現代の教育事情は分からないですけど、数学の科目を自分が小中高で習っているときは、導入というか定義というかそんなのからスタートして、どんどん問題が難しく複雑化していく感じでした。それでいつのまにか到達すべきところまできて、スパッと終わって次の章に…みたいな流れだった気がします。
いま思えばなんですけど、もう一度最後に、なんでこれやっていたんだっけ?みたいな締めがあったら良かったなぁと。定期考査が締め的な位置付けで、習熟度がどうのこうのも大事ですけど。優良可で優の子も可の子もみんな一緒で是非これだけは、苦手で嫌いだなぁという方もこの真髄は持って帰って下さいね、みたいな締めがあったらなと思うわけです。
そこで三角比について。とりあえず斜めの考察から入ります。
斜めって、全部縦と横に分解出来るんですよね。ゼロ(0,0)位置からスタートするとして、斜めに真っ直ぐ進んで(5,5)の位置にいるということは、横に(5,0)進んで、縦に(0,5)進むのと最後に居る場所は変わらないです。順序が逆でもオッケーです。本当は縦横ジグザグでも良いんですけど、直角三角形に結びつけておくと、あれこれ便利ということです。
斜めとは?斜めってあの斜めなんですけど、斜めのその心とは何ぞやとなります。数学も、困ったら国語辞書を使います。
『斜め[名・形動] 垂直・水平面や正面に対し、方向がずれていること。また、そのさま。(goo辞書)』
この斜めの辞書的な意味がドンピシャでした。垂直と水平、縦と横からのずれと言っています。つまり、斜めを分析する為には、垂直と水平が基準として大事ということです。それに先ほどの例で、全ての斜めは縦と横に分けて考えることができて、なおかつ都合よく直角三角形が作れます。
それで直角三角形といえば、三平方の定理とかピタゴラスの定理とか呼ばれるあれの出番で、直角三角形は、辺の長さが二つ分かっていれば残りのもう一つの長さも分かりますよということでした。
これの弱点は、縦と横が分かっていれば斜めの移動距離が分かりますが、斜めだけが分かっているときは役に立ちません。角度1度〜180度の中で、垂直は90度で一つ、水平も180度で一つです。世の中あとは全部斜めです。つまり現実はほとんど斜めです。ふつうは斜めから知りたいんです。では、斜めだけが分かっているときに、他に分かっていることは無いのでしょうか?
もう一度、辞書的な意味に戻ります。斜めは垂直や水平からのズレです。そのズレを表すときに他に手立ては無いのでしょうか。実は一つありまして、それが先ほどもチラッと書きました角度です。それで考えてみます。
一番最初の例の表現を変えます。あの例は、全体を俯瞰して見ている者だから点(0,0)から点(5,5)へ進んでいると認識出来たという点が大事です。進む当事者は、ある方向に向かってこれだけ進んだ、という認識なはずです。進んだ当事者目線での表現は、斜め45度に5√2進んだという形式です。そして、ところで私は横にいくつ、縦にいくつの場所に居るの?と、疑問の成立としてはこんな流れが自然と思われます。
ここで三角比の登場で、5√2にcosを掛けたら横の移動距離が得られますし、sinを掛けたら縦の移動距離が得られます。それらはまさに、両者5になります。
角度という新たなサポートが加わりましたが、三角比のおかげで斜めの長さだけが分かっているときに、横も縦も長さが分かってしまいました。すごいですよね。冒頭の真髄の話に戻せば、三角比とは、斜めの縦と横による分解と言えそうです。
三角比の定義からすると、字面のとおり辺から角度が決定できるとか、ある角度はこんな“量”を保持しているとか色々あります。でもやっぱり実務上は、三角比といえば斜めの分解だと思います。ここでの分解とは、例で行った縦と横への分解です。書籍等よくある表現で、長さrで角度θの斜めがあったら、横 x=r*cosθで縦 y=r*sinθというあれです。
眼鏡士の実務上は、この三角比の真髄とかも特に要らないです。そういうのは物に込められている場合がほとんどなので、例えばレンズメーカーさんの開発チームは使うかもですけど、眼鏡士では特に計算をして何かするというシーンはほとんど無いです。
そうなんですけど、あれらを使うとこれくらいの評価が出ますよという実例があったので書こうと思ったんですけど、すでにこの量なので今日は帰ります。ちなみにプリズム関係です。