いつの時代も
メガネのはなし

16.12.02

暮らしの手帖 50号 1977年から

この頃から、メタルフレーム=いやらしいですか…。根深いですね。

ちょっと前ですが、私がメガネの基礎を教わった方がその時で64歳くらいでして、その方が20歳くらいの頃のメガネ事情を聞いたことがあります。70年代のメガネの様子ですね。その方の覚えでは、プラスチックばっかり作っていたと言っていました。特にオプチルはよく作ったよねと。

なので、今と事情は似ているのかもしれません。メタルのフレームが一般的には少ないので、珍しくみえるのでしょうかね。良いと思いますけどね。

 

明日は16時過ぎには閉めます
営業案内

16.12.01

すみません、勝手ながら明日12月2日(金)は16時過ぎにはお店を閉めます。アナログさんは通常通り営業しております。私が不在なだけです。

何卒、ご容赦のほどよろしくお願いいたします。

 

銀のメガネについて
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

16.12.01

久々に、銀のフレームのお話をじっくりする機会が1日のうちで複数回ありましたので、その周辺のことを書こうと思いました。

 

似合う似合わない、カッコいいカッコよく無い、カワイイかわいく無い、、ある程度、他者や社会との距離感を掴みながら判断を下すところから外れて、美しいと感じたそのままに着ける。常に身につけていたいというそれだけを感じている状態、それこそ各人の感性が剥き出しになっている瞬間でしょう。まず、それを体験して貰いたいなという思いがありました。

情報社会ということは、おおよそ色んなことが言語化されるということでありまして、つまりは理屈メインの世の中になっているということだと考えています。スイスイ物事が進むので、住みよいのでしょうし、今もその合理性を享受して生活しておりますので、それを悪とは申しません。ただ、ちょっとだけそこから外れてみるという豊かさの余地が、まだあるのではないでしょうか?むしろあって欲しいという願望が混ざっています。感性とか言葉に出来ない良さという余地です。むしろ、その豊かさの方が人生において強烈に作用するのだと感じています。

自分だけの実用性という尺度においては、コスパは悪いです。ただ、自分を越えて受け渡される物であればどうでしょうか。また実用性のみならず、上述のような心への作用やその連鎖がありますから、そこまでの悪では無いと思っております。圧倒されるほど美しければ、受け渡すという連鎖はきっと成されるでしょう。

物と一緒に色んな要素が伝われば、それがメガネを介して行われれば良いなという思いがあって、銀のメガネは用意しております。

木のフレームのお持ち込み
修理とメンテ

16.11.30

ウッドフレームのレンズ枠入れのご依頼。一回割っているようで、接着面が浮いて表面に段差があります。そして乾燥しきっているのか、ミシミシいいます。一旦、接着面を剥がして綺麗にし、もう一度綺麗に密着させます。そうしないと、レンズを入れたときに結局外れそうなので。

トップの写真は、接着させて全体をヤスリ掛けして表面の古い塗料を落として滑らかにした状態で、オイルワックスを染み込ませています。再着色と、木全体にしなやかさや柔軟さを持たせるのが狙いです。元々は表面の着色のみで、ワックスが木の内部に染み込んでいる様子は無かったです。乾燥したミシミシ感は、おそらくその為でしょう。

ここまでやってレンズ装着時にリムが切れたら、そのときにまた考えます。今日は一旦乾燥待ちです。

(最初の状態)

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製品試験
メガネのはなし

16.11.30

暮らしの手帖(1979年 11/12月号 63)にて、メガネとメガネ店の製品試験が行われていました。古本で見つけました。暮らしの手帖の花形企画に、メガネがテーマとして取り上げられてて嬉しいですね。

正直、その時代の正しいとされていたこととか、諸々現代との差異はありますし、推測でその時代の状況を鑑みても何だかなぁと、思わないことは無いです。ドラマ「とと姉ちゃん」での洗濯機メーカーの気持ちが少し分かりました。

ただし、この暮らしの手帖の問題提起は大事だと思います。例えば、今も同じような提起が出来てしまうメガネ業界の状況は、この雑誌から40年ほど経っていますが、良い方向に全力で向かっていないということの証でしょう。

また、メガネの専門誌も昨今増えてきていますが、メガネ業界への自己言及がほぼ無いような気がしています。それも、この暮らしの手帖を見て感動した理由の一つです。業界外の雑誌の方が切り込みが鋭い訳です。しかも昔の。

ブルバキとしましては、周りがどうこうではなくて、お客さんに助けてもらいながら粛々と精進するのみですね。

個人的に左の男の方の掛けているメガネが、メチャメチャカッコいいと思っています。

最近考えていたこと
雑記

16.11.25

コンセプトが大事なのか、そこから産まれる表現が大事なのか。お客さんからそういう話をして頂き、確かにどちらが大事なのか考えたことも無かったなぁ、、、と、ぐるぐる頭の中で転がしておりました。

どっちも大事という答えで一蹴せずに考えてみると、結構時間が潰れます。そもそも、コンセプトとは何だと、私は先ずそこも怪しいわけです。なので、辞書的意味から探りを入れます。

(デジタル大辞泉)

1 概念。観念。
2 創造された作品や商品の全体につらぬかれた、骨格となる発想や観点。「コンセプトのある広告」

概念や発想なんですね。そうしますと、私的に気になるのはコンセプトの前段階である動機ですね。動機の曖昧なコンセプトが多いのかもしれません。ユニークさの源泉を、そこに感じています。曖昧と言いますか、無機質な感じと表現した方が良いかもしれません。

理想としては、動機とコンセプトを理念と照らし合わせてみて、おおよそ合致させたところから表現を始めてみるという感じでしょうか。

ということで、自分のやっていることの反省を今からします。

ザイル第2章
メガネのはなし

16.11.25

メガネ業界のザイルについて、あれこれ読む側がウンザリするほど書きました。

過去のブログ:アメリカンヴィンテージの素材

あれから

「そういえばアメリカンヴィンテージには、ザイルクラフト(ZYL-CRAFT)というメーカーがあったな」

とか、あれこれ思い出すこともあり、ザイル=セルロイド説が正しいのかどうか、判定がグレーになっていました。とりあえず、ザイルという素材の呼称は、1950年ごろのアメリカにはあったことになります。

そして今回、入荷した商品のペーパースリーブを見て、ザイルとあらためて対面することになりました。

ザイル=ZYLE

ただ、この綴りで検索しても、ZYLで検索したのと変わらない感じでした。ZYLE&materialにて検索しても、結局ZYLで引っかかるので、それ以上の進展はありませんでした。

「メガネ専用で作られた、耐久性に優れた素材」等々の表現をよく見かけますが、だとしたら今も使われているとは思うので、真相は闇のまんまという感じです。何の為にその僅かな差に固執していたのか、自分でも分からなくなってきましたので、この辺で止めておきます。

雰囲気が変わります
ヴィンテージのメガネ

16.11.24

海外からの入荷があります。今は届きまして、洗浄、磨き、型直し、パーツ交換の最中です。土日には完全に並びます。ぜひ、お越しください。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

16.11.23

80年代の日本のヴィンテージメガネ。それに、緑の50%の濃度のレンズを入れました。度付きのサングラスです。便利ですよ。

バイクに乗る方なので、大きめのレンズは実用的でもあります。冷たい風が目に入りにくいので、涙が滲みにくくなります。薄めの緑が、クラシックな雰囲気を高めています。コーティングも白色の反射のレンズにして、出来る限り質感を高めることに努めました。子供っぽくオモチャっぽくなりすぎずに、いい風合いです。冬は、服が重たくなるので、逆にメガネはこれくらい軽い感じでも面白いかもしれません。

ケースは、レイバンを意識しております。

乱視の乱という字がしっくりこない
目のことレンズのこと

16.11.20

乱視の補正をちゃんとしてあげますと、おおよそ次のような返答が、お客さんから貰えます。

・くっきり輪郭線が見える

・色が濃く見える

どちらもその通りだと思います。各人それぞれの感じ方、表現をされます。特に乱視の性質上、色の濃淡や鮮やかさは顕著ではないかなと思います。メガネ屋さんで比較されると面白いです。

ここからが大事で、つまりレンズの度数一つで、ボヤけるボヤけないの他に、色の濃さとか見るものの見え方が変わります。今日のお客さんは、地図の立体感がもの凄いと仰っていました。等高線につけられた濃淡が、そのまま起伏に見えたようです。

ヒッピーの時代は、クスリで脳の処理に変化を加えることにより、世界の見え方や捉え方を変えていました。サイケデリックアートは、まさにそのように世界が見える結果なんでしょうね。

それと同じように脳の処理を変えなくても、脳への情報、つまり目に入る光をどうするかによって、世界の見え方云々が変わるわけです。

ですから、こちらとしては責任重大ですし面白いところでもあります。レンズを変えたら、例えば木々の葉っぱが風に揺られてうねるように見え始めるかもしれません。今日レンズを試された方は、写真を撮るひとでした。ひょっとしたら、今までは無視してきた物に惹かれるようになるかもしれません。今までと被写体が変わるかもしれません。言い換えますと、世界の切り取り方が変わるということでしょうね。カッコつけて言いますと。すみません。

ちょっと大げさでしたが、レンズも面白い物です。フレームだけがメガネでは無いですし、むしろやっぱりレンズに深い部分を感じてしまいます。

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