箸休めが先に届きました。人類の至宝キャップです。
この前の「v-e+f=2」ってそう言えばカッコいいなあと思いまして、グッズとして作ろうと思ったんですけど、フレームは凸多面体ではなくて、レンズでそもそも穴が二つ空いてますし、オイラーの多面体定理の条件を満たしていないんですよね。メガネ屋のオリジナルグッズで、フレームが満たしていない式を乗せるというのはどちらにも不敬だなと思って却下しました。それでコレです。
これは数学界隈で人類の至宝と呼ばれています。これもオイラーの公式とか呼ばれています。意味のありそうなアルファベットが一塊で、多分πは何となく円周率って分かるかなと思っているんですけど、高校が理系だとeもiも、あったなーそれ!みたいになると思います。それに自然数の始まりの数字である1を足すと、0になるんです。何やらよく分からんなりに、ちょっと色即是空的な神秘性がありますよね。確かに都合が良すぎるくらいに収まりがいいのがこの数式です。
バンドTも、逆にそのバンドを知らないくらいで着ていた方がガチ感が無くてカッコいい時代なので、数学も知らないくらいで「でも至宝なんでしょ?」みたいな、カジュアルに戯れる時代かなと思っています。
銀無垢に合わせる帽子を作ろうと思いまして、訓練を受けておらずデザインの技量と才能が無いですから、とりあえずストリートでアウトドアの要素もあるナイロンのジェットキャップに、何をのせたら美しくなるかなと考えた結果があれです。そういえばブルバキだしなぁと今さら反省して、数学で何か一つということで人類の至宝を刺繍してみました。
書体は、それこそヘルベチカかなと一瞬よぎりましたが、数学のスタンダードな書体にしました。論文製作以来なのでもう忘れましたが、TEX(テフ)を使わないと綺麗な数式が出力出来ないかなと思いきや、エクセルで結構きれいな数式打てるんですね。教科書っぽくなるように、こだわりの方向性間違えているんだろうなと認識しながら、結構こだわりました。
総幅も、大きすぎず小さすぎずで特に考えていなかったので、グロタンディークの素数と呼ばれる、曰く付きの数字である57ミリに指定しました。55ミリではなく、60ミリでもなく、製作会社に一応その意図を伝えて57ミリにしてもらったのですが、めちゃくちゃ気持ち悪いと思われているんだろうなと想像しながら57ミリに指定しました。
銀無垢の美しさと、人類の至宝のもつ風格が合わさっていますね、ウソです。イメージとしては、黄色のHB-101の帽子を被っている年配の方をたまに見かけるのですが、そんな感じになったら良いなあと思っています。次に新商品のメガネとして銀無垢のメタル眉のサーモントが控えておりますが、キャップと合わせたときにその荘厳さを微妙に隠して、これが都市の迷彩みたいに働いてくれるといいなと思っています。
年明けに下北のイベントに呼んでいただきまして、メガネは外では売れんやろうなあと思いつつ、流石に呼んでもらって売り上げ0は失礼だよなと思いまして、時流に乗って、かなり焦って作った次第です。店舗名を入れるのを忘れたので、至宝だけを存分に味わえる仕様になっています。
黒と紺の2色です。