イギリスから
ヴィンテージのメガネ

18.02.04

イギリスからメガネが届きました。20本ほどです。写真のようなテレビジョンカットの施してある、レンズが内側に窪んだフレームがぼちぼち含まれております。おそらく、デザインから察するに60年代ごろでしょう。久々に、この辺りの年代のメガネを見ました。サングラスにすると、やっぱりカッコいいです。人類が宇宙を目指していた時代です。

イギリスで活動されていらっしゃる、日本の方から譲って頂きました。メガネのデザインをされているそうです。現在のメガネの為に活躍されている方の力にもなりますから、私としては販売にも力が入ります。

 

ツァイス
ヴィンテージのメガネ

18.02.04

ヴィンテージ、ツァイスのメガネ。サングラスで検討された方がいらっしゃったので、イメージしやすいように色のレンズを入れております。

横も良い感じです。ツァイスのロゴが入っています。これくらいのさり気なく同化している場合だと、自然に掛けられそうです。

 

入荷
ヴィンテージのメガネ

18.02.03

100本くらい入れました。今からぼちぼち直していきます。

先日のドイツ分、あとはもう一発この後に海外から入ります。取り敢えずこの入荷たちで、すってんてんになりました。

ようやく着手
雑記

18.01.30

頂きもの。

『眼の哲学 利休伝ノート 青山二郎 講談社文芸文庫 1994』

まだ100ページ満たないくらいでこれを書いています。左の本は、柳宗悦の本です。この二人が仲違いした理由みたいなものを掴みたくて引っ張り出しました。そこをクリアにすることで、美術と工藝の争点が見えそうですし、今の民藝を讃える風潮の何が良くて何が弊害か見える気がして、調べていました。そもそもの出発点が違う感じも受けますし、美への接し方も違っておりますね。そうです、今日こそ本当に暇です。

それよりも面白く感じたのは、青山二郎の「眼」に関するこんな箇所です。

「(p.14)…思想から芸事に至るまで、結局銘々の流儀の源泉から産まれないで、何処から本物が生まれるでしょう。ところが…銘々の眼玉が銘々の流儀に従属して物ごとを見ている事は、いい意味にしろ悪い意味にしろ、余り気付かれていません。殊に現今に於いて然りです。誰でも銘々の眼玉で確と物ごとを見ている筈です。それなら眼玉で見た物を、何故眼玉で受止められないのでしょう。…」

この文章だけですと、「…???」という感じでした。難解です。ですが、違う作者の違う本での主張と、そこそこ同一視できるのではないかと感じております。それは、

『君たちはどう生きるか 吉野源三郎 岩波文庫 1982」

です。これも長いですが、一節を引用します。

「(p.53)…だから、こういう事についてまず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。君が何かしみじみと感じたり、心の底から思ったりしたことを、少しもゴマ化してはいけない。そして、どういう場合に、どういう事について、どんな感じを受けたか、それをよく考えて見るのだ。そうすると、ある時、ある所で、君が感銘を受けたという、繰りかえすことのない、ただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかって来る。それが、本当の君の思想というものだ。…」

マンガ化されて、有名みたいですね。マンガの方は読んでおらず、何処を一番大事にして描かれているのか知りません。それを無視して私が好きな箇所であり、真髄だと勝手に思っているのは先の引用した部分です。人生の要所要所で必ず読んでいます。かれこれ6年位の付き合いです。

本当に良いと感じたときの‘本当さ’と言いますか、自分だけしか介在していない純粋さみたいなものは存在するのでしょうか?青山二郎の言葉を借りれば、「眼玉で受け止める」でしょうか。おそらく、そこまで純化したものは無いと思います。だとすれば、どこまで自分以外の要素を排除して感じることが出来るのでしょう。

眼鏡でそれを突き詰めようとすると、ヴィンテージの方が探求しやすいと思います。私が初めに感じた、ヴィンテージ眼鏡の良さはそこでした。とにかくデザインは驚きの連発でした。オシャレに見られる為には、この雰囲気のこの形状の眼鏡でなくてはならない、という無意識の作用から解放されて、メガネが一層楽しく感じるようになったのも、ヴィンテージに出会ってからだと思います。

メガネの良さは、それぞれにあって私個人が決めることでは無いですし、そもそもお金が発生しているので、私の考えとは切り離されて最後は渡っていくべきです。とは言いつつ、たまにあの時の私と同じような感覚で、驚きと楽しさを混在させながら眼鏡を買っていただけると、物凄く達成感を得ます。

ヴィンテージのメガネの取り扱い範囲に関して、ニッチ過ぎたり同業他社と交わらない範囲の物が多々なのは、私が天邪鬼であることもそうです。経営の観点から、ブルーオーシャンの様相だからというのもそうだと思います。でもやっぱり一番は、出会ったことのない物を見たときの感動から出発して、それを身につけることの楽しさを体験して欲しいからですね。

良い本です。読み終えていませんが良い本です。おかげさまで久々に、初めのときの考えを、明確に思い出せました。

臨時休業日のご案内
営業案内

18.01.29

先に告知します。また間際にブログでは喚起いたします。

メガネ関係で1月31日から2月2日(水曜日から金曜日)は、店は休みにします。

2月14日(水)もメガネ関係で店は休みです。良いメガネの為に活動してきます。ご容赦ください。

2月25日(日)は、数学の話を聞きに行きます。お昼から3時間くらいあるので、お店は休みます。ご連絡頂いたら夕方から開けます。これはごめんなさい、正月休みがほぼ無かったので、自分へのご褒美タイムです。

日本向け
修理とメンテ

18.01.29

かなり暇です。年末ぶりくらいに、お客さん0の予感がしております。ということで、割と時間の要する作業に徹しています。

先日のドイツ入荷分、ヴィンテージメガネの鼻盛りをしております。オリジナルパーツ云々あると思いますが、掛けられなかったら意味がないですし、初めから日本人には難しいと分かっていて、そのままの状態で販売するのも気が引けます。試着の段階で、掛け心地と掛けた位置がちゃんとしているとイメージがしやすいので、時間が割ければ修正をしております。

そもそも日本向けに、あらかじめフレームに鼻盛り加工がしてあって、品番の最後に‘J’が付いたりすることもあります。そういった事情もあって、あんまり鼻の部分をオリジナルで保つことに価値を感じていないのかもしれません。

 

まずは、写真の二本から。先日ご紹介したペルソールも含まれております。

取り付け方で非常に迷いましたが、手間がかかる斜めに取り付けました。鼻パッドを斜面に合わせて削りました。頂間距離(レンズと目玉の距離)が出すぎると、折角のゴーグル感が無くなってカッコ悪いですし、鼻幅も狭まり切らないです。時間は要しますが、レスカのときと同様に取り付けました。

続きまして、ドイツのフレームです。鼻幅が24ミリです。瞳孔間距離が68ミリ前後の方(男性平均よりちょっと開き気味)には良いと思いますが、そうしますと日本人は鼻幅が余ります。よって、これも在庫分ながら鼻盛りです。

このフレームは、USS(米軍支給品のメガネ)に形が似ております。それも好きなのですが、さらにこいつは生地の色が綺麗で野暮ったくなり過ぎないので採用しました。他所の店の商品を載せる訳にはいかないので、気になればUSSで検索してみて下さい。

 

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

18.01.27

一年ぶりの再会です。豊橋時代に販売したメガネです。色々あって、その時は珍しくレンズ無しの伊達メガネで販売しました。基本は、度無しでも型崩れ防止でプラスチックレンズを入れてお渡しします。

くすみの除去と、鼻盛り、あとはブラウン50%のレンズを入れてサングラスで仕上げました。もちろん裏面マルチです。

このフレームは、自分が欲しかったのでよく覚えています。セルの柄が美しいです。茶色ではなく、カーキの様な色味です。柄の入り方は鼈甲風ではなく、ストライプっぽい柄の入り方です。それが、野暮ったくなりがちな大きめの四角のフレームを、スッキリとかっこ良くしているのでしょう。

また、フロントからテンプルにかけての角の落とし方が綺麗です。ゴツさを中和しています。

今見ても、相当ぐらっと来ます。いいフレームでした。

今回は、デモレンズの傷が入ってきて使い辛くなったカザールのレンズ入れ替えも行いました。変色してきたシリコンパッドも交換しています。

この振り幅があってメガネを楽しんでいらっしゃる、そういう方に渡って良かったなと思いますし、それのおかげで自分の欲求は抑えられています。行くべきところに行くという感じです。

周辺
雑記

18.01.27

大体、ヴィンテージのメガネですと70年代〜90年代の範囲が当店でのメインです。その周辺の事情、例えば服とか車とか街並みとか髪型とかが気になります。

そして、自分で店を構えるようになってからは、やはり空間が気になるようになりました。

ということで、ヤマハの家具のカタログを買いました。閲覧用です。70年代です。ぼちぼち集め始めて什器で使っていますが、大正時代の物か、そのリプロです。この時代のモダンなやつもいいですね。

家具そのものも良いなぁと思いますが、雑貨の合わせ方や、絵画の飾り方もグッときます。中でも一番共感したのは、照明の合わせ方です。

チテックス再び
メガネのはなし

18.01.23

チテックスネタです。他のヴィンテージ眼鏡界隈では相手にもされないフレームです。

前も書きましたが、Titex(チテックス)-BのFB880Tが、いま在庫であります。

ニコンブランドの元、フルチタンのフレームの開発が70年代末から進められました。81年にNikonブランドでTitex-Aの品名で販売されました。その時の品番がFB440Tです。引用した博士論文では、チテックスBはFB481Tで同時に販売されたと記載があり、在庫の880Tは、80年代の後期かなと考えていました。

ですが、今日手に入れた82年2月の宣伝用の新聞に拠れば、440Tと880Tが同時に並べられています。単純に、発売順に品番を振っていたというよりは、桁数に意味を持たせて管理していた形跡があります。在庫のチテックスが、初期型に限りなく近そうということが掴めるだけでも、かなり重要な資料と言えます。

OG風
ヴィンテージのメガネ

18.01.23

OG風という表現は、OGにもこのフレームにも失礼なんでしょうけど、それしか思いつかないのでお許しください。

スウェーデンのフレーム。個人的には、今回の中で一番かもしれません。久々にメガネで衝撃が走りました。物としてカッコ良く、似合うかどうか分からんですが、関係なしに掛けたくさせるデザインでした。サイズは48◻︎16-145で、テンプルに刻印が無ければ、60年代のOGで通りそうな雰囲気が出ています。

面の取り方、ボリュームの緩急のつけ方が綺麗です。特に智の部分が綺麗です。

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