3年ぶりに判明したこと
ヴィンテージのメガネ

17.04.07

アメリカかと思ったら、おそらくドイツだったというだけの話です。

先日販売した眼鏡です。個人のコレクションで持っていたものです。40◻︎20-125(レンズ横幅40ミリ、鼻幅20ミリ、テンプル長125ミリ)くらいしか無いので、相当小さいです。今のメガネのサイズに当てはめますと、小学生用のメガネと同じくらいのサイズ感でしょうね。

元々、古着屋さんにころがっていた物を直して所持していました。金張り(1/10 12KGF)で、金の状態はそこそこ良かったのですが、鼻パッドのアームの破損と、先セルの劣化があり、悩んだ末にまあまあの値段で買いました。3年以上前の話です。鼻パッドのアームは、現行のメッキのパーツをレーザー溶接で付けています。先セルも新品の透明に替えました。リムにもプレスで彫金が入った、綺麗なメガネです。

直してまで所持しようと思った理由としては様々あったわけですが、一番の理由はノミネジが搭載されていたことです。この雰囲気のメガネですと、スパルタ智が圧倒的に多いのですが、これは珍しく一個智でした。その一個智に、さらにノミネジ(レンズどめネジを横から止める役割の、非常に小さなネジ)が搭載されている物は、この雰囲気の物で見たことがなく、妙に惹かれたのを記憶しております。メガネのサイズは、自分の顔面ですと装用には小さすぎて、本当にただ持っているだけの3年でした。

(上はリムネジ。下はノミネジです。爪楊枝と比べると、相当小さいことが分かります。)

一個智にしてもノミネジにしても、工作機械の精度がいるようなパーツです。40年代ということは無いにしても、金張りの厚みとレンズサイズから60年代までの物だろうなと考えておりました。鼻パッドは、有色ですがベークライトでは無さそうというのも、判断の根拠にしております。

今日まで、金張りの記載形式などで、アメリカ物だろうなと思っていましたが、今日になってドイツと判明しました。ドイツであれば、ノミネジが搭載されているのも頷けます。

(このメガネのおかげで、ドイツと判明しました。)

お客さんのお持ち込みのメガネを、レストアしているときに偶然判明しました。店で各パーツを磨いていたのですが、鼻パッドの芯に打刻されているマークが、あのメガネの有色のパッドの裏についているマークと同じでした。真ん中が突き出したMのマークです。

結果、ドイツのマルヴィッツでした。これで自信を持ってお客さんにお渡し出来ますし、あれこれ勉強になったので良かったです。国とか年代の判断は中々難しいわけですが、ある程度の根拠の寄せ集めで判断を下す場合があります。

特注品のご紹介
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.04.06

SPMの特注品を2本作りました。

通常は、鼻パッドなしのプレーンなメガネでした。上がそれです。

ブリッジを外し、ブリッジ足を切断して高さ調整し、鼻パッドをとりつけて、仕上げに手巻きのセル巻き仕様にしてみました。手でセル巻きを作る方も、今は一人しかいらっしゃらないので、皆さまにご紹介したいなと思い、作ってみました。

特に、鼻パッドをつけましたので、女性にもオススメです。

営業案内
営業案内

17.04.05

本日4月5日(水)ですが、ちょっとだけ在廊が遅くなります。新商品レンズの説明会に行きます。13時頃には店舗に居られるようにします。

なお、アナログさんは通常通りの開店です。メガネも、通常通りご覧になれます。

以上、何卒ご容赦下さいませ。

100分で名著
雑記

17.04.03

NHKの番組「100分de名著」ですが、今日から三木清さんの人生論ノートが題材になります。ちょうど、読みたいなと考えていたところでしたので入門として、文庫本を買う前にテレビとNHKテキストを見ようと思っております。

テキストをちょっと読んでみましたが、20ページくらい読み進めた段階で、すでに実感を持って頷いてしまった箇所があります。以下に綴ります。

 

メガネでも服でもそうですが、オシャレになりたいとかカッコよくなりたいとか可愛くなりたいと思って買うと思います。メガネは、視力矯正の側面は一旦無視して、ファッションの面だけに注目します。

では、それらを買い、身につけることによってオシャレさ、カッコよさ、可愛さを手に入れたとします。それは自身にとって成功なのでしょうか?または幸福なのでしょうか?この問いは、必ずしも成功=幸福とはならない、ズレから生じています。

「あれなら自分にも出来る」と思えるのが成功であり、「各人においてオリジナルなもの」が幸福であると、テキストでは書かれています。色々な文脈をすっ飛ばして引用していますので、納得感が少ないかもしれませんね。テキストを本屋で見てみて下さい。

オリジナルということを自己満足と捉えるのか自己肯定感と捉えるのか、どちらでもいいことですが、特にオシャレという言葉の意味するところが、様々なお客さんとお話しする中で分かれている気はしていました。幸福を目指してオシャレするのか、成功を目指してオシャレするのか、という差異だった訳ですね。だとしますと、ブルバキは、、、お店で聞かれたらお答えします。

彫金の具合
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.04.01

銀無垢のオリジナルフレームです。使って半年ぐらいです。

たまに磨いておりますので、黒く燻された状態ではなくて、茶色の淡いくすみを保っています。

写真の質が良くなったので、手の彫金の具合もちょっと分かりやすくなったと思います。

レンズでの変化
ヴィンテージのメガネ

17.03.31

ヴィンテージのジバンシイのメガネに、ちょっと変わったレンズを入れてみました。上下をカットオフです。黒柳徹子さんのサングラスを見て、真似てみました。

例えば初めからデモレンズが入っており、機械でトレース出来れば楽です。今回は何も無いところからのオリジナルです。手作業で上下をカットオフします。結構大変です。

まずは、通常通りレンズを機械で作ります。

上下をカット。水平を出すのが難しいです。

マルジェラとカトラーのサングラス、確か “Wrong Size” というサングラスだったと思いますが、あれのようなもう少しクレイジーなレンズも挑戦してみようと思います。

商品画像
ヴィンテージのメガネ

17.03.31

写真が綺麗に載せられない原因が掴めました。直せたっぽいので、ぼちぼち商品も載せようと考えております。

個人的には
雑記

17.03.29

値札の話の続き。骨董的な言い値は不安を煽るので、ブルバキでは、そういう感じは排除しております。ちゃんと値は固定されています。

とは言いつつも、その世界はその世界なりに、面白かったりもしますけどね。昨日の骨董市での収穫品。相手の提示する値段が良いとこ突いてきますと急激に欲しくなります。あのドキドキ感がたまらんです。

ただし、私もメガネ以外の骨董は素人なので、上限金額を設けて楽しんでおります。ということはいずれにしましても、金額の呪縛から逃れて価値の判断をすることは不可能なのかもしれません。明らかにその上限を越えそうな物は、始めから排除して見ている可能性が高いですからね。

値札外しました
ヴィンテージのメガネ

17.03.29

私事ですが、この度値札を外すことになりました。結局、意地悪っぽくなりますが、そうではなくて外すことの理由はあります。自分で話してしまいますと、若干台無し感が出てしまいそうですが、やはりブログにてそれなりにご説明いたします。

値段が先に目に入ってしまいますと、その値段をもとに物を判断してしまいがちです。着けて、見て、触って、話して、さあ欲しくなりました、どうしましょう?という時に、値段の問題を考えて欲しいというのがあります。

そういう私も、開業してぼちぼちな財布事情でありまして、無意識的に買える範疇の金額の物しか見なくなってきているのは事実です。だからこそ、自分の店くらいは、一旦気にせず見られる、着けられる環境を用意しようと考えた末、外しました。

ただ、骨董的な言い値になってしまっては、皆さんに不安を与えてしまいます。かと言って、あまりにザックリな管理ではこちらの問題として不具合が出ますでしょうから、長らく悩んでいました。骨董と、通常の小売のフォーマットの中間を作るのに苦心しました。

ちゃんと、お客さんに尋ねられる前に固定した値をこちら側が持っており、商品と1対1対応させることが可能です。ですから、安心してお越しくださいませ。

 

ヴィンテージメガネの枠入れ
ヴィンテージのメガネ

17.03.24

お持ち込みフレーム。上は80年代、IVY LEAGERです。作りはイギリスのUKオプティカルです。アルガ(ALGHA)とかヒルトンクラシックと同じ製造メーカーの出所です。

下は、メーカー不明です。推定で20年代のアメリカです。

レンズを入れるだけでしたら、何処でも出来ると思います。ヴィンテージという響きだけで断られる可能性もありますが、削るだけでしたら、機械がトレースして機械が削るので、みんな出来ると思います。

ただ、時代や国ごとにフレームの癖があるので、綺麗に仕上げようと思うと、それなりの工夫が要ります。昨今は「出来る」という言葉のハードルが下がっていますので、削りさえ出来れば、「加工出来る」と言えるのですが、本来は綺麗に仕上がっているというのを「出来る」と、定めないといかんでしょうね。お金が発生していますからね。

下の20年代のフレームなんかは、右と左のレンズの大きさが違います。今の日本のフレームの場合は、誤差0.05ミリ以下でしょう。古いメガネはリムの精度が出ていないので大抵違います。0.1ミリ〜0.2ミリくらいですけどね。私のところ以外で枠入れしたメガネを見ますと、左右同じ大きさで削ってしまい、サイズが合わない方に溝セルを埋めて、サイズ調節しているのを見かけます。その処置も業界的にはミスでは無いですけどね。

あとは、円形のレンズの場合は、レンズが型崩れしていますので、直してから枠入れします。それか、綺麗な方をトレースして、左右反転させて枠入れします。

金無垢のメガネを作る人の話では、円が一番難しいと仰っておりました。誤魔化しがきかない為です。それを鑑みますと、20年代当時で、機械の精度もそんなに無いでしょうから、型崩れというよりも左右非対称で当たり前っぽいですが、一応、ぱっと見て分からないくらいには非対称性を直してレンズを入れます。

あとは、レンズの素材の違いで手で行う最終処理が変わってきます。そんなことをしながらレンズを入れております。

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