鼻盛り
修理とメンテ

17.05.22

メガネフレームの傾斜が強く、お客さんの頬に当たるので、鼻盛りをしました。傾斜を取ってレンズを起こして解決しようとも思ったのですが、プラス度数が強く、乱視もそれなりにありまして、傾斜がちゃんと5度くらい無いと手元が見辛くなると判断し、鼻盛りにしました。

これから度付きのサングラスにしていきます。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

17.05.22

カザールの643です。レジェンドで復刻しているモデルです。今回販売したのは、刻印が Germany のヴィンテージです。西ドイツの刻印も見たことがあるので、境目の時代に誕生したメガネだと考えられます。

デモレンズもありましたが、度付きレンズを必要とされているお客さんでしたので、コーティングで反射光を白にすることで、デモレンズ感を出しました。

お客さんは60歳を過ぎた男性です。ジャケット、スラックス、革靴、カザールという組合わせは最高にカッコいいでしょうね。今からお渡しが楽しみです。

立ち話から考えること
雑記

17.05.19

久しぶりに、あれこれ忙しかったです。GWの余波です。もう落ち着きました。

 

知識があることと、目が肥えることについてです。

60過ぎの男性と話したときのことです。ちなみにお客さんでは無いです。久しぶりにスーツを新調したそうです。珍しく奥さんの気前が良かったので、結構高めの価格帯の物を購入したとのこと。青山のちょっと良いやつらしいです。

ふむふむと、話を聞いていますと、

「久しぶりに良いもん買うと、あれだな。良い服ってのは、着る前から良さが分かるんだな。」

みたいなことを仰っていました。ここでの“着る前”というのは、パッと見の高級感よりも、袖をいざ通そうとした瞬間のことを指し、それを力説しておりました。袖を通す瞬間とか、身体への馴染み方だと思います。

自分の体験から、そう言った話が出来るのは良いなと思いました。実感と、それに対する共感が、会話としての豊かさに大きく寄与していると改めて感じました。

そこで、ちょっと野暮ですが、

「ちなみに、どこのですか?」

と聞いたところ、イタリアの生地のカタカナのやつとのことでしたので、ブランドとかでは無く、ある程度ニュートラルな状態で、自身の実感から良いなと感じ、私に話して下さったようです。もしかしたら世代的には、イタリアなら良いと、自動的に、判断にプラスに作用した可能性も無くはないでしょうね。しかしそれよりも、着る前の良さを力説しておられました。

 

そう言えばその方は、私が普段着用している銀無垢のメガネに、いち早く気付かれました。さすがメガネ屋は、ちゃんと高価そうなメガネだなと突っ込まれました。正直、どのメガネ屋に行っても突っ込まれないので、驚きました。その男性は、服やメガネがめちゃくちゃ好きで年を重ねて行ったわけでは無いです。

自分の届く範囲で本物に触れるとか、自分の実感で判断するとか、大事なことだなと思いました。それでしか、目が肥えていかないのかなと。目が肥えるという表現は古いですね。

目が肥えることと、知識が増えることは、あんまり相関していないなと感じたという、それだけの話でした。

宣伝です
メガネのはなし

17.05.12

福井県眼鏡協会の冊子が、店内にあります。閲覧用です。

ほぼ同じ内容が、YouTubeで上がっています。同じく

「福井県眼鏡協会」

で、検索してみてください。メガネ製作の一部を、動画で見られます。面白いですよ。

動画を見ると分かるのですが、日本のメガネは、強いて言えばほぼ全て職人物でしょうね。

ヴィンテージのメガネ、新品のメガネ
メガネのはなし

17.05.12

ヴィンテージのメガネ屋ですが、新品の否定として営んでいるわけでは無いです。狭いゾーンではありますが、銀無垢やSPMの無垢をやっています。それらは、現行の製品です。

例えば、今までメガネを掛けてこなかったひとが、古いメガネのデザインを気に入り、初めてメガネを掛けようと思うかもしれません。それをきっかけに、今のメガネの良さを分かってもらえるかもしれません。入口は何でも良いかなと思うんです。それを手伝ってあげないといかんなと、思っています。

メガネも、とうとうデザインが一周したのか、ここのところずっと回帰的です。そうなった時に、服と同じように、古着から今のデザイナーの服に至る、逆方向でデザイナーの服から、再現出来ない風合いに良さを見出して古着に至るようなことが、 メガネにも起こって欲しいと考えております。周りの様子から、何となく起こりつつあると感じております。ただ、いまは他所で購入したヴィンテージのメガネの受け皿が少ない且つ、売り手も売り逃げ感が強いので、変なイメージがつきそうで危惧しています。

 

あくまでメガネですから、顔に乗って綺麗かどうかが大事派です。例えば、50年代以前のアメリカやフランスのプラフレームの場合、

(レンズ横幅44ミリ)×2+(ブリッジ幅22ミリ)+(可動部の出っ張り部分10ミリ)×2=130ミリ

でしょうね。通販をあれこれ見ても、やはりフロント横幅130〜140ミリ位が多いです。

ちなみに、日本人男性の側頭幅の平均は160ミリ位なので、あれらは、基本キツすぎる訳です。そりゃ掛からんです。掛けた瞬間に、こめかみに当たりメガネが下がります。ブルバキでは、それを解消するところから始めます。

観た映画
雑記

17.05.10

映画を見ました。チアダンぶりでしたので、1ヶ月ぶりです。私にしては、ちょっとハイペースです。なかなか良かったので、ご紹介です。感動してウルウル泣くというよりも、自然にサラサラ溢れ落ちる感じの浸透力のある映画でした。

 

「ニーゼと光のアトリエ」

名古屋のシネマテークで、来週までやってます。今週は朝の上映で、来週は18時過ぎの上映です。あとは、刈谷で上映しているみたいです。

名古屋市美術館でアドルフ・ヴェルフリ展があり、その流れで気になったので見にいきました。詳しくは、アドルフヴェルフリとかアウトサイダーアートで調べると良いと思います。表現が難しいですが、要は無意識の領域を表現した絵です。

映画の内容は、精神のバランスが崩れてしまった方が、絵を描く、彫刻を作ることでバランスを徐々に取り戻していく過程と、その導入を巡っての病院内の医者同士の対立を描いています。精神外科のロボトミーを押さえておくと、映画の中の対立構造が一層よくわかって面白いです。

創る行為によって、自分自身を治しているという言葉が映画に出てきます。言葉にならない表現を、絵に託しているという感じです。確かに、ちょっとした悩みや仕事でのイライラなどを、他人に話したらスッキリするもんですからね。言葉に出来ず、蓄積すると爆発するもんです。

自分のメガネ販売を重ね合わせて考えておりました。もちろん、フレームのセレクト、検眼、フィッティング等々、これが本当のメガネだ!というものを伝えたくて始めました。そのきっかけは、怒りに近い感情だったのかなと振り返っています。その感情を、メガネを販売するというアウトプットで癒しているのかもしれません。他者の為に視力矯正やカッコよくなるためのメガネを販売しているつもりでしたが、自分の為に販売していたのかもしれません。それに付き合って下さるお客さんには、頭が上がらないなと、改めて感じた日でした。

ちなみに今池といえば、シネマテークからの中屋パンのあんドーナツのコンボは、もはや定番かもしれません。ですがやはりオススメです。

 

ツーブリッジについて
メガネのはなし

17.05.08

ツーブリッジのメガネについて。2016年の終わりくらいから、反応があります。特に20代の男女です。2017年になってからは、実際にかけている人も見かけるようになりました。豊橋でも見かけます。少数ですけどね。

メガネに関わらず、ファッションでもなんでもそうですが、ちょっとダサいくらいが丁度良いと言われる機会が増えました。別の表現では「カッコよすぎる」「オシャレすぎる」でしょう。

その、ちょっとダサいくらいが今の時代は「カッコいい」ということなんでしょう。そこでなんとなく気になるのは、良いと判断する行為が、責任を請け負わずに出来てしまうことでしょうか。

言い換えます。ダサカッコいいを選択しておけば、他人にオシャレと言われればそれなりに嬉しいと感じられます。ダサいと言われれば、ダサいのを選んでいるからしょうがないと自分に言い訳出来ます。全てを引き受けず、物の所為に出来てしまいます。

折角お金を使う訳ですから、ダサいと言われるとショックが大きいですが、これがカッコいいと思ったという宣言の元に、手にされるといいかなと思います。良いと他者から認められた時の嬉しさが違います。

ゴールデンウィーク、みなさまにはお越し頂きありがとうございました。今日は落ち着いておりますので、ツーブリッジのメガネを見ながら、そんなことを考えておりました。70年代くらいのツーブリッジが良いですね。ツーブリッジも、ただブリッジが2本あれば良いって訳にはいきません、カッコいいのをご用意してお待ちしております。

余談
雑記

17.05.06

ヴェンナーラインの、ちょっと高級なシリーズなんでしょうね。他にも、「ROYAL」の印刷があるヴェンナーラインのメガネを見たことがあります。

実は、店名の候補にありました「ローヤル」。結局やめましたが。他には「デラックス」とか。

70年〜80年にかけて、どんな商品でも高級ラインとなると大体ローヤルとかデラックスとかつきますよね。あの響きが好きで、最後の最後まで悩みましたが、店名とするのはやめました。最近は聞きませんね。ローヤルゼリーぐらいでしょうか。

高岡の喫茶店も、ローヤルボンボンの看板が残っております。ボンボンのメニューにも、「プリンローヤル」があって、現在もローヤルというワードが生き残っております。高級過ぎない感じが丁度いいんですよね。

未だ、ローヤルという響きには反応してしまいます。ちなみに、プリンローヤルは、プリンアラモード的なやつです。確かにローヤルなので、一度食べて見てください。

最近の一押し
ヴィンテージのメガネ

17.05.06

ヴェンナーラインのオプチルフレームです。ヴェンナーラインは、後々カレラ社に名前が変わってしまいます。

60年後半から70年代にかけてのオプチル素材のフレームは、基本見つけたらコレクションしております。アセテートやセルロイドには無い、圧倒的な透明感と、インジェクションだからこそ出来る迫力のある造形がたまりません。特に、銀無垢等々でベーシックな物を揃えてしまいますと、どうしても反動で金属では絶対形成出来ないメガネに惹かれてしまいます。

大体オプチルフレームですと、その年代的にも、人類が宇宙を目指していた時代ですから曲線を使ったデザインが多いです。これは私が見てきた中では珍しく、直線的なカザールみたいな厳つさがあって、特に惹かれております。久々に心拍数が上がりました。

そろそろ、アイビーテイストの収まりの良いメガネではない新しい表現があっても良いかなと思っております。

眼鏡すごいぜ!
雑記

17.05.06

香川照之さんの、昆虫すごいぜ!を拝見しました。1限目は見ておらず、この前が初めてでした。今日の深夜に再放送があります。

香川照之さんが凄すぎて、感動しました。自分を滑稽に見せるくらいに、圧倒的な熱量で昆虫の世界の素晴らしさを伝えていました。私には、もはや面白おかしく見えなかったです。すごかったです。勉強になりました。

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