本べっ甲です。兆番金具からすると、イギリスかフランスか。ヴィンテージです。
軽さ、柄の感じからおそらく本べっ甲だろうなと予想しつつも、磨いてみないとという感じでした。これくらいのかすれで光沢が甘く、かと言って使用していないので等高線のような斑紋が出てない状態は、まだ疑う余地ありだと思っています。
面を整えるために、ちょっとヤスリをかけました。たまたまですけど、等高線のような斑紋が浮き出てきました。亀の甲羅が大きくなるメカニズムによる、独特なモヤモヤ模様です。プラスチックやバッファローホーンでは出ません。
また、ネットでは確認できない判別として、臭いがあります。製品としては臭わないんですけど、ヤスって粉状になるとフワッと香ります。亀を育てたときの、水槽のあの臭いがします。水槽のあの臭いは、亀由来だったんですね。
短い経歴のなかで、今のところ本べっ甲ですよと言われているもので、おそらく本べっ甲ではなかったケースは今のところゼロでして、意外にやさしい世界です。とか言いつつやっぱり運がいいだけで、べっ甲となると古美術の世界に入りかかるわけで、魑魅魍魎の険しい世界なのかもしれません。
綺麗にするとこんな感じ。光沢の出具合、ヌメヌメ感がよく写っているのでこのアングルで載せてみました。
サイズが50□22で、べっ甲界ではレンズが小さめです。古の政治家っぽさが無いです。
日本のべっ甲フレームでは見かけない意匠があります。耳側の側面をスパッと切り落としてポリゴン感を与えつつ、フロント面と側面の間をなだらかに磨き落としています。
このアングルが見やすいかもです。その処理によって側面に、スタッズみたいな凸が出来ています。べっ甲で遊びがちょっと効いているのがいいですね。日本のべっ甲のヴィンテージでは見かけないです。
フロントがほぼフラットです。現代の度付きのレンズとなりますと、凸も凹もベースカーブ3くらいでしょうか。フラットレンズが似合うフレームかどうかイマイチ判断がつかないので、デモレンズとして3カーブを入れました。温めつつカーブをつけますけど、パキッたらおしまいです。
横もカッコいいです。