おまけ分析。一個前のサンプラチナにセル巻きしたフレームについて。
いつものと並べてみました。写真右端の智の比較です。メガネは玉型が一番大事という派閥もあるとは思いますが、個人的には智→ブリッジの順で見ていると思うので、その順に大事に思ってる派閥です。
サンプラチナのレギュラーメンバーから、鼻あて付きを載せました。60年代くらいのメガネまでよく採用されている割智とか爪智とか界隈では呼んでいると思いますが、駒が真ん中でパカっと割れてレンズを挟み込んでいる智です。パカっと割れて開くときに、テンプルもいっしょに挟み込みます。なので、レンズを変えるときは2つのネジを緩めます。それが割智です。ちっさければちいさいほど、レトロでカッコイイです(かなり主観)。
店では、この智で、レンズが40ミリ前後で、ブリッジは一山のタイプ等々の、よりレトロなテイストの物もあります。レンズの形、大きさ、ブリッジの形状等々で、20年代〜60年代くらいまでのどの雰囲気にも振り分けられるんですけど、とりあえずメガネの黎明期っぽい作りなのがこの智です。
写真の撮り方が悪いのか、割智の方が面積が広くてゴツく見えてしまいますが…その辺は実物を確認していただくとして、上からと下からで比較しています。一個智は、L型の塊がまずあって、レンズ留めのネジが収まる部分と、テンプルの駒が収まる部分が切削されています。まさに一個の塊でレンズの保持と開閉機構をテンプルに持たせており、それぞれ独立しているのでレンズを変えるときはネジは一箇所だけ緩めます。
メガネから独立させて、一個智のみに焦点を当てると、デカければデカいほどカッコいい気がします。栄生のトヨタ産業技術記念館に行くと感じますが、工作機械等々の巨大な金属の塊は、もうそれだけでカッコいいです。金属が大きい塊で存在しているというのは、モダンなカッコ良さがある気がします。アクセサリーやジュエリーも大きければ大きいほど、まずはカッコ良いと思っています。身体とか服とか色々なものと相対させたときにどうなんでしょう?みたいな悩みはあるんでしょうけど、とりあえず生物とは異質な物が大きいというのは、畏怖まで感じ無いにせよ違和感を覚えるのは確かです。
一個智も、もちろんメガネのパーツですからメガネに引き戻して考えたときに、大きければ大きいほどめがね全体としてカッコいいのかというのは???でして、いつまでも悩める議題です。スーツの肩パットみたいな感じで、智が大きく張り出すとメガネも力強いマッチョな雰囲気になるので、現代の傾向としては智は小さくするべきなんでしょうけど、一個智の美学としては大きくありたいということで、ここで矛盾が生じます。その相克のおかげで三者三様であれこれプロダクトが生まれるのかなとも思っています。フィッティング的にも、智は大きくあって欲しいですね。
横で比較すると分かりやすいかも。どちらもテンプルが細い部類に入ると思いますが、割智の方はも一つ華奢な感じがします。よくある表現としてはカッコ良さのベクトルが違うとかありますけど、本当にそんな感じです。
たまには気分を変えたいということで、すでに購入して頂いたフレームに巻くことも可能です。私も、銀無垢の一山のラウンドに巻いてみようか悩み中です。ちなみにカクカクした玉型はセル巻き出来ないのでごめんなさい。