カテゴリー:雑記

完成はこんな感じでした
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19.12.08

金無垢のツーポイント、仕上がりました。それにしても堅かったです。曲がらないので、調子とるのに苦労しました。これくらいの時代になると、曲がったり破損といったあれこれを気にせず、ガシガシ使えそうです。

素材と形状
雑記

19.12.02

本鼈甲です。上が上トロ甲で、下が白甲です。鼈甲は、柄が曖昧になればなるほど良いとされるので、それってフランスのヴィンテージみたいですね、このケースでは特に下の白甲が強いです。これがオール白だとどうでしょうか。まず3桁は越えますかね。これはそこまでいかないんでしょうけど、ワナワナ震えるような、どえらい物です。

唯一、強いて言うならの抜け感演出ポイントは、蝶番がSPMということでしょう。個人的には、金無垢よりも堅牢ですし、金無垢みたいに透き通っていますから、遜色なく、ピリッとしていると、抜け感無しと感じます。けど、おそらくこのパターンの基本は、金無垢の蝶番な気がしますので抜け感として、書き留めておきます。

鼈甲と言えども様々で、透かしてよーーーく見てみると、柄が途切れていたり、連続かつ滑らかではない部分があったりするもんです。パーツを少しずつ切り出して、最後に圧着させて1本を作りますし。

柄が続いているので、大きい部分から贅沢に切りだしていそうです。バラフとトロ甲の作り方が違うのかもしれません。それは、これを観察することで初めて認識しました。

調光のブラウンのレンズを入れました。迷った挙句、プラの調光です。まだどっかのメーカーで、ガラス調光の度付き出来るはずなんですけど、やっぱり枠入れが怖くてやめました。

鼻パッド無いんです。白甲で盛ると、いくらなんでしょうね。怖いです。

ただし、素材の持ち味を加味して考えることが大事です。鼈甲は、クスんでくるのを磨きながら使っていき、光沢を維持するとか、柄が良く見えるようにとか、あれこれあって大体太いフレームが世に出回ります。しかも、プラスチックの1/3くらいの重さなので、テンプルを太くしても平気とか、接地面を広くすることで摩擦がより生まれるとか、美観もフィッティングもフレームの維持も考えて、恐らく太いです。太さにものすごく意味が詰まっています。

そして、使い込むと分かりますが、亀の成長とともに大きくなった甲羅の層が表面に浮き出てきますが、それがプラスチックには無い、強烈な摩擦を生みます。ですから、通常のプラやメタルのときのフィッティングで重視される、テンプルの鮮明な曲げ点が無くても、止まります。鼻パッド無しでかけてみましたが、鼻の部分にドシッと乗っていない、浮きかかって鼻をかすめる感じがします。1日使用しても、赤く鬱血することはありませんでした。

そういう時代だったということもあるんでしょうけど、ウェリントンが多いのも、何となくフィッティングをすると分かります。例えば現在であれば、ボストン型なら良いのになぁと、まず言われると、予想がつきます。蝶番の位置、つまりフロントの全幅を稼ごうと思うと、ウェリントンの方がデザインしやすいでしょうね。これも、ボクシングで48□22.5でフロント全幅が140ミリちょっとです。わりと全幅が稼げていますから、蝶番の開きも少なく済み、フレームが顔を包み込むようにフィッティングさせることが可能です。

銀にしてもSPMにしても、素材によって実現不可能なデザインや構造があって、それが興味をそそったり、逆にもどかしかったりします。そして、まさに「していい」と「許される」の違いなんですけど、特に許されるとして、何かでカバー出来るのか?というのは凄く考えるようになりました。

ちなみに、「していい」のときは、私はしないです。それをしなかった先人の選択を尊重します。きっと私よりも先に試したはずなので。そして、遺っていないことを重んじます。

鼈甲は、より素材がもたらすデザインの制約が多そうですね。制約が多いほど、デザインは難しく研ぎ澄まされるはずなので、面白いなと体感しながら、しばらく使ってみようと思っています。

ボンバイエ
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19.11.28

この前の、プレイボーイの相談まとめ本を読んでいるんですけど、アントニオ猪木さんにもプロレスにも心から唸ってしまいました。あぁなるほど、そういうことかと。

していいと、許される。その違い。いや、もうなんか、まさにそれですね。感動したなぁ。

土曜日の活動報告
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19.11.18

この前の土曜日は、ちゃんと東別院にも古書市にも行きました。東別院では、コップに合わせて皿だけを買いました。4月のときにコップを買いましたが色々あって、向こうが覚えているとか関係なしに、個人的にはそういうことは完遂するようにしていますから、しっかりと皿も買いました。自分はこんな感じで店をやっていますけど、自分の買い物は基本無言です。サッと買ってサッと去ります。

古書市では、特にメガネの資料も見当たら無かったので、面白そうなものを1冊だけ。帯が良かったので、多分面白いはず。

あと名古屋は、12月頭の吹上の骨董市ですね。一年早いです。

今週末
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19.11.12

そう言えば今週末は、東別院のアンティークマーケットですね。あとは、鶴舞の古書市です。

店を休むとかでは無くて、そのアナウンスでした。ちゃんと開ける予定です。

厳密の果て
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19.11.11

私の左眼の話です。左眼に、プリズムを入れるという話なんですけど、特注指定でプリズムを処方するのではなく、レンズの平行移動で、同等の作用を出すというを目指します。別にこれは、特別な話ではないですし、理論と精密に形にすることとのギャップが垣間見れるので書いておきます。

s-4.50 c-1.00 ax165というのが、私の度数です。左眼の。ざっくり、横は -4.50の近視、縦は-5.50の近視という感じです。それが正確には、15度ずつ傾いています。

それで、いつもはそこまで影響無いだろうとおもい、(1.00/4.50)*10=2.22㎜ 瞳孔よりも外側にレンズを平行移動して、プリズムを処方しています。そういうもんなんです。ですが、本当は15度傾いているので、本当にそれでいいのかなと、一回くらい計算してみました。

ほぼ、三角比の定義を当てはめるだけなので、特に難しいということではありません。作図で言えば、O’の位置が第2象限の方が正しかったですね。ごめんなさい。それに、いまは特注でプリズムをレンズに組み込む方が一般的なので、やらなくても良さそうな気がだんだんとしてきました。

結果は、177.6度方向に2.21㎜偏心でした。はぁ?という感じです。ちなみに、

cos(177.6度)=-0.99912283…

sin(177.6度)=0.041875653…

です。ざっくり、先ほどの177.6度方向に2.21㎜の移動を縦と横の移動に言い換えますと、

縦に0.093㎜移動し横に2.208㎜移動する、と表現出来ます。横だけではなく、縦にもおよそ0.1㎜の移動が要ることが分かりました。横の移動も連動して減っています。この0.1㎜は、どう捉えたらいいでしょうかね。

例えば加工、フレームと削り終わったレンズの関係に於ける0.1㎜は大事です。レンズの径の指定は0.05㎜単位で指定します。ですから、眼鏡屋にアルチザン風味を足すのであれば、技師が0.05㎜を見極めて、最適なサイズ感でレンズを入れていますと、そういう話になります。ブルバキも黎明期はそんなことを言っていたかもしれません。まあでも、実際の手順としてはボタン一つです。

光学的にはどうか?削る前のレンズに、加工の基準点を設ける際の0.1㎜です。割と、感覚にお任せになってしまいます。例えば、毎度お馴染みの私が3年半使っている銀無垢のメガネは、レンズ径が36㎜です。

こういうフレームに対しては、枠心という一手間があって、ちょっと特殊な下拵えでレンズの加工に入ります。その際に、下の器材を用いますが、そのピッチは1.0㎜です。半分の0.5㎜とか、その半分の0.25㎜までは実現出来そうですが、そこから先は、気分次第っぽいですよね。

なので結局、今回きっちり値を出してみましたが、まんまと厳密性が最後で崩れてしまいました。縦方向は無視出来るものとして、横方向にしても、2.22㎜の平行移動が本当は2.208㎜であるということなんですけど、もはや誤差な気がします。

昔、メガネは突き詰めるだけで成り立つから良いなぁみたいなことを言われて、はあそうですかと聞き流していたことがありました。今回はレンズの話だったんですけど、例えば検眼は、もっとエクストリームの連続です。メガネだって厳密さだけでは無いし、おそらく他も全部そうなんだと思いますけど、最後は思考では敵わないというのが現れて、ボカーンと崩れたときが一番面白いなと思います。

見てきました
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19.11.09

国立新美術館の、カルティエのあれ、見てきました。そういえば、95年に日本で初めて回顧展をやった時の図録も何故か頂いて持っています。両方店に置いておきます。

今週の木曜日に、前々からお伝えしていたVT(ビジョントレーニング)の話を聞いてきました。眼鏡店に絞った内容で、輻輳不全に限っています。

トレーニングのレベルが上がると、個人では手に入りにくい機材(価格ではなく、医療道具扱いで税関で没収)があるのですが、結構なレベルまで今の道具でこなせることと、そこまで到達出来ると、とりあえず実感は得られるとのことだったので、有志にはお伝えします。

まずは、いつも通り、自分で人体実験です。まだ3日目ですけど、どういう変化があったのかは、また店頭でお伝えします。

そういえば、今週のNHKのクロ現で、近視特集がやっていました。その辺も合わせて、何か疑問があれば、わかる範囲でこたえます。個人的には、近視も遠視も同等に持ち上げて、単純な眼が悪い=近視という等式を棄却することから始めないと、と思いましたけどね。言い換えれば、視力1.0以上ならば、無条件で眼が良いわけではない、という事なんですけど。

程度や、テレビでも言っていたいつ頃からか?とか、あれこれ複合して悪いかどうか判断します。失明とか認知症というワードで不安を誘うから、ねぇ。だったら遠視との関連も話した方が良くて、この前の+3.00を遠方処方した方もそうですが、50歳くらいまで視力1.5くらいあったんでしょうけど、65歳を過ぎてピント調節力が弱まってきて、“遠くも”近くも鮮明に見えない訳です。そして、どちらの不鮮明さにも負担がかかっています。近視であれば、例えばs-3.00であれば、手元33センチにピントが合っているので、新聞はぼちぼち鮮明に見えます。そのとき、ピント調節は要らず、寄り目だけが介入します。

眼軸が伸びるということは、身体が社会に沿わせようとしているという側面もあります。視力を出すことに躍起になりますと、結局、眼とレンズを合わせた系で遠視ということもあり得ますから、正しい眼というのは本当に難しい、なにか数値というもので固定できるようなものではないということだけが、何となく今になって分かってきたというのが自論です。

ちゃんと食べ切りました
雑記

19.10.30

ブルバキから距離は近いです。およそ1キロなので、歩いて行ける距離です。というのを先日知りましたので行ってみました。ダッカさんです。超有名です。

今年で40周年ということで、キーホルダー作っていました。それがめちゃくちゃかわいい。山盛り具合がちゃんと表現出来ています。そうそう、実物もハンバーグに傾斜がついていました。

ちゃんと噛み砕くと、40年って凄いですよね。自分のお店を40年続けるって、経過した、時の厚みが凄まじいですね。

神回でした
雑記

19.10.30

今月の100分de名著が、いまの言葉で表現するところの神回でした。テキストが殊更に良くて、10年ぶり位に『善の研究』にトライしてみようという気概が生まれました。今なら、もうちょい分かるところがあるんじゃないか、という予感がします。

この前の『はじめての言語ゲーム』も、5年〜10年ぶりに読んでみると分かるところが増えていて、それがどうってことも無いんですけど、それなりに自分も人生でちゃんと苦労しているな、よしよし、なんて思ったりします。その記述に似たような具体的な場面、記憶がフワッと蘇ってくる感じです。あの『はじめての言語ゲーム』に関しては、8章以降はてんでダメだったものが、10年経てば何となく「あぁ、アレか」みたいには分かったつもりです。第10章に、本居宣長の言語ゲームを持ってきた、そのこと自体にも深く感動するとは思わなかったですね。そうか!と。まえは、なぜ唐突に?くらいな所感でした。

この2〜3年の間に沢山読んできた小林秀雄は、なぜ本居やベルグソン推しなのか、それと柳宗悦との相似とか、色々考えました。それを、眼鏡で表現するには?それはあんまりこういう形式等々で言明しなくても良いことで、ブルバキである私の経営課題なんですけど、上手くいっているかどうかはイマイチ判明しないまま、そういえば移転して2年経ちました。おかげさまです。

私には上司がいないから、こうでもしないと軌道修正が出来ない、創業理念的な、出立のときの想いから外れていないかチェック出来ないので、こういう本を読んでみたりします。今日は久々に来客が緩やかなので、あ、間違えました、14時半現在で0人でした。忙しい期間のあとは、たまに店でも本を読んで、一人会議をしていたりします。実際の場や機会があれば、読んでいないかもしれませんね。

珍しくブログが1週間空きましたね
雑記

19.10.27

この一週間の記憶がございません。珍しく混みました。加工等々、ようやく終わりが見え始めました。

そういえば、nbook出てるみたいですね。夏に、キックオフミーティングという名の何かしらは呼ばれたんですけどね、受付だけして2分くらいで帰ったのがバレていたようです。そう言えば取材無いなあと思っていたら、もう出てますね、言われて気づきました。そうじゃなくても、5分くらいで帰ったんでしょうけどね。

確かあのパーティーの日は、テレビドラマのラジエーションハウスの最終回で、ダッシュで帰ればギリギリ本田翼さんの顔面がバーンとテレビで拝めると思い、天秤にかけて速攻で帰った思い出が仄かに残っています。

どちらにしても、いわゆるカルチャー無いんで載らなかったんでしょうけど、なんで呼ばれたんでしょうね。これからもこっそり頑張ります。

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