、合わせて10万本いかないくらい見たはずです。それぞれの規模感が分かってしまうので詳細はあれですが、ヴィンテージだけでも6万本は確定です。しかも、その内の何万本かはサラリーマン時代に何遍も見返しています。あの経験が、ブルバキの価値判断の尺度になっていることは間違いありません。
そんなことをしていますと、やっぱり数本、二桁はいかないです、フレームのある部分1箇所が、群を抜いて素晴らしいなあと思う物が出てきます。その一つが写真のアレです。私的ブリッジのNo.1です。元々は金メッキのフレームでしたから、それを不変な物に変換しただけです。どの角度も素晴らしいですし、ブリッジだけでは機能美を発揮しないのにも関わらず、すでに他の美しさが滲み出ている気がします。立体感、面、細さが肝です。特に立体感の維持でしょう。物の良し悪しは値段では無いと言いたいところですが、値段な部分もありますし、少なくとも製作の難易度とは関係が深いはずです。今回は通常の2.5倍費用がかかりました…。製造のプロが分析すると、なぜ群を抜いていたのかが構造的に理解できるため、それは予期せぬ面白さでした。
ヴィンテージのメガネ屋は何をデザインし得るのか?みたいなことを昨今とくに考えます。基本はヴィンテージだけ粛々と販売するべきですから、何が許されているか?という表現の方が正しそうです。
デザインと装飾の混同を自分なりに解しますと、過去から現在に至るまであらゆるメガネの中から遺したいと感じたものを、より美しく、より丈夫に、朽ちない物に置き換えること。その変換こそがデザインとして許されているような気がしています。あとは全て装飾でしょうから、今回はそれらを一切行いませんでした。ただ、ブルバキにお越し頂いた人は分かると思いますが、私はまあまあ装飾大好き人間ですし、それはまた別の機会に発散させようと動いております。
長々と店で話すようなことを興奮気味に書きました。しかも、もうフレームが出来たような雰囲気で書きましたが、冒頭の通りブリッジしか出来ていないです。フレームは、、、どれくらい作れるのか計算中です。型から起こして片手程度でしょうかね。
19.02.11
ヴィンテージのメガネ。70年代のフランス。
レイバンかAOか忘れましたし、もちろんモデル名も忘れてしまったのですが、こんな様なブリッジが3本のフレームがこの世には存在しています。
なんとなく、トリプルブリッジの類でフランス物だと珍しいなくらいな感覚で仕入れしました。届いた時も、擦れで光沢が無く、あんまり良く見えていなかったです。4ヶ月くらい入荷未処理だったと思います。
バフでササっと磨いてびっくりです。ブリッジから智にかけての生地のグラデーションの綺麗さとフレームデザインが合わさって、なんとも言えない上品さがにじみ出ています。大体こういう類のフレームですと粗野で男っぽいのがウリです。それも要素として含んでいますが、それだけでは終わっていないところが、このフレームの良さです。
リムの凹凸も素晴らしいです。テレビジョンフレームに近い迫力があります。
レンズは赤茶の25パーセント、ブルバキでは珍しくグラデーションの選択です。とにかくダンディズムが際立つ様にしてみました。
19.02.08
ヴィンテージの店ですが、一期一会みたいな推し文句を言わない店です。気づけば今回のこれも、昨年は3回に分けて計5本仕入れしていました。
写真のヴィンテージメガネは、上のG15を入れたのが自分用で、下は在庫です。クリアだとイメージ湧かないので、レンズを入れたものをご用意いたしました。
ようやく、自分用も作れました。写真の他に、レンズを入れていないものが2本あります。よいものは程々に多数存在していても良いと思っています。世界に1本だけというのも確かに惹かれますが、所有欲を満たした後は寂しいですからね。所持している人間同士の共感も欲しいところです。
これでお盆とかに帰省したら、他人のフリされますかね。まあガシガシ掛けていきますけど。
19.02.08
バキバキで運ばれてきました。運良く?蝶番部分で折れていますから、何とかなりそうです。セルの削れはあっても、折れが無いのが奇跡です。
例によって箱バネです。バネ切れではなく、蝶番の破損ですと、箱毎交換の場合もあります。今回は、たまたま中のバネだけの除去が上手くいったので、箱はそのままです。これは外に出しています。
磨きは店で。今のところ、数々のトムフォードを磨いてきましたが、フロントの T は真鍮っぽいです。メッキもかかっていないっぽいので、今回はペーパーヤスリをかけた後でバフで艶出しです。とにかく金属パーツの削れが目立ってしょうがないので、これを綺麗にすることが大事です。
テンプルエンドにあるロゴは、大体メッキですがそれを承知で磨きました。路面がアスファルトだったのか、あまりにもテンプルエンドがセルも含めてゲジゲジなので、ロゴのメッキより全体の光沢を選び取りました。結果としては、バフだけでしたから、ギリギリメッキが残った様子です。