大きい丸
ヴィンテージのメガネ

18.06.12

フロント幅、およそ160ミリです。男の側頭幅と同じ位ですから、掛けると顔からはみ出すくらいに感じます。レストアと、カラーレンズの枠入れです。

トップの写真が分かりにくいですが、テンプルデザインに惚れぼれします。三角形の尖った方が外に向くようにデザインされています。フロントに向けて、膨らみを持たせてから、最後蝶番で窄ませて、緩急をつけています。生地のとろんとした柄と、このしなやかなカーブが合わさって非常に美しいです。フロントも、ただ丸く切り出した訳ではなく、カッティングが入っています。

作りは本気です。デザイン的に、この大きさのメガネは本気のオシャレメガネだったのかと言われますと悩むところですが、資料からは、どうやら本気っぽいことが伺えます。

もはや、しゃれおつメガネ店であれば大体所持しているであろう、邦訳「ファッションメガネ図鑑」より引用です。

60年代の説明のときに、ジャクリーン・ケネディ・オナシスの写真が使われています。また、このような大きくて丸いメガネを“Jackie O’-style”と表現しており、類似したフレームがあったことを示唆しております。(原題 FASHION SPECTACLES SPECTACULAR FASHION p.121)

写真奥の、ニコル・アルファンも相当カッコいいです。二人の髪型から服からアクセサリー含めて、衝撃的なかっこよさです。

実際、今回のフレームも、写真とテンプル部分で比較をすると、デザインが違います。写真の方は、緩急のない真っ直ぐなテンプルです。フロントデザインは相当近いと思われます。

今回これを仕入れしたのは、オブジェとして良いなという考えも半分くらいあります。ただ、この写真がずっと頭に残っていまして、極めて個人的な、カッコいい女性像というものがここにあるものですから、誰か本気で使ってくれないかなと、それも思っています。

蝶番直し
ヴィンテージのメガネ

18.06.11

フロントと、蝶番の合わせが合ってない謎のフレームのレストアです。コマがあっていますし、生地の模様やグラデーション具合も同一ですから、仕掛かり品だったのかもしれません。

初期段階です。

フロントの蝶番部分の幅が広すぎます。上1.5ミリ、下2.5ミリくらいはみ出ています。流石にここまで削って、合口を整えるのは初めてですから緊張しました。台無しになる可能性もあります。

まずは、電動カッターで荒削りです。チェーンソーアートみたいに、刃先をかすらせています。

電動の砂消しで整えます。この時点で綺麗になってきました。

番手を三つ変えて、紙ヤスリでひたすら水研ぎです。何とか上手くいきました。

バフも、番手を二つに分けて施しました。とりあえず、販売出来る状態にはなりました。

60年代ごろの作りをしていますが、この手のレンズシェイプでは珍しく、サイズが46ミリです。FPDは68ミリです。トップの画像のように、濃いめのカラーを入れても、掛けたときに窮屈に見えないです。良いフレームだなと感じましたので、時間をかけて修繕してみました。

在庫分の直し
ヴィンテージのメガネ

18.06.11

ゴールデンウィーク以来、ようやく暇です。伝票も片付いたので、在庫分のレストアをぼちぼちしていきます。

レストアしていないからか、どなたも反応して下さらなかったですが、レストア前の群で、個人的な一番は、この六角形のセルフレームです。デザインは、AOの70年代のサングラスっぽいです。見た目はインパクトありますが、掛けるとどうってことはないです。

メガネ人生初の、イスラエル製です。メーカー名だと思いますが、PYRAMID の刻印があります。

(外務省HPより)

閲覧用
雑記

18.06.10

最近、古本ソムリエが出入りして下さっています。木曜の定休も、結局店で加工等々をほとんどしておりまして、大須や鶴舞の古本屋に巡れていない状況ですから助かります。

それに、自分ではいつもは買わないゾーンを持ってきてくださっています。それでいて、私の好みから外れすぎない絶妙なポイントを持ってきてくださる、その匙加減がいい感じです。受動的に自我が拡張されるのが、一番心地よくて面白いですね。

ということで、閲覧用です。映画のポスターの図鑑が特に面白いです。お客さんとも話になりましたが、そもそも図鑑なら大体何でも面白いですね。そんな気がします。

時計の雑誌は、皆さんで見てください。最近、あらゆる角度から、あらゆる方面から私の時計欲が刺激されて困っています。

枠入れ完了
ヴィンテージのメガネ

18.06.10

ローデンのリチャードです。ようやく枠入れ完了しました。レンズは、ニコンのシーマックスです。古のフレームに、最新のレンズを詰め込みました。しびれます。

加工に相当時間がかかりました。サーモントであれば大体そうなんですが、どうやらリチャードは、一層眉部分とレンズが干渉しやすいです。そしてこの年代の特徴でありますが、フレームカーブはキツめです。よって現行の非球面レンズには合わないので、フレームカーブを落としつつ、レンズは薬研調整で折衷案を狙います。眉パーツの生地は縮んでいますから、ネジを外すとネジ穴同士がズレます。ドリルで穴を広げて無理なくフレームに止めます。

ぼちぼち大変なんですけど、今日は手が空いていましたので、その場で加工してお渡し出来ました。ニコンのプレカール加工がレンズに施されていなければ、もっと苦戦を強いられていたかもしれません。当時は、年配者だけが掛けていたというわけではなさそうなので、同様に縁が厚いマイナスレンズも入れていたはずです。もっと苦労していたのか、それとも加工の精度がそこまで出ていなかったので、細かくチェックしなくても良かったのか…。ちょっと謎でした。

とりあえず、上手く収まりました。やっぱりカッコいいです。

非売品
雑記

18.06.09

ヴィンテージの眼鏡屋も、メガネ業界の土台で商売させてもらっています。先人が培ってきたものがあって、その上に成り立っています。穢すことは許されないと考えております。

いい本が手に入りました。私もまだまだ勉強です。

店内閲覧可です。

1日で読破
雑記

18.06.09

NHKのドキュメンタリーで、ナイキの創業の話がやっていました。撮りためていたものの中にあり、いつの放送かは分かりません。放送のキッカケは昨年に出版された「シュードッグ」という本みたいです。ナイキの創業者が書いた自伝です。

放送が良かったので、本も読んでみました。ここ最近、本を読み切ることが少なかったですが、昨日の丸1日を使い切って読みきりました。暇ならひまで、伝票処理やら次のイギリスのリストを確認するやら、入荷分を綺麗にするやら、沢山やることがありますが、これは後回しに出来ない、退っ引きならないことだなと感じまして、あくまで仕事として読みました。言い訳です。

自分のちっさな人生と、偉大な人の人生を重ね合わせて考えること自体が畏れ多いことですので、何とも感想が言えません。ただ、まだまだこれからだなと、発奮しました。

レンズ変更
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.06.05

何度もしつこい、あのスターリングシルバーのメガネです。レンズの形を変えてみました。カラーは、ブラウンの25パーセントです。

レンズの形が変え放題と申しましたが、ブリッジ幅が16ミリでした。レンズの形や色、または瞳孔間距離等々を加味しますと、ある程度良さそうな形は制限されてきます。

今回は、私の瞳孔間距離65ミリに合うようにしました。これが、おおよそ日本人の男の平均的な値です。よってレンズサイズ49ミリにしてあります。ツーポイントは、ネジが視界に入って気になりやすいので、そもそも程よくレンズが大きい方が良いでしょうね。

初期の細長い、カッコいい感じも残したかったので、横に潰した八角形にしてみました。思った以上に良くなったと思います。

ロジウムのかかっていないK14のホワイトゴールドは、やや黄味がかっていますので、ブラウンのレンズと相性が良いですね。

無理やり、手持ちのCR-39で加工しました。最後の最後に気が緩み、レンズ縁が欠けていますが、本番はちゃんとします。

メガネ枠はローデンストック
修理とメンテ

18.06.05

リチャードの枠入れ中です。リチャードのデザインの良さは、ローデンストックというブランドや、リチャードの知名度を除いても伝わります。眉毛メガネの中でも、頭一つ飛び出てデザインが優れています。レンズのスッキリさと、眉パーツの立体感が決め手でしょうね。

逆に、おじいちゃん感を出したい場合は、リチャードでは無くても良いかもしれません。今回は、リチャードを知らなかった方にご購入していただきました。

カラーレンズ入れました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.06.05

スターリングシルバーのメガネ、在庫品です。サンプルです。銀無垢のフレームに、25%のグリーンレンズを入れました。想像以上に良いです。

流石に、お客さんで銀無垢で色を入れるという話は今のところ無いです。サングラスでは無い、掛けっぱなしで一日中いられるような濃さのレンズを入れるのは、銀無垢でも良いですね。

カラーレンズの場合は、濃茶でセル巻きさせると一層良いかもしれないですね。

プレスの柄が入っています。今年は、銀無垢のラインが動くかどうか分からなくなってきましたし、手彫りの彫金が煌きすぎて、身に付けるとなると派手という認識で嫌がられる傾向にあるので、違いを比較出来るように仕入れました。プレスだと、大分落ち着いた感じです。

個人的な考えですが、これくらいの物になりますと、いつまでもファッションの中で違和感であって欲しいとは考えています。ファッションとして、現段階でドンピシャではまっていれば、いつかは廃れますから。なので私は、ビッカビカに煌めいたほうが好きです。美しいことは、やり過ぎればアンファッションとして認知されますし、その美しさとファッション性が離れるポイントが、一番楽しい気がしてきました。

あとはそうですね、心地よい音楽を聴く、素晴らしい絵を見る、雄大な景色を眺める等々、美しいなあと感じるタイミングは多々ありますが、その感情と直結させたいというのもあります。

つまり、身に付ける物はカッコよさという尺度を用いて、その他諸々は美しさを尺度にするという分離を、極力美しさという尺度で統合したいという、突き詰めたところで特に何も無さそうなことを気にかけています。

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