今日の仕入れからもう一本。セルの竹内光学です。
これもまた、特に素晴らしい1本でした。写真では分かりにくいですが、まずはブリッジの造形です。何年も眼鏡屋をやっていますが、見たことのない切削が施されています。真ん中で水平に突き出しており、ダイヤ型になっています。また、フロント全体も、あらゆる箇所に細かく切削が施されておりました。その為、バフがけが全然進まず、こんなにも磨きが進まないフレームは初めてだなと苦労をしました。
色も黒でボリュームがあり、通常は重たく見えそうですが、そうみえない工夫が随所に見受けられます。このフレームも相当良かったです。
とりあえず、しばらくは見てもらう為に、販売せずに置いておきます。それか、販売しても1ヶ月くらいは店頭保管かもしれません。
蝶番があれですが、あれであるが故に全体が滑らかに、一つの纏まりとして美しく見えます。そもそも、蝶番の枚数とフレームの品質は、そこまで相関していない気がします。構造とか美観を加味して使う駒が選定されることも有りますから、枚数が全てでは無いでしょう。例えば、USSは7枚蝶番ですしね。枚数よりも、それ自体の開閉の滑らかさが勝負です。ネジをしっかり締めて油を注した後で、開閉に引っかかりが有るのか無いのかが、個人的には気にしているポイントだったりします。
人間で例えた方が分かりやすいかもしれません。あれやこれやが大きければ大きいほど、男性でも女性でも必ずしも優れているわけでは無いですよね。比較の為に、ある一点を取り出して数値化することも大事なんでしょうけど、やっぱり総合力みたいなフワッとした全体像が、より一層大切でしょうね。