ブルータスの古いのが入りました。店内閲覧用です。83年のアフリカ特集です。ネットのある今の時代よりも、情報が詰まっています。文字から熱量が伝わるいい雑誌です。是非ご覧ください。
最近自問しておりますのは、このような先進国以外の文化とか道具とか織物を鑑賞するときに、日本の尺度を用いて眺めていないかということです。
それもこれも、小林秀雄さんの影響でしょうね。歴史について、正確ではないですが、こんな感じで仰っていた記憶があります。歴史を学ぶということは、現代からその歴史上の出来事を眺めるのではなく、あなた自身の意識もその年代に向かわせて、そのときに何が見えるのか云々…というニュアンスでした。批判と批評の違いについて説明される時も、同じようなことを仰っていました。意識ごとタイムスリップしろ、という感じだったと思います。
つまり、アフリカとかの道具の話題に戻りますと、日本のものに比べて下手ウマな感じが良いとか、欧米のものに比べて粗野な感じが良いとかよりも、もっと他に、その土地に根ざした尺度やら何やらがあって、その測り方による良さがあるはずです。今迄わたしは、それこそ下手ウマとか粗野だから良いと判断しておりました。それも良さなんでしょうが、現代のプロダクトと比較して行われた価値判断でした。それを反省している最中です。
私の扱うメガネもそうです。いまと比べて面白いというのもそうですが、その時代はそれがイケてるわけなので、その時代なりのイケてる理由をそれぞれに発見して、皆さまにお伝えしなくてはいけないですね。