びっくりしました。クロムハーツのメガネもトルクスネジになっていました。たしかに、クロムハーツで言うところのスター(六芒星)でしたっけ?アレに見えるので、美観の相性めっちゃいいですね。すごいカッコいいと思いました。
メガネに対してトルクスネジが要るのかどうかは、おそらくまだ決着が付いていないです。もっと増えそうな予感はしています。
ネジ頭を舐めずに締め上げしやすいということは、トルクスネジ自体のデザインでして、メガネのデザインになるかは別です。蝶番に頭が舐めにくいネジが入ったときに、メガネ全体としてどんな良さが付加されるのかを考えてみなくてはいけません。そもそも蝶番はそんなに締め上げるものかと言われれば、そうでは無かったりします。
ネジ製造の仕事をしてないのであれですが、ネジはキツく締めれば締めるほど緩みにくくなるわけではありません。私も、つい2年くらい前まではそう思っていました。ぎゅっぎゅしていました。絞めすぎで起こる非回転緩みにも気をつかわないといけないです。何事も共通して、過ぎたるは猶及ばざるが如しということなんでしょうか。とにもかくにもネジを緩ませる要素は多々で、締め上げ量に比例して緩みにくくならないのが何とも腹立たしいですね。
ここまで考えておいて、今回のお持ち込みのメガネの蝶番が実際は緩まないのか、はたまた何年かで緩むのか分かっていないですけど、レンズ枠入れと鼻盛りでブルバキとしてきっちり関わった以上、いつかの緩みに備えてトルクスドライバーを常備しました。多分、みなさんのご家庭に無いですよね?しかも大きいトルクスネジのt8くらいからなら100均でもドライバーが手に入りそうですけど、t3やt4くらいのメガネに使う小さいネジ用だと100均では無さそうです。ちなみにモノタロウで500円〜1,000円くらいなので、ホームセンターでも多分それくらいです。
ひょっとしたら、10年後の日本製メガネはトルクスネジが主流になっているかもしれません。今のところは業界でも普及していないことも重なって、ユーザーとメガネの関係において何が具現化されたのか、まさにそれがトルクスネジをメガネに使用することで得られたデザインということになるんでしょうけど、ちょっと弱い気もします。メガネ屋に行くのは面倒且つ買い替え接客されそうで億劫であり、家でパッとネジくらいは締めたい派の方も多いと思います。まさに自分も家でちゃちゃっと締める派だったので、強く締め上げられることが緩み止めに必ずしも直結していないのであれば、現時点で色々な面でお手軽なプラスかマイナスで良いかなと思っちゃっています。
ネジ自体がカッコいいのでデコレーションとしてトルクスネジを使い、細部までカッコ良さを追求する姿勢をデザインしましたという意味合いっぽいクロムハーツはとてもいい感じでした。実際、持ち込んでくださったお客さんも、トルクスの使用をご存知でなかったので。サラッとトルクスを使っているみたいでした。
せっかくなので、ネジのデザインをメガネのデザインにもっと乗せようとするには、他に何が考えられるかと想像を膨らませてみます。膨らませると言っても、メガネのネジはあとレンズ留めか鼻パッドしか無いので瞬時に終わります。
レンズを留めるリムのネジ(たしかブローチネジ)を、トルクスネジにするのは良いかもですね。深く考えていないただの思いつきではありますが。ユーザーがなかなかリムを開けられず、レンズが脱落しにくいように適切に締め上げやすく尚且つドライバーが逃げにくいのでレンズを傷つけにくく、ネジが舐めにくいのでレンズの交換も何世代もしやすく真のSDGsです、みたいなことがネジの特性と結びついて謳えそうです。
加工する側になって分かりましたが、ネジの頭だけみて、パッとT3かT4か判別つきにくいですね。実は今回、それで目測外してドライバーを2本買っています。