入荷しております
ヴィンテージのメガネ

17.03.04

ドイツのヴィンテージメガネが入荷しました。写真は、マルヴィッツのサーモントフレームです。

サーモントやブローのレストアは、中々大変です。眉部分を外しての磨きとなります。また、眉の生地が縮むので、一旦ネジを外して分解した際に、フロントのネジ穴の位置と眉の部分にある穴の位置が合わなくなります。ですから、多くの場合は、眉の方の穴をドリルで広げて、ネジが通るようにします。1本あたり、1時間くらいはなんだかんだメンテで時間かかります。

写真は、眉を外した画像です。透けて見えることを考慮して、智の部分にプレスで彫金入っています。凝ってますね。また70年代ドイツフレームあるあるの、ノミネジです。レンズを止めるネジが外れないように、横からノミネジと呼ばれる小さいネジを通しております。凄いです。

知れば知るほど、ガッカリするポイントがないと言いますか、むしろメガネの深みにハマりそうになる、良いメガネですね。

臨時休業
営業案内

17.03.01

明日、3月2日(木)は休業します。また、眼の勉強をしてきます。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

物を販売すること
雑記

17.02.25

小林秀雄対話集 「直観を磨くもの」新潮文庫 p.530

あとがきが、これまたとてもなじみの良い文章でした。じんわりきます。

物を販売していますと、日々葛藤が生じるわけです。特にこういう時勢ですから、美しいとか面白い物は中々見てもらえません。求められるのは、ほどほどな、力の抜けたカッコよさでしょう。

そういったときに、果たしてこの自分が美しいと感じたメガネは、一体美しいのか美しく無いのか、そもそも美しさとは?みたいな思考が頭をもたげてしまいます。

ですが、この本を読んでいて励まされました。

「美しい花があって、花の美しさはない」

では、美しさとは?となりますが、この本では常識が感ずるものということでしょう。観念的で、それ以上どうにも掘れずに堂々巡りになるものは、それ以上掘るなとも捉えられます。(p.453 「常識」人間誰にも生まれつき備わり、そのうえさらに実社会で訓練された思慮分別の意。単に外部から習得される知識よりも、万人共通の直観力、判断力、理解力に重きをおいて小林秀雄は用いる。)

長くなりましたが、物でしか伝わらない要素があるということが、励みになりました。そしてその要素は、物から切り離すことが出来ないということにも。

言われてみれば、そうかもしれませんね。私の中にある観念的なアレコレは、全て外界の物を見て培われている気がしてきました。影響されやすいタイプです。

生地の縮みとフィッティングについて
修理とメンテ

17.02.25

アセテートでもセルロイドでも、時間とともに縮みが起こります。デッドストックでも縮みます。

シューティングの芯が金属素材なので、中だけが突き出した感じになってしまいます。

わかりにくいですが、0.3ミリくらい芯が飛び出しております。その為、開きが狭くなることがあります。

削り後です。横から見たときの隙間で比べるとわかりやすいです。

(下に見える白っぽい筋が隙間です。テーブルの銀が見えております。)

削る前、蝶番が閉じ切らずに隙間があります。

削り後。ピタッと蝶番の隙間が埋まりました。

上から比べると、開きの差がわかります。

日本人の平均からいって、開かないと試着すら出来ないな、という狭すぎるときはあらかじめ開きをします。

いずれにしましても、フィッティングの際は開きます。もちろん、熱でプラスチックを曲げるわけですが、それで開きが足りないときの話です。逆反りさせて掛けさせる方法もありますが、見栄えが良く無いので削って開いております。

フィッティングだけでも是非お越しください。ヴィンテージの60年代以前ですと、とりあえず開かないと、どうしようも無いでしょうね。レンズが小さいので、フロントで稼げる横幅が少ない為です。

単焦点レンズの新時代
目のことレンズのこと

17.02.24

恥ずかしながら今まで存じ上げず。2016年の夏に、伊藤光学さんから凄すぎるレンズが出ておりました。被写界深度が深いレンズです。カメラの世界でよく使われる用語でして、私もそこまで詳しくは無いのですが、ピントがあっている感じに見える範囲が広いです。世界初かと。それが三河発信というのが嬉しいですね。

書いてある疲れ云々もそうですが、それよりも動体視力が上がるという点に注目しております。

検討に検討を重ねて
目のことレンズのこと

17.02.22

各社出揃い始めました、420nmカットのレンズですが、やり始めようかなと感じております。ちょっと前は懐疑的でした。ブルーライトカットの第三世代のことについてです。

420nmについての考察ブログ

実際の仕上がりを体感してみて、度数を一個あげたくらいのコントラスト感度の高まり具合でした。それは言い換えますと、既存の度数から一個度数を落とせるのでは無いか?くらいのハッキリ見える実感でして、そんな実感から、やる方向で揺らいでおります。近視度数を落として、カラーでの疲労軽減が見込めれば、合わせ技でなかなかの疲労軽減になるのかなと感じました。

ブログで例として挙げたライフゲームのように、刺激的な波長の光を大幅にカットすることが、さらに言えば特定の波長に対し、ほぼゼロになるくらいカットすることが、果たして網膜に対して本当に良いことか云々…というのは、私の中でも答えは出ていませんし、何十年スパンで経過観測と比較検証しないと結果は出ないのでしょう。ただ、今回サンプルを試してみまして、目の弛緩する感覚の方が大事かなと思いました。直感です。あとは、50歳過ぎの私の師匠が、抜群に良いと感じていると推しておりますので。効果と実感は、年齢とも関係があるかもしれませんね。

可視光の領域をカットしております。そうしますと若干色味はでますが、薄いグレーの10%くらいの濃さなので、レンズに色を入れているのも分かりにくいかなと思います。オフィスもいけそうです。

2月末には開始です。また提案させて下さい。よろしくお願いいたします。

クラウンパント
ヴィンテージのメガネ

17.02.20

クラウンパントのメガネ。サングラス用にレンズが搭載されております。フランスの40年代ではなくて、80年代の日本のメガネです。メガネのデザインも、何周も回ってブラッシュアップされていくのでしょうね。日本の80年代には珍しく、レンズのサイズが46ミリです。フランスの元ネタからしたら十分大きなレンズサイズですが、サングラスにするならむしろ歓迎な大きさですね。

これが面白いのは、ギンガムチェックがプラスチック生地へのプリントではなくて、“布”生地がアセテートでサンドされることにより、チェックを表現しております。気泡が一切無いところに、技を感じます。技が奇抜に変換されているという面白さが良いです。

ヴィンテージ=60年代までという考えもあります。大量生産以前という考え方でしょう。ですが、80年代の物が売れたからこそ商品化出来た・されたメガネも面白いですし、アクが強いからこそ掛けこなしたらかっこいいと感じます。

語源
メガネのはなし

17.02.20

アモール型というメガネがあります。

(上はナイロール、下がアモール)

写真のメガネはヴィンテージですが、現代のメガネにおいても、2007年頃からの黒ぶちブームより続いているクラシック風味のメガネの新提案として出始めています。

クラシック風味の初期はアメリカの50年代〜60年代をデザインソースにしている感じでして、2010年入ってからの、メタルとセルのコンビのメガネは、当時のポパイ的な80年代のアイビーテイストを織り交ぜたような感じがしております。そろそろ、トラッドで抜け感のあるメガネが落ち着いてくるのか、アモールのようなフランス等々のヨーロッパ系の華やかなメガネに振れていくのか、楽しみなところです。

アモールに関してですと、2015年くらいにトムフォードが出していたような気がしております。2016年にはイッセイミヤケのライセンスが再興しておりまして、アモールだらけでした。

メガネの歴史としましては、アモールが先で1950年代から存在し、ナイロールが対抗する形で1955年に登場しております。実際にナイロールが流行るのには、1970年代のプラスチックレンズの登場を待たなくてはいけなかったようです。

前振りが長いですが、アモールの語源が今日ようやくわかり、それについて書きます。

フランス語の amortisseur から生まれた言葉だそうです。ショックアブソーバーという意味です。

日本では安全枠という呼称もありまして、レンズが割れにくい欠けにくいという機能面からの命名でした。アモールの由来にも沿った呼称ということでしょうね。

ちょっと前に話題となったアモーレ的な、その活用形かなんかと思っていましたが、アモールはアモーレ感ゼロという結果でした。

(Collectible EYEGLASSES Frederique Crestin-Billet Flammarion  p.187 2004年)

SPMメガネ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.02.18

レンズサイズ40と38があります。

サンプラチナ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.02.18

何型か、サンプラチナも不朽の定番としてやり続けることになりました。

巻きつるもあります。弦巻ける職人さんは、いまは1人とのことでしたのでやる事に決めました。

サンプラチナであれば硬いので、爪智(スパルタ智)でも、可動部の受け側が削れずにテンプルの開きが増えることも無いです。あとは、変色がなく透き通った銀色なので、手彫りを入れなくても美しいですね。

素材の違いもおもしろいので、銀と並行してやります。

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