粋でした
雑記

18.01.17

頂き物。老舗の葛湯でした。金沢の落雁諸江屋さん。

パッケージも良い感じですが、作り方の書いてある紙片が粋でした。

「…葛の匂ふ風情は中々に捨てがたいものです。」

自分を誇張せず、ビジュアルや味の濃さや刺激の強さを、つい重視してしまいがちな現代を蔑まず、そして現代の派手さと対比させることによってクッキリと顕われる素朴さを謳わず、ただただ葛湯の良さを伝えるいい文章でした。

簡単なようで中々出来ないですし、私もメガネに於いて、比較対象を用意して良さを伝えがちですので、勉強になりました。とりあえず今は、いつもの表現がリセットされてしまったので、美味いとだけ書きます。

頂き物
雑記

18.01.15

いい文章が載っていました。

「人生のバランス。

 

そして

世の中のバランス。」

 

例えば、これが「世の中‘との’バランス。」という表現であれば、おそらく、私と世の中との折り合いをどうつけましょうか?という感じの内容でしょうし、目指すは私と世の中の融合・調和の様な文章と受け取れます。

ただ、今回は「世の中のバランス」と、一行の空白の後に記されています。自分の人生を考えようとすると、間も無くそれは自分と社会との関係を考えることに変換されてしまうことを表しているかのようです。そして、人生のバランスと世の中のバランスが、交わらないこともあると、示唆しているようにも感じます。

確かにそうかもしれません。そもそもバランス同士が一致することが平穏で善なのか、離れていることが異端で悪なのか、はたまた逆なのか判然としません。齟齬が善か悪かは、結局は自分で決めていくことなんでしょうね。

短く、ピシャッと、核心を突くような文章を書けるとか、言葉を紡ぐことが出来る人が羨ましいです。このブログから漏れ出ている通り、私はそれが無理な人生でした。

 

もうすぐ2年
雑記

18.01.14

確か、2月5日のはずです。豊橋時代を合わせて2年になります。ありがとうございます、おかげさまで続けられています。2周年記念を何かやるとかではありません。むしろやりません。

オープン前日に、資材等々を搬入している最中に頂いたのが、この湯呑みです。搬出でたまたま来ていた陶芸家の方から、直接頂きました。2月4日という日付が頭に残っていますが、それがオープンした日なのか貰った日なのか、忘れました。日報を見れば分かりますが、大した違いは無いので調べないでいます。

「2年続ければ楽しくなる」

と、そのとき教えて頂きました。根拠は無さそうですが、頼もしい教えでした。むしろ根拠があれば、道から逸れた場合に、直ぐに諦めてしまっていたかもしれません。盲信する為には、無い方が良いこともあったなと、思い出しました。

ここに移ってから、すでにガラス製品を2つほど割っているので気をつけます。

古いレンズ
メガネのはなし

18.01.13

古いレンズを沢山預かりました。実際に嵌め込むことは少ないと思いますが、当時のパッケージが中々カッコいいので展示しております。

その中から1つ。もちろんパッケージのデザインも良い訳ですが、それよりも注目したいのは、レンズ袋右上のスタンプです。

「パリジャン 44ミリ」

と記載があります。パリジャンとは、レンズの形の名称です。現代の日本ではウェリントンと呼びますが、60年代くらいまで、パリジャンの名称も使われていた様子です。手持ちの資料でスッと該当箇所が出なかったので、また出たら載せます。

例えば、ガラスの丸の50ミリや45ミリで薬研がつけてあり、そのままフレームに嵌め込むだけというパターンは、比較的よく見かけます。ですが、ウェリントンの加工済みレンズは初めて見ました。光学中心を合わせるとかは出来ないので、現代だと100均とかにあるような既成老眼に近い販売も、店頭でしていたと想像出来ます。袋には、左右同じ度数でセット組されていますからね。

レンズと同じ年代であろうと推測されるフレームを並べてみました。サイズは44◻︎20です。確かに、手でサイズを整えれば入りそうです。

また、これや他のパッケージを見ていて面白いのは、レンズの卸商社の独自のパッケージというところでしょうか。

今は、大体工場から直です。ですし、パラメータ表記が主で、デザインは無いか控えめです。

 

ちゃんとあります
メガネのはなし

18.01.10

レンズに水平線が入っているのは、片方だけで良かったです。つい、勢いで両方とも水平を取っています。

お持ち込み、フランスのサーモントフレームでした。同時代の日本やドイツと比べて、線が細く、やや女っぽさがあります。厳つさが抑えめで上品な感じです。眉のブラウンカラーもいい感じです。

元々、デモレンズ無しでした。それを削ってまで水平を取ったのは理由があります。今回は、この古のフレームに最新のレンズを搭載する話が出まして、その為の準備でした。ここまでが、度付きにする為の前フリということです。

インディヴィジュアルレンズとか、業界内で言われております。

そもそも単焦点であろうと、度数を測って自分に合った度数を処方してもらうという点で、安かろうと高かろうとメガネはオーダーメイドです。

色々な物が、オーダーメイド化で差別化を図ろうとしておりますが、メガネはそもそもそんな感じなので、さあどうしよう?となった時に、出始めたのがインディヴィジュアルレンズです。

簡単に言ってしまえば、レンズに、顔とフレームの情報を畳み込み、より最適なレンズに仕上げるという物です。フレームの情報だけのグレードもありますし、掛けた時の顔の情報までも要求するグレードもあります。単焦点でも、累進でもあります。今回は単焦点です。

単焦点の場合でも、左右別個に設計されたレンズをそれぞれの目に当てるのでは無く、左右の度数を鑑みて、左右それぞれの像のバランスを取ったレンズが使われることになります。それによって、脳で1つの像に融像しやすくなり、使いやすいと感じるわけです。

どうなんだろう?と、思っていましたが、いいみたいですね。この前聞いた話ですと、度数無しでも効果があるとか。度なしのレンズでも、生地の厚みからプリズムは発生します。それ故、使いにくさは微弱ながら出ます。それも取り除くことが出来るようです。

ただ、今回は顔の情報を畳み込んで作るのはやめました。考えた理由は2つです。

・パラメータが増えることの副作用

・今回のフレームの古さ

基本的に、パラメータが増えるのは嫌なんです。消費の立場からすれば、選択肢が増えて楽しいかもしれません。ですが、パラメータが増えれば、最適さが崩れる要因も多いということです。イメージとしては、点では無く、円の方が領域として幅があるので、領域からはみ出しにくいという感じです。パラメータが多ければ点に近く、少なければ円に近いです。レンズの選定の際に、シャープさがどれくらい必要なのか考えることが大事だなと思いました。

今回のフレームは、もちろん合金です。最新のメガネの様な、βチタンで形状記憶性があるようなフレームではありません。鼻パッドや、フレームの傾斜も日本人向けでは無いです。プレフィッティングをしましたが、お渡しの時にそれなりに修正が入るだろうと思います。ですから、今回のケースでは、フレームのフロントサイズとレンズサイズを畳み込んで、両眼で設計しました。顔とか、フレームの形状までは組み込んでいません。

レンズの収差等々の、光学性能に着目してダラダラ書きましたが、両眼設計の利点は物理的にも出ます。より薄くなります。

まだ加工前ですが、新年早々仕上がりが楽しみです。自分も使ってみて、人体実験しないとですね。

リム切れ補修
修理とメンテ

18.01.08

すでに、くっ付けた後です。右レンズ、ブリッジとの繋ぎ目部分からリム切れしました。私のところで買って頂いて、2年もしないくらいです。

全体のくすみも取りました。まだいけそうです。良かったです。

レンズの縁に汚れが溜まっていたので、古い物であることは確かですが、それでちょっと早めにガタが来たなという感じです。リムも細いですからね。普段この辺りを販売しないのは、こういうところも理由です。やっぱり、メガネとの付き合い方がちょっと繊細です。

接合と、薬研の溝彫りをしてレンズの噛み合わせを良くしました。また、ガラスレンズをやめて、プラスチックレンズにし、レンズがフレームで回らないギリギリのサイズを狙いました。これくらいのレンズサイズであれば、フレーム温めずレンズを入れる事が出来ますし、内側からフレームを圧迫しないので、少しは長生きするかと思います。強く押したら、抜けなくは無いですが…。

消費が、エコからエシカル(倫理的)に進化している的なことを、たまに聞きます。確かに、ある一定の値段を超えるものを見に行くと、

「一生モノ」

というワードが出てきます。以前から使われてきた接客ワードではあります。今後はそのカテゴリーの物を大量に消費しないという宣言と暗にくっ付いており、罪悪感を薄めて消費を促している感じがします。

それが巧いかどうかは興味が無いです。気になるのは、一生かどうかは、それに値する物かどうか、および一生付き合う関係を築けるかどうかの、2つまたはそれ以上の要素が重要であるということです。直してくれるところがあるかどうか、それもありますね。おそらく他にも。つまり様々な箇所に、覚悟みたいなものが問われる訳でして、価格だけでは無い気がします。価格が高いと、しっかりしている場合が多いですけどね。

14時オープンにします
営業案内

18.01.08

本日、14時オープンに変更します。おかげさまで、作業がたまりました。一旦綺麗にします。宜しくお願い致します。

映画
雑記

18.01.07

ちょっと前に、東京物語がテレビでやっていました。小津安二郎の映画です。

内容云々に関しては、映画に通じている方にお任せするとして、エンディングについて書き留めておきます。

笠智衆と原節子の二人のシーンで、時計が手渡されるところがあります。多分、時計がなくても、ある程度それまでの会話から感動的な一幕になるのでしょう。ですが、それがある事で、より一層血の繋がりを越えた、強固な心の繋がりが垣間見えた気がしました。

ただただそれに感動したという話です。加えて、メガネもそのような受け継がれていくものとしての認識が、徐々に拡がると良いなと感じました。

別作
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.01.06

写真上段:通常品

写真下:特注別作品

SPMのメガネです。レンズサイズは38ミリ同じです。ブリッジの幅と取り付け位置を特注しました。

男性ですが、目と目の距離PDが58ミリ、側頭幅145ミリです。ジャストサイズでメガネを掛けようとしますと、量販品では、なかなか見つけ出すのが難しい方です。

また鼻が高く、通常仕様だとメガネの位置が真ん中より上になってしまいます。これに関しては、様々なアプローチがあります。例えば、メガネを下げ気味に掛けさせるというのが、すぐに思い浮かびます。

今回は、度無しでガラスのフラットを積むことになりました。ただ、実際は正視か遠視性倒乱視気味の方です。30歳過ぎくらいから、仕事内容に依りますが、手元用のプラス度数の度が入ったメガネがあったほうが楽になる方です。

特にプラス度数は慣れにくさがネックです。軽減させるには、メガネを正しく頭部に固定することが鍵になります。将来的に度数の処方をすると考えますと、正しい位置、正しい頂間距離、正しい前傾角でメガネを掛けることに慣れて欲しいという思いもありまして、ブリッジを狭めるついでに、取り付け位置を上げております。掛けると、目とレンズの後面の距離である頂間距離は変わらず、メガネの掛けた位置は下がります。

物として、仕上がりはハイブリッジ風な一山のメガネになりました。それが美しい美しくないという観点も、もちろんあると思います。ただ今回は、掛けたときの顔に対してのバランスの良さと、メガネとして光学機能が、今後必要なときに正しく発揮出来るように、その2点を重視したという感じです。

 

今さら
営業案内

18.01.05

もうすぐ移転して4ヶ月くらい経ちますが、お客さんに指摘して頂いて、今日ようやく気づきました。スマホでこのサイトを見ると、営業時間と定休が出ないですね。

“お店について”の、カテゴリーに記載しました。12時〜20時まで、木曜日定休です。自分でもびっくりしました。強気な店って言う訳では無いです。普通のメガネ屋です。すみません、ただただサイトから漏れていました。なるほど、電話での営業時間のお問い合わせが多かったのは、そういう事ですね。色々、納得しました。

そんな中、来ていただいた方々、誠にありがとうございます。そして、ひょっとして木曜日に来て頂いた方、大変申し訳無かったです。

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