ちょっとふにゃふにゃが過ぎます
修理とメンテ

18.04.25

第二次世界大戦以前だと思います。金属の鍛えが足りなくて、ふにゃふにゃです。

お持ち込みのフレームです。普段であれば、入荷に紛れていればディスプレイで使います。お店によりますが、ブルバキでは販売しません。ただし、今回のように、ひいおじいちゃんのメガネを自分用に掛けてみたい等々のご要望であれば、出来る限りは叶うように尽力します。

型崩れが著しいです。

カシメの鼻パッドを交換しました。パッド面を大きくして、とにかく少しでも掛け心地を改善します。フレーム側もパッド側の金属ブロックも共に切削をし、取り付け箇所の大きさを整えることで何とか取り付けることが出来ました。カシメを行う際に、衝撃でロー離れしないかヒヤヒヤします。

CR -39でデモレンズを作り、一旦嵌めてみました。ガタガタです。特殊かつ簡素な作りでして、セルのリム部分を金属部品で4カ所握っているだけです。ねじ止めしておりませんから、レンズを入れて内側から圧をかけても多少フレーム全体がうねります。ヤットコで摘んで握りを強くするくらいの対処にとどまっています。

ロー離れ、リム切れに注意して型直しを行うと、トップの写真のあれになります。何だかんだ相当時間を費やしました。後は度付きのレンズが来るだけでして、ここまでが下処理です。

先日の日報
雑記

18.04.24

先週の土曜日は、休んですみませんでした。おかげさまで、勉強出来ました。

数学における普遍性の変遷を辿る回でしたが、それは数学に関わらず当てはまるなと思いました。普遍性が時の流れとともに変わるというのも、何だか馴染みにくい話ではありますが、言われてみれば確かにそうだなあと気づきます。

また、店でメガネから話が逸れたら、その辺のことも喋ります。上手くここでかけるくらいに、自分でもしっかりと理解が出来ているわけではありません。ちょうど、自分の店に対してそんなようなことを考えている最中でしたので、納得が出来ていないだけかもしれません。

 

良い感じでした
ヴィンテージのメガネ

18.04.23

度付きのサングラスです。

カラーは、度なしレンズ専門メーカーから取り寄せた色を元に、レンズ工場で特注しました。業界では見本染色と言いますが、割と普通なことです。プラスチック片でも、それに準ずるものであれば、近似色を作り出せます。

通常の度付きレンズで実現可能な青の色味ですと、濃度50パーセントが限界です。薄っすら目が透けて見えます。今回のオーダーは、ポータークラシックさんが打ち出している感じで、小さいレンズの丸いメガネに、目が寄って見えるくらいの濃い色という事でした。透かすと薄く見えますが、これで大体濃度80パーセント以上です。

明日21日の土曜日は休みます
営業案内

18.04.20

すみません、明日21日の土曜日は臨時休業します。以前聴講した数学の講演が、まさかの続きモノでした。どうせなら最後まで聴き切ってやろうという所存です。ご迷惑をお掛けします。

メガネも数学も、他でも何でもいいと思っています。必ず何かしら共通の考え方みたいなものがあって、最終的には全部似ていると考えています。

なので言い訳としましては、メガネのために聴いてきます。研修扱いです。

22日の日曜日は通常営業です。21日と22日は、東別院でアンティークマーケットもあるみたいです。ぜひ名古屋へお越しください。

アブアブ
雑記

18.04.20

何故か、アニメ版の弱虫ペダルは見ています。自転車モノをです。漫画は読んだことが無いです。根気よく見続けたアニメはピンポンとそれくらいです。

久しぶりに、昨日は家で2ヶ月分くらいの撮りためたものを見ていました。とにかく凄かったです。様々な角度から。

登場人物の名前は覚えていませんが、ライバル校の主将がスプリントで興奮すると「アブアブ」言います。私のアブアブを聞きたいか?的なセリフもあったはずなので、卓球でいう「サーっ!!」的な、自覚のある掛け声なんだと思います。この時点でキャラ設定が際立っています。

その主将の回想シーン、まだキャプテンになりたての頃が映し出されます。チームをまとめる責務を負い、それをそつなくこなしていたところで、つぎのような感じで述懐します。

「最近アブアブ言って無いな…」

はじめは、そのシーンでかなり笑いました。アブアブが足りている足りていないがあるんだ…という引き気味の驚き混じりです。ただ、よくよく考えますと、このシーンはズシリと重い何かがあります。特に、このブルバキに当てはめますと、それは相当な重さです。ブルバキにとってのアブアブとは何か、そしてアブアブ言えているのかどうか…。

ちゃんと自分の主導権を自らが握り、その上で自己実現に向かって全力が出せているか、もしくはその機会が作れているかどうか。アブアブという響きの強烈さで隠れていましたが、そのセリフの構造自体は真理を突いている気がしました。そういう、ハッとする場面がちらほらあって、それで見続けているのだと思います。

トムフォードの鼻盛り
修理とメンテ

18.04.20

今月は、新品・現行のメガネを触っている時間の方が長いです。もちろん、古いのも新しいのも原理は同じですから、私でよければ見ます。

トムフォードのお持ち込みです。ラインが細くて、なかなか綺麗なフレームです。先頭の写真は、鼻盛り、磨き後の状態です。

4年くらい前のものということで、おそらくアジア用の鼻盛りになる前のトムフォードです。フレームの鼻幅が15ミリですが、ほとんど高さを出しておらず、まつ毛に当たったり頬に乗っかります。

はじめの状態ですが。全体のくすみもありますので、鼻盛りで磨いた後に、他の部分の磨きも一気に行います。

磨くと、茶色の赤っぽさが復活しました。鼻盛りは乗せたらこんな感じです。乗せる土台が細く小さいので、はみ出す部分を削り、磨きこんでいます。

レンズサイズの再調整も行なっております。右が0.2ミリ、左が0.4ミリ大きかったです。大体です。リムが細く、プラスチックのレンズであれば温めずに簡単に枠入れ可能なフレームです。今後も長く使うことも考えて、砥石でジャストを狙って削りました。

また、全体を美しく見せる為、レンズの縁の面取りを増やしました。はじめの段階で、手で面取りを行った形跡があり、そういうメガネは久々でした。いまの主流は面取りを施さないか、オートでチョロチョロと角を取っているくらいです。フレームやレンズの大きさ、度数に合わせて面取りを行うことで、レンズが薄く見え綺麗に仕上がるんですけどね。

最後は、バネ切れ起こさないように注油して終わりです。色々なメガネを並列して使うのは、楽しいことですし、その手伝いが出来れば幸いです。

タート枠入れ
ヴィンテージのメガネ

18.04.18

無事に完了しました。クラウンガラス、ノンコート、クリアです。3プリズムずつベースインしております。内側が相当分厚いので、多めに面取りを施し、チップが入らないように、また美観を損なわないようにしております。鼻盛り済みです。

 

一応、デスク作業メイン用です。

近方の輻輳不全でした。AC/A比が1.5△/+1.00ですから、ピント調節に伴う目の寄せが全然起こりません。それだけではありませんが、あれこれ重なって目が寄らない、調節反応が弱いという症状です。遠方も遠視性倒乱視ですから、調節が頻発して疲れやすいタイプです。

測定と、理論と、仮枠での実感から、思い切ってレンズに組み込める最大のプリズムの値を処方です。こういう方は、遠近両用となるとフランクリンバイフォーカルの出番です。累進レンズが難しいタイプの方です。

お持ち込みのタートでした。半世紀以上前のタートに、最新の光学理論が詰め込まれているというのが堪りません。やりきった感があります。

生命の弾み
雑記

18.04.17

お客さんから、クルミを頂きました。初めて、硬いまんまのクルミを手に取りました。

割る器械が無いので、電動カッターで切削しました。脆く無いのでカッターの刃が中々通らずに苦労します。割ってからも、ご覧の構造ですから、スルンっと取り出せることもなく、どこまでも中の実を守る構造になっており、感動します。これからは、クルミを大事に食べることになるでしょう。

ちょっと前に読んだ、ベルグソンの「創造的進化」における、生命の弾みの考え方が、何となくこのクルミのおかげで分かってきました。

いきなりクルミが誕生したわけではなく、何かから進化したその結果として今のクルミが存在するならば、その過程の初めから終わりまで、ずーっと表面を硬く中身を取り出しにくくすることを目指して進化し続けてきた訳です。硬かったり柔らかかったりを世代ごとに交互に繰り返しちゃって、中途半端になっていないですし、そのリレーはよくよく考えれば凄いことですね。

そこまで考えますと、次はメガネ全体の弾みがどのように方向付けられているのか気になります。ブームともちょっと違いますね。メガネの理想は何だ?みたいな話ですから。

代替品
修理とメンテ

18.04.17

ネジを変えました。正確には、テンプルを止めるネジ4本のうち、3本が無かったので、新たに作りました。ただ、同じ条件のものが供給品から見つけられず、近い物から作っています。

頭径と、ネジの径は一致しました。プラスネジは嫌だったので、妥協して六角です。長さは、長すぎます。ただ、これは変更出来ます。

元々は、ツーポイントフレームのレンズ留めネジです。長すぎです。

ニッパーで切った後です。

ネジ先面取りをしながら、欲しい長さに切削します。分かりづらいですが、カットしたネジ先の角が取れています。これでスムーズに入ります。

チューリップみたいな、内側がギザギザなこれで面取りをします。特別難しい作業ではありません。当てるだけです。

カザールのこのテンプルの作りは、相当あります。そして、大体ネジが緩んでいるか、既に紛失しています。おそらく生地が縮み、ネジと隙間ができて、緩んで抜けちゃうのでしょうね。流石に3個無いのは珍しいですが、1個無いとかよくあることです。

開き調整
ヴィンテージのメガネ

18.04.14

タートのお持ち込み。店では取り扱い無いです。そう言う意味では専門外ですけど、メガネとしては専門なので承ります。

上の写真は、ヤスリを入れて開きを増やした後です。フロント幅140ミリ程度ですから、少なくとも日本人、男性の平均で160ミリはテンプルの開きを増やさないといけません。

左蝶番の開き前です。写真は小さくてわかりにくいですが、テンプルの先しかフロントに当たっていません。そもそも当時は綺麗に仕上げてはいませんし、そこが復刻と当時物の構造としての大きな違いです。掛けたときの粗野だけど収まりの良い柔らかな雰囲気が醸し出される秘訣だったりします。

蝶番の左右が変わってしまっていますが、右の開き後です。あとは、熱を加えて適宜テンプルにアールを付け、掛け心地をさらに良くします。

開くと同時に、開閉部分が面で当たるようには修正します。元々の状態が、テンプル先だけでフロントと接しており、開閉を繰り返すとテンプル側のプラスチックが欠ける可能性がある為です。ただし、前述の荒々しい良さみたいな要素は残さないといけませんから、そこも配慮しています。

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