サンプラチナのツーポ、ラウンド45ミリです。ゆるやかな弧を描くブリッジに、曲線による模様を手彫りで埋めました。曲線の模様の方が、そのカーブに沿わせやすく綺麗に納まります。
テンプルは、ヴィンテージのボシュロムフレームから採用したダイヤ柄です。
ヴィンテージのフレームも、全部が揃いの柄では無くて、適模様適所だったりします。ブリッジにこのダイヤ柄を手彫りで入れられないことは無いのですが(過去には彫金した事例もあります)、模様からブリッジに沿った選択をすることで、よりバシッと美しく仕上がります。
ラウンドのツーポは今の時代に、めっちゃ良いですね。程よく時流に乗りつつ、程よくこれまでのクラシック路線で。半歩先くらいな感じです。そもそもラウンドもツーポも、メガネ的には昔から存在しており、オーソドックスとか普遍のカテゴリーに振り分けられると思います。流行っていなければ、クラシックでオーソドックスを押さえていますよと、硬派なオーラを出せば良いのです。流行っているならオシャレで良いでしょというノリの良いオーラを纏えば良いだけだったりします。
巷のメガネがガラッと変わっていきなりツーポ、何なら細めのツーポという時代には突入しておりませんし、そもそも突入するかどうかも分からなかったりします。そんな中、たまたま自分は好きで掛けていただけなのに、周りの評価がガラッと変わって急に褒められるようになったときの嬉しさと言ったらもう。けっこうな充足感だったりします。
手彫りのキラキラにしても、グランジやポストグランジにおいても根強く残る粗野がカッコいいという土俵に対して外す、逸れる、逃走する機能として永らく作動してきました。今年になってからは、ジェントルモンスター的なメガネによる転換があり、キラキラしてカッコいいと、割と直球で言っていただけることがあります。かなり嬉しい反面、褒められ慣れていないのでやや複雑な心境だったりもします。