ツーブリッジについて
メガネのはなし

17.05.08

ツーブリッジのメガネについて。2016年の終わりくらいから、反応があります。特に20代の男女です。2017年になってからは、実際にかけている人も見かけるようになりました。豊橋でも見かけます。少数ですけどね。

メガネに関わらず、ファッションでもなんでもそうですが、ちょっとダサいくらいが丁度良いと言われる機会が増えました。別の表現では「カッコよすぎる」「オシャレすぎる」でしょう。

その、ちょっとダサいくらいが今の時代は「カッコいい」ということなんでしょう。そこでなんとなく気になるのは、良いと判断する行為が、責任を請け負わずに出来てしまうことでしょうか。

言い換えます。ダサカッコいいを選択しておけば、他人にオシャレと言われればそれなりに嬉しいと感じられます。ダサいと言われれば、ダサいのを選んでいるからしょうがないと自分に言い訳出来ます。全てを引き受けず、物の所為に出来てしまいます。

折角お金を使う訳ですから、ダサいと言われるとショックが大きいですが、これがカッコいいと思ったという宣言の元に、手にされるといいかなと思います。良いと他者から認められた時の嬉しさが違います。

ゴールデンウィーク、みなさまにはお越し頂きありがとうございました。今日は落ち着いておりますので、ツーブリッジのメガネを見ながら、そんなことを考えておりました。70年代くらいのツーブリッジが良いですね。ツーブリッジも、ただブリッジが2本あれば良いって訳にはいきません、カッコいいのをご用意してお待ちしております。

余談
雑記

17.05.06

ヴェンナーラインの、ちょっと高級なシリーズなんでしょうね。他にも、「ROYAL」の印刷があるヴェンナーラインのメガネを見たことがあります。

実は、店名の候補にありました「ローヤル」。結局やめましたが。他には「デラックス」とか。

70年〜80年にかけて、どんな商品でも高級ラインとなると大体ローヤルとかデラックスとかつきますよね。あの響きが好きで、最後の最後まで悩みましたが、店名とするのはやめました。最近は聞きませんね。ローヤルゼリーぐらいでしょうか。

高岡の喫茶店も、ローヤルボンボンの看板が残っております。ボンボンのメニューにも、「プリンローヤル」があって、現在もローヤルというワードが生き残っております。高級過ぎない感じが丁度いいんですよね。

未だ、ローヤルという響きには反応してしまいます。ちなみに、プリンローヤルは、プリンアラモード的なやつです。確かにローヤルなので、一度食べて見てください。

最近の一押し
ヴィンテージのメガネ

17.05.06

ヴェンナーラインのオプチルフレームです。ヴェンナーラインは、後々カレラ社に名前が変わってしまいます。

60年後半から70年代にかけてのオプチル素材のフレームは、基本見つけたらコレクションしております。アセテートやセルロイドには無い、圧倒的な透明感と、インジェクションだからこそ出来る迫力のある造形がたまりません。特に、銀無垢等々でベーシックな物を揃えてしまいますと、どうしても反動で金属では絶対形成出来ないメガネに惹かれてしまいます。

大体オプチルフレームですと、その年代的にも、人類が宇宙を目指していた時代ですから曲線を使ったデザインが多いです。これは私が見てきた中では珍しく、直線的なカザールみたいな厳つさがあって、特に惹かれております。久々に心拍数が上がりました。

そろそろ、アイビーテイストの収まりの良いメガネではない新しい表現があっても良いかなと思っております。

眼鏡すごいぜ!
雑記

17.05.06

香川照之さんの、昆虫すごいぜ!を拝見しました。1限目は見ておらず、この前が初めてでした。今日の深夜に再放送があります。

香川照之さんが凄すぎて、感動しました。自分を滑稽に見せるくらいに、圧倒的な熱量で昆虫の世界の素晴らしさを伝えていました。私には、もはや面白おかしく見えなかったです。すごかったです。勉強になりました。

入荷しております
ヴィンテージのメガネ

17.05.05

ゴールデンウィークもそろそろ終わりそうですが、入荷しております。ようやくレストア出来ましたので、今からある程度並べます。デッドストックでも、まずはクリーニングと型直しが必須ですね。そこから必要であれば諸々の直しなので、並べるまでには割と時間をかけております。

ドイツの70年代が中心です。カチッとしたフレームだけでは無くて、写真のような可愛らしい、サングラスにオススメなメガネも入りました。お待ちしております。

愛知観光案内
雑記

17.05.01

ゴールデンウィーク明け、今年は13と14日といえば、愛知県ではおなじみになりつつある、森道市場があります。

ですが、私が推したいのは

「栄ミナミ音楽祭2017」

というイベントです。矢場公園を中心に、同じく13日と14日に行われます。これも毎年おなじみで、ゴールデンウィーク明けに行われています。そろそろ10年目かもしれません。

仕事を変えてからは行けていませんが、それまでは毎年行っていました。会場は沢山あるのですが、私は矢場公園の一択です。ロフトの前の公園です。昼から、コーヒーとか色々買って、ステージから流れる歌をぼんやり聞くのが毎年の楽しみでした。

しかも、今年も嘉門達夫さんが出ます。嘉門達夫→奥華子→バンバンバザールなので、個人的には相当ストライクです。バンバンバザールさんは日曜日の16時半スタートというのが、これもまた音楽祭では恒例となっています。エビフライの歌と、ハイエースの歌が最高です。いい曲ばかりですし、トークが面白いです。

その時期ですと、日中は半袖でもちょっと暑いくらいです。その年の最初の日焼けをしながら、心地よい音楽を聞いていると、どんどん日がオレンジになってきます。生い茂った木々の緑を眺めつつ、日中の暑さを労わるような夕暮れ時の涼しい風を受けながら音楽を聞いていますと、なんだかよい気分になれます。

ベンチがありますし、近所のおじいちゃんとか小さい子連れの家族とか年齢層が高めですし、落ち着いて聞けるのも良いですよ。豊橋や三河方面にも来て欲しいですが、今回は名古屋の味方をしてみました。

素材について
メガネのはなし

17.04.27

アセテートかセルロイドかみたいな話があります。ちょっとメガネに興味を持ってくださった方なら、なんとなく聞いたことがあると思います。プラチック方面は懐古的だなと思っていましたら、メタルもそんな感じになってきました。

このブログでも書いているサンプラチナ(SPM)素材のメガネが、現行でも見かけるようになりました。チタンかサンプラチナか?という話が出始めそうです。

古い素材だから良いとか、なんだかなぁと思います。ヴィンテージのメガネ屋ですが、古いから自動的に良いとは判断しません。業界の努力・進歩は、元々の素材の欠点を補う・超えるために向けられています。チタンのフレームが、81年に日本で初めて生まれるまでをまとめた博士論文が手元にありますが、今でこそチタンが普及したというだけであって、簡単に作ることができるという訳ではないです。

あれこれ申し上げましたが、なんだかんだサンプラチナは良い素材ですよ。当店で扱っているメガネだけでは無く、色々なメガネを見比べて見ると面白いと思います。ただし、金属を鍛え上げ、メッキをせず、鳥肌が立つくらい透き通るような仕上げを施し、この素材ならではの良さを最大限に引き出しているメガネは少ないとは思います。

決定を下す際のルール
雑記

17.04.27

昨日の通過儀礼から引き続き。あれからあの映画館が気になり、 ネットで調べてみました。そうしましたら、映画館を続ける熱のこもったインタビュー記事にあたりました。それに、やはり隣の喫茶店は同じ経営であり、映画を見たもののみが利用できるという内容でした。

若干の後悔です。あのとき、駐車場でたじろいだときに、ネットで調べて入ることも出来たわけですが、それはしませんでした。しませんでしたと言うよりも、しないことが自分ルールになっています。

突然出会った衝撃を、そのまま受け止める為です。調べてしまうと、その感動がちょっと薄れてしまうんです。今の時代は、調べれば大抵何かしら引っかかります。誰かが先に見つけています。常連さんがいます。だからこそ、いま、何も知らなかった自分が見つけてしまった、さあどうする?という状態で判断を下したいなと思うわけです。

事前に調べてプラスのイメージを持つことは良いことですが、不意打ち感は薄れます。自分の物差しだけで、一切を排除して未知のものを測るということが出来なくなってしまったわけです。知ってしまうと、確認作業になってしまう部分がどうしても出てしまいますから。

そうは言っても、知った上で実際に体感することは大事です。このブログ自体が、まだブルバキに来ていただいていない方にとっては衝撃を薄れさせる作用を及ぼす事を鑑みますと、矛盾しているなとも思えてきました。

特注改造品
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.04.26

載せたかどうか忘れましたので、載せます。

SPMの特注品です。ボストン型。通常、一山の鼻パッドなしのタイプですが無理矢理頼んで改造して頂きました。感謝です。これで、女性もかけやすくなったのではないでしょうか?

ただ単純にグースネックを取り付けるというわけにもいかず、一旦ブリッジを外し、ブリッジの足を短く切断し、取り付け位置を通常よりも高めにしております。掛けた時のバランスをとってあります。写真の通り通常の品と比べますと、位置の変更具合が分かりやすいです。

あとは、ご覧の通りセル巻きを施しました。本物のセル巻きです。七宝塗装ではありません。セル生地をリムに合わせて切り出したのち、隙間なく巻きつけております。今これが出来る方は、一人しかいらっしゃらないようです。一本でも多く世に出したいですし、セルが巻いてあった方が見た目が柔らかく、掛けやすいのかなと思って施しました。

ただ細く長方形に切り出して貼るのではなくて、出っ張り部分を切り抜き、隙間なく巻いています。

素材の良さ、技の良さとか、鍛えられた金属の透き通るような美しさは画像では伝わりづらいかもしれません。ぜひ、実物をみて頂きたいなと思います。

今は、クラシックな雰囲気のメガネが流行っているので、何を掛けても、それっぽければカッコいいのかもしれません。ただ、あと2・3年なのか分かりませんが、例えクラシックなメガネのブームが去っても、それでも尚カッコいいというのは、こういう圧倒される美しさを秘めたメガネではないかと思います。そして、20年くらい経って再び同じようなブームが来たときに、このメガネを掛け続けていれば、それこそ最高にカッコいいでしょうね。

通過儀礼
雑記

17.04.26

昨日の休みは、春日井にいました。熊谷守一さんの展示を見に行きました。年始の岐阜のやつは見られなかったのでリベンジです。愛知県美術館の収蔵品ですし、見たことがあるやつもあったかもしれませんが、一挙に30枚くらいでしょうか、まとめて見られたのは良かったです。見ると心が空っぽになり、次第にポカポカ満たされるような、そんな絵です。ぜひ。

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ところで、この写真ですが、熊谷守一さんの絵とは関係ないです。文化センターの道中にて。名古屋のシネマテーク的なものを期待したら、完全にピンクでした。隣には渋い喫茶店があり、佇まいが良かったです。自分の実家周辺は、もう10年以上前に無くなっています。まだ営業しているところがあるのですね。

映画館でピンクを見るということをしたことが無いです。むしろ、今の時代は私と同じ20代だと、見たことがある人の方が少数派でしょうね。あと10年したら出来ないかもしれない大人の経験として、劇場で見ておこうと思って目の前まで行ったのですが、思いの外駐車場も満杯で、独特のオーラにビビってしまい、入らずに引き返してしまいました。チキンハートです。おそらく、今みたいにデジタルが発達していない時代は、連れ立って映画を見て、喫茶店でワイワイ感想を言い合いながら興奮を冷ますという青春があったのだろうなと妄想しつつ、断念しました。

 

通過儀礼という言葉があります。大人になる為のステップです。今回のケースに限らずそういうことに疎く、乏しくなってしまったなと思うわけです。そういう風になってしまった世代の私が感じるわけですから、その通りだと思います。ステップを超えた喜びを、誰とも共感しないまま何となく大人になった感じを、何となくイメージとして保持しているのでしょうね。

私は、メガネ屋として物を販売していますから、同じ20代までの方に感じるのは「ブランド品を買わない、一回も買ったことが無い」ということですね。買わないというステータスが産まれています。ここで指すブランド品とは、LVとか誰もが知っている感じの、名古屋的に表現すればミッドランドスクエアの1階に入っているブランドとかです。

その周辺のブランドを買いますと、遂に買ったったぞ的な、妙な達成感がありませんでしたか?買ったことがある方なら、ぼんやりでも分かるはずです。やはりあれも、通過儀礼のようなイベントとして大事だったんだと思います。

ひょっとしたら、そのような行為・物は、現代的にはカッコ良く無いのかもしれません。けれども、他者に委ねられ数値化されたカッコいい悪いに晒す前に、自分の達成感の有無みたいな心の問題があると思うんです。それを大事にしてみても良いかと思うんです。例え同世代にバカにされても、年長者には認めてもらえるのでは無いでしょうか。世代を越えて話をすることのきっかけにもなります。それから波及して色々教えてもらいました。私はそうだった、というだけの話かもしれません。

ブランド品もそう、男だと高級時計もそうかもしれません。あとはスポーツカーもそんな感じでしょう。スポーツカーという言葉は、まだ死語にはなっていないですよね??遂に買ったったぞ的な物も侮れないと、そんなことを、この看板から思い出させてくれました。

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